ひたすら受験問題を解説していくブログ
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京都大学2014年物理第3問
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解説


前半で断熱変化を統計力学的に微視的なところからとらえて,後半ではそれを活用しつつ普通の熱力学な問題です。やっていることは特に前半は面白いのですが,気体の分子運動論の問題は全て解き方が同じな上,ほぼ同じ内容が有名どころの名問の森に載っていたりします(私が持っている版,下のアフィでいう右では44問目)。そのため,京大受験生の多くにとっては見たことのある問題だったのではないかと思います。後半も断熱変化の傾きは違うという話ですが,有名どころですね。


(1)

運動エネルギーの差をとります。
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(補足)Δvx
弾性衝突なので反発係数が1より,左向きを正として’付きを衝突後とすると,
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ぶつかった後にもう一往復するともう1回ピストンにあたるので,ピストンの速さと分子の速度増加は無視できるので,
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”あ”×”い”なので,
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Δtだけvpで進むので,
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全ての方向の速さが等しいということなので,
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ボルツマン定数は1分子あたりの気体定数なので,
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”え”のエネルギー増加が運動エネルギーの増加になっているので,eとTの関係式を立てて差分を考えます。
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”き”で出てきたΔTの等式をTで割ってやります。
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与えられているTとVの関係式にPV=nRTを代入します。
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【参考】断熱圧縮の式
”く”から微分方程式を立てて求められます。
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他の求め方としては熱力学第1法則より,
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定積モル比熱cvは単原子分子では3/2なので,問題中の式と合致します。

(2)

問題文によるとA→BとC→Dは断熱なので熱の出入りはありません。よって,残りのB→CおよびD→Aを考えることになります。いずれも定積変化なので∆U=∆Q-P∆Vは∆U=∆Q=3R∆T/2となるため,温度が高くなるB→Cのみで熱の吸収が起こります。よって,
3R(TC-TB)/2


”こ”同様にD→Aで放出が起こり,
3R(TD-TA)/2


熱効率は吸熱と放熱の差を吸熱で割ったものになるので,
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εはVで表記されており,これを使うので,TをVで表します。”一定”をCとして,表すと,
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となり,このCはABとCDで異なることに注意して
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問1
要するに断熱だったところを等温とのことです。等温ではPV=一定で,断熱はPV5/3=一定なので,Vが増えると等温の方がゆるやかにPが減少します。よって図は,
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のようになり,A→B'で外部からされる仕事が小さくなり,C→D'で外部にする仕事が大きくなるため,合計の正味の仕事も大きくなります(単にABCDとAB'CD'の面積比較でOKです)。この差は膨張時には吸熱し,圧縮時には放熱してそれぞれPが大きく,小さくなるためです。

問2
これも断熱と等温に注意してやります。断熱の場合は圧縮されるとTは増加するので,
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京都大学2014年物理第2問
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解説


コンデンサーかつ抵抗というよくわからない状況ですが,図4に回路図もあり落ち着けばなんということのない問題です。交流だろうがキルヒホフればそれで終わりです。

(1)

V0でI0流れるので,抵抗はV0/I0となります(図4のような回路として扱えるということです。コンデンサーと抵抗を直列ならば一定に落ち着いたあとは電流が流れません)。


抵抗は長さが長くなると増え,面積が大きくなると小さくなります。抵抗率は単位面積かつ単位長さのときの抵抗なので,
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交流でもオームの法則は成り立つので,単に抵抗で割ればいいです。
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電圧降下の式を立てて微分します(通常はIの方をsinωtでおきますが)。
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よって,π/2です。


流れる電流はハとニの式の合計になるので,
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のように合成できますが,図3によると位相のずれはπ/4だけ電流の方が進んでいます。つまり,sinの係数とcosの係数は同じになります。
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比誘電率を使ってCを表してホの結果と照合します。
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ホの途中式に代入します。
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問1
Rに流れる電流の最大値をIRとすれば,比誘電率が同じで形状も同じならばCは同じになるので,位相がπ/4だけ進んでしまう条件は
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となり,電流が2倍になります。よって抵抗は1/2倍になるので,抵抗率も形状が同じならば1/2倍です。

(2)

Q=CV⇔V=Q/Cです。


チに代入すれば0です。


コンデンサーの電圧が0ということは内部抵抗のみで電圧降下が起こるので,V0/rとなります。
(電池を含まないコンデンサーのCとRからなる閉回路を考えれば,Cの電圧が0なのでRの方の電圧も0となり,Rの方には電流が流れません)


十分時間が経ったあとのコンデンサーに流れる電流は0なので,抵抗と内部抵抗が直列になっているだけの回路です。よって,電圧を抵抗の和で割ればいいので,
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問2
コンデンサー両端の電圧をVとして電圧降下の式を立てれば(コンデンサー内の抵抗の電圧も同じVです)

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となります。初めはコンデンサーに電荷はないため0であり(別にヌを代入してもいいです)、終わりはルを代入してやれば,
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となります。図6を元に書いてやれば,

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京都大学2014年物理第1問
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解説


前半はぬるい問題で取れないときつい印象です。後半は内容としてはそれなりに高度ですが,散々問題集で取り扱われている動く単振動です。

(1)

問題文に書いてあるように,正の方向にそれぞれのバネからklの力を受けるので
ma=2kl⇔a=2kl/m


同様に-2kl/M

ウ,エ
運動量とエネルギーの保存です。vを小球,Vを台とすると,
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(2)
オ,カ
(1)で-lだったものがdになっただけです。それに新しい力Nを入れてあげれば,
Ma1=N+2kd
ma2=-2kd


カの方程式はバネ定数2kの単振動で,始動は0からマイナスなので,
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エネルギー保存則からAを求めると,
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【別解答】微分による解法
単振動の式を微分するとAω=v0になるので,A=v0/ωです。


垂直抗力が0になるのは2kdが0以上になる瞬間です。つまり,d=0となる1/2周期後です。よって,
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(3)
問1
”単振動となることを示せ”はお決まりの文言で,単振動と同じx''=-bxという式を作ってやることになります。台車から見た小球とあるので,台車基準の座標で考えます。
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となり,相対座標で取ったものが単振動になります。


外力が働いていない系の重心は等速直線運動をします。というか外力のみを考えた運動になります。壁から出る離れるときに小球の速度が正方向なので静止ではなく等速になります。

【参考】重心の運動
物体iの重さをmi,加速度をai,働く外力をFi,物体kから受ける内力をfkiとすると,物体iの運動方程式は以下のようになり,全て足してやると,
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となり,重心の加速度が外力のみに依存することが分かり,これを積分していけば重心の速度や位置がでてきます。


等速直線運動で運動量は保存するので,台から離れる瞬間は球が右向きにv0で動いているだけなので,
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質量比の逆比が重心からの距離になるので,問1の単振動をm:M に分けたmの方が台車の重心からのズレです。よって,単振動部分の速度を積分したものが位置になるので,
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シ,ス
速度はサを微分して考えます。
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問2
壁を離れる前の台は一定なので,重心は小球の単振動のグラフをm/(M+m)したものになり,離れてからは重心はコ,台はサになります。速度が最大の点は単振動の中心を右向きに通過するときになるので,その時間は初めの単振動半周期+次の単振動半周期になります。グラフにすると,
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京都大学2014年物理解説
京都大学2014年物理の解説です。平易な問題が多くて物理が得意な層のHPは削れない感じですが,第1問のサ以降,第2問のホヘト及び問1,第3問の問1問2あたりは微妙に発展的で差が出ているかもしれません(第3問の(1)は面白い内容であり,内容自体は発展的なものですが,もはや全部誘導で簡単になってしまっています)。

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京都大学2013年物理第3問
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暗記とかではなく、式を立てて着実に処理できるかです(計算は他の大問に比べると楽です)。それさえできれば基礎的な内容なので本問題も満点は狙えます。微積は気にせずに使うので、微小量はΔ表記ではなくd表記にしております。

モル比熱からAは単原子分子、Bは二原子分子だったりします、これらの比熱の違いは自由度(分子の回転にかかる自由度)に差があるから変わってきます。回転できるとそれに費やすエネルギーも増えるということです。

あい
状態方程式PV=nRTに入れるだけです。それぞれ
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(1)

内部エネルギーは定積比熱nCVと温度の積になります。よって
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dW=PdVなので両辺を積分しますが、終点のVの値が不明です。状態方程式から、Pが一定ならばVはTに比例するので、終点は2V0です。よってW=P0(2V0-3V0/2)=P0V0/2


dQ=dU+dWなので、う+え=7P0V0/4


大学生なら忘れてても導けますが、高校レベルでは完全に知識問題でR。

き、く
代入するだけです。きは5/2÷3/2=5/3。くは7/2÷5/2=7/5です。

(2)
断熱変化の式が与えられているので、それに沿って計算してやります。
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ですが、終点がどういう時かは「DがストッパーSに接触」とあるので、これを考慮します。つまりBの体積がV0ですが、温度一定のときPV=一定なので、
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となり、代入すると
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問1
内部エネルギーの変化で等式を立てます。Bの内部エネルギーは変化ないので、
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右辺はPとかVが来るので、じゃまなTをPやVで表してやります。状態方程式より、
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また大気の圧力は一定なので、
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以上から、
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別解
別に、Qを求めてしまっても構わんのだろう?
とりあえず定義どおりdW=PdVなので積分しますが、PがVの関数で表せていないと積分できません。なので、V=VA+VBにAは断熱変化、Bは等温変化のPとVの関係式をぶち込みます。
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が得られますが、VがPの関数(つまり逆関数)の形です。P=の形にするのは面倒なので積分を置換積分で求めます。
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ここからP0dVの積分、つまり大気のした仕事を引いてやればWがした仕事だ出ます。
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ちなみにlogの項はVB由来で、Bに関してdU=dW-Q=0よりdW=Qとなり、logの項がQです。

(3)

断熱変化の式にぶち込むだけです。
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問2
Aは断熱変化、Bは等温変化の一定式からPをVで表してやります。
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(4)

ストッパーから離れる瞬間の圧力はAの圧力と同じです。よって断熱変化の式より、
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Aの体積は2V0に戻っています(ゆっくりヒストンを操作する断熱変化は可逆なので、というか断熱変化の式でもいいですが)α=5/3、β=7/5なので、2の指数、つまりα/β=25/21と1を比較して①が正解です。


Aがした仕事は往復で打ち消しあっているので0です。一方Bは膨張時の方が同じVでも圧力が高く、また、しで見たようにより大きい体積になっていますので、Bがした仕事(VPグラフの下側の面積)は圧縮でされた仕事よりも大きくなります。これにはじめの温度上昇による膨張を加えれば、更に多くの仕事をしています。よって②です。
一応Bの帰り道のグラフも載せておきます。斜線部が往復でBが外部にした仕事です。
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