ひたすら受験問題を解説していくブログ
東京大学2005年前期数学第6問
rを正の実数とする。xyz空間において

x2+y2≦r2
y2+z2≧r2
z2+x2≦r2

をみたす点全体からなる立体の体積を求めよ。

解説

まずなによりもこういう問題で注意して欲しいことは対称性と,複数の断面です。
一応,対称性に一部気づかなかった場合にどうなるかの計算例も別解答としてあげておくので,対称性の偉大さに平伏して下さい。

2次のみなのでx,y,zの±についてそれぞれの文字で交換可能です。また,不等号の向きから,zとyが交換可能です。つまり本問では4平面による対称性が成り立っています。
すべてきれいに原点を通る対称性なので,16分の1の体積を考えればOKです。

さて,これを踏まえて断面を作図していきます。x軸に直交する断面とy軸に直交する断面を考えればOKです(z軸のはyと同じなので不要)

(i)x軸に直交
x固定で3式を変形した結果,下図のようになります。
todai_2005_math_6a_1.png

メリットとしては,xによって図形の形の基本形が変わらないことです。
デメリットとしては,積分時にarcsin(sinの逆関数)のように切りの良くない角度を表すものが出てきてしまい面倒そうということです。

(ii)
y固定で3式を変形した結果,下図のようになります。
todai_2005_math_6a_2.png

デメリットは,yによって図形の形の基本形が変わることです。そして同じくarcsinが・・・
メリットは,特に・・・
となったあなたは解説の冒頭で言ったことを思い起こしてください。
パッと見で(i)も(ii)も3平面(x=0,y=0,z=0)の対称性はすぐ見つけられると思います((i)(ii)でそれぞれx=0,y=0は少しだけ見つけにくいですが)。

では,もう1つの対称面y=zはどこに行ったのでしょうか?
(i)においてはy=zを図にそのまま書き込んでやれば対称性に気づけると思います。しかし,積分の内容が劇的に変わるものではありません。

一方,(ii)ではどうなるかというと,y=zの両サイドがy≧zとy≦zに成ることを思い返してみれば,y≧zの部分の体積と,y≦zの部分の体積が対応していることがわかり,図において,円の部分を含まないため計算しやすいz≦yで体積を求めてやればいいことがわかります。

よって,考えるべき部分は長方形になり,長方形が出来るyの範囲はr/(√2)≦y≦rなので,
todai_2005_math_6a_3.png
と簡単に求まってしまいます。

【別解答1】断面図を描かない方法(大学生向け?)
まず8分割の体積をVとします。
todai_2005_math_6a_4.png
です。何でもいいのですが,xから積分します(他は確かめてないので大変かもしれません)。積分の範囲は
todai_2005_math_6a_5.png
ですが。y=zに対する対称性より,z≦yだけ考えて2倍してOKです。よって
todai_2005_math_6a_6.png
明らかにyで積分するとめんどそうで,zにしてみればただの定数です。よって,zの積分を先にします。zの範囲はy2+z2≧r2とz2+x2≦r2より,
todai_2005_math_6a_7.png
y≧zを満たすyの範囲はy2+z2≧r2より,r/(√2)≦yです。x2+y2≦r2よりy≦rでもあるので,解答としてあげた計算と同じになります。

【別解答2】y=zに対する対称性を使わない場合
解答(i)の断面図で行きますが,面倒なので計算だけしておきます。8分の1の体積をVとすると,
todai_2005_math_6a_8.png
別にarcsinではなくθ1とかで表しても同じです。後ろの中身を計算すると,
todai_2005_math_6a_9.png
最後の式変換は直角三角形の直角じゃない角の和は直角になることからきています。積分すると,
todai_2005_math_6a_10.png
代入して
todai_2005_math_6a_11.png
>>続きを読む
スポンサーサイト

テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

東京大学2005年前期数学第5問
Nを1以上の整数とする。数字1,2,...,Nが書かれたカードを1枚ずつ,計N枚用意し,
甲,乙のふたりが次の手順でゲームを行う。

(i)   甲が1枚カードをひく。そのカードに書かれた数をaとする。ひいたカードはもと
      にもどす。

(ii)  甲はもう1回カードをひくかどうかを選択する。ひいた場合は,そのカードに書
      かれた数をbとする。ひいたカードはもとに戻す。ひかなかった場合は,b=0とする。
      a+b>Nの場合は乙の勝ちとし,ゲームは終了する。

(iii) a+b≦Nの場合は,乙が1枚カードをひく。そのカードに書かれた数をcとする。
      ひいたカードはもとに戻す。a+b<cの場合は乙の勝ちとし,ゲームは終了する。

(iv)  a+b≧cの場合は,乙はもう1回カードをひく。そのカードに書かれた数をdとする。
      a+b<c+d≦Nの場合は乙の勝ちとし,それ以外の場合は甲の勝ちとする。

 (ii)の段階で甲にとってどちらの選択が有利であるかを,aの値に応じて考える。
以下の問いに答えよ。

(1) 甲が2回目にカードをひかないことにしたとき,甲の勝つ確率をaを用いて表せ。

(2) 甲が2回目にカードをひくことにしたとき,甲の勝つ確率をaを用いて表せ。

ただし,各カードがひかれる確率は等しいものとする。

解説


個人的には,解くことよりも,問題文が長いから打ち込む方が難易度が高かった気がします。
まあ,嫌味はさて置き,ブラックジャックを題材とした問題で,題意はつかみやすかったのではないでしょうか。
場合分けが誘導でされている上,枝葉の場合分けも単純で困るところがありません。あとは,甲,乙のいずれが勝つ場合で考えた方がいいか,Σの計算をきれいに済ませられるかというぐらいになります。複数の文字がある場合のΣでは,例えばaについてのΣの計算は,他のΣで上下の変域的なところにaを含むΣをまず計算してやった後になります。

(1)
まずa+b=a+0≦Nなので,乙がひかずに甲が負けることはありません。
cは1枚ひくか2枚引くか選択肢があり,1枚目で勝ちが決まらないときに限り2枚目を引きます。

(ア)乙が1枚引く場合
a<cになるので,cはa+1からNまでです。これはa=Nの時も含め,N-a枚のカードならOKということになるので,乙が勝つ確率は(N-a)/Nです。

(イ)乙が2枚引く場合
まず,この場合とはアではないcを引いた場合です。各cにおいて,乙が勝ち得る2枚目のカードが何枚あるかを考えてみます。
a<c+d≦Nなので,dの最小がa+1-cで,最大がN-cです。よって,N-a枚あります。
これはcによらない数なので,(イ)に来る確率,つまりa/Nに(N-a)/Nをかけたa(N-a)/N2になります。

(ア)+(イ)より,(1+a/N)(N-a)/N=1-a2/N2が乙が勝つ確率となるので,甲が勝つ確率は1から引いて,a2/N2になります。


(2)
(1)と同様に考えます。

(ウ)乙が引かない場合
乙がこの時点で勝つためにはa+b>Nです。つまり,b>N-aなのでN≧b≧N-a+1です。よって,a枚なので,乙が勝つのはa/Nです。

(エ)乙が1枚引く場合
a+b<cです。つまり,各a+b+1≦c≦Nなので各a+bに対して,N-(a+b)枚です。ここで,1≦b≦N-aに注目して和をとると,
todai_2005_math_5a_1.png
となり,2回引いた分のN2で割ったものになります。

(オ)乙が2枚引く場合
c≦a+b<c+d≦Nです。まずdですが,a+b-c<d≦N-cなので,a+b-c+1≦d≦N-cです。
次にcですが,c≦a+bなので,1≦c≦a+b。
最後にbは1≦b≦N-aでした。

(エ)ではcのΣは省略しましたが,学習のためにdのΣも一応書いておくと,
todai_2005_math_5a_2.png
で,これを3回引いた分のN3で割ったものになります。

(ウ)(エ)(オ)の和をとると
todai_2005_math_5a_3.png
が乙の勝つ確率です。

これを1から引くと甲の勝つ確率なので,
todai_2005_math_5a_4.png

テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

東京大学2005年前期数学第4問
3以上9999以下の奇数aで,a2-aが10000で割り切れるものをすべて求めよ。

解説


簡単な問題です。単純に因数分解してとくことになります。

10000=24・54
a2-a=a(a-1)
です。なので,2と5をaとa-1に振り分けることになりますが,aは奇数なので,2はすべてa-1に振り分けられます。
また,aが5の倍数の場合,a-1は5で割れません(あまり4です)。また逆も同様です。
よって,aが5の倍数の場合はaが54=625の倍数で,a-1が16の倍数です。
ちょうど625は16で割るとあまり1なので,条件を満たします。
625≡1(mod16)より,625k≡k(mod16)なので,kが16の倍数+1である必要がありますが,k=1以外はk≧16でa≧10000>9999に成ってしまい不適です。
aが5の倍数なら625しかあり得ません。

a-1が5の倍数なら,a-1が10000の倍数になるため,a≧10001>9999となり不適です。

よって,625

テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

東京大学2005年前期数学第3問
todai_2005_math_3q.png

解説

なんかあまあまな条件で気持ち悪い問題ではないでしょうか。(1)は簡単でおいておくとして,(2)で引っかかる人がそれなりに出てきそうです。私が初めに解いたときは(1)との関係が見出しにくかったので,別解答にあげてるように一般化して解いています(注:掲載のものは解いたときより更に一般化しています)。

(1)
安定の微分ゲーです。要するにf'(x)の範囲を求めよという問題なので,もう一度微分します。
todai_2005_math_3a_2.png
です。これはx=1で0,x<1で負,x>1で正なので,f'(x)は下に凸でx=1で最小値f'(1)=0をとります。

境界の値を求めます。
todai_2005_math_3a_3.png
よって0≦f'(x)<1/2です。

(2)
言い換えると
todai_2005_math_3a_4.png
です。これと(1)で求めたf'(x)の範囲を使うことを考慮すると,差と微分の関係なので,平均値の定理が思い浮かびます。cをxnと1の間の数とすると,c>1/2であり,
todai_2005_math_3a_5.png
となります。これが,すべてのnについて成立すれば,数列{xn-1}は(x0-1)/2nより急速に0に近づいていきます。
つまり,挟みうちの原理によって,{xn-1}は0ということになります。

では,すべての0以上の整数nにおいてxn>1/2を示します。

(i)n=0のとき
定義上,満たしています。

(ii)
n=kのとき成立しているとすると,xk>1/2です。
(1)よりx>1/2でf(x)は広義単調増加なので,
todai_2005_math_3a_6.png

となり,n=k+1でも成立します。

(i)(ii)よりxn>1/2なので,上で述べたように,はさみうちの原理によってxnは1に収束します。

【(2)別解答】
嫌がらせのような別解答のお時間です。今回は本問をとことん拡張してみました(もっと出来る気しかしませんが)。
todai_2005_math_3a_10.png

はい,私の下手な文章とあいまってややこしいですね。
わかりやすくするためにOKな図(左)とダメな図(右)を描いてみます。
todai_2005_math_3a_9.png

とりあえず上の記述が正しいとすれば,本問で聞かれているf(x)は連続かつ単調増加であり,かつ,f(x)-xの微分でもしてやればわかる通り0<x<1でf(x)>x,x=1でf(x)=x,x>1でf(x)<xなので,xnは1に収束することがわかります。

・証明
座標のとり方として,(a,g(a))が原点になるように平行移動しても一般性を失いません。
また,原点に対する180度回転対称性より,x≧0の範囲で考えてれば,その結果をx<0に適用できます。
更に,y軸に対する対称性移動を考えてやれば,g(x)の傾きは正のみ考えればOKです。

長ったらしい条件を満たすDに含まれるxn≧0に対して,f(x)は直線lと直線mにはさまれ,また,傾きが正の直線mによってy軸を対称移動した直線が直線lであることから,x>0では上からy軸,直線m,直線lとなるので,直線lをh(x)とでもしてやれば,
g(xn)>f(xn)≧h(xn)
となります。

点(xn,f(xn))を直線mに対称移動した点のx座標,つまり,xn+1は,直線mの傾きが正で,かつ,g(xn)>f(xn)≧h(xn)であることから,
xn>xn+1≧0
となり,数列{xn}は下に有界な単調減少数列になります。

あとは,0以外には収束しないことを示しだけですが,0とは異なる下限cが存在するとします(つまりxn≧c>0)。

(c,g(c))を通り直線lと平行な直線をs(x)とします。c=aでなければ,f(c)<s(c)=g(c)なので,f(x)は高々有限個の不連続点しか持たないことを考慮すると,s(x)とcの近傍におけるxの関係はf(x)<s(x),f(x)≧s(x)のいずれかです。

(i)f(x)<s(x)の場合
そのcの近傍に属し,xn>cとしても,xn+1<cが成立します。このとき,cは下限ではなくなるので,aが下限ということになります。

(i)f(x)≧s(x)の場合
そのcの近傍に属し,xn>cとすると,xn+1≧cが成立します。この場合は,cが存在しえますが,g(x)≧f(x)≧s(x)なので,はさみうちの原理からf(x)の右側極限はg(c)に一致し,f(c)<s(c)=g(c)なので不連続点でもあります。
つまり,文字cをbと変えてやれば,「いかなる不連続点x=bにおいても,f(x)のaへ向かう方向の片側極限x→bがその近傍でf(x)の値が直線mおよび,点(b,g(b))を通ってlに平行な直線にはさまれつつ(境界は含まない)g(b)に収束することはないものとする」に反することがわかります。

よって,(i)(ii)より下限はaになり,単調な数列{xn}はaに収束します。

テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

東京大学2005年前期数学第2問
todai_2005_math_2q.png

解説

条件がつかみにくい難問です。|z|≦5/4で表せるということと,|z|>5/4では表せないは別物です。
つまり,|z|≦5/4なるzを入れてみてwを表してあげても,それが|z|>5/4なるzでも表せる場合にはダメということです。
このことは対偶をとった表現で「すなわち」以降に明記されております。この条件を満たすためには与えられたwの式をzの式としてとらえ,解zがすべて|z|≦5/4となる場合を考えます。

zの式に変形し,解と係数の関係(αとβとします)で表します。
todai_2005_math_2a_1.png
当たり前ですね。zをαに置き換えただけです。重要なのは2-αも解という方です。ここで|z|≦5/4なる解のみ持つ領域を考えます。
todai_2005_math_2a_2.png
これは(0,0)を中心とする半径5/4の円と,(2,0)を中心とする半径5/4の円で囲まれる領域です。
また,w=|α||α-2|なら,円周上の点の方が|α|や|α-2|が大きくなるので(それぞれ前者の円,後者の円に相当),wを最大にするαは2つの円の交点になります。
(注:ここに気づかないと領域内で最大となる点を探すために,αの成分を変数とする2変数関数の最大値を探すことになり大変です。もちろん,偏微分(1変数固定の微分)して領域内の最大値,領域の境界における最大値を求めて解く事は可能です。)

このような交点は2-0<2×5/4なので考えている領域に2点存在します。実際に求めると,αの実軸(x軸)成分が対称性から2つの円の中心の中点になるので,実軸成分は1になります。
また,このとき,円周上なので,
todai_2005_math_2a_3.png

テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

東京大学2005年前期数学第1問
todai_2005_math_1q.png

解説

(1)は,見るからに数学的帰納法ですありがとうございます。と言える様になって欲しいところです。(2)は式をいじってみないと見えてきませんが,(1)の連立漸化式を解く時に(2)の形,おそらくn+1項とn項の差で出てくるのでは?とか推測が問題文からだけでも立てられます。
実際の変形も基本であり,ぜひとも完答を狙って欲しい標準的な問題です。

(1)
帰納法で行きます。

(i)n=1の時
todai_2005_math_1a_1.png
となり,a1=1,b1=-1なる数列で表されます。

(ii)
n=kで成立していると仮定するとき,
todai_2005_math_1a_2.png
です。n=k+1に持っていくために微分します。
todai_2005_math_1a_3.png
となります。ここで,{an}と{bn}を次の漸化式を満たすような数列としてやれば,n=k+1においても証明すべき式は成立します。
todai_2005_math_1a_4.png

(i)(ii)よりa1=1,b1=-1でさっきあげた漸化式を満たす数列によって表すことができます。

(2)
問題文を読んだときは連立でと思いましたが,bの方があからさまです。
todai_2005_math_1a_5.png
これはb1でも成立します。

次はaの方の漸化式に代入しますが,これは非常に良く見る形です。
todai_2005_math_1a_6.png
これはn=1でも成立します。

テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

東京大学2005年前期数学解説
東京大学2005年前期数学の解説です。バランスの取れたセットだと思います。私の体感難易度としては,2>6≧3>5>1>4な感じです。正直なところ第2問は理2や理1に入るだけなら解けなくてOKだと思います。


テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

東京大学2006年前期数学第6問
todai_2006_math_6q_1.png

解説

難易度は並です。(2)で逆関数を積分しますが,逆関数の積分がどういうことであるのかをわかっているか否かだけです。
もし解けないようなら,本問でさくっと覚えてしまえばいいでしょう。

(1)
f(x)は連続関数なので,要するに,x>0でf(x)は-∞から+∞までを狭義単調関数としてとるということです。とりあえず両端の値を把握するためにlimをとります。
todai_2006_math_6a_1.png
次に,単調性を見るためにf(x)を微分すると,
todai_2006_math_6a_2.png
となり単調増加です。よって,実数全体を値域とする1価関数となり,その逆関数は実数全体を定義域とします。

(2)
普通に逆関数として積分します。問題は逆関数が具体的に与えられてないことなので,f(x)に結びつけることになります。以下では普通に置換積分でやりますが,図を描いて求めている値(面積)をf(x)下の面積を用いて表してやってもいいです。

表記上ややこしいので,x=g(y)と文字を逆に書かせてもらいます。使うxの数値を前もって出しておきます。
todai_2006_math_6a_3.png
すると,
todai_2006_math_6a_4.png
計算時にはいちいちすべてxを代入するのではなくg(27)ならyが27などということを活用しましょう。

テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

東京大学2006年前期数学第5問
todai_2006_math_5q_1.png

解説


(3)が難しめです。誘導を如何に活用していくが問われています。

(1)
「おけ」と書かれているのでとりあえずおいてみます。
todai_2006_math_5a_1.png

数学的帰納法でいけそうです。

(i)n=2のとき
todai_2006_math_5a_2.png
となり成立します。

(ii)
n=kで成立していると仮定すると,bk>2kです。
n=k+1において,
todai_2006_math_5a_3.png
となり成立します。

(i)(ii)より,2以上のすべての整数nにおいてbn>2nは成立します。

(2)
(1)で置き換えて範囲を求めた以上,bnを使うことが想定されます。なのでそのまま入れてやります。範囲しか求めてないので,きっと挟み撃ちでしょう。
todai_2006_math_5a_4.png
どこかで見たことある形ですね。1/2xの区分求積的なものです。上限を見たいので,1/xが上側に来るように各区分の長方形を取ってやると,0からnまでの積分との比較になりますが,1/2xはx=0だと困るので,これだけ切り離して考えて,1からnまでの積分と1に分けてやります。
todai_2006_math_5a_5.png
最後はロピタルでさくっと計算しています。anが正なので,求めるものも正もしくは0に成るので,挟みうたれて0が答えになります。

【(2)別解答】
大学の数学で習いますが,
todai_2006_math_5a_6.png
が成立します。bn>2nより,an<1/2nです。つまり,n→∞で0になるので,求めるべき答えも0です。

テキトーに考えたので,数学科の人に見られたらペンで刺されそうですが,大学生の読者向けに軽く証明を書いて置きます(ちゃんとした証明は杉浦の解説演習に間違いなくあった気がします。)。めんどいので不等号の片側のみ示しますが,
todai_2006_math_5a_7.png
第1項と第2項はMとεによってのみ決まる有限な数をnで除したものであり,十分大きなnをとれば0に収束するので,
todai_2006_math_5a_8.png
となります。よって,この結果を入れてやれば,
todai_2006_math_5a_9.png

(3)
正直なところ色々いじくりまわしてなのですが(初めに解いたときにはすんなり解けましたが,執筆する際には解法が見えず,結構時間かかったりしています),(2)を使いたくて,(2)の分母がnであり,そこに上手くanを導入できないか考えてみると,
todai_2006_math_5a_10.png
を代入してやるときれいに目的のものが残ることがわかります。なので,a1からan-1まで代入してやります。an→0に注目してやると
todai_2006_math_5a_11.png

テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

東京大学2006年前期数学第4問
次の条件を満たす組(x,y,z)を考える。
 条件(A):x,y,zは正の整数で,x2+y2+z2=xyzおよびx≦y≦zを満たす。
以下の問いに答えよ。
(1) 条件(A)を満たす組(x,y,z)で,y≦3となるものをすべて求めよ。
(2) 組(a,b,c)が条件(A)を満たすとする。このとき,組(b,c,z)が条件(A)を満たすようなzが存在することを示せ。
(3) 条件(A)を満たす組(x,y,z)は,無数に存在することを示せ。

解説


誘導が多いので普通レベルの問題ですが,(3)だけで出されると日本の数オリクラス?とか思う問題です(数オリなんて受けたことないのでテキトーに言っていますが)。
ただ,(3)だけで出されても,本問題で使われている証明の手法,つまり,背理法で最大のzを仮定し,それ以上のzを導き出すという手法は,整数の問題で「無数に存在することを示せ」とある時点で反射的に思い至って欲しかったりします。
(2)あたりのベースには代数的なバックグラウンドがある気がしてなりませんが,私には良くわかりません。
とりあえず,上であげた証明に繋げるために(1)や(2)を考えているという視点を忘れずにいきましょう。つまり,
zがいくらでも大きくなることを示したい(3)→既知の組からzのより大きな組を生成できる(2)→(2)の発端となる組を見つけてあげる(1)
ということです。

(1)
パッと思い浮かぶのはx≦y≦3であり,ここの部分は9通りなので総当りしてzが整数になるものを探してやることです。
でも,私はめんどくさがり屋なので,出来るだけ手数は減らしたいため,与えられた条件の式が一つの文字に注目すると2次式になることを活用しました(一つの文字に注目は複数変数の定石)。

2次式が解を持つかどうか(整数解よりも甘い条件でまず絞り込んでやる。甘い条件での絞り込みは常套手段です)を調べます。普通に判別式か平方完成です。
todai_2006_math_4a_1.png
”=0”が成立するためには真ん中の項が負でなければなりません。よって,y>2,整数なのでy≧3です。さて,いじった条件の式は対称式だったので,どの文字でも同じことが成立します。
つまり,3≦x≦yです。x≦y≦3とあわせてみるとx=y=3とわかります。
代入してzを求めます。
todai_2006_math_4a_2.png

(2)
いわれている通りに入れると,前提となる条件が
todai_2006_math_4a_3.png
であり,示すべきことは下の式においてzがz≧cで解を持つことです。
todai_2006_math_4a_4.png
考えうるのは、代入して整数問題として因数分解してやるか,(1)のようにzの2次式として解いてやるかです。今回はzが実数という甘い条件ではなく,整数ということまでちゃんと調べなきゃ行けなそうなので,前者しか無理そうです(今回はzの2次式として扱おうとしてzについての平方完成を目指しても結局因数分解に気づけます)。
いずれにせよ,とりあえず代入してみます。
todai_2006_math_4a_5.png
となるので,z=bc-cとしてやればOKです。(z=aの方はa=b=cのときのみ考えられ,また,組み合わせに変化がありません。)

(3)
見るからに背理法で行きます。

有限個の組しかなければ必ずzの最大値が存在します。しかし,(2)で見たように,条件を満たす任意の組に対してより大きいzの組が存在します。また、(1)で示したように,実際に少なくとも一組は存在するため,より大きいzの組が実際に存在することがわかります。
よって,有限個の組とおいた仮定が間違っており,条件を満たす組は無数に存在します。

テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

東京大学2006年前期数学第3問
todai_2006_math_3q.png

解説

(1)は忠実に条件を式にして消化していくことになります。(2)は存在を示す手法として恒等式になるんだろうなということを問題文を見るだけでイメージできるようになって欲しいところです。
式変形が多いので計算の精度が試されますが,セットとしては第1問,第2問で時間が節約できそうなのでこの問題の検算などにまわしましょう。
○本によると,初等幾何による解法もあるようなので,興味ある方は見てみるといいかもしれません。

(1)
対称点を求める教科書レベルの積み重ねな問題です。α=0では原点は原点のままなのでα≠0になります。
todai_2006_math_3a_1.png
とおきます。OQの中点はl上,傾きは-1/αなので,
todai_2006_math_3a_2.png
であり,第1象限なので,α<0です。

次はPを移動します。Oの場合と同様に考えると,
todai_2006_math_3a_3.png
の上段となります。

(2)
謎のθ/3なので,加法定理で3倍にする感じがします。また,θによらずpが存在ということは恒等式の係数がpの方程式にでもなるのではという気もします。この辺はキーワードによる反射ですが,それを元にいじっていきます。
条件より
todai_2006_math_3a_4.png
でこれを計算の都合上βとでもしておきます。
加法定理と(1)より
todai_2006_math_3a_5.png
恒等式なのでp=2です。また,p=2のとき,Q,Rが第1象限の点になるようなαが満たすべき条件のチェックをします。
todai_2006_math_3a_6.png
となり,無事満たします。

テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

東京大学2006年前期数学第2問
コンピュータの画面に,記号○と×のいずれかを表示させる操作をくり返し行う。
このとき,各操作で,直前の記号と同じ記号を続けて表示する確率は,それまでの経過に関係なく,pであるとする。
最初に,コンピュータの画面に記号×が表示された。操作をくり返し行い,記号が最初のものも含めて3個出るよりも前に,記号○がn個出る確率をPnとする。ただし,記号○がn個出た段階で操作は終了する。
(1)P2をpで表せ。
(2)n≧3のとき,Pnをpとnで表せ。

解説


本問も明確どころじゃなく,(1)すらいらないと思うぐらい簡単なので,如何にさくっと解いて次の問題に移るかの争いです。確率の問題は大体直接求める方法と漸化式で行く方法があるため,どちらが手っ取り早いかの判断になれるようにしましょう。


(1)
普通に書き出します。
× ×○○
× ○×○
× ○○
の3パターンです。注目なのは最後のだけ×数がことなることです(これは(2)別解答で考慮することになります。)。

問題文どおりに計算して和をとってやります。
todai_2006_math_2a_1.png

(2)
(1)で考えたパターンを引き継ぎます。3パターンを順に記述してやると以下のようになります。下添え字で連続で出る数を表しています。
× ×○n
× ○k×○n-k
× ○n
真ん中のものは×が入るタイミングが○の両端を除くためn-1箇所あり得ます。順に計算して和をとると,
todai_2006_math_2a_2.png

【(2)別解答】
PnとPn+1の対応を考える。(1)であげた3パターンを上から順にA,B,Cとすると,
AnからはAn+1(○を追加)
BnからはBn+1(○を追加。ただしBnの最後は○なので,Bn+1の右から2番目が×の場合は除かれる)
Cnからは×に余裕があるのでCn+1(○を追加)とBn+1の先ほど除外したもの(×○を追加)が考えられる。
よって○追加分はまとめてpをかけるだけになるので,Cnの確率は(1-p)pn-1であることを考慮すると,
todai_2006_math_2a_3.png

テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

二酸化炭素の捕集法について
メールで回答しようとしましたが送信エラーになるようなのでこちらで回答します。

Q

筑駒の入試問題(理科)で、石灰石と塩酸を使って二酸化炭素を発生させる実験装置を書けというものがあります。
二酸化炭素なら、下方置換法と水上置換法が教科書に載っていますが、この解答では、水上置換法だけしか載っていません。
下方置換法が載っていないのは、発生装置に比べて集気ビンが大きすぎるため、瓶中の空気と混合物になって捕集しにくいためここでは不正解ということでしょうか?
お手数ですが、ご見解をお聞かせ頂けますか?

A

下方置換ではなく,水上置換法を採用している理由は,集気ビンの大きさに関わらず空気が混入すること,および,塩酸が揮発性の物質で塩化水素が混入してしまうことです。

もちろん水上置換では水蒸気が下方置換よりも混入するので,どの物質の混入を見逃すかという話になります(混入しても他の方法より二酸化炭素濃度は高い)。

水蒸気(や空気)に比べて塩化水素は問題が多いことと,濃い二酸化炭素が得られることから水上置換法が正解になります。

テーマ:高校受験 - ジャンル:学校・教育

東京大学2006年前期数学第1問
todai_2006_math_1q.png


解説

ベクトルの問題はベクトルまんまで行くか,成分で行くか,それとも幾何に置き換えるかなどの選択肢があるので,少し考えてどれが楽そうか検討するようにしましょう。本問の難易度は明確に簡単であり,ぜひ取って欲しい問題です。

(1)
xy=1とベクトルの関連について特に思いつかなかったので,成分でいきました。設問的にP1,P1をxy=1を満たすように置いてやり,それを使ってP3を表してやり,xy=1を満たさないことを確認します。
todai_2006_math_1a_1.png
最後の変換は相乗相加平均です(思いつかなければ、"∴"の行の最後の括弧内をt+1/tとし,t+1/t=3/2が解を持たないことを示してもOKです。)。今回のように同符号とわかっていれば負でも活用できます(-1かければいいだけなので当たり前ですが)。
この範囲は1を含まないため,点P3はxy=1を満たしません。

(2)
円のベクトル方程式は知っているので,ベクトルのまま処理してみます(成分でやっても解けます。P4をP1とP2の成分で表すだけです。)。
まず,示すべきことはOP4=1です。
次に与えられている条件を整理すると,
todai_2006_math_1a_2.png
OP4の長さを計算します。
todai_2006_math_1a_3.png
よって同一円周上にあります。

テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

東京大学2006年前期数学解説
東京大学2006年前期数学の解説です。全体的に誘導が多いため,ある程度の点は簡単に取れるセットです。第3問が少し難しめで計算も多め,第5問(3)が少し難しめです。もし第4問,第5問に誘導がなければ難問といったところでしょうか。あとは普通だと思います。

テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

東京大学2010年前期物理第3問
管の中では気柱の共鳴という現象が起こるが,そのときの振動数を固有振動数と呼ぶ。なお,以下で用いる管は細いので,開口端補正は無視する。
I 管の長さをL,空気中の音速をVとして以下の問いに答えよ。
(1) 管の両端が開いているときの固有振動数のうち,小さいほうから3番目までの振動数を求めよ。
(2) 管の一端が開いていて,他端が閉じられているときの固有振動数のうち,小さいほうから3番目までの振動数を求めよ。

II 長さ1mの 透明で細長い管の左端に膜をはり,この膜を外部からの電流によって微小に振動させ,管の中に任意の振動数の音波を発生できるようにした。管は水平に置かれ,内部には細かなコルクの粉が少量まかれていて,空気の振動の様子が見えるようになっている。管の右端をふたで閉じて,音波の振動数をゆっくり変化させ た。振動数を400Hzから700Hzまで変化させたとき,519Hzと692Hzで共鳴が起こり,空気の振動の腹と節がコルクの粉の分布ではっきりと見えた。なお,他の振動数では共鳴は起こっていない。
(1) 692Hzでの共鳴のときの空気の振動の節の位置を管の右端からの距離で答えよ。

(2) この条件を用いて,音速Vを求めよ。

III 次に,IIで行った実験では閉じられていた右端を開いて,振動数を400Hzから700Hzまで変化させた。今度は振動数がf1とf2で共鳴が起こり,管は大きな音で鳴った。ここで,f1<f2である。f1とf2を求めよ。

IV この装置を自転車に載せてサッカー場に行った。固有振動数f1の音を出しながら,図3に示すように,サイドライン上をA点からC点に向かって一定の速さvで走る。C点にはマイクロフォンと増幅器とスピーカーがあり,マイクロフォンでとらえた音を増幅してスピーカーで鳴らす。三角形BCDが正三角形になるように,サイドライン上にB点とD点を設定する。D点で装置からの音とスピーカーからの音を聞く。風の影響は無視して以下の問いに答えよ。
(1) 2つの音源からの音は,干渉によりうなりを生じる。B点からの音とスピーカーからの音が干渉して生じるうなりの振動数を,音速V,自転車の速さv,振動数f1を用いて表せ。
(2) 自転車がB点を通過するときのうなりの振動数は2Hzであった。この値を用いて自転車の速さを有効数字1桁で求めよ。なお,音速の値はIIで求めたものを用いよ。

todai_2010_phy_3q.png

解説


特に面白い観点がないぐらいの基本問題です。

I
開いている場合は自由端,閉じている場合は固定端として作図してやるだけです。fを振動数,λを波長とすると,λf=Vなので,図を下にλを求めて処理していきます。
(1)
下図のようになります。
todai_2010_phy_3a_1.png
順に
todai_2010_phy_3a_4.png

(2)
下図で同様に処理します。
todai_2010_phy_3a_2.png
順に
todai_2010_phy_3a_5.png

II
両側が固定端反射で図を描いてやります。図のようにな感じでL=nλ/2と成るので,f=nV/(2L)です。
todai_2010_phy_3a_3.png
よって,692-519=173=V/(2L)です。692はn=4の時なので上の図のときで,節はL(=1.0m)を4等分しています。したがって答えは0、1/4,1/2,3/4,1m

(2)
V/2=173なので,346m/sです。

III
I(2)の状態です。不等式を立てるか,nは小さいので適当に入れて計算します。
todai_2010_phy_3a_6.png

IV
(1)
うなりは二つの波を合成した結果,その振動数の差がうなりの振動数になります。

Bで生じた波はC方向には波長が(V-v)/f1になり,D方向には(V-vsin60°)/f1になります。Dの点ではこれらの波長の音を聞くこと,及び,波長によらず音速が一定であることを考えれば,
todai_2010_phy_3a_7.png

(2)
2らしいので代入します。
todai_2010_phy_3a_8.png
途中でv<<Vだからv22次の項を消してもいいですが,自転車という情報だけでv<<Vと決め付けるのは邪道だと思っています。

テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

東京大学2010年前期物理第2問
図2のように,水平面上に2本の導体レールを間隔lで平行に置き,磁束密度の大きさがBである一様な磁場を鉛直下向きに加えた。導体レールの上には,長さl,抵抗値Rの棒を導体レールと直角をなすように乗せた。導体レールには,図に示したように,4つの抵抗1,2,3,4と,起電力Vの電池,スイッチをつないだ。抵抗1,2,3の抵抗値はRであり,抵抗4の抵抗値は3Rである。自己誘導,導体レールと導線の抵抗,電池の内部抵抗は無視できる。
I 棒が導体レールに固定されているとき,以下の問いに答えよ。
(1) 最初,スイッチは開いている。このとき,棒に流れる電流の大きさI1を求めよ。

(2) 次にスイッチを閉じた。このとき,棒に流れる電流の大きさI2を求めよ。

(3) (2)のとき,棒に流れる電流が磁場から受ける力の大きさを求めよ。また,その向きは図中(イ),(ロ)のどちらか。

II  次にスイッチを閉じたまま,導体レールの上を棒が自由に動けるようにしたところ,棒は導体レールの上を動き始めた。以下の問いに答えよ。ただし,導体 レールは十分に長く,棒はレールから外れたり落ちたりすることはない。また,棒が受ける空気抵抗,導体レールと棒の間の摩擦は無視できる。
(1) 棒の速さがv1になったとき,抵抗3に流れる電流が0になった。v1を求めよ。

(2) 十分に時間がたつと,棒は速さv2で等速運動をしていた。v2を求めよ。
todai_2010_phy_2q.png

解説


計算の面倒な問題です。それだけです。
問題を俯瞰してみると様々な状況について同じことを聞かれており,微修正を繰り返す連立方程式になります。このような場合には,加減法ではなく代入法で解く方が若干便利な傾向があります(まあ,今回は新たな要素を足すというよりも,変数=0がメインなので大差ないですが)。なぜならば,加減法では或るひとつの式に新要素を追加する場合に,それだけ分けて考え直せばいいわけではなくなるからです。

I
(1)
棒に流れるものをi1,抵抗2に流れる電流をi2,それぞれ,図2の下向きを正と設定します。すると,抵抗1に流れる電流はi1,抵抗4はi2となります(ともに図2の右向きが正です)。 

未知なる変数が2つあるので,キルヒホッフ第2法則(電圧降下)の式を適当に2本立てます。と思いましたが,結構単純なので下図の青ルートだけでOKですね。
todai_2010_phy_2a_2.png
todai_2010_phy_2a_1.png

(2)
更に抵抗3に流れる電流をi3とします。抵抗1に流れる電流はキルヒホッフ第1法則よりi1+i3,抵抗4はi2+i3となります(ともに図2の右向きが正です)。
今度こそ未知なる変数が3つなので各色でキルヒホッフ第2法則(電圧降下)の式を立てて解きます。順に赤緑青で行きます。
todai_2010_phy_2a_3.png

(3)
(2)で求めたものは下向きが正です。よってフレミング左手の法則より,(ロ)方向に
todai_2010_phy_2a_4.png

II
(1)
I(1)に対応しています。電圧降下の式は,レンツの法則から閉回路の下向き磁場の増加を緩和する方向に起電力が生じるので,棒において上向き,言い換えれば電池と反対に働きます。I(1)でやったようにまずは青から,
todai_2010_phy_2a_5.png
変数が残ってしまって困るので,結局,赤や緑を導入して(これらの回路にI(2)との差異はないので,計算結果をそのまま活用します)
todai_2010_phy_2a_6.png

(2)
等速運動ということはi1=0です。連立方程式を解くと,
todai_2010_phy_2a_7.png

テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

東京大学2010年前期物理第1問
途中で宙返りするジェットコースターの模型を作り,車両の運動を調べることにした。線路は水平な台の上に図1のように作った。車両はレールに乗っているだけであり,線路からぶら下がることはできない,車両の出発点である左側は斜めに十分高いところまで線路がのびている。中央の宙返り部分は半径Rの円軌道であり,左右の線路となめらかにつながっている。円軌道の最下部は台の上面に接しており,以後高さは台の上面から測る。車両の行き先である右側の線路も十分長く作られているが,高さR以上の部分は傾斜角θの直線であり,この部分では車両と線路の間に摩擦が働くようにした。すなわち,ここでは2本のレールのあいだを高くしてあり,そこに車両の底面が乗り上げて滑る。傾斜角θは,この区間での動摩擦係数μを用いて,tanθ=μとなるように設定されている。線路のそれ以外の場所ではレール上を車輪がころがるので,摩擦は無視することができる。重力加速度の大きさをgとし,車両の大きさと空気抵抗は無視して,以下の問いに答えよ。

I 質量m1の車両Aが左側の線路上,高さh1の地点から初速度0で動き始める。車両Aが途中でレールから離れずに,宙返りをして右側の線路に入るためにh1が満たすべき条件を求めよ。

次に,左側の線路につながる円軌道部分の最下点に質量m2の車両Bを置いた。車両Aは円軌道に入る所で車両Bと衝突する。
II 衝突後2つの車両が一体となって動く場合を考える。車両Aは左側の線路の高さh2の地点から初速度0で動き始める。一体となった車両がレールから離れずに宙返りするために,h2が満たすべき条件を求めよ。

III 2つの車両が弾性衝突をする場合を考える。車両Aは左側の線路の高さh3の地点から初速度0で動き始める。車両Aは衝突後,直ちに取り除く。
(1) 衝突後に車両Bがレールから離れずに宙返りするために,h3が満たすべき条件を求めよ。

(2) h3が(1)で求めた条件を満たす場合,車両Bは宙返り後,右側の線路を進む。右側の線路での最高到達点の高さh4を求め,最高点到達後の車両のふるまいを述べよ。

todai_2010_phy_1q.png

解説


Iで基本から入って段々と複雑になる問題ですが,結局Iの焼き直しなので,何が違うのか,どうすれば同じ問題として扱えるのかを考えていけば,本問の計算量は少なくて済みます。このような考え方は常に意識して学習するようにしましょう。
難易度は明確に簡単だと思います。

I
”レールから離れずに”の段階で垂直抗力が0のときだなと反射的に処理できるようにしておきましょう。
垂直抗力を求めるために,半径Rの円運動をなすために必要な力を求めます。角振動数をωに固定して等速円運動として扱って差し支えありません(参考参照)。必要な向心力は
todai_2010_phy_1a_1.png
です。重力の一部も向心力になるため,直感から台車が円の頂点になるときが垂直抗力が最小となります(これも厳密には参考参照)。よって,
todai_2010_phy_1a_2.png
このうちで不明なものは|r'|,すなわちvです。エネルギー保存則から算出します。
todai_2010_phy_1a_3.png

【参考】
半径R,角度θ(水平右方向を0,反時計周りを正とします)として円運動を考えます。(=)の記述は指導に当たる大学生向けでいいです。なお,下添え字はその方向の成分表しています。例えばrは中心方向成分で中心向きが負とします。
todai_2010_phy_1a_4.png
ある角度θでの運動方程式より,
todai_2010_phy_1a_5.png
ここでエネルギー保存則を使って角度がθのときの速度を求めると,
todai_2010_phy_1a_6.png
右辺第一項と第二項の和が一定であり,第二項は-π/2≦θ≦π/2で単調増加であることから,第一項は単調減少になります。つまり|r'|は単調減少です。ここで,N=の式に戻ると,カッコ内の第一項は-π/2≦θ≦π/2でθに関して単調減少,第二項は係数のマイナスも含めると単調減少になります。
よって,Nはθに関して-π/2≦θ≦π/2で単調減少関数になります。つまり,π/2で最小となります。

II
衝突のあとに一緒になるので質量が変わるということです。上で求めたものというか速さ|r'|は質量に依存しないので,衝突直後の速さを考えます。
つまり,Iの時の速さ以上ならOKです。Iの最低の高さにおけるエネルギー保存則より,
todai_2010_phy_1a_7.png
衝突といえばお決まりの運動量保存則より,
todai_2010_phy_1a_8.png

III
(1)
弾性衝突なので,運動方程式と反発係数です。衝突後の速度をvの各物体名下添え字でかいてやると,
todai_2010_phy_1a_9.png
vBの条件はIIと同様に考えられるので,vBを求めて,その条件で不等式を作ります。
todai_2010_phy_1a_10.png

(2)
(1)の最後の式の等号部分(vBで記述してある部分)を解いて,エネルギー保存則からどの高さまで上がるか計算します。
todai_2010_phy_1a_11.png
では,その後の運動ですが,静止摩擦係数をμ'としてレールに沿った方向で運動方程式を立てると,
todai_2010_phy_1a_12.png
ただし,この式において,摩擦はかかる力を上回らないので,結局運動方程式の右辺=0になります。よって静止したままです。

テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

東京大学2010年前期物理解説
東京大学2010年前期物理の解説です。第1問はよくある問題で簡単です。第2問は計算が多少複雑なので計算力で大きく差がでる感じです(解いていて私は計算にはまってしまいました。これだから物理は怖い。)。第3問はセミナー?ってぐらい簡単な問題も出てきます。IV(2)の計算で少し困るぐらいでしょうか。

テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

東京大学2007年前期数学第6問
todai_2007_math_6q_1.png

解説


私はこういう問題は嫌いなので難しめに感じました。さて(1)は,ぱっと見の形として思いついて欲しいもの(数学は形が非常に重要な手がかりです)には,平均値の定理,面積比較,微分による増減手法などがあります。
次にこれらのうちどれなら証明可能なのか,というのを検討していく流れかと思います。
(2)については,1を用いてとあるのでそれに従うしかありません。まずは素直にやってみて(誘導に素直に乗るのは第一選択肢です。変形してしまったりして,出来ない生徒は意外に多いです。),だめならどうするか考えていきます。
一応,(2)についても一般的な解答と無理やり捏造した別解答を載せておきます。

(1)
まず,私は平均値の定理にぶち込んでみましたが,
todai_2007_math_6a_2.png
となりダメでした。
真ん中が積分なので,1/tの面積比較でいける予感がします。いやいやながら図にすると,
todai_2007_math_6a_1.png
となります。わかり易い右辺からいくと,右辺を2で割ると台形の公式になっており,また1/tは下に凸なので曲線の上側にきます。
左辺はt=aの点でt軸に平行に線で引いて傾きから攻めてやるか(結局微分になるので除外),図のように上辺と下辺の平均値が1/aになるように,つまり,t=aの点を通るような直線を引いて台形を作ってやります。直線の傾きは,左辺が曲線より小さくなることを言いたいので,曲線の下側にしか来ないように,t=aにおける接線になります。
以上の図より,左辺<中辺<右辺になります。

【(1)別解答】微分によるもの
x=0の点で左辺=中辺=右辺=0となるので,微分してみました。
todai_2007_math_6a_3.png
よって,(左辺)'<(中辺)'<(右辺)'が成立し,左辺=中辺=右辺=0より,0<x<aの範囲で左辺<中辺<右辺になります。

(2)
まず左辺<中辺にそのままぶち込むと,得られたい形は
todai_2007_math_6a_4.png
となり,そのaやxの条件は
todai_2007_math_6a_5.png
となります。もし,a,xが存在すればそれで終わりなのですが,これは矛盾して困った感じです。
一瞬,失題?とか思ってしまいますが,天下の東京大学がそんな問題を出すわけがありません(ちなみに自分の入試のときに,問題文を読み間違って解答に”ここは例えば○○(問題文どおり)じゃなきゃ失題じゃね?”的に書いたのは,いい黒歴史です)。

矛盾してしまうのは近似の精度が甘いからです。ならば,近似具合をあげてやります。(a+x)/(a-x)=2を考えてやるのではなく,この近似をk回使った結果,考えている区間の終わりが始めの2倍になるようにします。要するに,面積を求める際に,台形複数個でやってやるということです(そうすると面積は曲線の積分により近づきます)。

k回後の積分区間は[a+(2k-3)x, a+(2k-1)x]なので,a+(2k-1)x=2a-2x⇔a=(2k+1)xです。この時,和をとると,
todai_2007_math_6a_6.png
あとは適当なkを入れて計算するだけです。k=2のとき,
todai_2007_math_6a_7.png

【(2)別解答】
logの性質として掛け算が累乗になる性質を利用します。そうすると,単なる掛け算と累乗計算という違いが生じるため逆転が起こるかもしれません。
結論から言うと,証明すべき式に1/2をかけて出てきた不等式の係数の大小を比較してやります。
(この解答の背景については参考として後で述べます。)
todai_2007_math_6a_8.png
となるため,証明すべき式の左辺<中辺を満たすa,xが存在する。すなわち,証明すべき式の左辺<中辺が成立します。

さて,同様に中辺<右辺を示します。全く同じく1/2をかけて
todai_2007_math_6a_9.png
これを満たすa,xが存在するためにはを示せばいいことがわかります。
aで除した後,右辺-左辺をとり,ルート以外を計算し,正のものと負のものを分けて2乗し,差をとり,というプロセスを繰り返します。以下に実際の計算をあげます。量は多いですが,工夫をすると結構簡単に進みます。
todai_2007_math_6a_10.png

【参考】
1/2でいけそうというのは,実のところ適当な数kをかけ,kによってxの存在範囲がどうなるかを考えてやることからきています。例えば左辺<中辺なるa,xが存在する十分条件は,
todai_2007_math_6a_11.png
を満たす実数kが存在することになりますが,この式の右辺/左辺とると,k→0において(log2)/0.68に近づいていくことがわかります。
結局のところ,証明したいものになるので,これでは証明できないのですが,(log2)/0.68>1ということを仮定すると,その近傍のk(要するに0に近いk)では右辺/左辺>1であることになります。
なので,比較的0に近くて計算も容易な1/2で計算してみることが思い浮かびます。
それでダメならもっと小さい値で行くので計算は複雑ですが,多分どうにかなります。

東京大学2007年数学に戻る

テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

東京大学2007年前期数学第5問
todai_2007_math_5q_1.png

解説

求めたい事象が結局どういうときかを考えられれば,本問題はたやすい問題です(「で?最終的にどうなの?」という考え方も役に立つことは多いです)。ただ,m=nのときに状況が変わるので,そのような例外的なものの考慮を忘れないように注意しましょう。境界部分は例外が発生しやすい箇所になります。

(1)
リセットすることを考慮すれば,終わりからmは表,その前は裏か開始前である必要があります(それ以外は何だっていいです。どうせリセットされるので)。つまりm<nとm=nでリセットの有無が変わります。よって,
m<nのときは,pm(1-p)
m=nのときはpn

(2)
(1)の和をとるだけです。これもm=nだけ別になりますが,その場合はすべての事象なので,計算せずとも1です。
m<nのとき
todai_2007_math_5a_1.png
m=nのとき 前述のように1

(3)
2回の最大値がmに成るということは片方がmでもう一方がm以下です。よって,
todai_2007_math_5a_2.png
となります(括弧内は一方がm-1以下だとし,あとからm,mのパターンを足しています)。m<nとm=nのそれぞれで代入して整理してやれば,
todai_2007_math_5a_3.png

東京大学2007年数学に戻る

テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

東京大学2007年前期数学第4問
todai_2007_math_4q_1.png

解説


(3)だけで出されると推測して数学的帰納法で証明でしょうかね?そうだと少し面倒ですが,今回は誘導が多くとっつきやすい問題になっています。山場は(2)でしょうか?
ちなみに本問のP,Qの4条件を満たすように行列を分解することをスペクトル分解とか言った気がします。興味があればぐぐってみてください。

(1)
左辺を与えられた条件にしたがってただ計算するだけで終わりです。
todai_2007_math_4a_1.png

(2)
(1)の結果を使ってやります。Aの行列式,|A|=a(a+1)はa>0より0ではないので,Aには逆行列が存在します。よって(1)の右からAの逆行列をかけてPとQの関係式を出します(要するに2つ不明なのがあるのはめんどくさいので減らしたいだけです)。
todai_2007_math_4a_2.png
Aに代入します。
todai_2007_math_4a_3.png
これらは条件を満たします。

(3)
与えられているkは正数なので(2)の通り,本問の条件を満たすPとQに分解できます。Aの定義の積に代入すると,PQやQPの項は消えて、Pの累乗がP,Qの累乗がQになるので,
todai_2007_math_4a_4.png

【(2)別解】
ハミルトンケーリーより,
todai_2007_math_4a_5.png
です。これらは入れ替えてもOKです。この括弧内がそれぞれP,Qの定数倍だと,最後の2つの条件PQ=QP=Oなのでわかり易いですよね。とりあえず計算してみると,
todai_2007_math_4a_6.png
となります。得られた一つ目は2乗すると正負が入れ替わるので,-1倍したものにしておけば正負の入れ替わりがなくなります。さて,他の条件にも入れてみると見事にこれで成立します。

東京大学2007年数学に戻る

テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

東京大学2007年前期数学第3問
座標平面上の2点P,Qが,曲線y=x2(-1≦x≦1)上を自由に動くとき,線分PQを1:2に内分する点Rが動く範囲をDとする。ただし,P=QのときはR=Pとする。

(1) aを-1≦a≦1をみたす実数とするとき,点(a,b)がDに属するためのbの条件をaを用いて表せ。

(2) Dを図示せよ。

解説


難易度はそれなりで、これ系問題はなにをすればわからず途方にくれる人も多いでしょう。以下のような解の存在条件と結びつける考え方はよく使う手法なのでマスターしておくことをお勧めします。解の存在と結び付けられても、普通に置くと変数が2つになってしまうため、そこでまた途方にくれたくなります。
そういった場合はお決まりで、解ける形(つまり変数が1つ)にしてやればいいということです。もちろん、勝手に問題を簡単にしてしまうわけなので、何を考慮しなければならないか(本問ではP,Qがaを挟むこと)を忘れないようにする必要があります。

(1)
こういう問題では適当な文字で置いて解の存在条件が常套手段です。
なので、P(s,s2),Q(t,t2)(-1≦s,t≦1)とでもおいてやります。これらの内分点なので、
todai_2007_math_3a_2.png
解答に関係ない文字がs,tの2つあってどうしようもないので、とりあえずtを消してやります(消すことによって情報量が減って、s,tの関連性がなくなりますが、あとで考慮します)。
todai_2007_math_3a_3.png
この方程式は-1≦s≦1で解を持たなければなりません。f(s)でもしてやれば、頂点のs座標がaなので、-1≦s≦1に頂点を持ちます。よって、判別式が非負、かつ、f(-1)とf(1)の少なくとも一方が非負ならばOKです。
ただ、これだけでは、tも-1≦t≦1で存在するかなんてことはわかりません。なので、sを消して同じことをします(fではなくgとします)。
todai_2007_math_3a_3.png
こちらも、判別式が非負、かつ、g(-1)とg(1)の少なくとも一方が非負ならばOKです。

しかし、これだけではs,tをばらばらで考えているため問題が生じます。つまり、f(-1)≧0とg(-1)≧0はs,tのいずれもa以下で解を持つ条件であり、内分点の定義に反します。そのため、aの両側にs,tがばらけるようにする必要があります。

つまり、f(s),g(t)の判別式≧0、かつ、{f(-1)≧0かつg(1)≧0、または、f(1)≧かつg(-1)≧0}が条件になります。よって、
todai_2007_math_3a_5.png

(2)
単純に作図します。下図の境界を含みます。条件の{の上を青、下を赤にしています。

todai_2007_math_3a_1.png

東京大学2007年数学に戻る

テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

東京大学2007年前期数学第2問
todai_2007_math_2q_1.png

解説

図を描いて相似だと早く気づけるかだけの問題です。あとは、極限がめんどくさい感じになるので、それをどう効率よく処理していくかというお話です。普通に極限値を求めておきますが、思いつかなければロピタルで無理やり求めてもいいでしょう。
別解答としてもう少しエレガントな解答、曲線への収束を利用した解答をあげておきます。

解答


図にすると、以下のようになります。座標は任意ですが、わかりよい感じにおいています。
todai_2007_math_2a_1.png
図で記しているように2角が等しいので、△OPk-1Pkはすべて相似です。また、OP0とOP1の比が相似比になっているので、
todai_2007_math_2a_2.png
となります。()の部分はn乗も含めてeに成るので、もし収束すると仮定すれば、発散するnとa1の積が収束することになります。それを念頭においておきましょう。まずはa1を求めてみます。
余弦定理より
todai_2007_math_2a_3.png
これにnをかけてlimを考えます。cosをそのままlimとってもダメそうなので、三角関数の極限といえばsinx/xということで半角の公式でsinに変換します。
todai_2007_math_2a_4.png


別解答


n→∞では解答においてあげた図が細かくなっていき、最終的に曲線になります。この曲線は、角度がπ/nごとに原点(点O)からの距離が(1+1/n)倍になります。つまり、極座標で行くと、
todai_2007_math_2a_5.png
となり。0≦θ≦πで曲線の長さを求めればいいことになります。よって、
todai_2007_math_2a_6.png

東京大学2007年数学に戻る

テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

東京大学2007年前期数学第1問
nとkを正の整数とし,P(x)を次数がn以上の整式とする。整式(1+x)kP(x)のn次以下の項の係数がすべて整数ならば,P(x)のn次以下の項の係数は,すべて整数であることを示せ。ただし,定数項については,こうそれ自身を係数とみなす。

解説

見るからに背理法や数学的帰納法で解けって言っている様な問題です。とくにコメントするような問題ではないです。

解答


P(x)の係数をaの下つき文字、(1+x)kP(x)の係数をbの下つき文字で表し、下つき文字はxの次数とします。
k=0だとそのままなので、k≧1で考えます。初めて整数じゃなくなる次数をmとします。
todai_2007_math_1a_3.png
となりますが、左辺が整数で、右辺第1項が整数ではないので、右辺のΣも整数じゃなくなります。ここで、組合せは整数の値しかとらないので、それと積をなすam-hの少なくとも1つが非整数ということになります。これは係数が初めての非整数となる次数がmとしたことと矛盾します。
よって、そのようなmは存在しない、つまり、P(x)のn次以下の係数はすべて整数ということになります。

別解答


P(x)の係数をaの下つき文字、(1+x)kP(x)の係数をbの下つき文字で表し、下つき文字はxの次数とします。

P(x)は任意なのでその都度設定してもいいのですが、わかりやすくするために「Pの次数はn以上の整式とする。(1+x)kP(x)のm(≦n)次以下の項の係数がすべて整数ならば,P(x)のm次以下の項の係数は,すべて整数である」ことを証明します。
また、k=0だとそのままなので、k≧1で考えます。

(i)m=1のとき
todai_2007_math_1a_1.png
ですが。ここでb0は整数なので、それと等しいa0も当然整数です。よって成立します。

(ii)m=i以下のすべてのmで成立していると仮定した場合(ただし、i+1≦nとする)
todai_2007_math_1a_2.png
となります。左辺が整数、かつ、右辺のΣ部分の各要素は整数(kからh選ぶ組み合わせ)×整数(P(x)のi次0以下の係数は仮定より整数)、つまり整数になるので、ai+1も整数でなければなりません。よって、仮定の下でm=i+1以下のすべてのmで成立します。

(i),(ii)より、「(1+x)kP(x)のm(≦n)次以下の項の係数がすべて整数ならば,P(x)のm次以下の項の係数は,すべて整数である」は真となります。
証明においておいた制約はm≦nなので、当然m=nにおいても成立します。

東京大学2007年数学に戻る

テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

東京大学2007年前期数学解説
東京大学2007年前期数学の解説です。久しぶりに数学に戻ってこれました。やっぱり物理よりも数学の方が個人的に楽しいです。本年は難問という難問はないと思います。そうは言っても、第6問の(2)と第3問あたりは満点獲得を阻む問題ではないでしょうか?

テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育