ひたすら受験問題を解説していくブログ
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大阪大学2013年化学第4問
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標準的なレベルの問題です。特にいうことがない感じです。

問1 14通り
まずアミノ酸には方向があるので、数学でいう単純な重複順列に相当します。1箇所の選び方は2通りなので、24=16通りが、2つのアミノ酸から構成され得る種類の数です。ここから、1つのアミノ酸のみで構成される、グリシンのみアラニンのみの2種類を引くと14通りあり得ることがわかります。

問2
実験2ではジペプチドBが直鎖脂肪酸Cの2倍出来ています。元々、Aが直鎖脂肪酸と4個のアミノ酸からなることも考慮に入れれば、AがB2つから構成されていることがわかります。また、実験1(もしくは実験3)から、Bはグリシンとアラニンをともに含むことがわかります。
また、実験3からBのアミノ基を含むアミノ酸は旋光性を示さないため、グリシンであることがわかります。
ペプチドとアミノ酸の結合はアミド結合であることから、このグリシンのアミノ基がCとの結合に使われていることがわかります。よって、
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問3 M/114
最終的に求めたいのは、水素のモル数/飽和脂肪酸のモル数です。水素の方は標準状態の体積からすぐ出ます。
一方の飽和脂肪酸は、飽和脂肪酸の質量/Mでもとめられるので、飽和脂肪酸の質量をまずは出します(単位はすべてミリ付きです)。
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問4 228
M/114が整数になり、Aが500以下の時点で、114、228、342、456に絞れます(アミノ酸も引いてやれば114、228までに絞れます)。
設問で与えられている一般式の分子量は、12(n+2)+16・2+1(2n+4)=14n+60です。14nなので、14で割ったあまりを考えれば、Mも4(60/14のあまり)余ることになるはずです。つまりM=228が得られます(複数ありえる場合はここでちゃんと分子量チェック)。ちなみにn=12で炭素の数は14です。

問5
問3と問4から二重結合は2箇所あることが分かるので、その位置がオゾンによって切られます。切られたところがカルボニル化合物になることを考慮すれば、問題文の図の左-右×z-真ん中で構成されていることがわかります。
2箇所ということはz=1であり、そうすると、炭素の数からy=14+1-3-6-2=4とわかります(+1はメタノール分増えているので。)
構造式にすると、
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大阪大学2013年化学第3問
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問5が難しく、問7も結構盲点な気がします。

問1ア:2 イ:10 ウ:縮合 エ:アゾカップリング (カップリング)

ひっくり返して同じになるものを除いて考えると、以下の2種類があります(ベンゼン環が重なっている部分の炭素には水素がないため置換できません)。
handai_2013_chem_3a-1.png


アを利用すると簡便です。アの図の左から新しくつけられる箇所は7箇所あります。アの図の右からも7箇所に見えますが、アの左と同じ位置についているものは既に数えてしまっているので、3箇所になります(下図参照)。
よって、10種類あり得ます。
handai_2013_chem_3a-2.png


2つの官能基が結合する際に、2つの官能基の一部が脱離し、残りの部分が結合する反応を縮合反応といい、縮合重合は、この縮合反応によって重合体(ポリマー)が形成される反応のことを指します。
本問題の反応はエステル結合を形成する反応なので、脱水が起こるタイプの縮合重合になります。

尚、重合体はこのほかに付加反応(多重結合の一本を切って変わりに結合する反応)による付加重合によって作られるものもあります。


ジアゾニウム化合物と芳香族化合物を選択的に結合させてアゾ化合物を合成する反応のことをアゾカップリングといいます。

問2
同じ状態の炭素が存在すると言うことは,分子内に対称性を有すると言うことです。なので分子内に対称性をもつもののみ書き出して数えてやればOKです。
一応,各構造において区別できない炭素を同じ数字で表したものを以下に示します。
handai_2013_chem_3a-3.png
よって最大は6組で、その構造式は上の図の通りです。

問3
芳香族の酸化では、ベンゼン環についた炭素がCOOHになります。よって、CH3がCOOHになる反応×2ですから、
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問4 2.5×1021
反応と共に構造式を描いておきます。エステル結合の-O- がエチレングリコール側に描いてあるのは、反応の機序的にエチレングリコール由来の酸素だからです。
handai_2013_chem_3a-5.png
重合度をnとして、端のOHとHを無視すると、分子量はn(C14H10O4)=242nとなり、1.0gでは1/242nモルです。また、環の数は1分子あたりn個なので、1モルあたりn×アボガドロ数個となります。よって、かけあわせることにより2.5×1021個となります。

問5
両ポリマーとも環による平面構造が重なって結晶領域を構成するが、その領域の大きさは環の大きいPENの方が大きくなるため、その分強度が増す。また、ベンゼン環よりもナフタレン環の方が紫外域のモル吸光係数が大きいため、紫外線遮断性が高くなる。

プラスチックと呼ばれるものには結晶性のものと非晶性のものがあります。本問のPETやPENのように平面構造を持つなどして重なりやすい構造を持つ場合には、そこの部分が重なり合って、部分的に結晶構造を形成します(ただ、ベンゼン環をもっていても非晶性プラスチックになるものはいくらでもあります)。
基本的な傾向として、結晶性は硬く剛性があり、非晶性は耐衝撃性にすぐれる素材であることが多いです。

吸光に関しては一般にベンゼン環の数が多くなるほど長波長側にピークをもち、吸光度も大きくなります(といわれてるけど、吸光度は対称性が関係するので、そんな単純にいくものか疑問だったり。波長はベンゼンに限らず共役系(交互の二重結合)を持つものは、その部分が長くなるほど長い波長にピークを持ちます。)

問6
まず、ジアゾ化は以下の通りです(酸の強さが悩ましいところで、スルホ基にHがつくかNaのままなのか自信なし)。
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オレンジIIは次の反応で生じます。
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【参考】
オレンジIIにおいてナフトールの他の位置がアゾらない理由は共鳴構造による安定化(ベンゼンだと二重結合の位置が2通りかけますが、このような構造を共鳴構造といい、描けるパターンが多いほど安定します。)によって説明できます。
ナフトールの共鳴構造をリストアップしてみます(挙げ忘れがありそうですが)。
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となるので、マイナスの位置に注目してみれば、図でナフトールの左隣の位置にマイナスがくるものだけ2通りかけ、安定的にマイナスを帯びていることがわかります(つまりは、そこが一番マイナス寄りになりやすい炭素だということです)。ジアゾ基は見てわかるとおりプラスのイオンなので、このマイナスに安定した炭素に攻撃します。

問7 イオン結合
オレンジIIは陰イオンな箇所があるため、これが羊毛などのアミノ基などと結合します。塩基性染料は逆に陽イオンな箇所があるため、陰イオンを含む素材を染められます。

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大阪大学2013年化学第2問
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電解と気体の変化を混ぜただけの問題で、やってることはいつもの問題ですが、水の蒸気圧を考慮し忘れたり、計算が下手ではまってしまう人が結構いたのではないかとも思います。設問で言うと問3のウと問5が少し難しめということです。

問1 陽極:4OH-→4H2O+O2↑+4e- 陰極:2H2O+2e-→H2↑+2OH-
基本的に存在する陰イオンが陽極に、陽イオンが陰極に移動して電子のやりとりをします。
なので、陰極ではHとNaが移動します。電子のやりとりはイオン化傾向にしたがって行なわれるため、Hが電子を受け取って水素になります。
しかし、塩基性の場合はHが少なく、水の平衡によって水から供給されるため、反応式ではHではなく、水を水素の発生源としてかきます。

ちなみにこれってNaが還元されるとしても同じ式が得られたりします。
つまり、できたNa金属が即座に水と反応してNaOHになるので、結局水から水素が発生している式になります。

問2 1.9×10-2t+72
まず、はじめに72ml入っています。増加分は、問1の式より、陽極では電子のmol数の1/4の酸素が、陰極では1/2の水素が発生するので、電子1molあたり、3/4molということになります。
1秒間に流れる電子は0.1/(9.65×104)なので、増加分は状態方程式より、
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問3 ア:88 イ:98 ウ:92

問2に代入します。1.93×10-2×14×60+72≒88.2


PV=nRTよりPとnが一定ならば、体積はTに比例します。よって、88.2×333/300≒97.9


電気分解の酸素が全部あるということは、水素も全部反応するということなので、結局は電気分解によって生じた気体が水に戻るだけです。
元々入っていた気体は72mLなので、 27℃において電解生成気体は88.2-72=16.2mLです。水に戻すと、体積は2/3になるので、10.8mLが水相当分です。
さて、この水はどれだけ気体になっているのでしょうか?というのがこの問題の論点です。60℃の時の水の蒸気圧は大気圧の1/5なので、10.8/(72+10.8)より大きく、水はすべて気体であることがわかります。

よって反応後の水がすべて気体と仮定した27℃の体積、(72+10.8)=82.8を60℃に直すだけなので、82.8×333/300≒91.9mLとなります

問4 1.3×105Pa
仮に水が液化しないとすると、体積を3/4にした場合は状態方程式より、圧力は4/3です。
10.8/82.8が水のモル分率なので、4/3かけても36/207×105Paとなり、水の飽和水蒸気圧を超えません。よってすべてが気体で、圧力は4/3×1.0×105≒1.33×105Paです。

問5 3.7×105Pa
同様に液化しないと仮定すると(問4が液化しない時点で液化するとわかりますけど)、10.8/82.8×4×105Pa=108/207×105Paが水蒸気の分圧となるので、飽和水蒸気圧を超えています。なので液化しています。
一方元々あった気体の方は単純に体積が1/4になっているので、圧力が4倍になります。
もともとのモル分率は72/82.8なので、圧縮後の分圧は1.0×105Paと4をかけて約3.47×105Paです。

水の分圧と足してやると3.67×105Paとなります。

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大阪大学2013年化学第1問
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問6以外は点がとりやすい問題だと思います。一応、問4の結合エネルギーは苦手の受験生も多いところではあります。

問1
ア:4
遷移金属以外は○○族の一桁目が最外殻電子の数です。

イ:L ウ:M
原子殻はKから始まるアルファベットで表されます。また、それぞれに入る電子数は2,8,18・・・と2n2なる数列です。CとSiの原子番号が6と14なので、順に埋めていってもイウアはわかります。

エ:2 オ:6
12族のZnは遷移金属ではありません。また、Sも当然遷移金属ではないので、一桁目がそのままです。それぞれの元素を含むイオンや物質の酸化数を思い出してみても答えは出るはずです。

カ:両性 キ:酸性
酸にも塩基にも溶ける酸化物を両性酸化物、塩基に溶けず酸に溶ける(もしくは水にとけて塩基になる)酸化物を塩基性酸化物といいます。酸性酸化物は塩基性酸化物の酸塩基が逆の感じです。
酸化物に限らず、両性元素などでも同じ意味です。

ク:水ガラス
濃ケイ酸ナトリウム水溶液をこう呼びます。

問2
反応式:2ZnS+3O2→2ZnO+2SO2
Sの酸化物が一般的にSO2になることを知っていればただの数合わせです。

反応熱:439kJ
反応熱なので、反応する物質を1molとして反応式を書きます。
ZnS(s)+3/2O2(g)=ZnO(s)+SO2(g)+Q
与えられている表が生成熱だけなので、最終的にはすべてが単体にできることがわかります。
よって単体以外のZnS、ZnO、SO2を単体にするために、熱化学方程式を立ててやります。
ZnO(s)=Zn(s)+1/2O2(g)-348kJ
ZnS(s)=Zn(s)+S(s)-206kJ
SO2(g)=s(s)+O2(g)-297kJ
これを代入するときれいに単体が消えて、
Q=348+297-206=439kJとなります。

問3 HCl:ZnO+2HCl→ZnCl2+H2O NaOH:ZnO+2NaOH+H2O→Na2[Zn(OH)4]
基本的にZnOの邪魔なOをどう処理するかです。水素と結合させてやります。
酸との反応はそのまま水にするとして、2HClはすぐわかります。
塩基との反応は適当な水素イオンが塩基中にはほとんどないため、水から水素を得るしかありません。このとき、水素2つ結合させて水を生成すると、水から水を作るわけわからない式になるので、水酸化物イオンまでになります。あとは出来た水酸化亜鉛と水酸化ナトリウムの反応です。

つまりは、酸化亜鉛+水⇔水酸化亜鉛の平衡において、NaOHの水酸化物イオンによって右の水酸化亜鉛がテトラヒドロキソ亜鉛酸イオンとして除去されるため、反応が右に進み続けるという感じでしょうか。

問4 465kJ
平均結合エネルギーということは、総結合エネルギーと、結合の本数がわかる必要があります。
まずは総結合エネルギーですが、結合エネルギーなので、全部を原子レベルまでばらばらにしてやる必要があります。表をみてみると、生成熱という書き方になっていますが、C(気体)より下の部分が原子レベルまでばらばらにしている反応です。よってこれを活用してやります。
原子レベルの生成熱を使う(代入)ためには、代入先がなければいけないので、最終成果物であるSiO2を含む式を一本立てる必要があります。
SiO2(s)+911kJ=Si(s)+O2(g)
出てくる元素SiとOまでばらばらにしたいので、それらの生成熱の式を持ってきます。
Si(s)=Si(g)-451kJ
O2(g)=2O(g)-498kJ
これらを代入すると
SiO2(s)=Si(g)+2O(g)-1860kJ
が得られます。

あとは結合の本数を求めれば終わりです。下図のようにダイヤモンド構造なので、1つのSiあたり4個のOと結合しています。一方、Oは1つのOあたり2つのSiと結合しているので、結局のところSiO2内で4本の結合がされていることになります。
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よって、1860÷4=465kJ

問5 SiO2+2NaOH→Na2SiO3+H2O
忘れてしまう場合は、あくまでイメージとしてですが、三酸化硫黄(硫酸)と同じだと考えてよいでしょう。メタケイ酸がSiO2+H2O→H2SiO3で出来て、それが2価の酸なので2molの水酸化ナトリウムと反応するという感じです。

問6
ヒドロキシル基を多数有する多孔質構造であり、水を水素結合で吸着して多孔質内に保持できるため。

シリカゲルは1gあたりの表面積が数百m2とかのレベルで多孔質です。組成式で書かれるとSiO2・nH20とわかりにくいですが、以下のような構造になっており、nH20は水ではなく、ヒドロキシル基(この場合シラノール基といいます)として存在します。なお、図の点線は水素結合です。
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大阪大学2013年化学解説
大阪大学2013年前期化学の解説です。理由の記述が難しく、満点近く取ることは困難です。しかも難しさの方向が、十分な情報を与えて考えさせるタイプではないので、重箱の隅をいかに押さえておくか系です。
ただ、それ以外は標準的なレベルの設問が多く、巷に出回っている問題集をコツコツやっていれば解けるような問題が多い印象です。

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