ひたすら受験問題を解説していくブログ
同志社大学2月10日実施の物理入試問題について(出題ミス?)

Q

いつもお世話になっています。
同志社大学(社会・理工) 2月10日実施の物理入試問題についてご教示頂きたいことがございます。

これまで何度も質問させていただいている内容と類似です。

物理第[Ⅲ]のコンデンサーの問題です。
問題抜粋を添付いたしますが、問題冊子原本は代ゼミのサイトよりダウンロードできます。

最終設問です。
「極板間に内部抵抗無視できる起電力V0の電池をつないで一定の電圧V0を加えて、『十分に時間が経過した時』の極板間の電位V(x)を図示せよ」という旨の設問ですが、

質問1:回路に抵抗がないのでそもそも電位は一定にならず「振動」しませんか?この回路で一定の電圧V0を本当にかけることができるのでしょうか?(リード文での説明がそもそも物理的におかしく、解答不能となる出題ミス?)

質問2:あるいは電磁輻射によりエネルギー散逸して振動が収まった後のことまで考慮して『十分時間が経過した時』に電位がV0に収斂したと解釈するのでしょうか?電磁輻射は高校範囲外?なので、こんなことまで高校生に要求するのは不適切で、その意味では「出題ミス」ではないでしょうか?

質問3:電磁輻射まで考慮しないように、図3に「抵抗」を本来入れるべきではないでしょうか?つまり、図3に「抵抗」を入れ忘れた出題ミスではないでしょうか?※もしそうなら完璧な出題ミスであり、同志社大学に凸することができますね!

最近は「物理入試問題の粗捜し(?)」が世間で大ブームらしいです。大学にミスを認めさせればマスコミにミス指摘者の実名が報道されて予備校講師としての社会的知名度と信用度(とお給料?)がアップするらしいです。

今回の同志社大学の物理入試問題を精査頂き、出題ミスなら同志社大学へご指摘いただけましたら幸いです。

先生のご活躍を心より祈願しています!

A

御免ささいですが,本問は出題ミスではないと考えます。
抵抗が0と無視出来るは異なります。
数学でいうR=0とR→+0(もしくはR≪○)という違いがあります。
つまり,今回の問題では抵抗は0ではないです。

なので,残念ながら私のお給料の増分→+0ですね。

一応,抵抗が0なら質問1,2,3ともに同意見です。
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阪大の出題ミスに関して

Q

大阪大学入試の物理出題ミスについて

大阪大学入試の物理出題ミスが大きな社会問題となっていますが、
すみません、どこが出題ミスなのか全くわからないです。
解説お願いします。

当初は大学側も出題ミスを否定していたことからも、明確な出題ミスとは考えづらい。
よほど「特殊な状況」を考慮して初めて「別解(とされて追加されたもの)」が正解になりうるということなのでしょうか?
ならば、その「特殊な状況」とはいったい何なのでしょうか?

ふつうにすなおに高校レベルで考えれば出題ミスとは考えにくいです。

大阪大学の公式資料を添付します。
入試問題、当初の正答、検討後の正答、が載っています。

どうぞよろしくお願いいたします。

A


阪大なので高校レベルでも間違えるんじゃないですかね。
微妙に大学レベルですが前科ありますし(例:数学のsinx/xのlimの循環論法とか)。

当初の答えの方が謎です。
新しい答えの方はA-Iにある条件。つまり音叉の反対側には疎密でいうと同位相,位置の変位でいうとπずれた位相の波が伝わります。

i)疎密で考える場合
壁は動かないので密になったり疎になったりします。言い換えれば自由端反射です。したがって,そのまま帰ってくるので,音叉の位置で強め合うためには

2d=nλ (n=1,2,3,…)

となります。音叉は点なのでn=0も許されるので

2d=(n-1)λ (n=1,2,3,…)

も解答にされているのでしょう。

ii)位置で考える場合
壁は動かないので固定端反射です。よって反射でπずれます。元々πずれているので,結局さっきと同じ答えになります。

以上までが私の答えです。

次に元の謎解答ですが,半波長ずれていることから反射の仕方が逆になっているもの,もしくは音叉からでる波の位相が間違っているものと思います。前者なら,阪大は音に関して空気より動きやすい新素材を開発していて,そのアピールがしたかったのでしょう(本当は間違っているのに正解にしちゃっているのを認めたくないだけな気がします。あとは何端反射か書いていないから変位で自由端も正解と認めるしかないかですね)。

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コンデンサー回路のエネルギー収支の問題について(その2)

Q

先日質問させて頂きました際には丁寧なご解答を頂きましてありがとうございました。
前回のコンデンサー回路のエネルギー収支の問題と似た問題となり大変恐縮ではございますが、
ぜひともご見解を頂きたい問題がございまして、メールさせて頂きました。

コンデンサー回路のエネルギー収支の問題

こちらもよくあるコンデンサー回路の問題ですが、悩みどころをピンポイントで聞いてきています!

設問1と2は分かりますが(これは教科書レベル)、設問3がよくわかりません。
「あれ? エネルギーがどこかへ行っちゃったぞ? あれれ???」
・・・また先日の悪夢の再来です。

詳しい解説をどうぞよろしくお願いいたします。

A


正直なところ実際にやってみないと分からないことこの上ないですが,電磁波によってエネルギーが散逸するという感じです。前回と同じく電磁波によるエネルギーの散逸が無かったとしても,電子の運動エネルギーになる部分があるので,コンデンサー2つでも振動です。そのため,「双方のコンデンサーの電圧が等しくなった」という記述が間違いになると思います。

円錐を切った立体の表面積

Q

もしよろしければ教えてください。
底面がx^2+y^2=1、高さ1の円錐を0≦t≦1で切った時の切断面を含まない、(1,0,0)側の円錐の表面積を高校範囲で、積分などを用いて求めることは可能ですか?計算過程などもあると助かります。

A


z軸方向に垂直に切るとただの相似形なので,x=tで切るという理解でいいのでしょうか。

厳密には大学の範囲なのかもしれませんが,射影の考え方を用いると可能です(ただしcosθ=tとなるθをαと置くとかを認めればですけど)。
円錐の側面はxy平面と45°傾いているため,面積はz軸方向から見た射影の1/cos45°倍になります。したがって,底面の円のt≦x≦1となる部分の面積の1/cos45°倍ということです。したがって,
qa_m_7_1.png

一行目左の積分は放物線の断面で,右の積分が底面と側面の和です。
2行目右は図形的に計算した方が早いので置換とかしてません(してもいいです)。

側面を求める別案としては,切ってできる放物線の曲線の長さを積分で求めて,それにdt/cos45°をかけて積分するって手もありそうですが,計算がめんどくさすぎるので私は辞退しました。

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コンデンサー回路のエネルギー収支の問題について

Q1

先日質問させて頂きました際(プロペラの役割(東京大学1996年前期物理第3問))には丁寧なご解答を頂きましてありがとうございました。
再度となりますが、このたびどうかご教示いただきたいことがございまして、メールさせて頂きました。

入試問題としては定番でどの問題集にも載っている「コンデンサーへの充電時の過渡現象とエネルギー収支」について質問させてください。
(起電力Vの電池にスイッチをはさんで抵抗RとコンデンサーCが直列につながれた問題です)


エネルギー収支として、
十分時間が経った後は
・コンデンサーに蓄えられたエネルギーはCV^2/2
・電池のした仕事はCV^2
・コンデンサーには電池のした仕事の半分のエネルギーしか蓄えられていないが、残りは抵抗 Rを電流が流れるときにジュール熱になった
と説明されます。(微分積分を使った数式で定量的に説明されている参考書も多々あります)

ここでずっと疑問なのですが、もし抵抗なしで回路を組んだ場合(数学的にR=0の場合)はどうなるのでしょうか?
※現実的にはR=0はないというようなことは今回考えず、あくまで理想的な物理モデルを仮定した場合を考えたいのです。
 空気抵抗や摩擦を無視する、とかと同じようなことです。


【疑問点1】
数式でも考えたのですが、いろいろとおかしなこと(?)がおこります。
たとえば、スイッチをつないだ瞬間はI=dq/dt=∞になりませんか? これでいいのでしょうか?
また、任意の時刻tでの電流Iはどうなるのでしょうか?(縦軸I(=dq/dt)、横軸t のグラフはどうなるのでしょうか?)


【疑問点2】
十分時間が経った後のエネルギー収支はどう考えればよいのでしょうか?
コンデンサーに蓄えられたエネルギーはCV^2/2(?)
電池のした仕事はCV^2(?)
残りのエネルギーは抵抗Rがなくジュール熱とならないので消えた? あれれ?おかしいぞ??



この疑問は多くの(ハイレベルな)高校生が抱いているのではないかとも思います。
高校範囲外となってしまってもかまいません。例えば微積物理は「物理入門」で鍛えましたのでついていけます。
詳しい解説をどうぞよろしくお願いいたします。

A1


結論から行くと,蓄えられたエネルギーはCV^2/2にならないのではないでしょうか。電磁波によるロスが無ければ振動して最大値は2CV^2だと思います。二つのモデルを考えてみました。

【モデル1】
疑問点1で考える際に,電子は無限の速さで流れません。疑問点2で触れる電磁波によるエネルギーロスや,モデル2における自己インダクタンスを考えない場合も,単振動になって,最大の蓄えられるエネルギーは2CV^2になる気がします。
電子の運動方程式を立てて考えてみると(銅線の長さはlで一様に電場がかかるとします。この仮定は何か怪しい気がします。),
QA_phy_1_1.png

単振動になり,Iが最大になるのはa=0であり,その時はQ=CVです。ここは振動の真ん中なので,Iはその後も流れます。つまり二倍の2CVまで溜まるのではないでしょうか?2CV送り出した時は電池の仕事=2CV^2 であり,コンデンサーの仕事も同じになってエネルギー保存則を満たします。

【モデル2】
回路自体の自己インダクタンスを考えれば,LC回路になるので,これも単振動になります。さらに,電磁波によるエネルギーの消失もあるので,厳密には抵抗が0であろうが減衰振動になるのではないでしょうか?

単振動ととらえた場合にも,自己インダクタンスで初めは電流が流れず,コンデンサーがマックスの時に電流が0となることから,
QA_phy_1_2.png

となって最もコンデンサーに電荷がたまった際には2CVの電荷です。

減衰振動になった場合は,減衰することによってたまった際のコンデンサーの最大エネルギーが下がる,すなわちその時の電圧も下がってしまうため,電源に対する反発力が足りません。そのため,最大のQは徐々に下がっていき,最終的には電源と釣り合うところで止まるかと思います。

Q2

ご回答ありがとうございます。

以下に私の考え方を書かせていただきます(どこかが間違っているはずですが、どうしてもわかりません)。

まずR=R(有限)の場合を考えて普通に回路方程式(キルヒホッフ第二)を立てて解き、
I(t)=dq(t)/dt=V/R・exp(-t/RC)を導きます(ここまではどの参考書にも載っており、I-tグラフも減衰曲線)。
ここでR→0では、スイッチをつないだ瞬間t=0のときI→∞となり、その後はIは∞から一気に下がるというI-tグラフ(尖った関数)を考えました。

多くの高校生は安易に(?)上記のように考えると思うのですが、これはやっていることがおかしいのでしょうか?
おかしいとしたらどこがおかしいのでしょうか?この考え方では電流Iの単振動がどうしても出てきません。
※今回はあくまでもR=0、L=0のコンデンサー充電回路を仮定しているので、モデル2のようなLC回路による単振動は考えません。

・・・非常に難しいです。何が正解なのかわからなくなってきました。

A2


求めている式自体がR=0で成立しないのはR=0で割っているので定義されないためです。極限は極限なので,R=0で不連続な関数になっていればR=0のときの値は求められません。求められるのはRがものすごく小さい場合,つまりRが存在する場合のことです。このときI→∞になります。

しかしながら,R→0(=0ではなく)でI→∞になるということに関しても否定できます。モデル1で見たように,電子には質量があり,一瞬で無限の速さまで加速することはありえません(また,相対性理論により光速に近づくにつれて,加速に必要な力も∞に近づきますので,時間をかけようが光速は突破できません)。
それにもかかわらず,V=RIが成立すると仮定していることは,その導出である

0=eE-kv (kは抵抗の定数)

を前提としており,電子はすでに加速済みのところでしか考えていません。通常の問題においては加速までの時間が無視できる範囲で,かつ,抵抗がvに比例する範囲にvに収まっているということでしょう(導体中の電子の流れはとてつもなく遅いです。自由電子の密度nがわからないので求めにくいですが,1Aって1秒でたったの1Cなので,大して移動しません。)。

Q3


・やはり【モデル1】の結論である「振動」が答え?
・ジュール熱ないので(放射エネルギーさえ無視すれば)エネルギー散逸ないので振動し続けて定常状態としてのいわゆる「充電」はできない? 
・もし「振動」が解ならば、(ミクロ視点の電子の運動方程式からではなく)マクロ視点の回路方程式から電流Iの振動解をどのように導出するか?

A3

我々の知っているマクロの法則というのがそもそもオームの法則を前提としているので,限定的な条件(Iが小さい)でしか成り立ちません。
なのでそこから考えることになります。
その際に電流が電子の運動であるというミクロの事象は使わざるを得ないです(やっていることは見かけが違うだけで上の回答と同じ)。

抵抗なしの導線に電池Vをつないだ時のエネルギー保存則から,
QA_phy_1_3.png
となります。ここでは電流が電子の速度に比例するというミクロの事象を使って,抵抗によるロスなく,電池の仕事=電流の運動エネルギーを考えています。
両辺を微分すると
QA_phy_1_4.png
となり,無抵抗の法則が得られます。これがオームの法則の代わりになる法則です。

これを用いて電圧降下の式を立てると,
QA_phy_1_5.png

となって,単振動の式が得られます。

オームの法則的に用いましたが,コンデンサー付きでエネルギー保存則を立てて微分しても結果は同じです。
QA_phy_1_6.png

上記から抵抗によるロスがなく,電池の仕事は電流とコンデンサーのエネルギーになると考えると単振動になります。
普段のオームの法則はこの電流のエネルギーを無視している感じです。

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