ひたすら受験問題を解説していくブログ
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
慶應大学医学部2013年化学第4問
keio_med_2013_chem_4q.png
式をしっかり立てて変形できるかが鍵です。逆に言えば1.以外は知識を必要としません。

1. エ
互いに混じり合わない溶液と冒頭にあるので、水と混じり合わないものでなければなりません。なので、クロロホルムが少し悩ましいですが、基本的に極性分子がだめということになります。よってエタノールのみが水と混じってしまうのでダメです。

2.
さらっと他の設問に目を通すと色々めんどそうなので一般化した式で考えます。元の物質量をM、水の量をA、有機溶媒の量をB、有機溶媒注の物質量をxとすると、
keio_med_2013_chem_4a-1.png
パッと見で液体の量ではなく比率に依存する感じです。本設問は1:1で、Mも代入すると、
keio_med_2013_chem_4a-2.png
3.
上の式において、xが依存しているのはP、液体の比率、全物質量だけです。なので、1回目、2回目でそれぞれの要素がどうなるのかというだけで、問題になるのは2回目の全物質量だけです。添え字は適当に理解してください。
keio_med_2013_chem_4a-3.png
4.
3.で求めた数値の和と2で求めた数値の比を取ります。どうせ消えるのでMはそのままで解きます。
keio_med_2013_chem_4a-4.png
となり、増加分は1/8=12.5%です。

5.
回収率yを導入してもとめます。1回の抽出によるものは、単純に有機溶媒に溶けているもののyだけしか回収できないので、
keio_med_2013_chem_4a-5.png
2段階抽出のものの1段階目は同様に有機溶媒にもyをかけるし、水の方にもyをかけるので、
keio_med_2013_chem_4a-6.png
よって2段階目の回収は水の量が変わることに気をつければ
keio_med_2013_chem_4a-7.png
となるので、収量の条件で不等式を立てると、
keio_med_2013_chem_4a-8.png
となり50.0%より多ければいいとわかります。PにもMにも依存しないということですね。

【参考】
他に問題として出せそうな発展としてはこんなところでしょうか?

(i)k段階の均等抽出
漸化式みたいなのが途中に出ていますので、2段階ではなくk段階でも考えて見ます。
3.をB/k mLでk回抽出ということで求めてみます。つまりA:B=q:1とするとAn/Bn=qkです。
keio_med_2013_chem_4a-9.png
となりk→∞ですべて回収となります。

(ii)任意の比による分割抽出(2段階)
A:B=q:1、1段階目を全有機溶媒のうちのz(割合)だとすると、
keio_med_2013_chem_4a-10.png
となり、z=1/2で収量は最大となることがわかります。
スポンサーサイト

テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

慶應大学医学部2013年化学第3問
keio_med_2013_chem_3q.png
ガチ解答を作るなら2.の難易度は受験史に残るレベルなのでどこら辺で正解なんだろう?と疑問です。それ以外はよくあるレベルの問題です。

1. 12種類
ポイントはアスパラギン酸の側鎖の酸がグリシンのアミノ基と結合できる点です。
gをグリシン、aをアスパラギン酸、左側をアミノ基としてg-g-aは1種類、g-a-gは2種類、a-g-gは2種、a<g×2は1種類で計6種類です。
問題文で不斉炭素と指示されている様に光学異性体を考慮します。アスパラギン酸には光学異性体があるので、2倍の12種類が答えになります。

上記でいうところのa-g-gと<g×2なので、
keio_med_2013_chem_3a-1.png

2.
ジペプチドでは末端アミノ基のNも配位することになるが、ペプチド結合のNのようにC、O、N間の共鳴構造によるイオンの安定化を受けないため、脱プロトン化されないまま配位してしまい、赤紫色の原因となる脱プロトン化したNを2つ含むN-C-C-N-Cu環構造が形成されないため。

私の妄想半分の解答ですが、一応、高校理科FAQ - 啓林館ユーザーの広場でも同じようなことをいっている気がします(テトラグリシンやトリグリシンの配位が図で示されているので参考にしてみてください)。
この問題って、「ペプチド結合を2つ持たないから」的なのでも点数もらえるのでしょうか?

【参考】ペプチド結合の共鳴構造と配位のpH依存性
ペプチド結合は次の共鳴構造(通常は立体的な反発によってトランス配置)をとります(上段)。また脱プロトン後の陰イオンも共鳴構造をとります(下段)。
keio_med_2013_chem_3a-2.png
ペプチド結合のNの酸解離定数は共鳴構造による安定を受けるため、アミノ基の酸解離定数より大きくなります。つまり、強塩基であるNaOHを加えることによって、アミノ基は陰イオン化されなくてもペプチド結合のNは陰イオン化されてしまうということです。その結果、Nの配位しやすさや立体的な位置関係の変化(共鳴構造は二重結合と単結合の間のような構造)が見られるため、ペプチドの配位の仕方はpHに依存したものになります。
また、電子の状態が変わるということは、電子の遷移によって生じる色にも変化が起きるということになります。

3.
(1)12種類
酢酸鉛の鉛とアミノ酸由来の硫黄によって硫化鉛の黒が生じる反応がここで言う”反応”です。つまり、反応が起きなかったということはシステインを含まなかったということであり、グリシン、アスパラギン酸、チロシンの3つのアミノ酸からなるトリペプチドということになります。
チロシンの側鎖はペプチド結合に関係ないので、1.を元に計算します。1.でいうグリシンの1つがチロシンになっただけなので、二つのアミノ酸の入れ替えが可能になるだけです。
よって、光学異性体を無視したものは6種だったので6×2=12種類です。
光学異性体を考慮するならば、更に2×2をして、48種になります。

(2)酸性
アミノ基よりカルボキシル基の方が多く、チロシンのフェノールも弱い酸性なので、酸性になる。

アミノ酸のpHや等電点(pHは等電点に近い気もしますが、濃度に依存します)は酸性基や塩基性基の個数とその強さによって決まります。
個数が同じでも、例えばグリシンの酸解離定数はカルボキシル基2.34、アミノ基9.6(塩基の解離定数は4.4ということ)なので、同じ数あればカルボキシル基の酸性が勝ちます(中性アミノ酸なので等電点は二つの解離定数の平均値である6弱になり、pHもその付近、つまり弱酸性になります)。

4. 3.15mL
水酸化ナトリウムを加えると弱塩基の塩と強塩基なのでアンモニアが発生します。このアンモニアと中和滴定の水酸化ナトリウムの合計が中和滴定の硫酸とちょうど中和されます。

よって、まずはアンモニアを求めますが、そのためにはトリペプチドが何molなのかわからなければなりません。
トリペプチドの分子量を計算すると、側鎖を除いたアミノ酸と側鎖、脱水部分で考えてやるか、分子式にしてから計算します。、
(12×2+16×2+14×1+1×4)×3+1+(12×2+16×2+1×3)+(12×7+16×1+1×7)-18×2=222+1+59+107-36=353
よってmol数は20/353=20/353mmolとなります。1molあたり窒素は3つなので60/353mmolのアンモニアが出来ます。
中和反応の等式を求めるmLをxとして立てると
0.2x+60/353mmol=2×0.01×40⇔x=4-300/353≒3.150

テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

慶應大学医学部2013年化学第2問
keio_med_2013_chem_0q.png
keio_med_2013_chem_2q.png
全体的に基本問題のみです。ここの大問は満点で行きたいところです。解説も楽で助かります。

1. 55.6mol/L
1Lあたりのmol数なので、分母は勝手に1Lにしてそのmol数を求めます。与えられているのはgとcm3なのでgから行くことになります。gとmolの変換といえば分子量です。水の分子量は18g/molなので、
1000÷18≒55.55≒55.6が1Lあたりのmol、つまり答えになります。

2. 重水素重水:1.11g/cm3 半重水:1.06g/cm3
重水素重水、半重水の分子量はそれぞれ20g/mol、19g/molです。よって、構造が同じならば水の20/18倍、19/18倍になります。計算すると1.11と1.06になります。

3.ウ
浸透圧の差が膜にかかる水圧の差と同じになる位置で平衡に達するが、水圧は密度と高さの積なので、同浸透圧と釣り合う高さは密度に反比例するから。

4.
(1)逆浸透法
半透膜で通常浸透する方向と逆なので逆浸透法という安易なネーミングです。

(2)2.54×106Pa
NaClの浸透圧を押し返すことが出来ればいいので、まずは浸透圧を求めます。浸透圧はあくまでも粒子単位の話なので、NaイオンとClイオンの両方のmol数を足して計算します(要するに2倍すればいい)。
Π=cRTです。cがわからないので求めると、c=1000g×3%÷(23+35.5)=20/39 mol/Lなので、
Π=2×20/39・8.31×103・298≒2.539×106
計算がめんどくさいだけな問題であることがわかります。

【参考】半透膜の原理
半透膜の原理は通常のフィルターと同じく、膜の網目よりも大きいものを通さず、それより小さいものを通すというものです。水が溶媒の場合は水は通るけどスクロースのような大きい物質は通さない網目のものを使ってやることになります。
さて、ここでよく出る疑問点として、「ナトリウムイオンとかって水より小さいけど何で通るの?」というものがあります。
ナトリウムイオンは確かに水より小さく、それ単体なら半透膜を通過することが出来ます。しかし、水の中のナトリウムイオンを思い出してみるとわかるように、イオンは溶媒である水によって水和されており、水和も含めた塊としては水より巨大になるため、半透膜の網に引っかかってしまうから通らないのです。

テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

慶應大学医学部2013年化学第1問
keio_med_2013_chem_0q.png
keio_med_2013_chem_1q-1.png
keio_med_2013_chem_1q-2.png
1.(2)が不明確で、予備校各社でも解答が割れています。また、4.もBが特定できないものと思われます。

1.
(1)
(ア) β型 (ウ)α型
自分は1(図でいう右側の環状ヘミアセタールになっている炭素),4(左端)で結合するときに逆になるものをβ、同じで結合できるものをαと覚えています。(イ)はアルデヒド型グルコースと呼ばれ、アルデヒドなので、こいつが還元性を示します。
尚、水中の割合は文献によって多少異なりますが、β(64%)>α(36%)>アルデヒド(1%未満)です。β>αなのはもう少し結合の角度を意識して下図のようにした場合に、OH基の立体的な反発が少ないからです。
keio_med_2013_chem_1a-1.png

(2)9種類
異なる物質として数えると9種類、立体異性体を無視すると5種類、互いに平衡な立体異性体を考慮すると25種類になります。下手に「構造異性体を考慮する」とあるため立体異性体までは考慮しないのかなとも取れますが、本ブログでは異なる物質は異なる物質として9種類が正解だと主張します。

まず、グルコースがどのような結合をしうるかなのですが、ヘミアセタールであるグルコースは、ROHとヘミアセタールのOH部分(一番右の炭素についたOH)で脱水縮合を起こします(これがグリコシド結合です)。
また、このヘミアセタール部分はアルデヒド型と平衡状態にありますが、グリコシド結合後には平衡状態ではなくなります。逆に言えば、ヘミアセタール部分が脱水縮合に使われない限り、その糖はアイウの平衡状態を有します(二糖類が還元性を示すのはそのため)。
よって、アのヘミアセタール部分とウのヘミアセタールのOH以外が結合する場合が4、その逆が4、ヘミアセタール同士が1で合計9種類です。

尚、立体異性体を無視する場合にはアとウは立体異性体なので、どちらのヘミアセタール部分を使っても同じことになるので、うえで挙げた3つのパターンのうちで初めの2つは同じものになります。つまり5種類ということになります。

互いに平衡な立体異性体も全部考慮するならば、うえで挙げた3つのパターンのうちで、初めの2つは、グリコシド結合においてヘミアセタールを提供していない方の糖がアイウの平衡状態を取れるため、×3をして計24通り、ヘミアセタール同士を足して25通りになります。

(3) 1種類
ヘミアセタール同士のもの以外は一方の糖がアイウの平衡を持つため、還元性を示すイの形が存在します。よってヘミアセタール同士のもの1種類のみが還元性を示しません。

2. 1.07×10-2
与えられているのがモル沸点上昇であることから、ベンゼン1kgあたりに何モル解けているかを求めればよいことがわかります。つまり1kg/20g×2g=100gのジヨードブタンが何モルかということです(下で求める分子量的にジヨードブタンの方がベンゼンより沸点が大分高いので、不揮発性物質としてモル沸点上昇な扱いが出来ます)。
まず、ブテンの分子量は12×4+1×8=56です。これにヨウ素127が付加した場合、56+127×2=310、ヨウ素125の場合は310-2×2=306です。
よって沸点差は
keio_med_2013_chem_1a-2.png

3.
良くある問題なので、知っていれば電離定数を使うまでもない問題です。あと炭酸水素イオンはこの表記でいいの?と突っ込みたい問題です。

(1)
フェノールフタレインの変色域より高いpHの塩基、つまり水酸化ナトリウムと炭酸ナトリウムの一段階目が反応します。
NaOH+HCl→NaCl+H2O
Na2CO3+HCl→NaHCO3+NaCl

(2)
残った炭酸水素ナトリウムが反応します。
NaHCO3+HCl→NaCl+H2O+CO2

(3)
実験では1000mLに溶かして、10mL用いているので、塩酸の量を100倍で考えます。一段階目で1.90×10-1×1=0.19molです。二段階目は150mLなので0.19×0.15=0.0285molです。
水酸化ナトリウムのmol数は、10×0.75÷(23+1+16)=0.1875molです。第一段階から引くと0.0025molが炭酸ナトリウム、これを第二段階から引くと0.026molが炭酸水素ナトリウムだとわかります。
よって
炭酸ナトリウム:0.0025×106=2.65×10-1g
炭酸水素ナトリウム:0.026×84=2.184≒2.18g

【参考】弱塩基の電離度を利用した解法
塩基としての電離定数はB+Hsol→BH++solの電離定数のことで、酸の場合と同様に、平衡定数に[H2O]をあらかじめかけた以下の式で与えらます。
keio_med_2013_chem_1a-3.png
この平衡定数をもとに各弱塩基のpHを求めてフェノールフタレインの変色域に入るか調べます。

炭酸ナトリウムのpH
炭酸ナトリウムは二段階の反応でOHを生成出来ますが、与えられている塩基の電離定数からわかるように、一段階目に比べて二段階目、つまり炭酸水素イオンから炭酸が生じる平衡で生成するOHは非常に小さくなります。そのため、一段階目のみ考えてpHを計算しても値はほとんど変わりません。
keio_med_2013_chem_1a-4.png
一塩基酸の弱酸の場合と同じように考えれば[OH-]の値を得ることが出来るので、水の電離定数から[H]を求めることが出来ます。初期濃度をc、電離度をx、水の電離定数をKw=1.0×10-14とすれば、
keio_med_2013_chem_1a-5.png
となるため、cが1mol/Lより小さいことを考慮すれば、炭酸イオンのpHは14-3.7/2=12.15より低くなります。また、どんなに低濃度にしても、c→0でpH=14-3.7-log102>10.3-log1010=9.3となるので、cが水の電離による[OH-]の濃度=10-7より十分大きければ、9.3以上になることがわかります。

炭酸水素ナトリウムのpH
簡易的にやるならば、炭酸ナトリウムと同じ考えになりますが、フェノールフタレインの変色域的にかなりボーダーになります。両性物質として計算するためには工夫が必要です。上で挙げた平衡の第一式の逆と第二式が成立しますが、これに加えて、これらをひとつにまとめた不均化反応といわれる次の平衡を考えます。
keio_med_2013_chem_1a-6.png
この平衡定数は10-4であり、前述の第一式逆の10-10.7や第二式の10-7.7と比べて大きいため、炭酸および炭酸水素イオンのほとんどは第一式の逆や第二式というよりも第三式によって生じているといえます。つまり炭酸≒炭酸水素イオンなので、この条件で[OH-]を求めてpHを計算すれば、
keio_med_2013_chem_1a-7.png

変色時の反応
実験に使った液体は各塩基の混合物なので、上記のように単純ではありませんが、上で求めたpHとフェノールフタレインの変色域8.3~を比較すると、炭酸ナトリウムはフェノールフタレインの変色前に、炭酸水素ナトリウムは変色後に反応するものと考えられます。

【参考】酸解離定数と塩基解離定数の関係
一方が与えられれば他方(平衡の式で言う逆反応に進む反応の解離定数といえます)を求めることが出来ます。
keio_med_2013_chem_1a-8.png

4.
(1)
A:Mg B:K(,Rb,Cs,Fr)
反応性はイオン化傾向順に激しくなります。つまり、第一イオン化エネルギーの低い左下の元素の方が水と反応しやすい傾向にあり、アルカリ金属とCa以上のアルカリ土類金属は常温の水と反応して水素を発生します。Mgは熱水と反応します。それよりイオン化傾向の小さいAlからFeぐらいまでは高温の水蒸気と反応して水素を発生します。
よって、Aは熱水と反応することからアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属、水酸化物が難溶性であることからアルカリ土類金属、硫酸塩が可溶性であることからMgとわかります。
BはNaより原子番号の大きいアルカリ金属なのでK,Rb,Cs,Frのどれかですが、これ以上絞る情報はありません。

C:Sn D:Cu
まずDが石器の次ということからCuです。また、伝導性に優れていて水と二酸化炭素(と酸素)の存在下で、
Cu+H2O+CO2+O2→CuCO3・Cu(OH)2
となることもヒントになるかと思います。
青銅なのでCはSnになります。

(2)K,Mg,Sn,Cu
問題文の記述だけからでも反応性の強い順に並べてあげるだけです。

(3)
Cuはイオン化傾向が水素よりも小さいので酸化されなければ酸に溶けません。
SO42-がSO2まで還元させることを覚えていれば立式は容易です。
Cu+2H2SO4→CuSO4+SO2+2H2O

ア、イ
有名どころなので覚えておいておきましょう。アが青、イが白です。水和物は水和具合が増すにしたがって水溶液の色に近くなっていく感じです(多分)。

テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

慶應大学医学部2013年化学解説
慶應大学医学部2013年化学の解説です。相変わらずの慶應さんっぷり。難易度はまずまずなんですが、文脈がないというか、分野別問題集で出されるような面白みのない問題です。また、なんか聞き方が曖昧な問題もあって、もうちょっと頑張って欲しい感じです。まあ大問4だけはありといえばありな問題だと思いますが・・・

テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

東京工業大学2013年物理第3問
tokodai_2013_phy_3q-1.png
tokodai_2013_phy_3q-2.png
tokodai_2013_phy_3q-3.png
tokodai_2013_phy_3q-4.png
tokodai_2013_phy_3q-5.png
典型問題を他とかぶらないように頑張ってみました感が漂う問題です。基本的にはただの干渉の問題で、後半は日本語の問題?と聞きたくなるような、問題文にかかれたように積を作る問題とかがあります。

(a)
(ア)
三平方の定理で求めるだけです。
tokodai_2013_phy_3a-1.png
(イ)
近似式を用いる場合は定数である1をそろえると上手くいくことが多いです(個人的には平均値の定理で近似するほうが好みです)。
tokodai_2013_phy_3a-2.png
(ウ)
LBCを同様に出して計算します。
tokodai_2013_phy_3a-3.png
(エ)
sin波の合成で出来るcosの項の位相がウ/λ×πになるので、明線を求めると、
tokodai_2013_phy_3a-4.png
となり、ひとつとなりの明線との距離は
tokodai_2013_phy_3a-5.png
(b)
(オ)
光路差はLAC-LBC+LSA-LSBになります。よって、m番目だった明線は
tokodai_2013_phy_3a-6.png
となるため、-lL/aだけずれる。

(カ)
問題文で触れているcosの項がその平均値になる、つまり0になるということです。よってα/2。厳密にはスリットのずれをyとして、dを表してやって。光検出器の読みをyについて積分してyで割ることによって平均を出します。そのため、dがyに比例する単純なケースでないと成り立たないと思われます。つまり、本問においてもyが大きい値の場合は、成立しないと予測されます(計算してないので、もしかするときれいに消えるかもしれませんが)。

(c)
(キ)
読みは二つの掛け算なので、読みが0ならどちらかが0です。x2が何でも0なことからx1が0だとわかります。よってx1は暗線です。cosが0になるのは奇数×π/2の位相なので、
tokodai_2013_phy_3a-7.png
(ク)
(b)の読みの値にx1とx2を代入して掛け合わせるだけです。
tokodai_2013_phy_3a-8.png
(ケ)
問題文にある通りdを含むものをその平均、つまり0にしてやります。ただ、その際に二つのcos間で上手く相互作用して0にならない可能性があるので、展開してから積を上手く処理します(わかり易い例だとcosxの平均は0でもcos2xの平均は0ではないです)。
tokodai_2013_phy_3a-9.png
(コ)
ケで求めた関数を選びます。周期はPでα2/8から3α2/8までの値をとります。よって⑤になります。

テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

東京工業大学2013年物理第2問
tokodai_2013_phy_2q-1.png
tokodai_2013_phy_2q-2.png
tokodai_2013_phy_2q-3.png
tokodai_2013_phy_2q-4.png
最終的な電圧を求める際に勘違いや早とちりをする、エネルギー保存則を個別の公式の枠を飛び出して使えない、ぐらいが考えられるつまずきポイントでしょうか。いずれにしても満点を狙ってしかるべき大問です。

[A]
(a)
電流を求めるためには、V=RIなので、Vが知りたいです。この問題は電磁誘導なので、V=dΦ/dtです。そしてその方向はレンツの法則通り、Φの変化を減らす方向になります。
Φは考えている回路内(棒1、棒2とそれに挟まれるレールからなる回路)の磁束なので、回路の面積×回路の磁束密度になります。よって、ΔΦ=-v0Δt・l・Bとなります(つまりは棒1が移動して面積がv0Δt・l減るだけの話)。
よって、V=dΦ/dt=ΔΦ/Δt=-v0lB。レンツの法則から回路内の磁力線を増やす方向に電流は流れるので、棒1では下向きに流れることになり、符号はそのままでOKです。
はじめのV=RIにもどると回路の抵抗はR1+R2なので、
tokodai_2013_phy_2a-1.png
(b)
(ア)I2lB
公式そのまま。電流が強いほど、磁場が強いほど、受ける範囲が長いほど強くなるってのは感覚的にそのままで、それをかけてるだけですね。結構、こういう感覚的なものがそのまま掛け算の形になっているだけの公式は多いです。

(イ)v1∞=v2∞
V=RIなのでIが0なら、Vは0です。よって、考えている回路の面積の変化が0になります。なのでv1∞=v2∞となります。

(ウ)
イの式と運動量保存の式から、
tokodai_2013_phy_2a-2.png
(エ)
一見、イで述べたことから、回路内の面積変化が0なので電圧は0と答えたくなりますが、○○の電圧と聞かれたときはそこに電圧計を入れて新たに回路を作り直してみるとわかりよいでしょう。
問題文の図においてコンデンサを電圧計に変えてスイッチを入れてみると、棒1も棒2もそれぞれと電圧計で作られる回路を考えてみれば、面積の増加=v1∞Δt・lとなっていることがわかります。よって、(a)と同様に棒において
tokodai_2013_phy_2a-3.png
の誘導起電力が生じていることになり、電圧計にかかる電圧は棒とは逆方向になるのでマイナスをかけた値になります。電流は流れていないことを考慮すれば、この誘導起電力をちょうど打ち消して電気が流れない状態をつくる電圧がレール間にあることになるので、更にマイナスをかけたもの、つまり、上で求めた棒における誘導起電力が答えになります。

(C)
エネルギー保存則で行きます。全発熱量をQとすると、
tokodai_2013_phy_2a-4.png
発熱量はRI2なので、各棒の電流が同じであることから、各棒の発熱量は各棒の抵抗に比例します。
tokodai_2013_phy_2a-5.png

【参考】
保存則を使わず時間と共に棒の速度や発熱量がどうなるのかを見ていきます(最後の状態しかわからないとはいえ、保存則の偉大さがわかると思います)。回路の面積変化→電圧→電流→棒にかかる力と考えていって運動方程式を立てると(回路全体の抵抗をRとおいています)
tokodai_2013_phy_2a-6.png
となります。右辺すなわち力の項が棒1と棒2のものを含んでウザイので、それに左辺もあわせてやります(質量で除して式を引きます)。また、右辺は±が違うだけなので右辺を消します(式を足します)。まあ二つ目は作用反作用の法則、つまり運動量保存の式そのものなので、初めの使わない宣言が半分嘘になりますけど。
tokodai_2013_phy_2a-7.png
上の式から解きます。相対速度をΔv、右辺のΔvの係数を-k、t=0をx=0を棒1が通過した時刻とすると
tokodai_2013_phy_2a-8.png
下の式を積分したものと連立させれば、
tokodai_2013_phy_2a-9.png
となり、kが正の定数であることを考慮すれば、十分な時間が立つと棒1も棒2も(B)のウで求めた値に近づいていきます。
次に全発熱量Qを時間の関数として求めます。相対速度×l=面積変化であることに着目すれば、
tokodai_2013_phy_2a-10.png
となり、t→∞でkを代入すれば(C)で求めた全発熱量Qがでます。

[B]
[A]と同じ流れなので違いに着目しつつ利用していきます(何が違うのかに着目する人、知っている問題を活用しようとする人は強いですね。家庭教師で教える際に一番最初に教えることであり、最終的に目指すところでもありますけど)。
(d)
(オ)
(b)同様に運動方程式からはじめます。アより、電流をIとすればローレンツ力はIlBなので、
tokodai_2013_phy_2a-11.png
(カ)
電圧Vはコンデンサの電圧でもあるので、V=Q/Cです。Qを微分したものが回路全体のIであることを思い出せば、
tokodai_2013_phy_2a-12.png
(キ)
Δtの係数を比較してやれば(求めるものをXと置いています)、
tokodai_2013_phy_2a-13.png
(e)
Aではどう求めたかというと、棒1と棒2でできる回路の電流と保存則の式でした。なのでここでも同じことを試みます。
まず、A同様に棒の速さが一定になるといいことはローレンツ力が0であり、棒に流れる電流も0です。よって棒1と棒2でできる回路でみると起電力を生じない、つまり、イ同様に両方の棒の速度が同じになります。
これを踏まえて保存則を見てみると、Aと違うVの項があるのでこれを求めないとだめそうです。
このVは、エと同様に考えて、コンデンサと棒(どちらでもよい)を含む回路を考えてやればエと同じになることがわかります。よって、
tokodai_2013_phy_2a-14.png

(f)
Aではエネルギー保存則でした。なので同じくエネルギーを保存させてみます。新しく追加されているものはコンデンサーなのでこの静電エネルギーを考慮するだけです。
tokodai_2013_phy_2a-15.png

テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

東京工業大学2013年物理第1問
tokodai_2013_phy_1q-1.png
tokodai_2013_phy_1q-2.png
tokodai_2013_phy_1q-3.png
tokodai_2013_phy_1q-4.png
解き方が(a)で指定されているため(いなくてもこれぐらい思いつけってもんですが)、何も考えなくても解けてしまう問題です。グラフだけ注意して書けばOKです。

[A]
(a)言われた通りにエネルギー保存則と運動量保存則の式を書いて、連立方程式として解いていきます。さくっと解ける方法は次の2つが有名です。
tokodai_2013_phy_1a-1.png
(b)
相対速度を考えれば簡単にT0は求まります。
tokodai_2013_phy_1a-2.png
その後の動きは、速度が逆転するので、AにBが追いついて衝突します。速度の逆転が起こってから相対速度でlの距離、つまり更に2T0後にAとBが衝突し、これも弾性衝突なので、(a)と同じ式で速度が逆転します。それ以降も2T0ごとに速度の逆転が起こります。よってグラフは
tokodai_2013_phy_1a-3.png

[B]
(c)
相対速度が変化するためAB間の距離で行きます。各物体の斜面方向の運動方程式から相対運動の運動方程式にして、それがlになる時を求めれば、
tokodai_2013_phy_1a-4.png
(d)
結局立つ式は(a)と同じになるので、速度の交換が起こるだけです。よってひもがはる寸前の相対速度(つまりはT1の時の速度)を求めてマイナスをかけます。
tokodai_2013_phy_1a-5.png
(e)
式は同じで初期条件(初めの位置とか速度とか)が変わるだけですので、こんなものは対称性からT2=T1で相対速度ΔV=0だとわかります。
2つの物体の運動は相対運動方程式できまるので、その初期条件と方程式の形のみで議論すればいいのですが、この問題では初めのABの相対速度がプラマイ反転して、相対加速度は同じなので、まるで逆再生のような運動をすることになります。つまり、l/2広がるのにかかった時間がl/2縮めるのに必要な時間になり、その時の相対速度は相対速度が増えてひもが張る状態になるまでと同じ時間だけ相対速度を減らすように働くので、元に戻って0になるということです。

(f)
(e)から、相対速度的視点だと伸びきってもとの位置に戻るを繰り返すだけの運動になります。また、速度の増加の仕方は運動方程式に変化がないため変わりません。よってグラフはT1までのグラフと平行な線で書いてやればよいことになり、以下のようになります(物体によって傾きが決まるのでそれに着目すると間違えにくいです)。
tokodai_2013_phy_1a-6.png

テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

東京工業大学2013年物理解説
東京工業大学2013年前期物理の解説です。誘導がしっかりしていることもあって、全体的に簡単めな印象です。満点を狙っていいセットだと思います。

テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

大阪大学2013年化学第4問
handai_2013_chem_4q-1.png
handai_2013_chem_4q-2.png
標準的なレベルの問題です。特にいうことがない感じです。

問1 14通り
まずアミノ酸には方向があるので、数学でいう単純な重複順列に相当します。1箇所の選び方は2通りなので、24=16通りが、2つのアミノ酸から構成され得る種類の数です。ここから、1つのアミノ酸のみで構成される、グリシンのみアラニンのみの2種類を引くと14通りあり得ることがわかります。

問2
実験2ではジペプチドBが直鎖脂肪酸Cの2倍出来ています。元々、Aが直鎖脂肪酸と4個のアミノ酸からなることも考慮に入れれば、AがB2つから構成されていることがわかります。また、実験1(もしくは実験3)から、Bはグリシンとアラニンをともに含むことがわかります。
また、実験3からBのアミノ基を含むアミノ酸は旋光性を示さないため、グリシンであることがわかります。
ペプチドとアミノ酸の結合はアミド結合であることから、このグリシンのアミノ基がCとの結合に使われていることがわかります。よって、
handai_2013_chem_4a-1.png
問3 M/114
最終的に求めたいのは、水素のモル数/飽和脂肪酸のモル数です。水素の方は標準状態の体積からすぐ出ます。
一方の飽和脂肪酸は、飽和脂肪酸の質量/Mでもとめられるので、飽和脂肪酸の質量をまずは出します(単位はすべてミリ付きです)。
handai_2013_chem_4a-3.png

問4 228
M/114が整数になり、Aが500以下の時点で、114、228、342、456に絞れます(アミノ酸も引いてやれば114、228までに絞れます)。
設問で与えられている一般式の分子量は、12(n+2)+16・2+1(2n+4)=14n+60です。14nなので、14で割ったあまりを考えれば、Mも4(60/14のあまり)余ることになるはずです。つまりM=228が得られます(複数ありえる場合はここでちゃんと分子量チェック)。ちなみにn=12で炭素の数は14です。

問5
問3と問4から二重結合は2箇所あることが分かるので、その位置がオゾンによって切られます。切られたところがカルボニル化合物になることを考慮すれば、問題文の図の左-右×z-真ん中で構成されていることがわかります。
2箇所ということはz=1であり、そうすると、炭素の数からy=14+1-3-6-2=4とわかります(+1はメタノール分増えているので。)
構造式にすると、
handai_2013_chem_4a-2.png

テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

大阪大学2013年化学第3問
handai_2013_chem_3q-1.png
handai_2013_chem_3q-2.png
問5が難しく、問7も結構盲点な気がします。

問1ア:2 イ:10 ウ:縮合 エ:アゾカップリング (カップリング)

ひっくり返して同じになるものを除いて考えると、以下の2種類があります(ベンゼン環が重なっている部分の炭素には水素がないため置換できません)。
handai_2013_chem_3a-1.png


アを利用すると簡便です。アの図の左から新しくつけられる箇所は7箇所あります。アの図の右からも7箇所に見えますが、アの左と同じ位置についているものは既に数えてしまっているので、3箇所になります(下図参照)。
よって、10種類あり得ます。
handai_2013_chem_3a-2.png


2つの官能基が結合する際に、2つの官能基の一部が脱離し、残りの部分が結合する反応を縮合反応といい、縮合重合は、この縮合反応によって重合体(ポリマー)が形成される反応のことを指します。
本問題の反応はエステル結合を形成する反応なので、脱水が起こるタイプの縮合重合になります。

尚、重合体はこのほかに付加反応(多重結合の一本を切って変わりに結合する反応)による付加重合によって作られるものもあります。


ジアゾニウム化合物と芳香族化合物を選択的に結合させてアゾ化合物を合成する反応のことをアゾカップリングといいます。

問2
同じ状態の炭素が存在すると言うことは,分子内に対称性を有すると言うことです。なので分子内に対称性をもつもののみ書き出して数えてやればOKです。
一応,各構造において区別できない炭素を同じ数字で表したものを以下に示します。
handai_2013_chem_3a-3.png
よって最大は6組で、その構造式は上の図の通りです。

問3
芳香族の酸化では、ベンゼン環についた炭素がCOOHになります。よって、CH3がCOOHになる反応×2ですから、
handai_2013_chem_3a-4.png

問4 2.5×1021
反応と共に構造式を描いておきます。エステル結合の-O- がエチレングリコール側に描いてあるのは、反応の機序的にエチレングリコール由来の酸素だからです。
handai_2013_chem_3a-5.png
重合度をnとして、端のOHとHを無視すると、分子量はn(C14H10O4)=242nとなり、1.0gでは1/242nモルです。また、環の数は1分子あたりn個なので、1モルあたりn×アボガドロ数個となります。よって、かけあわせることにより2.5×1021個となります。

問5
両ポリマーとも環による平面構造が重なって結晶領域を構成するが、その領域の大きさは環の大きいPENの方が大きくなるため、その分強度が増す。また、ベンゼン環よりもナフタレン環の方が紫外域のモル吸光係数が大きいため、紫外線遮断性が高くなる。

プラスチックと呼ばれるものには結晶性のものと非晶性のものがあります。本問のPETやPENのように平面構造を持つなどして重なりやすい構造を持つ場合には、そこの部分が重なり合って、部分的に結晶構造を形成します(ただ、ベンゼン環をもっていても非晶性プラスチックになるものはいくらでもあります)。
基本的な傾向として、結晶性は硬く剛性があり、非晶性は耐衝撃性にすぐれる素材であることが多いです。

吸光に関しては一般にベンゼン環の数が多くなるほど長波長側にピークをもち、吸光度も大きくなります(といわれてるけど、吸光度は対称性が関係するので、そんな単純にいくものか疑問だったり。波長はベンゼンに限らず共役系(交互の二重結合)を持つものは、その部分が長くなるほど長い波長にピークを持ちます。)

問6
まず、ジアゾ化は以下の通りです(酸の強さが悩ましいところで、スルホ基にHがつくかNaのままなのか自信なし)。
handai_2013_chem_3a-6.png
オレンジIIは次の反応で生じます。
handai_2013_chem_3a-7.png

【参考】
オレンジIIにおいてナフトールの他の位置がアゾらない理由は共鳴構造による安定化(ベンゼンだと二重結合の位置が2通りかけますが、このような構造を共鳴構造といい、描けるパターンが多いほど安定します。)によって説明できます。
ナフトールの共鳴構造をリストアップしてみます(挙げ忘れがありそうですが)。
handai_2013_chem_3a-8.png
となるので、マイナスの位置に注目してみれば、図でナフトールの左隣の位置にマイナスがくるものだけ2通りかけ、安定的にマイナスを帯びていることがわかります(つまりは、そこが一番マイナス寄りになりやすい炭素だということです)。ジアゾ基は見てわかるとおりプラスのイオンなので、このマイナスに安定した炭素に攻撃します。

問7 イオン結合
オレンジIIは陰イオンな箇所があるため、これが羊毛などのアミノ基などと結合します。塩基性染料は逆に陽イオンな箇所があるため、陰イオンを含む素材を染められます。

テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

大阪大学2013年化学第2問
handai_2013_chem_2q-1.png
handai_2013_chem_2q-2.png
電解と気体の変化を混ぜただけの問題で、やってることはいつもの問題ですが、水の蒸気圧を考慮し忘れたり、計算が下手ではまってしまう人が結構いたのではないかとも思います。設問で言うと問3のウと問5が少し難しめということです。

問1 陽極:4OH-→4H2O+O2↑+4e- 陰極:2H2O+2e-→H2↑+2OH-
基本的に存在する陰イオンが陽極に、陽イオンが陰極に移動して電子のやりとりをします。
なので、陰極ではHとNaが移動します。電子のやりとりはイオン化傾向にしたがって行なわれるため、Hが電子を受け取って水素になります。
しかし、塩基性の場合はHが少なく、水の平衡によって水から供給されるため、反応式ではHではなく、水を水素の発生源としてかきます。

ちなみにこれってNaが還元されるとしても同じ式が得られたりします。
つまり、できたNa金属が即座に水と反応してNaOHになるので、結局水から水素が発生している式になります。

問2 1.9×10-2t+72
まず、はじめに72ml入っています。増加分は、問1の式より、陽極では電子のmol数の1/4の酸素が、陰極では1/2の水素が発生するので、電子1molあたり、3/4molということになります。
1秒間に流れる電子は0.1/(9.65×104)なので、増加分は状態方程式より、
handai_2013_chem_2a-1.png


問3 ア:88 イ:98 ウ:92

問2に代入します。1.93×10-2×14×60+72≒88.2


PV=nRTよりPとnが一定ならば、体積はTに比例します。よって、88.2×333/300≒97.9


電気分解の酸素が全部あるということは、水素も全部反応するということなので、結局は電気分解によって生じた気体が水に戻るだけです。
元々入っていた気体は72mLなので、 27℃において電解生成気体は88.2-72=16.2mLです。水に戻すと、体積は2/3になるので、10.8mLが水相当分です。
さて、この水はどれだけ気体になっているのでしょうか?というのがこの問題の論点です。60℃の時の水の蒸気圧は大気圧の1/5なので、10.8/(72+10.8)より大きく、水はすべて気体であることがわかります。

よって反応後の水がすべて気体と仮定した27℃の体積、(72+10.8)=82.8を60℃に直すだけなので、82.8×333/300≒91.9mLとなります

問4 1.3×105Pa
仮に水が液化しないとすると、体積を3/4にした場合は状態方程式より、圧力は4/3です。
10.8/82.8が水のモル分率なので、4/3かけても36/207×105Paとなり、水の飽和水蒸気圧を超えません。よってすべてが気体で、圧力は4/3×1.0×105≒1.33×105Paです。

問5 3.7×105Pa
同様に液化しないと仮定すると(問4が液化しない時点で液化するとわかりますけど)、10.8/82.8×4×105Pa=108/207×105Paが水蒸気の分圧となるので、飽和水蒸気圧を超えています。なので液化しています。
一方元々あった気体の方は単純に体積が1/4になっているので、圧力が4倍になります。
もともとのモル分率は72/82.8なので、圧縮後の分圧は1.0×105Paと4をかけて約3.47×105Paです。

水の分圧と足してやると3.67×105Paとなります。

テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

大阪大学2013年化学第1問
handai_2013_chem_1q-1.png
handai_2013_chem_1q-2.png

問6以外は点がとりやすい問題だと思います。一応、問4の結合エネルギーは苦手の受験生も多いところではあります。

問1
ア:4
遷移金属以外は○○族の一桁目が最外殻電子の数です。

イ:L ウ:M
原子殻はKから始まるアルファベットで表されます。また、それぞれに入る電子数は2,8,18・・・と2n2なる数列です。CとSiの原子番号が6と14なので、順に埋めていってもイウアはわかります。

エ:2 オ:6
12族のZnは遷移金属ではありません。また、Sも当然遷移金属ではないので、一桁目がそのままです。それぞれの元素を含むイオンや物質の酸化数を思い出してみても答えは出るはずです。

カ:両性 キ:酸性
酸にも塩基にも溶ける酸化物を両性酸化物、塩基に溶けず酸に溶ける(もしくは水にとけて塩基になる)酸化物を塩基性酸化物といいます。酸性酸化物は塩基性酸化物の酸塩基が逆の感じです。
酸化物に限らず、両性元素などでも同じ意味です。

ク:水ガラス
濃ケイ酸ナトリウム水溶液をこう呼びます。

問2
反応式:2ZnS+3O2→2ZnO+2SO2
Sの酸化物が一般的にSO2になることを知っていればただの数合わせです。

反応熱:439kJ
反応熱なので、反応する物質を1molとして反応式を書きます。
ZnS(s)+3/2O2(g)=ZnO(s)+SO2(g)+Q
与えられている表が生成熱だけなので、最終的にはすべてが単体にできることがわかります。
よって単体以外のZnS、ZnO、SO2を単体にするために、熱化学方程式を立ててやります。
ZnO(s)=Zn(s)+1/2O2(g)-348kJ
ZnS(s)=Zn(s)+S(s)-206kJ
SO2(g)=s(s)+O2(g)-297kJ
これを代入するときれいに単体が消えて、
Q=348+297-206=439kJとなります。

問3 HCl:ZnO+2HCl→ZnCl2+H2O NaOH:ZnO+2NaOH+H2O→Na2[Zn(OH)4]
基本的にZnOの邪魔なOをどう処理するかです。水素と結合させてやります。
酸との反応はそのまま水にするとして、2HClはすぐわかります。
塩基との反応は適当な水素イオンが塩基中にはほとんどないため、水から水素を得るしかありません。このとき、水素2つ結合させて水を生成すると、水から水を作るわけわからない式になるので、水酸化物イオンまでになります。あとは出来た水酸化亜鉛と水酸化ナトリウムの反応です。

つまりは、酸化亜鉛+水⇔水酸化亜鉛の平衡において、NaOHの水酸化物イオンによって右の水酸化亜鉛がテトラヒドロキソ亜鉛酸イオンとして除去されるため、反応が右に進み続けるという感じでしょうか。

問4 465kJ
平均結合エネルギーということは、総結合エネルギーと、結合の本数がわかる必要があります。
まずは総結合エネルギーですが、結合エネルギーなので、全部を原子レベルまでばらばらにしてやる必要があります。表をみてみると、生成熱という書き方になっていますが、C(気体)より下の部分が原子レベルまでばらばらにしている反応です。よってこれを活用してやります。
原子レベルの生成熱を使う(代入)ためには、代入先がなければいけないので、最終成果物であるSiO2を含む式を一本立てる必要があります。
SiO2(s)+911kJ=Si(s)+O2(g)
出てくる元素SiとOまでばらばらにしたいので、それらの生成熱の式を持ってきます。
Si(s)=Si(g)-451kJ
O2(g)=2O(g)-498kJ
これらを代入すると
SiO2(s)=Si(g)+2O(g)-1860kJ
が得られます。

あとは結合の本数を求めれば終わりです。下図のようにダイヤモンド構造なので、1つのSiあたり4個のOと結合しています。一方、Oは1つのOあたり2つのSiと結合しているので、結局のところSiO2内で4本の結合がされていることになります。
handai_2013_chem_1a-1.png

よって、1860÷4=465kJ

問5 SiO2+2NaOH→Na2SiO3+H2O
忘れてしまう場合は、あくまでイメージとしてですが、三酸化硫黄(硫酸)と同じだと考えてよいでしょう。メタケイ酸がSiO2+H2O→H2SiO3で出来て、それが2価の酸なので2molの水酸化ナトリウムと反応するという感じです。

問6
ヒドロキシル基を多数有する多孔質構造であり、水を水素結合で吸着して多孔質内に保持できるため。

シリカゲルは1gあたりの表面積が数百m2とかのレベルで多孔質です。組成式で書かれるとSiO2・nH20とわかりにくいですが、以下のような構造になっており、nH20は水ではなく、ヒドロキシル基(この場合シラノール基といいます)として存在します。なお、図の点線は水素結合です。
handai_2013_chem_1a-2.png

テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。