ひたすら受験問題を解説していくブログ
慶應大学医学部2015年数学第4問
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解説


一見すると長さと内積をn次元に拡張した問題に見えますが,やっている内容はそんな拡張定義は関係なしのただの証明問題です。(5)を求めるのに工夫がいるので,それが本年で最難だと思われます。

(1)
とりあえず定義が与えられている内積と距離に入れてみます(とりあえず0とか1とかをいれてみることは定石でしょう)。
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次はs,tの場合に入れてやります。
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(2)
(1)の結果を順に使ってやります。
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(3)
(2)の計算の仮定で証明の骨格はつかめているはずです。A(1),A(2)・・・・と順番に内積をとっていけば一つずつ要素が決まっていきます。これだけで終わってもいい気もしますが,解答用には数学的帰納法でも使っておけばいいでしょう。示すべきはs-1まではすべて同じになることです。k項まで同じことを示します。

(i)k=1の時
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(ii)k≦iの時成立と仮定(i≦s-2)
A(s)とA(t)の初めのi項は同じとなります。この時,
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(i)(ii)より,s-1までのすべての項が等しくなります。

(4)
代入するだけの簡単なお仕事です。一つだけsと同じものがあることに注意します。
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(5)
(4)を使って漸化式を作っていきます。文字によらず一定(ここではs)で,和とかベクトルなどの複数の要素からなっているもの(そして一部の要素以外は同じとか似ているもの)は異なるその文字のものを等号でつないでやるとさっぱりすることがあります。BとAに関して以下の2式が得られます。()書きの方の式を選択しても行けます。
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{が取れている所の式変換は下の式を”x=”の形にして上に代入しています。
こうして出てきた漸化式は2乗を無視して(2乗ごと数列だと思って)やることは当たり前ですが,普通に解きにくい形です。ぱっと見で逆数になる式を思い出せれば,そうなるように変形していくことができます。逆数にする前の分子がきれいにならないことから,逆数にした後の分母がきれいにならない前提で理想の変形を考えます。逆数をとるときに0とならないαを足して,
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同じ形になって欲しいので,
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この時,もし初めの分子が0であったなら,
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となって矛盾します。あとはこの漸化式を解くだけです。
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【(5)別解答】推測
漸化式を解くことができない場合は推測でやるしかないです。A(4)あたりまで求めて推測してやれば,ys/xs=s+1となります。その上で数学的帰納法を適用すると,
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となり,成立します。


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慶應大学医学部2015年数学第3問
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解説

一つの曲線に関する設問群ですが,()単位で独立です。(1)(2)が簡単めで,(2)が数学できる人も事故る可能性のある試行錯誤問題で嫌な問題です。

(1)
あ:
変曲点は傾きの増減が入れ替わる点です。つまり,f’’(x)の符号が変わる点(f’(x)が極値になる点です。)。したがって,とりあえずf(x)を微分していく必要がありますが,与えられているものが陰関数(y=f(x)ではなくF(x,y)=0みたいな関数)なので,yがxの関数であることに注意して微分していきます(本問ではy=の形に直してしまっても計算は楽です)。また,計算の都合上,s=1/p,t=1/qとしても差し支えない。
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{}以外の符号は固定であり,{}の符号が変わればよいことになります。xs/ytはyがxについて単調減少であることから単調増加で→∞となるので,t(s-1)とs(t-1)が非ゼロかつ異符号ならばOKです({}内にytをかけてx=0および1の場合の積が負と考えてもいいです)。したがって,
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【参考】変曲点の条件
変曲点では接線が曲線と交差すると捉えることもできます。まず接線は接点を(u,f(u))とすると,
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元の曲線のyと差をとります。途中で出てくるcはxとuに挟まれる実数(テイラー定理を使っています。平均値の定理でも代用することはできます)。
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したがって,x=uの近傍でこの符号がかわることは,f''(c)の符号が変わることと同値となります。

(2)
い:ただ計算していきます。
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【い別解答】
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う:
見るからに部分積分ですが,普通にそのまま部分積分してもいまいちな感じです(pが分数になっているため,うまいこと次数が対応しません)。試しに置換してみると(発想としては1/pではなく,pが次数となるようにするとp-1を作りやすいといったところでしょうか),
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下から三行目の変数変換は,無理やり1/(p-1)の形を作るために行っています。

え:
前の漸化式は,S(p,q)のp+qが一定の時に使える式になっているので,p+q=1+(p+q-1)と捉えれば,”い”の結果を使えるということになります。S(1,p+q-1)まで戻してやれば,
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(3)
お:
3乗根を3乗すると1乗になることに気付きたいです。あとは,式変形するだけです。
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ここまでくれば形が明らかに解と係数の関係です。
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この方程式が0≦t≦1で2解を持てばいいので,軸=1/2より,D>0かつt=0および1で左辺が0以上なら良いです。
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か:
”お”の方程式の解なので,
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き:
”お”の方程式の解なので,
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く:
直線lの直線の長さはx方向の√2倍なので,
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慶應大学医学部2015年数学第2問
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解説

慶応医お得意の確率漸化式です。操作をしっかりと理解して遷移図を書く練習さえしておけば本問は難しくないです。偶奇に分かれるなどのポイントは問題文中で教えてくれています。

(1)
(1-1)あ:1/2
球に対する操作は1個ずつ行われるので,pになるためにはqで±1の球を選んで0に移動させるしかないです。
したがって,±1の球を選ぶ1/2が答えです。

(1-2)い:2/3 う:(2/3)m
初めはともに0なので,球を取り除きさえしなければqになります。したがって,±1に移す2/3が答えです(い)。

球は取り除かれた後に戻ることはないので,球2つのもうひとつの状況(ともに0にない)をuとでもおいて遷移図を考えます。
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偶奇で分かれることは,操作が球の位置の和に与える影響がmod2上で±1であることに気付けば漸化式を立てなくても出てきます。

(2)
(2-1)え:1 お:1/3 か:2/3 き:1/6
取り除かれるのは0の点にある球のみなので,rの状態になるにはpの状態から取り除かれるか,sの状態から移動してくるしかありません。また,sになるにはrから移動するか,qで0の球が選ばれて取り除かれるしかありません(遷移図略)。したがって,
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(2-2)く:m(2/3)m/2
先ほどの漸化式でsを消して,pをqで表せば,
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慶應大学医学部2015年数学第1問
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解説

基本問題であり,計算ミス以外でこれが解けなければ論外です。難易度は(2)>(3)>(1)の順です。

(1)
logの問題ではまず真数条件です。
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底が異なるのでそろえて整理します。
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(2)
絶対値で表されているものが何なのか理解できていると楽です。f(x)の方は全体が絶対値なので関数の負の部分をx軸で折り返しです。一方,g(x)の方はxの奇数次のみ絶対値なのでxが正の部分を折り返して偶関数化しているものです。
まずはf(x)の折り返しの有無で場合分けします。

(i)すべてのxでf(x)≧0の場合
つまり,
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の場合。基本となる関数ではf(x)もg(x)も同じなので,絶対値なしの関数の軸が正になっていれば,その頂点はg(x)にも含まれます。したがって,軸=-3b/2≧0です。以上から,-1/9≦b≦0。

(ii)f(x)<0なるxが存在する場合
この場合はf(x)の最小値は0なので,g(x)の最小値も0ならばOKです。偶関数なので0≦xのみで考えればいいので,
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極値か境界の値でしか最小値にならないので,g(0)=-b/4=0⇔b=0ですし,極値=0ならb=0もしくはb=-1/9となります(iと重なっているので必要十分性は不要ですし,境界の値は場合分けより除かれています)。

(i)(ii)より,-1/9≦b≦0が答えです。

(3)
積の形なのでとりあえず和積かなってところです。
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したがって,sin(2x-α)の部分が最大になればOKなので,範囲を考慮すれば,(う)は
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(え)は代入するだけです。
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慶應大学医学部2015年数学解説
慶應大学医学部2015年数学の解説です。簡単な問題と難しめの問題が入り乱れているので,落としてはいけないとこでしっかりとらないと合格点は厳しいでしょう。自分の体感難易度は,III(2)>>IV(5)>>IVその他=IIIその他=II>>Iという感じです(多分一般的にはIV(5)が一番難しいはず)。Iをケアレスミスではなく解けない人は受ける大学を間違っている感じだと思います。

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