ひたすら受験問題を解説していくブログ
2017年第1回東大実戦模試文系数学第4問
a,bはa>0,b<0を満たす実数とする。座標平面において曲線C:y=ax2+bxと曲線D:y=x3が異なる3つの交点をもち,CとDが囲む二つの領域のうち左側の領域の面積と右側の領域の面積の比は5:32である。

(1)bをaを用いて表せ。
(2)aが変化するとき,Cの通過する領域を図示せよ。

解説

こういう問題を私に解かせると言うことは一つです。計算がめんどくさいだけのただの糞問です。数学的な面白さは皆無というかただの通過範囲です。頑張って計算してみます。

(1)
条件を淡々と行くだけなので,異なる三つの交点ということで,連立させてできた式の解の個数を判別式にします。
sundai_todaijisen1_2017_a4_1.png

次に面積です。まず左側から行きますが,積分領域つまり解が分からないので小さい方からr,sと置きます(α,βだと区別が)。Cの軸が正であることに注意してグラフの概形でも書いてやればr,s>0です。
sundai_todaijisen1_2017_a4_2.png

右側の積分は関数の上下が反転していることと,変数を変換してやればもとまることに注意すると,
sundai_todaijisen1_2017_a4_3.png

これが5:32なので,
sundai_todaijisen1_2017_a4_4.png

同次式なので全部をr4で割ってもいいですが,めんどくさいのでそのまま。s=krの形で行けるだろうから,因数定理を使います。両方正なので,1,3,9,27とその5分の1が候補です。
s=3rを代入するときれいに消えるので,(s-3r)で割ると,
sundai_todaijisen1_2017_a4_5.png
となるので,s=3r以外の解は存在しません。あとは代入するだけです。
sundai_todaijisen1_2017_a4_6.png

条件はa>0なので満たしています。

(2)解の存在範囲かx固定で行けばいいです。解の存在範囲なら,a>0で解を持てばいいのですが,rでやった方がきれいです。rも同様にr>0ならいいのでこっちで考えます。
sundai_todaijisen1_2017_a4_7.png

(i)x=0の場合
y=0です。

(ii)x≠0の場合
sundai_todaijisen1_2017_a4_8.png
の解の少なくとも1つが正なので,
判別式≧0
から
1次の項≧0 かつ 定数項≦0
を引いてやればよいです(解と係数ですが,軸と境界で考えても同じ)
sundai_todaijisen1_2017_a4_9.png

前半部分がxの正負によって符号が変わる(x2でもかけてしまってよい)に注意して描くと,次のような領域になります。

sundai_todaijisen1_2017_a4_10.png

境界となっているx軸,y軸は含まず,原点や曲線の境界は含みます。


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2017年第1回東大実戦模試文系数学第3問
sundai_todaijisen1_2017_q3.png

解説

解を持つようにと言われていますが,言い方を変えればこの範囲でx,yを動かすとな領域の図示問題です。通常と違って変数が2つあります。変数が2つあって困るのならば,一つを固定することは定石なのではないでしょうか。

xを固定した場合にどんな図形になるのか考えると,定数+cos,定数+sinなのでただの円です。x,yは自由に動けるので,この定数部分を動かして(xを動かして)終わりです。

考え方によっては,ベクトル(cosx,sinx)と(cosy,siny)を足したものととらえても良いでしょう。こんな感じの問題は日医とか慈恵とかで見たことがある気がします。

いずれにせよ,半径1の半円の軌道を中心に半径1の半円を描くので,下図のようになります(点線は円の中心の軌跡)。
sundai_todaijisen1_2017_a3_1.png

したがって,面積は半径2の半円から半径1の円を引いたものなのでπです。

【別解答】変数変換(大学生以上向け)
変数変換と見なせば定期テストでも簡単な部類ですね。とりあえず関数行列式を計算すると,
sundai_todaijisen1_2017_a3_2.png

のようになります。つまり正方形部分とy=x部分を書いてやれば終わりです。通常では下半分も書いてやる必要がありますが,本問ではxとyは対称なので一方のみでよいです。上半分を書いてやります。
sundai_todaijisen1_2017_a3_3.png
sundai_todaijisen1_2017_a3_4.png

関数行列式=0となる集合の面積は0なので,普通に変数変換で積分できます。
sundai_todaijisen1_2017_a3_5.png
2017年第1回東大実戦模試文系数学第2問
nを3以上の整数とする。円周を2n等分する点A1,A1,・・・,A2nから無作為に相違なる4点を選ぶとき,鋭角三角形の3頂点を含む4点を選ぶ確率をpnとする。
(1)p3を求めよ。
(2)p4を求めよ。

解説

模試の問題の解説は著作権的にどうなんでしょうね(駿台さんに怒られたら消します)。普通は3点なんですけど,4点のところが憎たらしい問題です。まずは3点でもいいので鋭角三角形とか,鈍角三角形とかの数え方って大丈夫なのでしょうか?

一番離れている弧が半円以上なら鈍角,半円なら直角ですね。鋭角は半円未満なのですが,すべての角を鋭角にしようとするのは難しく,鈍角と直角を全体から引いてやることが無難でしょう。

本問では”鋭角三角形の3頂点を含む4点”なので,言い方を変えれば”少なくとも一組は鋭角三角形の3頂点を含む4点”であるになります。
本来は(1)で試行錯誤した結果になるのですが,まず四角形を書いてみると次の図のようになり,角の性質として隣り合う頂点が作る弧の円周角(×)と一個飛ばしの頂点が作る円周角(●)があることが分かります。そして,×2つと●1つからすべての三角形は作られています。
sundai_todaijisen1_2017_a2_1.png

(i)隣り合う頂点が作る弧の円周角で直角以上がある場合
一つの三角形で考えてみれば,直角以上になる円周角の隣り合う点は半円以上離れています。点を固定したいので1点を上にとり(反時計回り順に上からABCDと呼びます),最も離れている2頂点をABにします。

この場合,ABもACも対角である(CまたはD),Dは直角以上になります。一方残った三角形はBCDですが,すべての点が半円の右方に押し込められているので,DBは半円以上になります。したがって,Cは直角以上です。

半円から残った3点を選ぶのでnC3通りあります。
固定をはずすには2n倍すればいいので,2nnC3通りです(右にのみ押し込めたのは一周する過程で左押し込めがカウントされるからです)。


(ii)隣り合う頂点が作る弧の円周角がすべて鋭角である場合
すべての×は鋭角です。この場合には●が活躍するしかないです。ここがすべて直角以上なら良いのですが,四角形の対角の和が180°になるため,鈍角には鋭角がセットでついてきてしまします。したがって,すべての●が直角以上になるためには直角しかありえません。

対頂点が自動で決まることからnから2個選ぶだけなので,nC2です。

全体から(i)(ii)のケースを引いたものが求めたい事象なので,
sundai_todaijisen1_2017_a2_2.png


【別解答】
(1)
鋭角三角形になるのは正3角形のみなので,これに1点を追加します。追加の仕方は一種の正3角形あたり3通りなので,3×2=6通りです。全事象は15通りなので,2/5です。

(2)
n=4ぐらいになると鋭角三角形に注目するのはきついのでしょうか?私はミスなく数える自信はありません(重複しそう)。本解答と同じく鈍角のみになる方を数えます。全事象で高々70で,かつ,パッと見で鋭角になるものなんてのは外せます。大した数じゃないでしょう。頑張ってください。

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プロペラの役割(東京大学1996年前期物理第3問III)

Q

はじめまして。

早速ですが、添付の1996年度東大物理第3問につきまして、
問Ⅲのプロペラの役割を教えていただけませんでしょうか。
どの過去問集にもプロペラの役割について解説は書かれておらず、
ずーーーっと気になっています。

また、もしプロペラがなかったらどのような運動になるのでしょうか?
振動は永遠に止まることはないのでしょうか?

どうぞよろしくお願いいたします。

A


プロペラの役割は明記されています。

「プロペラは振動に伴って回転し,気体内に熱を発生した。」

という記述の通りです。ジュールの実験(落下する物体を液体に入れた羽につなげ,運動エネルギーを熱に変える実験)と同様に,ピストンの運動エネルギーをプロペラを通して気体分子の運動=熱運動に変えています。

無い場合にはどうなるかですが,IIと状況はかわらないので,摩擦などを考えない理論上の話では振動し続けます。
この場合には断熱線に乗った可逆過程になりますが,プロペラがあると熱運動が巨視的な運動に変換されることはないことから,不可逆過程になっているということです。
水を棒でかき混ぜてお湯にできても,お湯に棒を入れても勝手に棒が逆回りを始めないというエネルギー変換の制限の話です。

Q

ご回答ありがとうございます。
以下のような理解であってますでしょうか。
どうぞよろしくお願いいたします。

<エネルギーの流れについて>
【プロペラがない場合】
 重力の位置エネルギー⇔ピストンの運動エネルギー
 をいったりきたりする(これで“閉じた”系)。
 この“閉じた”系に着目した場合、エネルギー保存則が成り立っている。
 つまり、エネルギー散逸がなくピストンは振動しつづける。

【プロペラがある場合】
 重力の位置エネルギー⇒ピストンの運動エネルギー⇒気体への熱
 というエネルギーの流れ。
 初期位置h、最終静止位置は2/5 h であり、
 最終的には3/5 mghの重力の位置エネルギーが気体に発生した熱というエネルギーになった。


<p-Vグラフ上での動きについて>
【プロペラがない場合】
 p-Vグラフ上の断熱線に沿っての振動を永久に繰り返す。
 つりあい位置からの振動を繰り返すので、気体は外部に(つまり、ピストンに)正の仕事も負の仕事もする。
  p-Vグラフ上を掃く面積で考えればわかりやすく、
   ピストン上昇のときは⊿V>0でp-Vグラフを掃く面積は正、つまり気体が外部にする仕事は正
   ピストン下降のときは⊿V<0でp-Vグラフを掃く面積は負、つまり気体が外部にする仕事は負
 長周期平均をとれば気体が外部にする仕事は0となる。
 つまり、気体はピストンへ正味の仕事をしないので、ピストンのエネルギーは一定で、ピストンは振動し続ける。

【プロペラがある場合】
 p-Vグラフ上の断熱線に沿って振動するが、だんだんと振動は小さくなっていき、
 最終的にはp-Vグラフ上の初期位置(hに対応するV)よりも左側位置(2/5 hに対応するV)で静止する。
 このように最終的に⊿V<0となるので、気体は外部に(つまり、ピストンに)に負の仕事をすることになる。
 見方を逆にすれば、ピストンは気体に正の仕事をすることになり、これが気体に発生した熱というエネルギーになった。

A


2点変なところがあります。

一つ目はエネルギーの流れです。
エネルギーの流れとしては,プロペラがなくとも気体の内部エネルギーになる分もあります。
断熱圧縮されるということはdU=-pdVなので内部エネルギー(温度)は増加します。
この内部エネルギーは上昇時には全く同じ断熱線を通ることになるので最終的にピストンの位置エネルギーに戻ります。

もう一つはpV図上の動きです。
プロペラがあるときにはdU=-pdV+Wになります。Wはプロペラが気体にする仕事=熱で常に正なので,動くたびに内部エネルギーこと温度は元の断熱線より上に来ることになります。
pv図でそもそも断熱線は別の等温線を結ぶものだったので,傾きは等温線よりも急でした。同様に考えれば,同じ体積変化の場合により高い温度になるので,プロペラがある場合には更に急な曲線になります。

また,プロペラが両方向に回転する場合は上昇時にもWは正なのでより高い等温線と結ぶことになり,断熱線よりも緩やかな傾きの曲線になります。

このジグザグで最終位置の等温線がある(V,p)に収束していく感じになります。

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2016年第2回東大実戦第6問

Q

今年の第2回東大実戦第6問です
断面が楕円になることがどうやって分かるのか知りたいです

A

模試の問題掲載はさすがにダメなのかなと思ったので考え方だけで。
教え子にも聞かれたのですが,解答では式をいじいじして判断しているようですね。正直なところ読むに堪えない感じなので流し読みですが・・・。なのであの解答は忘れていいです。

・直感的な説明
もともとの図形も,z=2の図形も同じだ円であり,長軸短軸がz=2の方では回転しています。この図形を作る際に,z=2に回転させていない楕円を設けて,楕円柱を作り,そのあとに回転させること(ねじる)を考えれば,途中にできる図形はなんとなく楕円が第一選択肢になると思いませんか?だって元が楕円から回転した楕円に滑らかに移っていっているのですもの。

・数学的な説明
一般的に説明します。元の図形を複素数P(α),回転・伸長に使う複素数をωとします。めんどくさいのでz=1に回転した図形(Rとする)を載せて元の図形と結びます。そしてz=t,つまりt:1-tに内分します(元の図形側がtとし,内分した点をSとします)。座標表記は(x,y,z)を(x+yi,z)としています。

P:(α,0)
R:(ωα,1)
S:(ωαt+(1-t)α,t)=((ωt+1-t)α,t)

これは単純にαにtが決まれば定まる複素数をかけているだけです。すべての複素数は回転と伸長に分解できるので,回転させた後に|ωt+1-t|倍した図形になっています。つまり,その2乗が面積の倍率になります。

この話は楕円という特殊なもとの問題に戻っても当然に成立します。

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