ひたすら受験問題を解説していくブログ
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2016年第2回東大実戦第6問

Q

今年の第2回東大実戦第6問です
断面が楕円になることがどうやって分かるのか知りたいです

A

模試の問題掲載はさすがにダメなのかなと思ったので考え方だけで。
教え子にも聞かれたのですが,解答では式をいじいじして判断しているようですね。正直なところ読むに堪えない感じなので流し読みですが・・・。なのであの解答は忘れていいです。

・直感的な説明
もともとの図形も,z=2の図形も同じだ円であり,長軸短軸がz=2の方では回転しています。この図形を作る際に,z=2に回転させていない楕円を設けて,楕円柱を作り,そのあとに回転させること(ねじる)を考えれば,途中にできる図形はなんとなく楕円が第一選択肢になると思いませんか?だって元が楕円から回転した楕円に滑らかに移っていっているのですもの。

・数学的な説明
一般的に説明します。元の図形を複素数P(α),回転・伸長に使う複素数をωとします。めんどくさいのでz=1に回転した図形(Rとする)を載せて元の図形と結びます。そしてz=t,つまりt:1-tに内分します(元の図形側がtとし,内分した点をSとします)。座標表記は(x,y,z)を(x+yi,z)としています。

P:(α,0)
R:(ωα,1)
S:(ωαt+(1-t)α,t)=((ωt+1-t)α,t)

これは単純にαにtが決まれば定まる複素数をかけているだけです。すべての複素数は回転と伸長に分解できるので,回転させた後に|ωt+1-t|倍した図形になっています。つまり,その2乗が面積の倍率になります。

この話は楕円という特殊なもとの問題に戻っても当然に成立します。
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千葉大2015年第2問の問2

Q


よろしければ2015年の千葉大の化学の大問2の問2の解説をお願いします。
電気分解による槽内のph変化についての問題なのですが、予備校の解説では納得ができませんでした。
具体的には、なぜ陽イオン交換膜が使われているのか?(イオン交換膜がある場合のphの考え方)(交換膜があっても、オキソニウムイオンは移動できる?)(そもそも陽イオン交換膜とはどういうものなのか)を知りたいです。
よろしくお願いします。

chiba_2015_chem_q2_q2.png


A


駿台さんのしか見てないですが,pHは13であっています。

まずイオン交換膜が使われる理由ですが,この実験は使わないで行うことも多いようです。あまり解けませんが,ヨウ素は水に溶けて次亜ヨウ素酸とヨウ化水素になるので,それらが水酸化カリウムと反応してしまうのを避けるためではないでしょうか(塩化カリウムの場合と同じですね)。

次に,イオン交換膜の仕組みですが,イオン交換樹脂と同じような構造を持つ化合物から作られています。具体的には陽イオン交換膜の場合は―SO3を持つものが代表的です。これは負に帯電しているため,陰イオンは電気的にはじかれてしまって通過することができません。一方,陽イオンは吸着と解離を繰り返しつつ,電極からかけられる電圧によって陰極側に移動していきます。

以上を考慮して本問の概要を図にすると次のようになります(係数は無視しています)。

chiba_2015_chem_q2_a2.png

なお,オキソニウムイオンについては通過可能ですが,もともと存在している量が非常に微量なので無視できます。例えば,ヨウ化カリウムではなく,ヨウ化水素酸の電気分解ならば陰極に移動するため中和反応が起こるはずです(塩酸+塩化ナトリウムで電解すると,水酸化ナトリウムはあまりできなくなります)。

問題に戻ると,0.5×1930÷96500=0.01molの電子が流れ,OHも同量です。陰極側の溶液の量は100mlなので,OHの濃度は0.1mol/Lです。よって,pHは13です。
ちなみに陽極側はほぼ中性のままです。
負の数の累乗
よくこのサイトの解答を参考にさせて頂いている高校生です。次の問題を解説してください。
qa_m_3_1.png

【解説】
関数の拡張に関する問題で,大学の内容で言う複素関数論に1ミリほど足を突っ込んだ内容です。

まずは,問題の関数を次のように考えてみましょう。きっと,本問において困っていることは負の数の累乗であって,指数部分が負であるとかは何の問題もないと考えます(ただ,分母にくるだけなので)。
qa_m_3_2.png

この値は例えばx=2のときには純虚数になりますし,x=3のときも複素数になります(要は3乗して-aになるものなので,例えば偏角がπ/3のものです)。そのため,他のものも複素数で表せると考えて解いていきます(証明無しにド・モアブルの定理を実数乗まで拡張していますが・・・)。
qa_m_3_3.png

解を実数の範囲で考えた場合,(2k-1)/xが整数でなければならないので,x=奇数/自然数という形になります。なので,結論は「だけではなく,x=負の奇数/自然数において定義される」となりました。

なお,解が複素数の範囲で考えた場合は,先ほど求めたものをそのまま代入するだけで,ド・モアブルの拡張をどこまで認めるかによってその拡張した範囲までのxで成立し,いずれも複素数です。

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対称性を利用した求積問題(東京大学2005年前期数学第6問の類題)

Q


次の問題を東大2005年6問目と同じように解いてみたところ答と一致しません。どこがおかしいのでしょうか。問題自体はハイレベル理系数学という問題集のものです(ブログ主注:余計な部分をなくして書き換えています)。

rを正の実数とする。xyz空間において
x2+y2≦r2
y2+z2≦r2
z2+x2≦r2
をみたす点全体からなる立体の体積を求めよ。

==以下解答概略==
対称性をチェックすると,x,y,zの符号を入れ替えても同じなので,それぞれyz,zx,xy平面に対して対称。
また,x,y,zはどの二つを入れ替えても同じなので,x=y,y=z,z=xに対称。

z=tで切った断面を図示すると,tの値によって次の2通りが考えられる。いずれにおいてもyz,zx,xy平面の対称性から薄い灰色(iiでは濃い灰色と同一)の断面を考えてやればよく,さらにy=z,z=xの対称性からy≦t,x≦tの濃い灰色の断面だけ考えて32倍すればよい。

(i)0≦t≦r/√2
qa2_a1_1.png
qa2_a1_4.png

(ii)r/√2≦t≦r
qa2_a1_2.png
qa2_a1_5.png

(i)(ii)を足して32倍すると,
qa2_a1_6.png
==以上解答概略==

他の方法で求めた答えは
qa2_a1_7.png
となり一致しません。

A


この問題も対称性を上手く使っていくと楽な問題です。質問者様の間違っている点はx=zの対称性を使った後に,y=zの対称性を使っているところです。x=zで切ったものはもはやy=zで対称ではなくなってしまっています。条件式に書けば,”x≦z”という式が追加されており,yとzを交換するとこの”x≦z”が”x≦y”になってしまうため対称性は使えません。

本問の図形は複雑なので簡単な例で見てみましょう。例えば,下図の正方形ですが,x軸,y軸,x=y,x=-yに対称です。これを,x軸→y軸の順に対称性を活用すれば面積は1/4になりますが,初めにx=yを使った後にy軸の対称性を使おうとすると意味がわからなくなります。このように対称性を活用して図形を分割するときに別の対称性が崩れることはよくあります。そのため,互いに直交するなどのわかり易い対称性(x軸とy軸の対称性)以外はその都度確認する必要が出てきます(逆にもとの図形になかった対称性が出てくることもあります。例えば先ほどの正方形においてx軸で折り返した後,x軸に平行かつできた長方形の真ん中を通る直線による対称性です。)。
qa2_a1_3.png

以上から,本問でもx=zの対称性のみでy=zの対称性を導入しなければさくっと解けます。(i)の方で使えない対称性の条件y≦tを取っ払えば,
qa2_a1_8.png
となりコツコツやった積分と一致します。

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領域に関する問題の解説

Q

次の問題を解説して頂きたいです。
qa_m_1_1.png

出展は東京出版の新作問題演習です。
どのような発想をもとにこのような解答に至るのかを教えて頂ければと思います。


A

絶版しているとはいえ,出版物の解説の解説なので,著作権的にどうなのと思いつつ回答します。
東京出版さんから削除要請があれば消さしていただきます。

出版物の解答をそのまま載せるわけには行きませんが,その流れは,
1.xy平面上に領域を考察する(xに平行な線を引いて円板外にでない)
2.円板間の関係を調べる(接するか,まったく離れているかになる)
3.異なる2つのq間での接点のyがずれるため,q=1同士,q=1,2間でしか成立しない
といった流れです。

自分で解いてみたのも同じ感じの解答にはなったので,自分が解いた感じを,いつもの入試問題解説ではかなり端折っている考察過程も含めて記載したいと思います(同じ過ぎてそのまま載せるのと変わらない気がしますが・・・)。

1.
まず,問題の言わんとしていることを理解するために,とりあえず図示していくことを目指しました。一気に書くのは無理があるし,内容をつかみにくいので,qを1つずつ増やしていくことにしました。この辺は,数列の問題においてn=1,2,3,・・・と最初の方を考えていって推測することと同じ要領です。
出来た図はこちら。
qa_m_1_2.png
問題文が言わんとしていることは,yを固定し,すべてのxが網掛け部分(境界線を含む)のどれかに含まれることなので,直線y=kが網掛け部分,つまり円からでないkを選んであげることだとわかります。というかここはわかってください。
つまり,ちょうど図に描いたy=1/2はこの条件を満たしていることがわかります。

2.
さて,よくわからないまま,q=2以降を加えて行きます。この際に,p,qの符号の取り方,p,qが整数であること,p/qにおいてqより小さいp'を用いてp=nq+p'と表せることを考えてやれば,0≦x≦1のみで考えても問題の本質は変わりません。
よって,以下ではその区間でのみ考えます。

q=2を追加で描いてみるために,どんな感じになるのか(そもそもq=1の円と交点を持つのか)計算してみます。円同士なので,半径の和と中心間の距離の比較です。
x=1/2に関する対称性から,(p,q)=(0,1)の円と(p,q)=(1,2)を考えます(それ以外のq=2の円の結果はほぼ自明です)。
qa_m_1_4.png
接してしまいました,怪しい円の半径や中心のy座標はこのためな気がしてきます。
念のためq=3も求めてみたところ,同じく近い円に接しました。つまり,下図のようになります。
qa_m_1_3.png
ここまでくれば,「もしかして,隣接する2円はすべて接するんじゃないのかな」的な発想が得られます。
あとはそれを式にしてみます。p,qとp',q'の円がどのような交点を持つかは,
qa_m_1_5.png
の大小です。個々に計算するより,2乗の差をとるとX2-Y2の公式が使えて楽そうなので,そっちで判定します。
qa_m_1_6.png

3.
私の脳のスペックの関係で,色々なp/qにおいて,その差がきれいに1/(qq')になるかなんて考えてられません。なので,まずは必要条件で考えてみます。とりあえず,最初に考えた,考えやすい(p,q)=(0,1)の円と(p,q)=(1,n)の交点,(p,q)=(1,n)と(p,q)=(1,n-1)の交点だけで考えてやれば,その交点の座標が求めるべきyの必要条件になります。

この交点を通る直線は,考えている二つの円を断絶なく通過します。しかし,これら2円の外でも断絶なく通過可能かは不明です。
また,別の円が考慮に入れている3円の間に入って(p,q)=(1,n)の円を飛ばしてつなぐことはあり得ません。これは,円は接するか離れているかであり,また,x軸に必ず接することから,複数の円で囲まれた領域に入ることはありません。つまり,(p,q)=(0,1),(1,n),(1,n-1)の3円で囲まれる領域にこれら3円と重なりあわず入るためにはどうしてもx軸から離れてしまい,定義に矛盾します。

(p,q)=(0,1)の円と(p,q)=(1,n)の交点は中心を結ぶ線分を半径比(n2:1)で内分すればいいので,そのy座標は,
qa_m_1_7.png
同様に(p,q)=(1,n)と(p,q)=(1,n-1)の交点のy座標は,
qa_m_1_8.png
です。(p,q)=(1,n)の円からx軸と平行に左右に出れる必要がある(隣接3円を通過すると考えてもいい)ので,次のいずれかが成立します(qが前後となる円以外は更に小さいyになるため考える必要もありません。)。
qa_m_1_9.png
後者は明らかに不適で,前者より,n=2が得られ,このときy=1/5です。このとき,実際に成立していることは容易に確かめられます。

初めのq=1のみのものとあわせて,y=1/2,1/5が答えになります。

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