ひたすら受験問題を解説していくブログ
東京大学2016年前期生物第3問III
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解説

内容は大したことないんですけど,正直なところこいつのせいで時間が圧迫しているのではないでしょうか(pdfで解いているから行ったり来たりでそう感じているだけかもしれませんが)。文3のくせに大問二分割でも多めな量です。

A 6:一定に保たれる 8:4n 9:8n
トライコームとかどうでもいい話です。複製だけ起きればその都度に倍です。トライコーム以外でいうと唾腺染色体なんか有名ですね。

B 3
明暗をなくしても同じ周期であることが図3-2で分かります。

(1)採餌って個体がするんではないの?
(2)変わってません
(4)温度の実験ないですよ

C ある調節タンパクが別の複数の調節タンパクを発現させる。その調節タンパクが同様に働いて指数的に発現遺伝子数を増やす仕組み。

カスケードとか言われてる奴ですね。よく見られるもので,細胞内シグナリングとかもカスケードで様々な反応を引き起こします。

D ジャスモン酸:16時間後 採餌:12時間後

明暗逆位相でジャスモン酸の周期が変わるなんて一言も書いていないことが不満です(暗による変化はないけど,明による変化はあるということでしょうか?図3-4から一応わかりますが明記しといてくれと思います)。

図3-2によるとジャスモン酸は明期の4時間目,採餌は暗期の0時間目にピークです。図3-4をみると植物は暗期スタートなので,12+4=16時間。幼虫は明期スタートなので12時間後です。

アブラナ科といい,この行動周期といい,もしやこの幼虫はヨトウなのでしょうか?家庭菜園の敵で,ジャスモン酸なんか効いてないだろと思う勢いで食べて丸裸な気がするのですが。

E
ジャスモン酸によって生じる化学的防御反応に関与する物質の合成はピーク後の約6時間の間で起こるため,同位相では採餌のピークと防御物質のピークが重なるが,逆位相ではジャスモン酸による防御と採餌のタイミングがずれるから。

残存葉面積の違いはジャスモン酸の周期の違い(採餌を固定で考えて良い)なので,ジャスモン酸がいつ何をやっているかを考えれば上記の様な解答になります。防御反応に関してはCの問題文にヒントが書かれており,それも考慮して解答を作りましょう。
また,周期に関してDが誘導になっています。


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東京大学2016年前期生物第3問I-II
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解説

IICが個人的には謎です。仕方なく選んでます。後は普通ですが,他の単元よりも考察に知識が求められる気がしてなりません。

A 1-⑫ 2-④ 3-⑥ 4-⑩ 5-⑤
2:不消化排出があるということはそこに含まれているエネルギーはロスします。したがって”以下”ではなく”未満”です。
3:ロスがあるということは減るということです。一時的な逆転は生じても長い目で見ればエネルギー量は高次の方が低くなるでしょう。
5:多様性が増すと提供側の生物群衆自体が利用する資源の量も増え(様々なニッチを有する=様々な資源を使う),生態系機能の量も増加します。また提供される機能の種類も多様性が増すと増加します。

II
A
ラッコが浅場でウニを捕食して減少させ,浅場でのウニによるケルプ捕食量が減少したから。

ラッコとケルプは直接つながらないので間接効果を考えます。ウニしかないですね。図3-1にはウニとケルプの逆な関係が見れる上に,食べると書いてあるのでこんな結論になります。

B
サンゴモはケルプの様に背の高い群落を作らないため,他の生物の住処や繁殖場所にはなりにくいから。

サンゴモの紹介文に高い群落を作らないとあります。なのでそこから妄想して答えることになります。

C (2)
横軸が時間なら余裕で(2)なんですが生物多様性かよと不満です。とりあえず多様性と生態系機能の正の相関は問題文中に明記されているので,(1),(2),(3)です。問題文にはキーストーン種がいると多様性が担保されるとしか書いていないので決め手は皆無ですが,キーストーン種の存在で生態系機能が一気に上がると考えると(2)になります(でもこれって,多様性も一気に上がらね?そこって常識なんでしょうか?)。生態系機能が後半から上がっているのは,キーストーン種は捕食者であることが多いので,ある程度多様性が確保された後に出てくるんでしょうかね?

D 1738
200,000×365=30×1000×2×0.7×x⇔x≒1738

正直糞問

E (4)
捕食者に食べられて被食者は減るので,捕食者の増加に対して遅れて減少し,減少に対して遅れて増加します。
シャチ増加→ラッコ減少→ウニ増加→ケルプ減少となります。

本問では関係ないですが,被食者の減少より捕食者の減少,被食者の増加に捕食者の増加が後追いするので,条件が合えば周期的に振動します。


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東京大学2016年前期生物第2問II
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解説

あまり難しい考察は求められず,素直な気持ちで答えればどうにかなります。にしても穴埋めが多すぎませんかね。

A 4:独立栄養 5:従属栄養

B 10:チラコイド 11:クロロフィル 12:カルビンベンソン
葉緑体の構造を知っていればそれで終わりです。11は光合成の色素なのでクロロフィルです。

C
脂肪をエネルギー源にするだけではなく,炭素源としても活用し,糖新生経路によって糖を作り出すことができるから。

変異体x,yは糖がないとダメなので糖を作り出せないということになります。野生株は無くてもいけるということから,自分で糖を作っていると言えます。

D 24
脂肪酸は3つついているので,16×3÷2=24です。

E (3)
β酸化経路によって生じるIAAはオーキシンであり,根の発育を阻害するから。

実験4で変異体xはIBAの影響を受けないため,β酸化がダメになっていることが分かります。変異体yは野生株と同じなので,β酸化は正常です(実験3の結果より糖新生そのものがダメなんですね)。


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東京大学2016年前期生物第2問I
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解説

特に難しい考察もなく,解きやすい問題です。実験結果は結果の違いと条件の違いを対比させましょう。

A 1 共生 2 根端分裂 3 茎頂分裂 (2,3は順不同)
1 葉緑体やミトコンドリアはそれぞれシアノバクテリアと好気性細菌が真核細胞に取り込まれて共生したものです。ちなみに核などの膜構造は細胞膜の陥入でできたといわれており,核とミトコンドリアの成立順序は不明ですが,ミトコンドリア→葉緑体であることはすべての真核生物にミトコンドリアが存在することからわかります。

2,3 未分化の細胞と言えば答えの頂端分裂組織と形成層です。

B
酸素による有機物の酸化でエネルギーを得る好気性生物の進化を可能にした。

完全な酸化が可能になり,同量の有機物で多くのATPを合成できるようになりました。それと同時に活性酸素による問題も生じているので一長一短ではあります。

C 白色体 (アミロプラスト,エライオプラスト,プロテイノプラスト,有色体も可)
有色体はカロテノイドなどの色素を多く含みます。アミロプラストはでんぷんの合成と貯蔵です。
白色体は広義には白ければなんでもいいのでアミロプラストとかエライオプラスト(脂質の貯蔵)を含みますが,狭義には別のものでモノテルペンの合成です。
これらの元が同じなのがびっくりです。

D 6 プロモーター 7 リボヌクレオシド三リン酸(NTP)
転写の際にRNAポリメラーゼが結合する部分と言ったらプロモータです。RNAはNTPの高エネルギーリン酸結合を利用しつつ5'のリン酸と3’のヒドロキシ基間でリン酸エステル結合を形成して作られます。

E
葉緑体への移行と局在化を指示する機能を有する。

領域Iがあるときのみ葉緑体に存在するので,この部分にシグナルペプチドが含まれます。シグナルペプチドは行き先(格,ミトコンドリア,小胞体など様々)によって決まったアミノ酸配列であり,受容体によって認識され,役目を終えたら切断されて除去されます。

F 葉緑体の形成には色素体のリボソームで合成されるタンパクが不可欠である。
実験2では色素体のリボソームを阻害しているので,そこで翻訳されているタンパク質が作られなくなります。実験結果によると作られなかった場合には葉緑体は形成できていません。

G (a) 8 B 9 A (b)オイアエウ

rpoAを破壊するとPEPコアサブユニットがダメになるので,PEPの機能がダメになります。つまり,野生株で+で破壊株で-のものはPEPによって転写されているタンパクだと言えます。つまり,タイプAがPEPによって転写されます。したがって,タイプBはNEPによる転写です。
PEPのサブユニットであるrpoBがNEPによって転写されていること,および,破壊株でもタイプBは合成されていることから順序が決まります。

ちなみに,破壊株でタイプBの合成が野生株より大きいことはPEPができないためのフィードバックか,リソースがそこにしか割けないからでしょう。


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東京大学2016年前期生物第1問
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解説

なんか個人的にはどこかで解いたような問題です。どっかの医学部かなんかですかね。素直な心をもって臨めば解けるように丁寧に作られています。難易度は所要時間も含めて低いと思います。

A (2),(4),(5)
(1)○血液などの結合組織は中胚葉です。その元である骨が中胚葉であることからもわかるかと思います。
(2)×血液から血球系(血小板を含む)を除いたものが血しょうです。
(3)○紛らわしいのは好塩基球→アレルギー,好酸球→アレルギー制御(炎症抑制)と寄生虫
(4)×虫とかにもあります。
(5)×B細胞は骨髄で遺伝子の再構成と免疫寛容,その後に脾臓やリンパ節に移動して成熟(変異が起きやすくなって免疫グロブリンの最適化などが起こります)。ランゲルハンス島はインスリンやグルカゴンの分泌。

B
骨髄移植では造血幹細胞が移植されるため,正常な赤血球が作られ続けるが,輸血では輸血された赤血球の寿命までしか効果がないから。

本文中に寿命に関しても明記されているので一段落目をしっかり読んでください。

C 1門脈 2肝臓 3腎臓 4胆管 5十二指腸
門脈は小腸をはじめとした消化管(栄養素など),脾臓(赤血球破壊時に出るビリルビン)や膵臓(インスリンとか)からきてます。小腸では脂質以外の分解産物は毛細血管に吸収されます(脂質系統であるモノグリセリドと脂肪酸はリンパ管である乳び管)。肝臓はアンモニア処理や血糖値維持など多くの恒常性維持に関わっています。薬物などで脂溶性のものはグルクロン酸抱合(グルクロン酸は水溶性)などされて排出されていきます。

D (4)
ただCBC細胞が光っているだけなので,上皮細胞がどう作られるかに関する情報はありません。

E
免疫グロブリン 
タンパク質の各部が複数のパターンから選択されることによって,多様な抗原に対応できる可変部が得られる。

T細胞受容体
タンパク質の各部が複数のパターンから選択されることによって,多様なMHCに対応できる可変部が得られる。

各パーツのパターンをかけ合わせると結構な数になりますが,実際にそれだけですべての抗原にピッタリくっつく抗体はできないので,突然変異の乱発による微調整が入ったりします。

F (1)発する (2)発しない (3)発する (4)発しない
遺伝子の再編成は不可逆的です。したがって,一度起こってしまえばLがなくなり,すべての細胞で発現するR遺伝子の転写調節領域とGFPがつながるので,どの細胞だろうがGFPが作られます。再編成が起こる条件はTの存在とCの発現(Lgr5の発現にもなります)が同時に起こることです。
(1)同時に起こります。
(2)Lgr5がないのでダメ。
(3)同時に起こってます。その後は関係ありません。
(4)だからその後は・・・

G 維持される
既に領域Lは再編成によって取り除かれているため,GFPはR遺伝子の転写調節領域によって発現するから。

H
CBC細胞は入れ替わることなく分裂し,少なくとの1年はCBC細胞を維持しつつ,上皮細胞を再生産する。

別のところからCBC細胞が作られると再編成がなくなってしまうので,1年後にあるCBC細胞は初めのCBC細胞のクローンです。

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