ひたすら受験問題を解説していくブログ
京都大学2013年化学第3問b
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ヘミケタールという受験生には聞いたことないだろう構造が出てきます。ヘミケタールのケトン型といわれて、「ああ、あれね」といけた人は少なかったのではないでしょうか?

問5
とりあえず、問題文に書かれている通りに五員環構造をベンゼン環につけたものを描いてやると、
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この時点でC9H10です。つまり飽和していることがわかります。これにOをつけることを考えるとOHとなることがわかります。
この構造にOHをつけて不斉炭素を持つものは
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だけで、aはアルコールなのでナトリウムと反応し、Gだとわかります。
では、HIJはどうなるのかですが、これらはナトリウムと反応しないためOHを含まない物質です。つまり、OHを持ってしまうことの前提となっている炭素のみの五員環構造ではないことがわかります(飽和具合に影響を与えないことからも、Oは二重結合はしていないことがわかり、エーテルだとわかります)。
よって、五員環の炭素を1つOに置き換えた構造になることがわかるので、書き出してやると、次の2パターンが考えられ、
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これらにあまったCH3を不斉炭素を持つように加えてやれば、
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の3種が得られます。この不斉炭素のHをOHで置き換えると、
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です。最後gのみヘミケタールではないので、gがKであり、その元となっているdがHだとわかります。次にe,fのケトン型を描くと(これには似ている構造で知っているものを思い返してください。グルコースが思いつくのではないでしょうか?)
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となり、アルコール型はhなので、hがN、eがL、iがM、fがIであることがわかります。

【参考】
ケトンとアルコールから酸触媒の元で(通常は反応中間体の)ヘミケタールができ、さらにアルコールと反応してヘミケタールのOHがORに置き換わるとケタールといわれる物質になります(ヘミ=hemiとは半分を表す接頭語です)。
ケトンではなくアルデヒドの場合にはヘミアセタール、アセタールと呼ばれます。また、ケタールとアセタールの総称もアセタールであり、ヘミケタールとヘミアセタールの総称もヘミアセタールです。
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ヘミケタールはOHからH+が電離した場合(正確にはORのOにH+が付加することが基点?)に、左の平衡を左側に進むことになるので、OHの部分がケトンになり、OR3とCの結合がきれてアルコールができます。
この逆反応は、エーテルとなっているOがグルコースと同様に環状構造の一部をなす場合にでも同じように起こるため、アルコールが別物質で出るのではなく、同じ物質のケトンの逆側にアルコールが生じることになります。
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京都大学2013年化学第3問a
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標準的な問題ですが、化合物Cが2分子できることに早く気づかないと、時間を無駄に使ってしまいそうです。

問1 2
下線部の反応は二重結合への水素の付加です。化合物Aの分子量は274なので、付加した水素のmol数をAのmol数で割ってやれば解けます。計算が面倒ですが、整数が答えになるようなので適当に近似します。
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問2 1,2-ジメチルベンゼン (o-キシレン)
芳香族の酸無水物ができるということはDは最低でもベンゼン環1つとカルボキシル基を2つ持っています。残りの部位をXとしてやると、メタノールと反応してできる物質の分子量は、置換による水素の減少を無視するとベンゼン環が78、カルボキシル基が45、カルボン酸エステル部分が59で合計182+Xです。これが180ということは2だけ小さくなるため、X=0で単純に水素が2つ置換したものだと考えられます。よって、Dはベンゼン-1,2-ジカルボン酸(o-フタル酸)だとわかります。
ベンゼン環についたカルボン酸を作るためには、カルボン酸と同じ位置に炭化水素基がついた物質を酸化すればよいので、1,2-ジメチルベンゼン (o-キシレン)がその最も単純な物質になります。

【別解答】
単にCを脱水して1-ブテンになるということのみでせめると、Cの分子式はC4H10Oになります。これをAに水素を2分子付加させたB:C16H22O4から引くとC12H12O3+H2O(この水はBの加水分解分)となり、メタノールと反応する前で分子量205と180をオーバーします。
問題文の大分先を読むとAを加水分解するとD以外に2種類の分子ができるとあり、Cが2分子できていたことがわかります。なのでさらにC分引いてやると、C8H2O2+2H2O=C8H6O4となり、メタノールと反応して180と矛盾なくなります。酸無水物であることからベンゼン-1,2-ジカルボン酸 (o-フタル酸)だとわかります

問3
AとBの違いは二重結合の有無(2箇所)で、その結果としてEとFになるか、Cが2分子になるかの違いが生じてきます。つまりCに二重結合がそれぞれ1つずつついたものがEとFだということです(一方に2つつくと一方がCになってしまいます)。
そのため、まずはCを決定します。Cは二クロム酸カリウムで酸化するとEになり、最終的にカルボン酸になることからEはアルデヒド、Cは第一級アルコールである1-ブタノール(個人的に脱水時に1-ブテンができるだけで確定ですが)だと確定します。
ここでちょっと矛盾のような感じがします。EはCを酸化したアルデヒドなので、ブチルアルデヒド(ブタナール)なのですが、EはCに二重結合をつけたものではなかったでしょうか?
この疑問を抱きつつ、Cに二重結合をつけたものを書くと、
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の3つがあり得ます。これは知っているかの問題ですが、左上はエノールといって、アルコール基と二重結合が隣同士にあります。アルコールは微妙に酸なので、H+が少し解離しますが、その場合に次の平衡が成立します。
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ここで、アルコールと炭化水素の電離定数を思い出してみるとアルコールの方が大きいことから(酸素に結合している水素の方が+になりやすいと捉えてもいいですし、電離してできる陰イオンが電気陰性度の大きいOの方が安定だという理解でもいいと思います)、この平衡は右に偏ることがわかります。
よってEが左上から派生したものとなります。
残りはFですが、Fには幾何異性体が存在しないことから左下だとわかります。

これらとフタル酸をエステル結合させればAになります。構造式を本問題の全反応と共にまとめると
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問4 Eはアルデヒドであり、Fはアルコールである。FはEと異なり分子間に水素結合が形成されるので、Eよりも大きな力で分子間が引き合うことになる。よって、沸騰、すなわち分子間の結合をきるために必要な熱エネルギーはF>Eとなるから。

構造で違う部分、つまりアルコールとアルデヒドの違いに着目します。

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京都大学2013年化学第2問b
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誘導が丁寧なのでやっていることは算数なのですが、アミノ酸の電離を分子型まで考えて処理する問題は珍しい問題です(結局のところ本問の結果から無視してOKというのがわかります)。電離についての理解や計算処理の仕方をマスターしていないと難しく、問5はどれか選べない受験生もある程度いそうですし、問7は上手く計算できない受験生も多かったのではないかと思います。

問4

K1の定義をすんなり書けるかです。G+からH+が1つ取れたものをGをすると、
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同様にやります。上手く式変換が思いつかない場合はKc、KdからG±、G0を求めて代入すればいいでしょう。
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問5 Kb
グリシンのメチルエステルではCOOHがエステルになっているため、COOH→COO+H+の電離が起こりません。そのためKaとKdの反応は起こりません。また、Kaの反応が起こらないということはそれに続くKcも起こらないことになります。よって残りのKbです。

問6 2.3×105
式を変換していくだけです。
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問7 3.8×10-2
まず、Kdが入っていて数値がわかるものをあげます。
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です。Kcがじゃまなので消してやります。その際の発想は問6の活用を見出すことによって得られます。つまり、
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代入すると
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京都大学2013年化学第2問a
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算数な問題です。式をいじっていくだけなので、難しいわけではないのですが、公式丸暗記型の人は面を食らうと思います。ただし、問3は緩衝液の性質を丸暗記ではなく、ちゃんと式から考えると難易度はかなり高いです(例えば酸を加えたときにHA-+H+→H2Aがほとんど寄与しないことを根拠ありで解答できる受験生は少ないと思います)。

問1

平衡定数から”目的の濃度=”の形にするだけです。
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平衡定数から”目的の濃度=”の形にするだけです。使えない濃度が出てくるため、アの結果で消してやります。
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代入して解くだけです。
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問2 あ:5.4×102 い:2.9×102
これも代入するだけです。pH=4なので[H+]=10-4です。
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問3
まず、pH4付近では[HA-]も[A2-]も多く存在しているため、酸を加えた場合には、A2-+H+→HA-として追加したH+が消費され、塩基を加えた場合にはHA-+OH-→A2-+H2OとしてH+を供給して塩基を中和する反応が進む。そのため、溶液中の水素イオン濃度の変化は小さくなるから。

【参考】
もう少しちゃんと考えれば、各イオンの濃度を[H+]の関数として与え、pH=-log10[H+]について微分してやれば、pHの変化量と、各イオン濃度の変化量の比が求まるので、少しのpH変化に必要な酸や塩基の量が考察できます。微分をもとめてpH=4を代入してやります(ln10≒2.303)。
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となるため、pHが1変化するためには0.04mol/LのHA-とA2-の濃度変化が必要であり、両者の微分が正負逆で等しい(つまりH2Aはほとんど関係なし)ことから、酸を加える(pHは減少)と、A2-+H+→HA-が進み。塩基を加えるとHA-+OH-→A2-+H2Oが進むことがわかります。
なお、水素イオン濃度で微分した場合、水素イオン濃度の変化に比べてかなり多い量の塩基が必要なことと、どの反応が主として起こるかはわかりますが、対数をとる前のものなのでグラフの概形までの考察しにくいです。

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京都大学2013年化学第1問b
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錯体に関する問題で標準的なものです。問8は少し難易度が高く、また記述の仕方に悩む気はします。

問5 非共有電子対
問題文が変です。アンモニアとアンモニウムイオンでわかるように、金属イオンではないものでも配位結合といいます。
配位結合は、電子軌道が空いている電子対受容体に、非共有電子対を持つ電子対供与体が非共有電子対を提供し、共有結合のように電子を共有することによって結合するものです。
この結合は共有結合と実質的な違いはないため、アンモニウムイオンの4つの結合は区別することができません(ただし、結合に利用する空き軌道が他の結合とは異なる配位結合なら区別できます。)。

問6 Ag2O+4NH3+H2O→2[Ag(NH3)2]OH
なお、ジアンミン銀(I)イオンは直線型です。

問7
要するに等価な6つのうちから3つを選ぶだけです。等価なのである結合位置をテキトーに選びA1をつけます。その次にA2をつける位置には、A1Mと直交するものと、A1Mの延長線上になるものの2通りしかありません。
A2を直交するものにつけたとすると、次のA3は両方のAMに直交するものか、一方の延長線上かの2通りしかありません。
A2を同直線状につけたとすると、次のA3は両方のAMに直交するものしかありません。

以上の3通りを直線状のAMAの個数で分類してやれば、実は2通りだとわかります。よって
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問8
Co3+の配位位置にエチレンジアミンの配位子が来るような構造をとった場合は五角形構造になるが、エチレンジアミンのCとNの結合角は100度付近であり、立体的に無理なく五角形を形成できるため。

立体で結合のしやすさを考える場合、立体的に結合の邪魔になるか、結合したときに変なゆがみが生じないかの2点が重要です。ちなみに六角形のキレートも安定ですが、結合角に多少無理があるため、配位子が二重結合を含むほうが安定します。

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京都大学2013年化学第1問a
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問2のカを除いて典型問題なので確実に点を取りたいところです。

問1 F
ΔE=E(X-H)-{E(X-X)+E(H-H)}/2ですが、単に大小を比べるならE(H-H)は一定なので無視してOKです。
まず、Fを計算するとE(F-H)-E(F-F)/2=4.95×102となり、他のE(X-H)より大きいのでFが最も電気陰性度が大きいことがわかります。

【参考】
ポーリングの電気陰性度の意味は、A,B間で電子の偏りがある=電子の引き寄せ具合の差が大きければ、Aδ-Bδ+のような結合電子の偏りによる静電的なエネルギーによって、静電的エネルギーのかからない同原子同士の結合の平均よりも、ABの結合エネルギーが大きくなるというものです。

なお、同原子の結合部分を算術平均で計算した場合にはΔEがマイナスになってしまう場合があるため、より厳密には幾何平均を用いた以下の式が使われます。
ΔE=E(A-B)-{E(A-A)・E(B-B)}1/2

問2 イ:2 ウ:1 エ:1 オ:2 カ:1 キ:1
イウ
イオン化エネルギーは陽イオンにする時(つまり、電子を放出する時)に必要なエネルギー、つまり、(陽イオンのエネルギー)-(原子のエネルギー)です。これらの違いは電子がどこにあるかという違いです。陽イオンでは原子の周りに回っていた電子を1つなくなっており、言い換えれば電子が1つ無限遠に放り出された状態です。
電子と原子核はそれぞれ-と+の電気を帯びているため引き合っています。これを無限遠まで引き離すということはその分仕事をしており、エネルギー保存則から
陽イオンのエネルギー=原子のエネルギー+無限遠に運ぶ仕事
となるので、エネルギーを吸収することになります。

エオ
一方、電子親和力は電子を受け取って陰イオンになるときに放出するエネルギーです。これも無限遠にあった電子が原子の近くまで来ることを考えれば、イオン化エネルギーの真逆になるので、エネルギーが放出されることがわかります。

カキ
陰性になりやすいということは電子を離しにくいということでもあるので、イオン化エネルギーが大きくなり、電子親和力が大きいことになります。

極性のない結合A-Bから、極性のある結合Aδ--Bδ+になることを考えると、そのエネルギー差はAが負に帯電するときは電子親和力分エネルギーを放出し、Bが正に帯電するときはイオン化エネルギー分だけ吸収することになるので、総和として
(Aの電子親和力)-(Bのイオン化エネルギー)
だけ放出する(つまり、極性のない結合の方がエネルギーが高く不安定という)ことになります。
ここで、電気陰性度をA>B>Cとし別の物質ACを考えてやれば、静電的なエネルギーによる結合の安定度はABよりもACのほうが大きいので、
(Aの電子親和力)-(Bのイオン化エネルギー)<(Aの電子親和力)-(Cのイオン化エネルギー)
⇔(Cのイオン化エネルギー)<(Bのイオン化エネルギー)
となり、電気陰性度が大きい原子はイオン化エネルギーが大きいことがわかります。

電子親和力については電気陰性度がD>A>Bとし別の物質DBを考えてやれば、
(Aの電子親和力)-(Bのイオン化エネルギー)<(Dの電子親和力)-(Bのイオン化エネルギー)
⇔(Aの電子親和力)<(Dの電子親和力)
となり、電気陰性度が大きい原子は電子親和力も大きいことがわかります。

【参考】
ポーリングによる電気陰性度以外にも電気陰性度の定義はいくつかあります。
そのなかで、マリケンによる電気陰性度は電子親和力とイオン化エネルギーの算術平均によるもので、本問のカキをほぼそのまま表した式になっています。
かなり単純な式ですが、典型元素においてはポーリングの式と比例関係にある値が得られます。

問3
Ⅰ 2.8×102
問1で半分計算していたのでそれを使います。
ΔE=E(X-H)-{E(X-X)+E(H-H)}/2=4.95×102-2.15×102=2.8×102

Ⅱ 4.0×10-1
面心立方格子なので下図より
0.56/1.4=0.40

Ⅲ 1.7
単位がg/cm3であることからわかるように、基準を定めてそのgをcm3で割ってやれば終わりです。単位格子を基準に取ります。
g:単位格子中に二酸化炭素は面心なので4分子(面の中央が6に、立方体の角が8)あります。これをmolに直すと4÷(6.0×1023)です。molをgに変換してやるので分子量をかけてやります。二酸化炭素の分子量は44なので、44×4÷(6.0×1023)が単位格子のgです。

cm3:体積は(0.56nm)3です。nm=10-9m=10-7cmなので、代入すると(0.56×10-7cm)3=0.563×10-21cm3

g/cm3:44×4÷(6.0×1023)÷(0.563×10-21)≒1.67

問4
分子全体として極性を有するかは、各結合間の極性のベクトル和で与えられる。H-O結合は100度強であり2つのH-O結合間で打ち消しあわないが、C=O結合は直線であり、二つのC=O結合で極性が相殺される。

【参考】
分子の形状は概ねですが、非共有電子対、共有電子対の反発で推測できます。それぞれができるだけ離れるような形になるように配置してやればOKです。
なお、非共有電子対のほうがより反発しますので、メタンよりも水の結合角が小さいことなども説明可能です。

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京都大学2013年化学解説
京都大学2013年化学の解説です。簡単な問題も混在していますが、なかなかの難度なので満点を狙うのははっきりと厳しいセットです。

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筑波大学付属駒場中学校2013年理科第7問
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類題で公式のように覚えていれば楽かもしれませんが、考えて解くのはそれなりに難しい問題だと思います。

解法のポイント
  • 重力は重心にかかるものと考えていいです。
  • 回り具合は、好きな点を決めてやって、そこからの距離とそこにかかる力の大きさの積になります。水平につりあうときはこの回り具合が左回りと右回りで等しくなります。
  • モノが動かない時には向きも考えた力の和(逆向きなら引き算)は0になります。
  • どこから考えれば楽か考えて、楽なものから求めていきます。


1.①6 ②8 ③10 ④12
棒1から考えていくと、糸1と糸2がどこに付くかによって回り具合は変わっていきます。棒2、棒3も同様なので、糸が1本の棒4から決めていきます。
重心周りの回り具合で見てやると、重力による力は長さが0の位置なので無視できます。糸4による力はつりあいの関係から棒4の重さ=24cm分ですが、この力によって回らないためには重心から長さが0の位置、つまり重心でなければなりません。よって、12cmです。

次に棒3の釣り合いを見ていきます。糸4が結ばれている位置を基準に考えます。回り具合では糸4から受ける力は無視できます。重心までの距離は右に4cmで重力は下向きなので、4×24だけ右回りです。糸3は力の釣り合いから48cm分の上向きの力なので、これが4×24だけ左回りになるためには、2cm右の位置ということになります。
糸4基準で考えていたので、左端基準に直すと、10cmです。

次に棒2ですが、棒3の考察で気づいたかもしれませんが、下に伸びる糸を基準として、重心までの距離と上に伸びる糸までの距離の比は、上糸にかかる重さ:棒1つの重さ=その棒以下にある棒の数:1になります。
よって、重心までの距離12-(10-4)cm÷3本=2cmとなり。左端からに直すと6+2=8cm

最後に棒1ですが、重心までの距離12-(8-4)cm÷4本=2cm。左端からに直すと、4+2=6cm

2.⑤6 ⑥16 ⑦10 ⑧12
1.同様に考えます。まずは棒4からです。糸4は1.と変わりません。12cmです。
次に棒3ですが、重心が糸4から糸3までの距離2cmの2倍、つまり4cm右になります。よって糸3は12-(4-2)=10cmです。
次に棒2ですが、重心は左に2cm×3=6cmです。よって糸2は12+(6-2)=16cmです。
最後に棒1ですが、重心は右に2cm×4=8cmです。よって12-(8-2)=6cmです。

3.22cm
できるだけ左端に糸をつけていくことを考えます。
棒4はどうあがいても12cmの中心に糸4が付きます。
この糸4を棒3の左端につけた場合、重心までの距離は12cmなので、その半分、つまり左端から6cmの位置に糸3がきます。
糸3を棒2の左端つける場合、重心までの12cmを3で割った左端から4cmの位置に糸2が付きます。
(糸2を棒1の左端につける場合、重心までの12cmを4で割った左端から3cmの位置に糸1が付きます。)

各棒間でのずれを求めると、
4,3:12cm
3,2:6cm
2,1:4cm
となるので合計で22cmずれることができます。

4.イオキ
今までの問題同様に順番につないでいき、矛盾が出るものが答えです。
ア~エは糸がどこに来るか描いてやって、糸が上の棒につかない箇所があれば矛盾します。アだけ比率を示しますが、他も一緒です。
オ~クは重心だけを描いていきます(紙面の都合上長さがてきとーですが、矢印の先が重心です)。重心が糸から12cm離れたら糸を結ぶ場所がないので矛盾が生じます。
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筑波大学付属駒場中学校2013年理科第6問
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これも非常に簡単です。発光ダイオードやモーターと電流の方向の関係がわかっていれば瞬殺問題です。知らなくても、解くのに”ほぼ”十分な量の情報が与えられています。

発光ダイオードの性質
電流を一方向にしか流しません(あしの長い方に+をつなぐと流れます)。電流が流れる場合には光を発します。
知らない場合は、表の1、2から発光に関する法則がわかり、5から発光しているときには電流が流れることがわかります。
しかしその逆は不明です。冒頭で”ほぼ”といっているのは「光が出ないときには電流も流れない」という情報がないので、知らない場合には推測をしなければならなくなります。
本来なら、完全に論理だけで解けるように5ではなく6の結果を与えるべきだと私は思います。

モーターの性質
電流を流す向きによって回る方向が逆転します。本問では+を左につなぐと右回りに回ります。

6:ダイオードが逆なので電流は流れません。つまりモーターも回りません。ア
7:6同様にダイオードが逆なので電気は流れません。ア
8:ダイオードに電気が流れるので発光し、モーターには+が右側なので左周りに回ります。カ
9:並列なので別々に考えます。ダイオードは長い方が+なので光り、モーターは左が+です。オ
10:これも別々です。ダイオードは逆なので光りません。モーターは右が+です。ウ
11:これも別々です。ダイオードは逆なので光りません。モーターは左が+です。イ
12:これも別々です。ダイオードは長い方が+なので光り、モーターは右が+です。カ

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筑波大学付属駒場中学校2013年理科第5問
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第4問に続いて本問も満点がとりやすい問題です。

1.ウ
あまり燃えなかった理由は酸素の供給が足りなくなったためです。なので、穴を開けて酸素を供給してやればよく燃えます。缶内の空気の動きは、燃えた熱によって上側に向かっています。そのため、穴を開けた部分より上にしか酸素を含む新鮮な空気がいきません。逆に缶の下側に穴をあければ缶全体にいきわたることになります。

2.酸素 B
空気の成分は窒素4/5ぐらい、酸素1/5ぐらい、その他少々です。よってAが窒素、Bが酸素です。その他のものの主成分は二酸化炭素(やアルゴン)です。

3.A:イ? B:ウ その他:ア
Aは窒素なので燃える現象に関係ないため割合は変わりません(正確には燃えてできる水蒸気が、水蒸気を作るのに必要な酸素の消費量よりも多いので全体の量が増え、窒素の割合減少します。)。
Bは酸素なので、燃える時に使われて減ります。
その他の主なものは二酸化炭素なので、有機物を燃やすと増えます。

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筑波大学付属駒場中学校2013年理科第4問
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はっきりと簡単なので落としたくない問題です。

各設問の前に各実験でわかることを整理します。

・実験1
リトマス紙は酸性か塩基性(アルカリ性)か調べることができます。酸性の液体はリトマス紙を赤くし、塩基性の液体はリトマス紙を青くします。中性の液体ではリトマス紙は元の色のままです。
以上から、B,Dが酸性、A,Cがアルカリ性、Eが中性だとわかります。

調べる水溶液がそれぞれ何性かは次の通りです。
酸性:炭酸水、塩酸
塩基性:アンモニア水、水酸化ナトリウム水溶液
中性:食塩水

・実験2
水溶液を蒸発させると、固体が水に溶けていた場合はその成分が蒸発皿に残ります。一方、気体が溶けていた場合には何も残りません。

調べる水溶液のうちで固体が溶けているものは、食塩水、水酸化ナトリウム水溶液です。

・実験3
アルミニウムは酸と強い塩基によって溶けます(アンモニアのような弱い塩基では表面に膜ができてしまい反応が進まなくなってしまいます)。
よって、調べる水溶液のうちで溶けたものは炭酸水、水酸化ナトリウム水溶液、塩酸です。

1.①何も残らなかった ②あわがでた
実験1で青色になるもののうち、Cは実験2で固体が残っているので、Aがアンモニア水、Cが水酸化ナトリウムです。そのため、Aは何も残りません。

2.A:イ C:エ E:ウ
AとCは1.の解説どおりです。Eは中性の水溶液なので食塩水になります。

3.石灰水
炭酸水と石灰水を混ぜると炭酸カルシウムができます。炭酸カルシウムは水にほとんど溶けないため、白い沈殿が生じます。一方、塩酸と石灰水を混ぜてできる塩化カルシウムは水にかなりの量が溶けるため、沈殿は生じません。

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筑波大学付属駒場中学校2013年理科第3問
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1の②が難しめで、それ以外は標準的な感じだと思います。

1.ウイエア
台風は南で発生します。発生の仕組みはまだはっきりとしていません。発生後の進路にはその地点で吹いている風の影響を受けます。発生地域は北緯30°よりも赤道寄りなので、貿易風(偏東風)の影響を受けて西に進みます。ほとんどはそのまま南方で消滅しますが、一部のものはその後北上して偏西風が吹く地域に入ると北西方向に進むようになります。

【参考】
地球レベルでどの方向の風が吹くのか考える場合、どこで上昇気流や下降気流が生じ、地表付近(といってもかなり高いところまで含みます)と上空の風の流れを南北レベルで考え、それが自転の影響で東西のどちらに向かうのか考えて行きます(下図参照)。
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・上昇気流と下降気流
空気は暖められると密度が低くなるので上昇し、冷やされると密度が大きくなるので下降します。つまり、赤道付近では日光によって暖められる具合が大きいので上昇気流が生じ、極付近では冷やされるため、下降気流が生じます。
このような温度変化以外にも上昇・下降気流が生じる原因があります。上空や地表の一方に空気がたまりすぎてしまった場合、上空なら地表に向かって下降気流が、地表なら上空に向かって上昇気流が生じます。
空気のたまりすぎが起こる原因としては、後で述べるように南北方向に進む風が段々と東西方向に向きを変えられてしまうため、その緯度のあたりに空気がたまりすぎてしまうことが挙げられます。
この空気のたまりすぎによる上昇や下降は、緯度30°付近で下降気流(赤道で上がった空気が上空に溜まります)、緯度60°付近で上昇気流(極で冷やされた空気と偏西風で流れてきた空気が地表に溜まります)が生じます。

・南北方向の流れ
上記の結果、極では高気圧、60°で低気圧、30°で高気圧、赤道で低気圧が生じます。風は高気圧から低気圧に向かって吹くため。地表付近では極→60°、30°→60°、30°→赤道方向に風が吹きます。上空ではこの逆に吹きます。

・東西方向の流れ
風が南北方向のどちらであるのかと、地球の自転の向きによって決定します。高緯度に向かう風は東向き、低緯度に向かう風は西向きに段々と方向が変わっていきます。
その理由は、緯度が大きいほど自転軸に近いので、空気は自転方向に遅く動いています。これが低緯度に移動すれば自転方向についていけないため、自転に遅れて自転方向とは反対向き(西)に変わっていきます。逆に高緯度に向かう風は向かった先の自転よりも速くなるため、自転方向(東)に進みます。

2.ウ

富士山と東京はかなり離れているので、東京がおおわれるほどの溶岩は出ないと思われます。


同じく離れているため、東京で窓ガラスが割れるほどの衝撃波は発生しないと思われます。計算していないですが、もしそのような衝撃波が発生するならば、静岡の人たちは衝撃出死ぬレベルです。


過去の噴火でも関東ローム層などが細かな火山灰が積もったものとして有名です。


同じく距離が離れすぎています。


直接的な影響は多くないですが、ウ程度なら起こるため却下です。

3.イエ
水分などを多く含むやわらかい地盤はゆれやすいです。プリンを揺らすのと岩を揺らすののどちらが楽かという話です。

4.アウ
必ずしも解答どおりではないのが本当のところですが、曲がり角では外側が深く削られます。その理由は水は曲がり角でもまっすぐ進もうとするため、曲がり角に沿って均等に流れず、水の多くは勢い余って外側に流れます。
そのために水の量が多くなるので、下流や内側に向かった流れができます。その流れの分だけ外側では速い流れであり、また水自体の量も多いため、川底がより深く削られます。
アでは左側が外側、ウでは右側が外側です。

5.二酸化炭素

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筑波大学付属駒場中学校2013年理科第2問
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なんか全体的にふわふわしていて解説のしにくい問題です。難易度は簡単なのではないでしょうか?

1.アイエ

金魚は温度変化に弱いので死んでしまいます。


消毒成分である塩素で金魚は死にます。そのため、水道水を使う場合は日光の当たるところで放置したり、カルキ抜きを使って塩素を取り除きます。


養分がなくてもしばらくは死にません。体を作っている物質を分解してエネルギーにするのでしばらくは生きていけます。


酸素がないとすぐ死ぬのは人間もおなじです。


動物の生存に二酸化炭素は不要です。むしろ老廃物として動物が出します。

2.

1.のウと関連します。他の選択肢がつぶせるのでこれという感じです。消去法でエとアが残りますが、どちらが確実に金魚を死に至らしめるかでこれが正解になります。


日光の場合は3でも出てくる植物プランクトン(金魚の餌になります)が増えるためありかなとも思えますが、直射日光の場合には金魚は温度変化で死んでしまいます。


イであげた植物プランクトンという観点でも少しマイナスで、また、それ以外でも日光が適度に入った方が病気になりにくいとかいわれています。


1.のエと関連したことです。正直なところ完全には消せない選択肢です。5日も生きたことから酸素は供給が十分されていたと推測するというレベルでしか消えません。水草無、エアレーション(ぶくぶく)無、ろ過方式が酸素を取り込まないものの場合、金魚一匹あたりに結構な量の水がないと酸欠で死にます。ただ、これよりもアの法が確実に死ぬので除外されます。

3.餌を減らす。
緑色のは植物プランクトンです。植物プランクトンがたくさん出てくるためには
・植物プランクトンが水層内に入る
・数が増える

まず、水層内に入るのを防ぐ方法ですが、おそらく金魚自体に付着しているため不可能です。そのため、後者の数が増えることを防ぎます。

見た目の増加量=増加量-減少量、となるので、増加量を減らすか、減少量を増やせばOKです。
増加量を減らすためには、植物プランクトンの繁殖(はんしょく)に必要なもの、光と二酸化炭素の供給をなくしてやればよいです。金魚がいる以上、二酸化炭素は発生するので、考えられるのは2.ウのように光を当たらなくすることです。ただし、これは病気になりやすくなるので、次にあげる減少量の増加が答えになります。

一方減少量は、勝手に死ぬ数と金魚が食べる数が考えられ、後者は餌のやり具合で調整可能です。よって、餌を少なくしてやればよいことになります。

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筑波大学付属駒場中学校2013年理科第1問
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顕微鏡の使い方です。1も2も覚えていれば楽な問題です。2を覚えていなくて考えるとなると仕組みそのものを考察することになるので難しいと思います。

1.エ、ク、オ、ア
ただの名称です。
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2.アウエ

鏡とうを持つが誤りです。レンズ間をつなぐ鏡とうがゆがむと顕微鏡がだめになってしまいます。基本的に光が関わってくる部分(光学系)はかなりデリケートに設計されていますので、必要以上に手を触れてはダメです。持つ部分は鏡台と鏡柱です。


レンズはピントが合う範囲が決まっています。顕微鏡ではステージに置いた観察物に対物レンズを触れない程度に近づけてからはなしていきますが、この最初の位置はピントが合う位置より観察物もスライドグラスも近い位置にあります。そこからはなしていくと、まずスライドグラスがピントに合う範囲に入ります。


普通の顕微鏡では下図のように対物レンズが上下左右が反転した実像(倒立実像)をつくり、接眼レンズがその実像と向きが同じの虚像(正立虚像)をつくるので、全体としては上下左右が反転した虚像を見ることになります。なお、図は上下のみ描かれていますが、左右でも同じ図になるので、左右も反転しています。そのため、上下左右を逆に動かす必要があり、観察物は右下に動きます。
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基本的にそのまま交換すれば合うように設計されています。顕微鏡は対物レンズを交換しても観察物にピントが合い、かつ、多分ですが、上の図の実像のできる位置が、対物レンズを換えても接眼レンズから見て一定の距離になるように設計されています。小学校の範囲を明らかに超える(2次方程式を使います)ので省略しますが、この条件のもとに解けば対物レンズの倍率が高いほど対物レンズの筒が長くなることが説明できたりします。


拡大してもそこにある光の量は増えません。なので、拡大後は目に見える面積当たりの光の量が拡大した分だけ小さくなります。つまり、あまり拡大しない方が明るくなります。

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筑波大学付属駒場中学校2013年理科解説
筑波大学付属駒場中学校2013年理科の解説です。全体的に知識として押さえておいて解く分には簡単ですが、その理由を説明しろといわれれば困るレベルの問題もちらほらある印象です(この辺のレベルの内容を他の家庭教師とか塾とかがどう説明しているのかは気になりますね。)本年度内で見た場合は第1問と第7問が難しめといった印象です。

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東京医科歯科大学2013数学第3問
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(4)だけの出題ならばかなりの難問で、受験で出すのかよと嘆きたくなるレベルですが、誘導に忠実に従っていれば特に何にも難しくありません。一応、誘導を完全に無視して解いてみた別解答を載せておきます。

解答

解法のポイント
  • 誘導設問で出てくる式との形を見比べる
  • 整数nとかの積分→積分の漸化式

(1)単純に微分して=0です。
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f(x)は全変域で微分可能な関数なので、変域の境界と上の解をf(x)に代入したもののうちで、最も大きいものを選んであげれば終わりです。x=0,1のときはf(x)=0で、残りは
ikashika_2013_math_3a-2.png
でこれは0より大きいのでこれが最大値です。

(2)
積分しますが、普通にやると骨が折れそうです。nやmが入っているので漸化式を立ててやります。求める積分をIm,nとでもすれば
ikashika_2013_math_3a-3.png
となるので、
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(3)
(i)よりg(x)=kx(1-x)と置けます(k=-aですが特に気にしなくてもいいでしょう)。
(ii)より。
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これが0<x<1で成り立つなら、右辺の最大値よりkが大きいということです。右辺て(1)と似ています。なので条件をn≧2かつm≧2と整えれば、(1)から
ikashika_2013_math_3a-6.png
となります。あとは、残ったm=1またはn=1のときどうなるかを考えます。k≧(1-x)n-1、xm-1、1の3パターンですが、いずれも1が最大値なので、k≧1です。

g(x)最大値は平方完成してやれば
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となります。よって最大値の最小値は、
ikashika_2013_math_3a-8.png

(4)
真ん中と左はどこかで見たことある形です。逆数を取ると

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となり、左辺は(2)であり、真ん中は(1)です。(1)はf(x)の最大値であり、同時にその最大値を0から1まで積分したものでもあります。つまり、全積分区間でf(x)≦(1)であり、等号成立は1点のみなのでその積分では(2)<(1)となります。
残りは真ん中の辺と右辺です。さっきと同じく逆数を取ると
ikashika_2013_math_3a-10.png
です。これを証明すればよいことになります。真ん中は(1)なのは変わりませんが、右辺はここまでに出現していないものです。しかし、(3)を使っていないため、(3)を活用できないか考えます。

(3)はその定義よりf(x)の最大値である(1)より大きく、また(1)においてm,nをそれぞれを1小さくした形を4で割ったものなので、これを繰り返してやるとm>n≧2なので、
ikashika_2013_math_3a-11.png

(4)別解答

解法のポイント
  • 積(累乗)形はlogをとってやる
  • 不等式の帰納法は両辺の増分で考える

何乗だの何乗根だのはlogを取ると手がつけられることが多いです(n項の相乗相加平均とかもlogとれば帰納法でさくっといけます)。なのでlogをとると、証明すべき不等式は
ikashika_2013_math_3a-12.png
です。左辺と真ん中をまず攻めます。一旦nを任意としてmに関する数学的帰納法で行きます(計算の都合上、(i)では拡張してm≧n≧1として証明します)。
(I)左辺>真ん中
(i)m=nのとき
以下の様になります(logでもlogとる前でもいいです)。
ikashika_2013_math_3a-13.png
しかしこれ自体がなかなか厳しい形です。なので更にn=1から数学的帰納法を適用します。
(i-i)n=m=1のとき
左辺-真ん中
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よってn=m=1のとき左辺>真ん中が成立します。
(i-ii)n≧2、かつm=nのとき
n=m=i (i≧1)のとき成立していると仮定して、n=m=iのときの不等式とn=m=i+1のときの証明すべき不等式間で両辺の差を取ると、
ikashika_2013_math_3a-15.png
これを証明するために両辺の差を取ると
ikashika_2013_math_3a-16.png
よって(i-i)、(i-ii)よりn=mなるすべての自然数において、左辺>真ん中が成立する。

(ii) m>nのとき
m=i≧nのときに成立すると仮定すると、m=iのときの不等式とm=i+1のときの証明すべき不等式間で両辺の差を取ると、
ikashika_2013_math_3a-17.png
これを証明するために両辺の差を取ると(近似にはテイラー定理といわれる平均値の定理の拡張版の2階微分バージョンを使っています。f(b)=f(a)+f’(a)(b-a)/1!+f''(c)(b-a)2/2!が成立するa<c<bが存在します。証明はg(x)=f(x)-f(a)-f’(a)(x-a)-A(x-a)2/2とおいてg(b)=g(a)=0になるAをロルの定理を適用して求めるものが有名です)
ikashika_2013_math_3a-18.png
以上から仮定の下にn≧2ならば左辺>真ん中が成立します。

(i)(ii)より、m≧n≧2を満たす自然数m,nにおいて左辺>真ん中が成立します(実際はもっと良い近似を使えば(ii)がn=1でも成立するので、m≧n≧1でも成立します。また、n=1の時にlogでもとって微分してグラフの概形を求めればわかります)。

次は真ん中>右辺です。

(II)真ん中>右辺
(iii)m=nのとき
logをとったままでもいいですしlogをとる前に戻して普通に計算してもいいです。真ん中=22n>22n-1>右辺なので、真ん中>右辺が成立します。

(iv) m>nのとき
m=i≧nのときに成立すると仮定し、logを取ったもののm=iのときの不等式とm=i+1のときの証明すべき不等式間で両辺の差を取ると、
ikashika_2013_math_3a-19.png
この左辺は平均値の定理より
ikashika_2013_math_3a-20.png
となるので、仮定の下にn≧1で真ん中>右辺が成立します。

(iii)(iv)よりm≧nなる自然数m,nにおいて真ん中>右辺が成立します。

(I)(II)よりm≧n≧2を満たす自然数m,nにおいて(4)の不等式は成立します。

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東京医科歯科大学2013数学第2問
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(2)が山場です。証明すべきものは割りと簡単に見つけられますが、それを示す方法が他分野を用いるため悩みます。

解答

解法のポイント
  • 文字の数を減らす
  • 弱い条件で求めてみる

(1)
とりあえずAを添え字の1、Bを添え字の2として計算します。
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各条件を見ていきます。
(i)整数同士の和、差、積は整数になるので成立します。

(ii)b+c=0になることを証明するので、0つまり、AとBの(ii)の左辺、もしくは(iii)の左辺でくくれると推測できます。ここではより文字数の少ない(ii)の活用を目指します。まずは、文字が多いので(iii)を使ってaあたりを消しておきます(まとめる際には余分な文字であるdは必ずb+cでくくれると推測できるので、初めにdを見ていけばもっと複雑でもまとめやすいと思います)。
ikashika_2013_math_2a-2.png
(iii)同様に計算するだけです。最後はb=-cを使っています。
ikashika_2013_math_2a-3.png

(2)逆行列は以下のようになります。
ikashika_2013_math_2a-4.png
簡単な(ii)と(iii)から行きます。いずれも=0の式なのでad-bcで割っていることは関係ありません。よって(ii)は-b-c=-(b+c)=0です。(iii)はd-(-b)-a=-(a-d-b)=0で必ず成立します。

次に本題の(i)を証明します。すべてが整数ということは、a,b,c,dのいずれもad-bcで割り切れるということになります。まずは文字が多くて発疹が出そうなので、減らします。
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となるためbとdがd2+bd+b2の整数倍になっていれば良いことになります。いきなりk倍とかおいて挑んでもいいのですが、もっとゆるい条件からせめてやります。割れるということは、絶対値を取ってやれば、割られる側が割る側以上でなければならないので、
ikashika_2013_math_2a-6.png
となります。

(I)b=0の場合
逆行列を持つことからad-bc=d2≠0なので、d=±1でありad-bc=1。

(II)b=±1の場合
ad-bc=d2+d+1。よって、d=0,1,-1の順に1,3,1となるが、3の場合はbを割れないため不適。よってd=±1(符号はbと一致しなくてよい)でad-bc=1。

(I)(II)よりad-bc=1。

(3)
(2)で求めたbとdから書き出すと、
ikashika_2013_math_2a-7.png
(4)
単純に(3)で求めたものを何回かけたらEになるか調べます。初めの1つ目はそのままなのですべてのnでE。次は-Eなのでnが2の倍数でE。三番目(Cとします)は計算します。
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3回かけて-Eなので、nが6の倍数でE。その次は-Cなので、nが3の倍数でE。5つ目はC2なので、nが3の倍数でE。6つ目は-C2なので、nが6の倍数でE。

以上から、3の倍数かつ2の倍数ではない自然数nにおいてちょうど3つとなります。
ちなみに、ちゃんと計算していませんが、自然数ではなく整数でもAn-1=A-1でMに含まれるので成り立つ気がします。
東京医科歯科大学2013年数学第1問
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(3)は少し難しめですが、誘導が露骨なので、設問間の関連性を考える癖をつけておけば対応可能だと思います。折角なので誘導ガン無視の解き方も別解答として載せておきます。

解答

解法のポイント
  • 与えられている条件(他の設問を含む)と求めるべきものを繋げる操作を考える
  • 文字が多いものは文字を減らしてやる


(1)
求めなければいけないものはα+βでわかっているものはtanαtanβです。この二つが出てくる式を考えます。
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がまさにそれです。ここでtanαtanβ=1なので分母が0になるので、tan(α+β)は定義外(無限)になります。αとβの定義域から、0<α+β<πなので、定義外はπ/2のみだとわかります。

(2)
文字が多いので与えられた等式を使ってγでも減らしてやります。γ=π/2-(α+β)を使うと、
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となるので、これを代入します。
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(3)
(2)と(3)は全く同じ条件の問題なので、(2)の結果を(3)に使えないか考えます。こういう場合には次数が参考になることが多いです。なので、定義域から(3)の式は0より大きいことは明らかなので、(3)の式を2乗して次数を合わせると、
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となるので後は2乗の項の最小値(最大値はαをπ/2に近づければ無限に近づくのは自明)を求めればいいことになります。その際に2乗の項を含み、できれば情報のあるtanの積も出てくる不等式ができないか考えます。すると
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が得られます(等号成立はα=β)。α、β以外の組み合わせも考えてやれば、
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となるので、α=β=γ=π/6の時に最小値√3になります。よって
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【参考】
やっていることはコーシー=シュワルツの不等式の証明と同じなので、この不等式をそのまま使ってもいけます。
(tan2α+tan2β+tan2γ)2=(tan2α+tan2β+tan2γ)(tan2β+tan2γ+tan2α)
≧(tanαtanβ+tanβtanγ+tanγtanα)2=1です。

(3)別解答1

解法のポイント
  • 下に凸な関数のf(x)の平均値はf(xの平均値)よりも大きい
  • 正の数の最小値は相乗相加平均

ポイントにある通りです。tanxは0<x<π/2で下に凸な関数なので
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です(等号成立はα=β)。なので、
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が成立します。tan部分をtとでも置いてあげれば、相乗相加平均より
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となります。等号成立は3t=1/tよりt=1/√3でα=β=γ=π/6です。

(3)別解答2


別解答1の相乗相加をそれ以外で行きます。γを固定した場合に、α=βで最小となるのは別解答2と同様です。
その後今度はαかβの一方(ここではαとします)をその値に固定した場合に同様に考えれば、β=γの時は更に小さくなります。

この操作を繰り返すと。異なる二つの値の平均値を延々と取っていくことになるので、α=β=γに収束します。
つまりこの時が最小だとわかります(ここから動かすと等号が崩れ大きくなるので)。よって代入して与式≧√3となります。

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東京医科歯科大学2013年数学解説
東京医科歯科大学医学部2013年数学の解説です。第1問(3)と第2問(2)が少し難しめですが、誘導なのか点取らせ問題なのかが多いため、ある程度の点は取りやすい感じです。

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慶應大学理工学部2013年物理第3問
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1)

dの半分がltanθになるので2ltanθ


S0R0間がl/cosθなので、S0S1間が2l/cosθで、それをk倍すればよいので、2lk/cosθ


Skから出る光はいずれも偶数回反射しているため、位相の反転は無視できます。Sのk=k1、k2からでる光を振幅をAとでも置いて合成すると(公式で解いてもいいかと思います)、
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となります。時間tに関係ない部分が強めあいや弱めあいの部分ですので、cos内がπの整数倍になっていれば強めあいます。すべての光が強めあうということはk1とk2の差の絶対値が最小(0だと同一の光なので除外)となる組み合わせ、すなわち1の時でもπの整数倍になっていることが条件になります(1の時成立するなら、2でもmを2mに置き換えたら成立します)。つまり、
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ちょっと見にくいですが、下の図のようにS1を透過した光の進路にS0から垂線をひいてやると、光路差は垂線のS1から垂線の足までの距離に等しくなるので、d・sinφ1だけウの場合より大きくなります。今はk=0,1で見ましたが、k=k1、k2なら相似比からこのk2-k1倍になります。
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以上からウと同様に合成してやれば、
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となり。ウと同様に差が最小(=1)となるk=k1、k2を考えればOKなので、左辺のk2-k1は1となります。また、左辺のカッコ内第一項は条件(1)を満たすため無視できます(2π/λをかけるとmπになるので影響を与えない)。一方右辺では、最小の角度φを求めるため、nも最小の1になる必要があります(条件(1)による無視をしなければn=m+1)。よって、
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【参考】
上の図は近似だけあって感覚的に違和感を覚えるかもしれません。もう少し数学的にいくなら平均値の定理で求められます(aが小さいときの(1+a)p=1+apという近似でもいけますが)。まずはLをM2から光を映し出すスクリーン的なものの距離としてS0とS1から光の像までの距離を求めると、
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この差に平均値の定理を使います。以下のcはtanφ1≦c≦tanφ1+d/Lを満たすもので、d<<Lならc≒tanφ1です。
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再びウの式
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に戻って考えます。λを短くするということは1/λは大きくなるので、mも大きくなければなりません。つまりより短いλ1で光を強めあうためにはmの次の整数で等式が成り立つということです。
つまり、λをλ1で入れ替えて、mをm+1で入れ替えたものが成立します。
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ここで、mは解答に使えないものなので、解答につかえるλで置き換えてやります。
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なので、代入すると
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2)

図1のものは焦点に置かれていて、(問題文にl≪fと書いていないのはどうかと思いますが慶應さん)dはfに比べて十分小さいので、M2を透過する光はすべて焦点から出ていると近似できます。つまり、M2から出た光は凸レンズを通った後は、x軸に平行な光に近似できるということになります。
これは言い換えれば、凸レンズを通る時点でのy座標がそのままスクリーンに投影されることに他なりません。
そのため、明点が凸レンズの位置でどのようにできるかを考えればOKです。1)でいうφ1で進む光がy=0の次の明点になるので、yは下図の様になるためftanφ1になります。
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φ1は使ってはいけない文字なので、
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となります。最後のカッコはφ1が極めて小さいという近似が使える場合の答えです。


エの式に戻ります。
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nだった部分がmなのはx軸に平行な光がなす明点のnは、φ1の明点、つまりn=m+1の明点の一つ前の整数nだからです。これをφについて解けば、fsinφによって明点の位置が求まります(λの変化が小さいことからφも小さいことがわかるため、近似の方で求めて問題ありません)。
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慶應大学理工学部2013年物理第2問
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ごくごく標準的なレベルの問題です。

1)

磁場内に入っている部分は高さvtの台形になります。
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台形を右辺を一辺とする長方形と上下の三角形に分けて考えます。まず長方形部分はa・vtです。台形の斜めの辺は進行方向に30°の角をなしているので、上下二つの三角形の面積と長方形部分の合計、つまりSは
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普通に微分すりゃいいだろとか思いますが、代入すると、
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起電力の大きさは閉曲線(回路)を通る磁場の変化量で、向きは閉曲線の移動を妨げる方向です(力学的エネルギーが電気的な位置エネルギーである電位に変わるというエネルギー保存則的な考えからも速度を減少させる方向に電気が流れます。化学平衡とかでもそうですが自然は変化を嫌うことが多い気がします)。
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オームの法則です。全体の抵抗は4Rなので
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電流と電圧をかけたものになるので、
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単位導線あたりのローレンツ力の大きさは流れる電流×磁場の強さなので、これに導線の長さと傾きを考慮してローレンツ力の合計を計算します。それに逆らうので符号はマイナスを一回かけることになります。テキトーな図ですみませんが、つまり、斜めの部分には緑色の力が掛かりますので、これを進行方向の成分(赤色)に分解してやります(分解した垂直方向の力は上下の斜め辺で打ち消されるので無視しています)。
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速度一定なので計算するまでもなくエネルギー保存則から、加えた仕事が電気的に消費されるオのエネルギーと等しくなります。

【参考】
仕事の定義から計算すると
keio_riko_2013_phy_2a-10.png

入る前まではカのような二次関数です。回路が磁場に入りきっている場合には回路内の磁場に変化はないのでF=0です。出るときは入る時と全く同じ計算になります(方向は変化を妨げる方向を考えれば同じであることがすぐわかります)。よって、
keio_riko_2013_phy_2a-3.png

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慶應大学理工学部2013年物理第1問
keio_riko_2013_phy_1q.png
少しやさしめですが、公式丸暗記の人だと手が出ないかなといったレベルです。コはどれぐらい正確なグラフが求められるか不明ですが、ちゃんと傾きの減り具合とか考えると難易度は高いでしょう。

1)

力学で計算めんどくさいものは大体エネルギー保存則や運動量保存則です。摩擦などによるエネルギーの損失がないので、エネルギー保存則が使えます。
初めのエネルギー=任意の時間のエネルギーなので、高さはR(1-cos⁡θ1)なのでkeio_riko_2013_phy_1a-1.png


台から飛び出ないためにはθ1がπ/2より小さくなければなりません。
keio_riko_2013_phy_1a-2.png

小球には垂直抗力と重力がかかっています。垂直抗力は円弧の成分Fと直交するので重力のみ考慮すればOKです。重力の円弧方向の大きさはmgsinθで、θ=0側への力ですので、-mgsinθです。


近似よりF=-mgθです。mgはsに無関係なので、θとsの関係式を立てて代入してやります。s=Rθです。
よって、F=-mgs/R


s''=-gs/Rの形なので('は微分)、単振動の形です。よって√(g/R)が答えです。

2)
台を固定した1)はMが重過ぎて動かない場合と考えていいので、2)で出てくる結果はM→∞だと1)になるということを検算に使うと便利です。


ア同様にエネルギー保存則か運動量保存則です。前者はわからない高さが出てくるので後者でいきます。
keio_riko_2013_phy_1a-3.png


こっちはエネルギー保存則です。
keio_riko_2013_phy_1a-4.png


これも運動量保存則とエネルギー保存則です。

イと同様に考えると、
keio_riko_2013_phy_1a-5.png

エネルギー保存則か運動量保存則です。球と台のそのときの速度をそれぞれu,Uとします。
keio_riko_2013_phy_1a-12.png

ケの導出仮定から、Aを過ぎ去るときにはUは2mv0/(M-m)と0を交互に取ります。
また、x1を台、x2を小球の床基準のx座標、yを小球の床基準のy座標、垂直抗力を
Nとすると(第一式しかいりませんが)、
keio_riko_2013_phy_1a-7.png
であり、N≧0かつsinθがθの正負に一致することから、小球が負のθから来る場合にはx1'すなわちVはθ=0で極小に、正のθから来る場合にはθ=0で極大になることがわかります。
よってグラフは次の通りです。
keio_riko_2013_phy_1a-13.png

【参考】
sinθ≒θ,cosθ≒1の近似のもとではもう少しはっきりした関数で与えられます。
相対位置x1-x2=xと置いてやれば、x=Rsinθ≒Rθ(=円弧方向のs)であり、y≒0が成立します(Aを0としています)。よって、
keio_riko_2013_phy_1a-9.png
であり、また、yの加速度より
keio_riko_2013_phy_1a-10.png
なので、単振動の方程式としてθを求め、t=0の速度からAを求めて、更にVを求めると、
keio_riko_2013_phy_1a-11.png
となります。出てくる式をM→∞にしてやれば、1)に近づくことがわかるかと思います。

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慶應大学理工学部2013年物理解説
慶應大学理工学部の2013年物理の解説です。全体的に標準的なレベルですが、第1問のコと第3問のキが難しめです。

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桜蔭中学校2013年算数第5問
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この問題って、小学生はどれぐらい厳密に行くんだろう・・・勘で底面を長方形と決めてしまう場合が多いのでは?あと、計算し忘れが少し怖い問題。

(1)
===================以下気にしなくてOKです=========
底面の図形には直角マークが入っていないため、台形の可能性があります。
まず、底面の60cmの辺と30cmの辺の角度は直角になります(前面の上辺が右側面に垂直であり、前面はねじれないで台形になるので)。
台形なので底面奥の辺も60cmの辺に平行で、奥の辺と30cmの辺の角度は直角です。あとはこの奥の辺の長さが60cmなら底面は長方形、そうではないなら台形になります。

上面の左側の2つの頂点から底面に垂線を下ろして3:4:5の直角三角形を作ってやるか、上面と底面の左奥の頂点を結ぶ辺が左手前を結ぶ50cmの辺と平行になる(ねじれない)ことから、底面が長方形であることがわかります。
================以上====================

体積は手前の面を底面にした台形柱だと考えます。その時の底面積は(60+30)÷2×40=1800で、高さは30なので、1800×30=54000cm3です。

表面積は台形2つとそれ以外を底面の30cmの辺を一辺とするの長方形として求めます。
(60+30)÷2×40×2+(40+30+50+60)×30=30×(120+180)=9000cm2

(2)円柱の体積は5×5×3.14×40=1000×3.14=3140です。よって54000-3140=50860cm3

(3)
まず正方形と円を個別に考えて、そのあと交わっている部分を考えます。

正方形
増えるもの:正方形柱モドキの側面
減るもの:正方形Bとその反対の面


増えるもの:円柱の側面
減るもの:円Aとその反対の面

次に交わっている部分を考えます。正方形の1辺は40÷4=10cmなので、円はすっぽり正方形に入ってしまいます。
よって、正方形柱モドキの側面から円A2枚分、円柱の側面から正方形の高さ分がなくなります。

計算していきます。

正方形柱モドキの側面
側面上部のよこの長さは全体の高さの4分の1の位置にあるので、(60-30)÷4=15/2を30cmに加えたものになります。一方側面下部のよこの長さは全体の高さの4分の2の位置なので15cmを30cmに足した45cmです。
10×(30+15/2+45)+10×(30+15/2+45)÷2×2=10×165=1650です(後半は台形部分です)

正方形Bとその反対の面
50cm:40cmの比を使えば10×(10+10×5/4)=100+125=225です。

円柱の側面-正方形の高さ分
10×3.14×(40-10)=300×3.14

円Aとその反対の面+正方形柱モドキの側面に空いた円A2枚分
5×5×3.14×4=100×3.14

以上から
9000+1650-225+300×3.14-100×3.14=10425+628=11053cm2

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桜蔭中学校2013年算数第4問
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楽な道を選べばかなり早く解けるが、変な道に入ると計算量が増える問題です。難易度はそんなでもないと思います。

解答

解法のポイント
  • たてよこの一方が同じなら、同じじゃない辺の比と面積比が同じになる。
  • たてよこの双方が異なるなら、一方を無理やり合わせた図形を考える

あ:い=1:2なので横の比も1:2です。ここでいう3は300mから道幅3mを引いたものなので、(300-3)÷3=100-1=99mが(あ)の横で、(い)の横はその2倍の198mになります。
う、え、おについても同様にやると、う:え:お=3:4:5で合計12です。この12は300mから道幅3mを2つ、つまり6m引いたものになるので、(え)の横は(300-6)÷12×4=100-2=98mです(他のは分数になるため一番計算しやすいのを選んでいます)。
たてに関する情報が欲しいので、(あ)と(え)を比較してやります。そのためには、たてかよこをそろえる必要があります。(え)のよこを(あ)にそろえる(そろえたものを(え’)とします)と面積は(え)の99/98倍になります。あ:え=1:4なので、あ:え’=1:4×99/98=49:198です。合計は247であり、これが250mから道の幅3mを引いたもの、つまり247mと等しくなるので、比の1は1mになります。
よって(え’)のたて、つまり(え)のたては198mで、これによこの98mをかけて198×98=(200-2)×(100-2)=20000-600+4=19404m2

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桜蔭中学校2013年算数第3問
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一見めんどくさいだけの問題に見えますが余り計算はいりません。

解答

解法のポイント
  • 経路差で考える
(1)
待ち時間をできるだけ短くするように待つケーブルカーを選んであげるだけの作業です。時速の計算がいやなので分速になおしてやります。上りが8/60=2/15、下りが12/60で1/5です。
上り下りのケーブルカーが2km(駅やポイント間の距離)走るのにかかる時間はそれぞれ15分、10分です。
各駅やポイントに達する時間を計算していきます。
上で計算したかかる時間から、まず10分後にBが先にポイントにつきます。Bがそのまま進んだ方がBが止まってAを通過させるよりもかかる時間は少ないので、ふもと近くのポイントをBが通り過ぎるまでAが待ちます(20分後まで)。その後Aが発進します。
Bがふもとに着くのは止まっていないので30分後、Aが山頂に着くのは5分(20分-15分)止まったので45+5=50分後です。(その後それぞれ5分停車しますが、両方休めば関係ないので無視して最後に足します)。
ここまでで20分ずれています。今度はAが近いポイントに行くのは60分後です。一方Bはその時(60-30)÷15=2ポイント分なので同じチェックポイントにいるため、両者が止まらずにすれ違うことになります。

気づく人はここで気づくと思います(天才さんは計算する前から気づくのが許せませんが・・・)が、両者の経路差(AとBが走った距離を下り同士と上り同士で打ち消してやる。順序が逆な気もするが、解答の図を参照するとわかり易い)を考えれば計算しなくても止まることなく交互にふもとと山頂のポイントですれ違うことがわかります。
つまり、ふもと近くのポイントですれ違うと、次の山頂近くのポイントまでの距離はAB共に上りが2ポイント分、下りが1ポイント分になり、経路差は0となるということです。また、山頂近くのポイントですれ違う場合も同様で、次のふもと近くのポイントまでの距離は上り1ポイント分、下り2ポイント分になり、経路差は0となります。

もっと深く考察すれば、ある点ですれ違ったら、全長の半分の距離(ここでは3km)に対してその点に対称な点でもすれ違うということになります。AとBの対称性(のぼりくだりをそれぞれ交互に行なうという対称性)から出てくるものですね。

以上からグラフは以下のようになります(5分の停車を忘れずに)
ouin_2013_math_3a-1.png

(2)
20分以降は繰り返しです。ふもとポイントのすれ違いから山頂ポイントのすれ違いは45分、逆は40分です。よって、5回目は20分+(45分+40分)×2=20分+(1時間25分)×2=3時間10分なので11時10分です。

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桜蔭中学校2013年算数第2問
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典型問題です。ただ、より頻繁に見る足し算ではなく、かけ算なので比が絡んできます。これも別解答を示しておきます。

解答

解法のポイント
  • 2つの数の組み合わせが決まってしまうものからせめてやる

基本的な解き方は足し算の場合と同じです。一番小さいものはA×B、次に小さいものはA×C、一番大きいものはC×D、次に大きいものはB×Dになります。残りはA×DとB×Cですが、これらはどちらが大きいのかはわかりません。
A×B:A×C=108:126=6:7=B:Cであり、Aは18(108:126の最大公約数)の約数であることがわかります。Aは1,2,3,6,9,18が考えられます。
また、A×C:C×D=126:252=1:2=A:Dとなります。(*)
Aを1,2,3,6,9,18と決めた場合にA<B<C<Dが成り立つものがどれかを検討します。ここで、Bは6×18÷A、Cは7×18÷Aに注目して計算します。
Aが18はB<Aとなり、だめです。
Aが1,2,3,6はD<Bとなりだめです。
よってA=9であり、B=12、C=14、D=18が答えになります(これはA<B<C<Dですね)。

別解答

*までは上と同じです(Aに何が考えられるかは不要ですが)。A×DとB×Cのどちらがどちらか特定します。
方法1 162と168のうちでB×Cのものは6でも7でも割れます。7で割れるのは168のみなのでこちらがB×Cです。
方法2 162と168を2で割ったものは、つまり81と84のうちでA×Dの方はA×Aとなっている。81つまり162の方しか考えられません。
特定ができたらA=9、B=12、C=14、D=18が簡単に求められます(Bは168÷42=4、2回かけて4になるものは2、2×6で求まります。)。

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桜蔭中学校2013年算数第1問
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(1)は必ず解けて欲しい問題です。(2)もごくごく普通の難易度だと思います。一応(2)の別解答も書いておきます。

解答

解法のポイント
  • 大きい数のものを考える時は周期性を考える。

(1)
順を追って順番に処理します。分数などは約数に分解しておくと計算がやりやすくなるでしょう。②は最善手ではないと思われます。

ouin_2013_math_1a-1.png

ouin_2013_math_1a-2.png

(2)
10,000個になるまで数えるなんて気が遠くなります。そのため周期を見つけます。
Aの周期は休みを入れて6日、Bの方は5日です。二人の周期がずれているため面倒です。そのためずれも含めてぴったり周期的になる日数を見つけますが、これは6と5の最小公倍数になるので30日です。
30日でAさんは5日×5周期=25日働きます。よって25個×25だけ作ります。一方Bさんは4日×6周期=24日だけ働きます。よって30個×24だけ作ります。
合計すると25×25+30×24=5×(125+144)=5×269なので、これで10,000を割りますが見るからに割り切れないので、大体の数字を求められるようにごまかします。10,000÷(5×270)<10,000÷(5×269)なので、
200÷27≒7.4なので、7周期か8周期が最も近くなります。計算が楽なので8周期を基準に考えます(5にかけると10ができるので楽)。8周期では、5×269×8=10760作られているので、時間を巻き戻して、10000にしてやります。
ここからは二人ではなく、一人の周期で考えます。Aは1周期で125個、Bは1周期で120個作ります。合計すると大体245個であり、余分な760を割ると3あまり25個です(750-15で計算すると早い)。
しかしながらAの周期の日数が多いので、その調整が必要です。A基準の3周期ではBが2日多くはたらいでいます(周期から1つ戻った日は休みなので3-1です)。よって実際にはBは60個多く作っているため、A基準の3周期前では60-25=35個足りません。再び時間を進めて1日足してやればいいことがわかります。

以上から、30×8-6×3+1=223日かかるということになります。
31日の月は5,7,8,10,12,1なので、30日を一ヶ月として8かける30日進めた11月30日から17と4(11月までの31日の月の数)を引いた日が答えになります。つまり、11月9日で曜日は223÷7=(210+13)÷7よりあまりは6となり、火曜日開始で火曜日が余り1になることから日曜ということがわかります。


(2)別解答

解法のポイント
  • 平均の数値でおよその値を推測する

休みも含めたAの一日の平均は25×5÷6=125/6です。一方Bは30×4÷5=24です。これらを足すと、269/6となります。
10000をこれで割ると大体の日数がわかります。ほぼ223日です。あとは223日がAとBの周期上でどこに来るかを考えて、ちゃんとした日数を求めます。Aは223÷6=37余り1、Bは223÷5=44余り3です。これらを考慮して223日目の実際の値を求めます。
A:(37×5+1)×25=4650、B: (44×4+3)×30=5370 (いずれもカッコ内が働いた日数です)。合計すると10020であり、一日でも巻き戻すと10000より小さくなるため、223日後が正解です。これ以降は本解答と同じです。

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桜蔭中学校2013年算数解説
桜蔭中学校算数(2013年)の解説です。なんか地道さを問う感じですね。毒づきそうになる問題です。

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東京工業大学2013年数学第5問
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(1)が難しめで、(2)(3)は標準問題でコメントすることなしといった感じです。それにしても臨時メンテナンスって怖いですね。投稿したと思ったらすべてが消えていました。

解答

解法のポイント
  • 円が内接=内接される側と円の中心の距離の最小値=円の半径
  • 円の積分は扇形引く三角形


円の中心(a,0)と楕円上の点(x,y)の距離を求めます。
tokodai_2013_math_5a-1.png
この最小値=a2を見て行きますが、両辺をa2で引いて考えたほうが表記が楽なので、引いた後のものを平方完成します。
tokodai_2013_math_5a-2.png
あとは楕円の変域-1≦x≦1の範囲に置ける最小値を求めるだけですが、x2の係数と軸の位置で場合分けしていきます。
(i)1-b2<0⇔b>1 ∵b>0
上に凸なので軸から遠い境界が最小になります。軸は分子が正、分母が負なので負です。よってx=1で最小値1-2aを取ります。これが0なのでa=1/2です。

(ii)1-b2=0⇔b=1 ∵b>0
直線の方程式1-2axができます。傾きが負なのでx=1で最小です。つまりa=1/2です。

(iii)1-b2>0⇔0<b<1 ∵b>0
下に凸なので軸が変域内なら頂点が最小、変域外なら軸に近い境界が最小になります。軸は分子も分母も正であることに着目すると軸>0です。
(iii-i)0<軸≦1
tokodai_2013_math_5a-3.png
次にこのaのもとで0<軸≦1を満たす条件を求めます。
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(iii-ii)軸>1
x=1で最小なので、a=1/2です。このとき軸>1を求めると、b>1/√2になります。

(i)~(iii)より0<b≦1/√2の時a=b√(1-b2)、b>1/√2の時a=1/2となります

(2)
(1)でいう0<b≦1/√2のケースなので軸のxがpで、その時のyがqです。
tokodai_2013_math_5a-5.png
(3)
楕円が外側、円の変域が0≦x≦2a≦1であることに注意して積分します。x軸に対する対称な図形なのでx≧0の部分を2倍すればよいので、x≧0の部分の積分を考えると
tokodai_2013_math_5a-6.png
となります。円の積分なので、角度を求めて扇形から三角形を引いて求めます(それが無理ならコツコツ積分します)。角度は前者後者ともに0から、前者はπ/4、後者はπ/3までになるので(√2/3でくくって代入すればわかり易い)、
tokodai_2013_math_5a-7.png

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