ひたすら受験問題を解説していくブログ
東京大学2014年前期化学解説
東京大学2014年前期化学の解説です。難易度としてはまずまずですね。化学がまずまずなおかげで,やっぱり物理の方がとりやすいと言える気がしてきました。もうその辺は適当ですね。

第1問Iはスタンダードな問題でとっつきやすかったのではないでしょうか。IIは律速段階の話ですが,なじみのない受験生もいたかと思います。しかし,落ち着けばそれほど特殊なものではないように感じます。

第2問Iはこれまたスタンダードな問題で,重問とかでまじめに勉強してきた人は解けた人が多いのではないでしょうか。ただ,ウの化学式やカあたりは盲点になっていた人もいそうです。IIは新研究とかには書いている内容です。これは実のところ,私立医学部でたまに出てくる水酸化アルカリ土類と硫酸アルカリ土類で元素ごとの溶けやすさの順番が逆になるなどの話に通じるところですね。参考でその辺も触れておきます。

第3問は若干東大らしからぬ出題範囲ですが,既習のはずの知識から十分考えられる内容になっており,個人的には変な構造決定とかよりはやりやすい印象です。IのウやIIのケとコあたりは記号問題ですがはずしたひとも多かったのではないでしょうか。


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東京大学2014年前期物理第3問
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解説


(1)(2)と普通の問題で,(3)辺りから雲行きが怪しくなってきて,公式丸覚えだと良くわからないことになりそうです。

(1)
これずらしたらいつものヤングですね。いつものヤングでいうところのx=0なので明線になります。

TS1=TS2になるので,二つのスリットからくる光は同位相で強め合い,明線になる。

(2)
位置をずらしていつものヤングで考えてもOKです。でも計算上問題どおりの方が少し楽でしょうか。x=0で一番目の明線となるようにすると,
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(3)
問題文の”その方向”ってのに違和感しか覚えない私はアスペなんだろうか。それはさて置き,
(2)と同様にn番目とn-1番目のスリットで式を立てると,
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(4)
あたらしい距離をd'とすると,原点が1次とは限らないが強めあいになるので,
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となる。よって,近いほうから順にd/2,d/3

【別解答】
新しい位置において新しい数列{z’n}が定義されるが,すべての{zn}は{z’n}のいずれかに該当するので,{zn}⊂{z’n}となる。{z’n}は{zn}のdを別のd'で差し替えたものに過ぎないことから,dをd'で割ったら整数になる必要がある。よって,近い順にd/2,d/3

(5)
今までと同様にn番目とn-1番目で光路差の式を立てると,
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(6)ア:2 イ:2 ウ:1/2
ア:
振幅はそこに来ている波を合成することになります。対称性からx=0の位置からみて同じ距離のスリットが足されることになるので,全部の波が2倍になり,振幅も2倍になります。

イ:
全く同じ距離のスリット増えて2倍になったということは,その分だけエネルギーが増えたということになり(z>0からくるエネルギーとz<0からくるエネルギーが異なるとかおかしな話です),エネルギー総量も2倍になります。

ウ:
エネルギー総量=強度×面積
です。よって,エネルギーが2倍にしかなっていないのに強度が4倍ということは,光が当たっている面積が半分になっているということになります。図3-4で言う網掛け部分の面積が光のエネルギーです。

つまるところ,初めにあった円上のスリット群を使うと更に集められるということになります(同じ距離のスリット群のセットが多数と考えれば,(6)よりももっと集中することがわかります)。


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東京大学2014年前期物理第2問
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解説


目新しすぎて何がなんだかの受験生多数の予感です。書かれていることを理解し,電流が回路内で一定という基本則に忠実に展開していけたかどうか。
ある電圧までは強気だけど,もっと強い電圧相手だとすぐへたれになる。そんな感じのかわいい太陽電池を想像できたか否かにつきます。

I
(1)
コンデンサーに流れる電流は太陽電池を流れる電流と等しいので,溜まった電荷などは太陽電池の電流で考えられるということです。t1以降は電流が減っているので,出力電圧VがV0を超えています。よって,t1の時点でV0です(電流もV≦V0を適用します)。したがって,電流に時間をかけたものが電荷なので(正確には時間積分),
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(2)
電流が0になる電圧までは流すことができます。そしてその電圧で溜まっている電荷を求めればOKです。よって,そのときの電圧は当然V≧V0なので,
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II
(1)
要するに出力電圧がV≦V0のときの最大のRなので,
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(2)
電圧降下の式を立ててみると,
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(3)
電力はVIです。場合分けします。

(i)V≦V0のとき
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(∵Rに対して単調増加)

(ii)V>V0のとき
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となります。よって,R=R0において,最大値はV0sP0

III
(1)
電流が決まっているので,これがV≦V0のところか,V>V0のところか判断します。
もし,V≦V0の領域ならば,それぞれ電流は,sP0,2sP0となるので,いずれの太陽電池もV>V0です。電流から各Vを求めます。
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(2)
電圧降下を考えると,
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(3)(4)
選択肢の場合わけに沿って検討していきます。
ア:
電流はそれぞれsP0=2sP0となり,矛盾します。よって不適。

イ:
電流の等式は,
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電圧降下の式より,
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となり,これはイの条件を満たしています。

ウ:
電流の等式は
todai_2014_phy_a2_11.png
となり矛盾します。

エ:
電流の等式は,
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電圧降下の式より,
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連立させると,
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となって矛盾します。

よって,イ。

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東京大学2014年前期物理第1問
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解説


比較的スタンダードであり,本年においてとりやすい大問ではないでしょうか。ただ,(6)(7)あたりを上手く考えられるかで差が出そうです。(5/2追記:(3)のcosが-1/2となるtを間違えていました。ご指摘いただいたneu様ありがとうございます。そして皆様ごめんなさい。)

(1)
つまり,釣り合っているということなので,
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(2)
釣り合いの位置を中心に単振動をするので,水平面に飛び出るということは振幅が釣り合いの位置より大きくなければなりません。
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(3)
端から単振動を開始して,中心を過ぎて位置が振幅の半分の位置に来ているということです。cos始動の単振動で考えれば,
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単振動の角振動数ωはmとkにのみ依存するので,
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(4)(5)
まあ,単振動でそのときの速さといわれれば,エネルギー保存則です(釣り合いの位置で考えていますが,自然長の方が早いです。重力の位置エネルギーを考えたくない癖があるのでこっちでいっています。A2-B2の(A+B)(A-B)使えばどうにかなりますし)。
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次に先にsを求めてしまいます。vのθに対する単調減少性だけでも言える気がしますが,vがsにどのように関わってくるかがいえないと気持ち悪いので。
頂点に達するまでの時間t2をvを水平と鉛直に分解して鉛直速度=0から出し,それを2倍した時間だけ水平に進みます。よって,
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sin2θはθ=45°で対称ですが,()内は0≦θ≦90°で単調減少です。よって,45度よりも小さい角度で最大になります。

(6)(多分sinとcosの単調性を利用して適当に代入するほうが早いですけどなんか嫌なので)
(7)も考慮して微分してから代入してやります。例によってsinはs表記です。因数分解ではs=1が極値もしくは変曲点ぽいのでそれを代入してみています。
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さて,この概数を求めます。表の数値が細かいので,精度良くいきます。
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よって25°です。

(7)
(6)の”∴”において,4cos2θの係数が大きくなるということです。つまり,cos2θが0ではない限りこの項がいくらでも大きくなるため,sの微分は0になりません。よって,cos2θが小さくなるように,θは45°に近づきます。

【別解答】
sのカッコ内において,sinθの項を無視できるようになるので,sin2θの最大と一致します。よって,θ=45°

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東京大学2014年前期物理解説
東京大学2014年前期物理の解説です。京大数学ほっぽいてすみません。
さて今回は全体的に難しい印象です。正直,自分の答えあってんの?って少し不安です。全体的に高度な理解力と数学的な処理力が問われる問題が散見され,暗記で物理を解いている層は絶滅(合格点の確保的な意味で),高得点の層もいまいちパッとしなかったのではないでしょうか。もちろん,頭のおかしな層の人は余裕で満点ぐらいをとってくる気がしますけど。

とりあえず東大で物理が一番点が取りやすいとか言うのは1ヶ月ぐらい控えようと思いました。

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京都大学2014年前期数学解説
京都大学前期2014年数学の解説です。難易度的には6(計算)=5>4>3>1>2ぐらいな感覚です。個人的には4>5ぐらいですけどね。1,2,3,できれば4ぐらいは確実に取りたい感じです。

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東京大学2014年前期数学第6問
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解説


題意がとらえ切れていない受験生や場合分けで計算が回らなくなってしまう受験生が出ていそうな感じで,本年では一番難しいのではないでしょうか。とりあえずいわれている通りやっていき,存在の場合は解を持つ云々に結びつける基本を忘れないことです。

(1)
OPとOQを次のように表し,条件を明確にします。
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直線PQを求めて,(s,t)を代入し,そのようなqが1≦q≦2で存在する条件を求めます。
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条件としてはこの左辺をf(q)とでもすれば,
(i) f(1)f(2)≦0 もしくは (ii) 1≦軸≦2 かつ D≧0 かつ (f(1)≧0またはf(2)≧0) かつ (iii)sがPよりy軸内側 となります。

(i)f(1)f(2)≦0 
計算すると,
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(ii) 1≦軸≦2 かつ D≧0 かつ (f(1)≧0またはf(2)≧0)
(ii-i)1≦軸≦2
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(ii-ii)D≧0
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(ii-iii)f(1)≧0またはf(2)≧0
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(ii-i)~(ii-iii)より,
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(iii)sがPよりy軸内側
要するにt≧s√3を満たしていなければ線分の外側になってしまいます。

(i)(ii)(iii)を合算するに当たって,境界部分を比較すると,
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よって,
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(2)
めんどくさいですが(1)を図にして対称性からy軸で折り返します。交点はx=1だったので(境界部の比較の際に求まっています)
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(境界部を含む)

でもこれ,手書きだとかける自信ないんだけども・・・

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東京大学2014年前期数学第5問
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解説


整数論のありがちな手法でとけるありがちな問題です。ただ受験生にとってありがちかというと,整数の問題は通常のカリキュラムでは余り詳しく触れないため,頓挫してしまった人も多くいそうです。上のほうの進学校は鳩ノ巣とかやるし(麻布の生徒は中3時の学校のプリントに書いてありました。),有利だったかもしれませんね。

(1)
当たり前ですけど証明しなきゃダメなのね。ということで,あまりとくれば,pk+余りみたいに整数kを用いて置いてやります。定義より,
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(2)
(1)を使って順番に求めていきます。重要なのはある連続する2つのbがそれぞれ同じになれば,次のものも同じになることです。以下ではmod pとします
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となり,2,3,9を延々と繰り返していきます。よって,順番に
2,3,9,2,3,9,2,3,9,2

(3)
与えられたものからいきましょう。
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最後のは余りは割る数より小さいってやつですね。

(4)
(2)の繰り返しが布石になっていて鳩の巣原理な問題です(n個の箱にn+1の鳩を入れるとどうあがいても二羽入る箱ができます)。今回の場合,直前の2つのbによって決まるので,この組み合わせが(p-1)2しかないため,nを大きくしていくと,いつかは同じ組み合わせが出現します。
つまり,
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なる相異なるkとmが存在するということになります。すると,(3)によって,
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となり,次々にたどっていくことになります。これをkとmのうちで小さいほうが1になるまで繰り返していけば,b1がn≧2のどれかと一致することになり,割り切れないことがわかります。


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東京大学2014年前期数学第4問
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解説


最典型のセオリーだけではいまいち上手くいかないため,本年度では難しい問題です。

(1)
セオリー通りいくと,f(0)とf(1)を調べて単調増加といきますが,単調増加にはならず困ってしまいます。
こういうときは求めるのが容易で,かつ,求めたい関数の不等式の間に入る関数を考えます(この関数が出てくるのはf(x)を微分したもののpが変に残ってしまって邪魔な辺りから考える感じでしょうか)。
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これにセオリーを当てはめていきます。
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あとはf(x)>0ですが,
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より自明でしょう。

(2)
単調減少な数列だと楽なので,まずはそれから検討します。(1)よりn=0で(0,1)に含まれているので,全てのnで(0,1)に入ります。差をとってみると,
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右辺をh(x)とでも置いてセオリーを使います(添え字ごとxとしています)。
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となり,nについて単調減少かつh(x)≧(p-q)xとなります。h(x)が何かといえば減少具合であり,これをxで割ると減少率が出ます。添え字も添えて計算すると,
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(3)
解の存在なので差をとった関数h(x)が単調関数で正も負の符号も取るというのがセオリーです。でもh(x)ってh(0)=0で負にならないですね。なのでとりあえず微分を考えてみて,これが負になるといいなという感じです。
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これに0を入れると,
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となります。h'(x)が連続関数であることを考慮すれば,x=0の近傍ではh'(x)<0です。よって,ある微小な正の数δをとれば,
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となりh(x)の連続性から中間値の定理によって,0<δ<c<1なるcで等号が成立します。


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東京大学2014年前期数学第3問

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解説


これも基礎の積み重ねですが,全体的に計算を上手くできるかがかなり大きな比重を占めています。

(1)
まあ普通に連立して判別式です。
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(2)
C1上の点として代入していきます。その際に解の差が判別式部分の2倍をx2の係数で割ったもの,解の積は解と係数で計算すると楽です(こちらも2で割るのを忘れずに)。
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(3)
積分します。置換と偶関数,奇関数を上手く使って処理していきます。
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最後の方は直交関数系という概念(1,cosmθ,sinkθは自身と異なるものとの積を1周期積分すると0になること)を使っています。普通に計算してもOKです。参考として東京大学2001年前期数学第2問の参考で触れているので暇なら見てください。


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東京大学2014年前期数学第2問
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解説


だまし討ちのような問題で,初期設定が一見めんどくさそうだけど関係ないというよくわからない状況を生んでいます。まあ簡単な問題です(題意を私が勘違いしてなければですが)。

(1)
n=1はa+3個中に1個なので,
a1=1/(a+3)

n=2は1回目に赤を引くと赤がなくなってしまうので,1回目は白です。そうすると球の数をリセットして残りのa+1個中の1個を引き当てるので,
a2=(a+2)/(a+3)(a+1)

(2)
n≧3ならばn-1回目までに必ず1度はリセットを受けています。そして,前回赤を引いていたら赤は引けず,前回白ならばリセット後のものから引くので,漸化式を立てて解くと,
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(3)
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東京大学2014年前期数学第1問
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解説


基礎的な項目をしっかり押さえているか問う感じです。本年においてはずしてはいけない問題です。α+βとtanα+tanβでピンと来ないと普段から形に意識して勉強していないんだなという感じです。
(1)には別解をつけときます。

(1)
平行四辺形になるので(コメント参照),OPに垂直な長さがわかればOKです。つまり,ORとOPのなす角が知りたい感じです。図の通り常識的にxyz軸を取ると(式展開において,出てくる角度のcosもsinもtanも正であることを使っています),
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【別解答】外積
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(2)
加法定理に求めるのがダイレクトに出てきます。
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また,Sの情報からでる等式に代入します(tanαtanβを消す)。
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これを使うと,
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東京大学2014年前期数学解説
東京大学2014年前期数学の解説です。遅くなってすみません。適度に難易度のばらけたセットでいいかと思いますが,少し計算量を減らしていただけないでしょうか。私の思う難易度順は6=4>3=5>2=1ぐらいな感じです。

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慶應大学理工学部2014年物理第2問
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解説


極板間引力は極板間距離の微小変化によるエネルギー差から求める問題が多いですが,今回は力を直接求めるタイプです。後半ではV=Edを正しく理解しているか,荷電粒子にどのような力が働くかについての問題です。でもまあ,空けた穴の内部の電場が”極板間”なのか”金属内部”なのかわかりにくいです。

(1)
ア:
電荷から出るトータルの電場(電荷から出る)はQ/ε0なので,片側の極板からは単位面積当たりQ/(2ε0S)が片面に出て行きます。
これらが2つ合わさって,極板間では2倍のQ/(ε0S),極板の外側では打ち消し合って0になっています。

イ:
アで述べた様に極板間の電場には自分が作ったものが半分あるので,半分のQ/(2εS)の影響を受けます。極板の電荷はQなので,-Q2/(2ε0S)だけの力を受けます。向きは電場の方向を+からマイナスで考えておくか,-Qに+Qが引かれると考えています。

ウ:
V=E×Dと習っているかと思いますが,Eが変わるとどうなるかというと,変わる節目で分けて考える必要が出てきます(参考参照)。
よって,
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【参考】電場と電位
電位は電場の作る位置エネルギーのことなので,電場によって受ける力に逆らって1Cの荷電粒子を移動させるのに必要な仕事と同義です。つまり,電場ベクトルをEとし,移動の接線方向のベクトルをdr(位置ベクトルrの微小変化)とすると,その内積を積分したものになります(内積の積分は,すなわち,かかる力の進行方向成分を積分ととらえてください。)。
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これが初めと終わりの位置にのみ決まって,たどる経路に依存しない場合を位置エネルギーと呼んでいます。
例えば,円形の導線内の磁場を変化させる場合,右回りで元の位置に来る場合と,左回りで左回りで元の位置に来る場合で電位(電位と呼んではいけない気がしますが)の正負は逆になり,位置エネルギーの体をなさなくなります。

本問では,積分区間を電場によって分けて考えている感じです。

エ:
AにおけるEは変わらないので,イと同じです。-Q2/(2ε0S)

オ:
色々な公式がありますが,Cを含むとCを求めなければならないので,Cを含まないものが早いでしょう。
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(2)
カ:
AとBは同じ電位なので,AからBまでの電位を計算すると0です。Aの電荷をQA,Bの電荷をQB
とすると,Bから金属板,金属内,金属板からAの電場はそれぞれ,
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であり,電位は
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ここで,金属板において電荷保存則が成立しているので,QA+QB=-Q,よって,
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キ:
力の方向に注意して表面にかかっている力の和を取ります(QBはXの符号の取り方に意味はないので,対称性からQAのXを反対符号にしただけです。)。
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【別解答】
Xの微小変化によるエネルギー変化に着目すると
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ク:
金属板の外(極板間)と金属板内で荷電粒子の運動方程式は次のようになります(QA=QB=-Q/2です。)
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つまり,金属板外では等加速度運動,金属板内(穴)では等速直線運動です。周期は外のD/2を進む時間T1の4倍に,金属板内Dを往復する時間T2を足したものになるので,
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ケ:
放物線と直線で作図します。
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慶應大学理工学部2014年物理第1問
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解説


バネの問題は釣り合いの位置(実質的な力が0になる位置)を基準にして考えることが基本で,それができれば半分は解けたようなものです。あとは,糸がたゆむ条件などはすぐ出てくるようにして置いてください(類似のものに,離れる条件=垂直抗力が0になる,があります)。

(1)
ア:
こういう問題は全体を一体と考える場合と個々の物体を考える場合があります。全体での釣り合いの位置なので,バネと重力の釣り合いより,
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イ:
張力は個々で考える必要があり,AよりBの方が簡単です。張力をSとすれば,張力とBに働く重力はつりあっているので,
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ウエ:
かかっている力を全てリストアップするだけです。
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オ:
どうせ一体なのに別々にたてんでもとか思いつつ足すと単振動の方程式になっています。
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カ:
Sを求めて0以上という条件です。運動方程式を連立させてaを消去します。
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ここで,S≧0なので,
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となります。最小のxは振幅分マイナス方向に来た場合なので,
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【別解答】
xの関数を求めてそこからaを出し,物体Bの運動方程式に代入します。面倒なので時間は切りのいいところを0にします。
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これがtによらず0以上なので,
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(3)
キ:
たるみ始めるのはx=0にくるときです。エネルギー保存則より,
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初めてその状態になるときは負方向に動いているので,
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【別解答】
x0を中心として2x0の振幅で振動しているので,x=0は半振幅分だけ負にいったところなので,cos始動とすると2π/3の位相です。よって,vはxを微分したものなので,
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ク:
糸が張るまでは糸以下は悪さをしないので,Aがつながれただけの単振動です。よって中心はMAg/kであり,振幅はエネルギー保存則より,
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∵d≧0

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慶應大学理工学部2014年物理解説
慶應大学理工学部2014年物理の解説です。あんまり難しくはないけれど,基本を押さえておけば解ける良問な感じですが,第2問の(2)の設定が曖昧で,いまいちわかりにくいです。
慶應でも期末試験レベルの問題を多く出しているところを見ると,やはり受験生の大部分は範囲が広くなると解けなくなる病なのでしょうか。それも考慮すると,早めに一通り終えて,範囲の区切りがない受験問題演習をすることは効果的だなあと,日ごろの指導の自信が確信に変わりそうです。

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慶應大学理工学部2014年化学第2問
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解説


酸化還元の問題で,鉄がどのように錆びていくかについての問題と,ニッカド電池に関する問題です。ニッカド電池の方に関しては出題ミスで,何も書かなくても点が入るそうです。理論値を超える大容量バッテリーを慶應大学は開発してしまったようです。
難易度的には簡単ではないですが,ある程度おえておきたいというレベルです。ただ,考えるというよりは重箱的なのは慶應らしい感じですね。

(1)
ア:ターンブルー(ベルリン青)
ヘキサシアノ鉄(III)酸カリウムにと鉄(II)イオンが反応してできる沈殿は,歴史的にはターンブルーと呼ばれ,ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウムに鉄(III)イオンを加えてできるベルリン青とは分けて考えられてきましたが,同一の物質であることはもはや常識なので,答えはどっちでもいいと思います。

関連する他の反応としては,2価×2価は青白色沈殿,3価×3価は褐色水溶液です。
チオシアン酸カリウムは3価の鉄とは血赤色溶液[Fe(SCN)(H2O)5]2+(水を省略して[Fe(SCN)]2+でもよい)になります。


イ:Fe2+
アの解説の通り,ヘキサシアノ鉄うんぬんは2価×3価の時に濃青色になります。

ウ:OH
赤いのはpHが高くなってフェノールフタレインが赤く呈色したからです。半反応式は,
2H2O+O2+4e→4OH

エ:Fe(OH)2
Fe2+とOHがあるということです。

オ:
酸化鉄(III)ができる反応は(実際には水酸化鉄(III)も赤錆びの構成要素といわれています。),

2Fe(OH)2+1/2 O2→Fe2O3+2H2O

です。よって,酸素が3mol増えるのに4molの電子が流れることになるので,

2.4×10-3÷16・4/3・9.65×104=19.3となります。

カ:電気伝導性 キ:溶存酸素
電子の受け渡しのしやすさと,酸化剤の量の二つで決まるということです。食塩の濃度が上がると電子の受け渡しはしやすくなりますが,溶存酸素濃度が減ります。
後者は,酸素が水に溶ける場合に,水と相互作用してδ+な水素部分をひきつけて安定しますが,Clの濃度が上がるとこの安定化の邪魔になるからだと思います。

食塩が鉄を最も錆びさせるのは約3%であり,死海のような高濃度の塩水では鉄は錆びにくくなるみたいですね。

もし,上記のことを知らなくても,”エが酸化されにくく”という情報があるので,エを酸化している酸素が足りないと考えられます。まあ,重箱な問題ですけどね。

ク:Zn2+
亜鉛の方が鉄よりもイオン化傾向が大きいので,亜鉛が優先で溶け出します。亜鉛があれば鉄イオンは鉄に戻るということです。

逆に,ブリキは鉄よりイオン化傾向の小さいスズでめっきしているので,耐腐食性は強いですが,傷ができるとぐんぐんと鉄が溶け出します。

(2)
ケ:2NiO(OH)+Cd+2H2O→2Ni(OH)2+Cd(OH)2
酸化数変化の比で考えればいいので,ニッケルは+3→+2,カドミウムは0→+2なので,2対1で反応します。
2NiO(OH)+Cd→2Ni(OH)2+Cd(OH)2
までは確定ですが,元素がというかOが2つ,Hが4つ足りません。どうせ酸化還元反応なので水でも足しときゃええねんという奴で,
2NiO(OH)+Cd+2H2O→2Ni(OH)2+Cd(OH)2

コ:93.6 サ:9.38
ここが出題ミスで,オキシ水酸化ニッケル(III)もカドミウムも0.1molであり,0.6Aを8時間も流せません。
仮に0.6Aを8時間流したとすると,0.6×8×3600=17280 Cであり,96500で割ると,約0.1791molの電子になります。オキシ水酸化ニッケル(III)も同じmol必要なので,足りなくなってしまいます。

電子が0.1791mol流れたとすると,電子を受け取る正極,つまりオキシ水酸化ニッケル(III)側では,式量がHひとつ分増えているだけなので,0.1791g増えて,9.3791≒9.38 gになります。

電解質は,電子1molあたり水の1mol消費されるので,0.1791×18≒3.224 gだけ減少しています。
もともと,80×1.21=96.8 gのKOH溶液があったので,引いて93.576≒93.6 gになっていることがわかります。

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慶應大学理工学部2014年化学第1問
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解説


いずれも典型中の典型問題で,確実に得点したい感じです。(1)は計算を上手くできるか,(2)ではサでミスリードに騙されずに五水和物から計算できたかです。

(1)
ア:1.20×10-1
プロパンのモル数をxとすると,状態方程式より,
2.00×105・3=2x・8.31×103・300
⇔x=1/8.31≒0.1203≒1.20×10-1

イ:6.00×105 Pa ウ:1.08
比で考えます。Aのアルゴン:Aのプロパン=Bのアルゴン:Bの酸素なので,均一な気体としてモルの倍数を計算していきます。
圧力が5/2倍になっており,体積も4倍になっているので,初めの10倍のモルが必要です。よって新たに追加された気体は10-1=9倍であり,初めのBの圧力は容積が3倍なので1/3倍です。よって,
2.00×105・9・1/3=6.00×105

酸素は9倍なので,1.203×10-1・9=1.0827≒1.08

エ:C3H8+5O2→3CO2+4H2O
ただ反応式を立てるだけです。

オ:4.81×10-1
酸素はプロパンの9倍でした。よって,反応式的に4倍分の酸素が残ります。
1.203×10-1・4=4.812×10-1≒4.81×10-1

カ:1.05×106
これも比で考えます。燃焼前を20とすると,プロパンは1だったので,プロパンの燃焼によって1だけ増えることになります。物質量は21/20倍で,温度が600/300倍なので,
5.00×105・21/20・600/300=1.05×106

(2)
粒子Cは水酸化銅(II)によるコロイド粒子です。

キ:チンダル
粒子径が波長とほぼ等しいときに起こる散乱によって,当てた光の通り道がきらきら輝いて見える現象です。

ク:透析
半透膜の細かい網目をコロイドは通れないので,コロイドのみを濾し取れます。

ケ:2.00×10-4
滴下後は体積が倍になるので,1.00×10-6 mol/Lになり,溶解度積をこれで割ればいいので,
1.00×10-10÷1.00×10-6=1.00×10-4
が滴下後の硫酸イオンの濃度です。滴下前はこの2倍なので,

コ:8.00×10-7
molをnだとすると,
99.7・0.02=n・8.31×103×300
⇔n=99.7・0.02/(8.31×103×300)≒7.998×10-7≒8.00×10-7

サ:2.75×102
溶かした硫酸銅全てがコロイドになっており,その1/5がセロハン内に入っているので,硫酸銅のモルは,
2.74×10-1/(249×5)≒2.201×10-4
これをコのモルで割れば1粒子あたりのものが出ます。
2.201×10-4÷7.998×10-7≒2.75×102

【参考】
硫酸イオンの濃度から計算する場合,
1020/20倍に希釈したものが,2.00×10-4なので,元の硫酸イオンのモル数は,
2.00×10-4・1020/20・20/1000=2.04×10-4
これは銅イオンのモル数でもあるので,これをコのモルを割ると,
2.04×10-4÷7.998×10-7≒2.55×102
にしかなりません。

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慶應大学理工学部2014年数学第5問
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解説


ヌネは円の方程式を書いてしまった受験生も多いようですね。つまり,ナニが少し盲点で,接線を問題文で与えられているせいで逆に気づかなかった人もいそうです。あとは,ハが少し面倒な積分の形なので上手いこと処理できたかで点差が出たのではないでしょうか。

ト:
切り取られる部分から考えます。y軸との交点は当然h(θ)であり,x軸との交点と切り取られる長さは,
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0≦θ≦π/2で傾きが-tanθなので,傾きが負となり,(1,0),(0,1)を連続な線で結ぶには第一象限以外を通ってはダメです(通る点を(s,t)とすると,(x-s)(y-t)<0なる領域に点(s,t)を含んだものになります。本問でいうと0<x,y<1と通る2点を含む領域で,第一象限です。まあヌネのところに範囲が第一象限と書いてありますけどね)。よって,h(θ)=sinθ

ナニ:
まず傾きで等式を作ると,
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接線の方程式を自分で作ると,
keio_riko_2014_math_a5_3.png
となります。h(θ)部分と傾きの等式の形が似ていますが,微分の有無に違いがありますので,h(θ)を微分してやると,
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ヌネ:
1になるといえばsinとcosの例のやつです。よって,
keio_riko_2014_math_a5_5.png

ノ:
法線の方程式は,
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よって,交点とその極限は
keio_riko_2014_math_a5_7.png

ハ:
ただのパラメータ積分をして,めんどくさい形を上手くごまかします。
keio_riko_2014_math_a5_8.png
sinの次数が高く,cosが1回かかっているわけでもないので,積分する気がしません。とりあえず次数が高いということはそこを一般化して考えてやればいいのではと発想できます。つまり,sinnの積分をInとでもするとn≧2で,
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よって,さっきの積分に戻ると,
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慶應大学理工学部2014年数学第4問
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解説


断面を求めて体積を考える典型問題です。今回は大して複雑ではないですが,立体形は必ずしも求めなくても断面さえ求めてしまえばいいということを忘れてはなりません。体積を求めるのが苦手な受験生はやたらと立体を想像したがりますからね。
あとは,積分の微分は楽できる道がないか考える必要があるということぐらいでしょう。

ソ:
0<t≦1なので,OA,OB,OCとz=t平面の交点を求めます(AB,AC,BCはtの範囲外)。順にA',B',C'とでもしておき,z=tになるようにベクトルとして考えてOA,OB,OCを縮小してみると,

A'(t,0,t),B'(0,2t/3,t),C'(0,0,t)

となります。これをz=t平面,つまり,xy平面に平行な平面で考えるので,点A'(t,0),B'(0,2t/3),C'(0,0)のなす三角形の面積ということです。
ただの直角三角形なので,底辺×高さ÷2でt2/3です。

タ:
交点をPとでもすると,適当なkを用いて,

OP=OA+kAB=(1-k,2k,1+2k)

とおけます(ベクトルの→は省略)。z=tなので,t=1+2kです。よって,
keio_riko_2014_math_a4_2.png
となります。

チ:
面積を出すので,他の辺も求めます。OB,OCとの交点は初めに求めたB'とC'と同じなので,ACとの交点(Qとします)を求めます(BCはz=3平面に含まれます)。

OQ=OA+kAC=(1-k,0,1+2k)

とおけるので,
keio_riko_2014_math_a4_3.png
となります。以下のような断面になるので,その面積は
keio_riko_2014_math_a4_1.png
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ツ:
体積g(t)は求めたf(z)をz=tからt+2まで積分したものになります。断面積を求めて体積と聞かれている時点で積分をすぐ思い浮かんで欲しいです。
ただ,求めるのがg(t)ではなくその微分なので,積分せずに行きたいところです。
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であり,0<t<1,1<t+2<3なので,ソとチより,
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g'(t)より,g(t)が最高次が負の三次関数だとわかり,また,-1<0<t,7/9<1なので,t=7/9で最大値を取ることがわかります。
増減表でも書いてください。

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慶應大学理工学部2014年数学第3問
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解説


(2)(3)がなければ難しい問題ですが,誘導がかなりわかり易いものであり,見るからに使ってくださいといっているようにしか思えません。

(1)
”ただ一つ解をもつ”。この時点で必要十分ではないけれど,こうだといいなという十分条件はすぐ出てきて欲しいです。
f(x)=x-log(x+e)とでもおいて,考えるべき領域の境界部で正負をまたぎ,領域内で単調であるといういつものパターンです。
f(0)=-1,f(+∞)=+∞であり,f(x)はx>0で連続なので,中間値の定理よりf(x)=0なるxが存在します。
また,f'(x)=1-1/(x+e)>0 ∵x>0 e>1なので,x>0でf(x)=0なるxは一つしかありません。

(2)
”すべての自然数n”=”nについての数学的帰納法してね”,といってしまっても8割ぐらいは当たりです。

(i)n=1のとき
a1=0なので,β>0より,0≦a1<βを満たします。

(ii)
n=kで成立するとすれば,0≦ak<βです。
証明すべきことは2つで,0≦ak+1<βなので,とりあえず,akをak+1にする変換,つまり,漸化式を適用してやります。logxの単調増加性を考えれば,
0≦ak<β
⇔log(0+e)≦log(ak+e)<log(β+e)
⇔1≦ak+1<β ∵β=log(β+e)
よって,0≦ak+1<βが成立します。

(i)(ii)より,全ての自然数nにおいて0≦an<βが成立します。

(3)
左辺が同じ関数の差であり,右辺に関数の変数の差がかかっているので,平均値の定理臭が漂っています。
実際やってみると,
logb-loga=(b-a)/c  (a<c<b)
ここで,0<a<c<bなので,1/c<1/aであり,logb-loga=(b-a)/c<(b-a)/aです。

(4)
流れ的にさっき求めた(3)の不等式を使ってねという問題です。(4)にlogはなく,(3)はlogなので,logを導入します。
左辺=log(β+e)-log(ak+e)
これに(3)を適用すると,
左辺=log(β+e)-log(an+e)<{(β+e)-(an+e)}/(an+e)<(β-an)/e
∵0≦an<β⇒(β-an)>0 and an+e>e

β-a1が正かつ有限で,1/en-1はn→∞で0に収束するので,β-anも0に収束します。よって,anはβに収束します。

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慶應大学理工学部2014年数学第2問
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解説


邪魔なものが何なのか,それをどう扱っていけばいいのかを考えられればそんなに難しいものではありません。
今回,邪魔なものは明白で,6の目によるリセットです。この取り扱いが厄介ですが,リセットということは初めから考えるよりも後から考えた方が楽(つまりリセット前に何が出ようが同じです)ということに気づけたかです。

ただ,本問は繰り返し回数が少ないので書き出して答が出てしまった人も多そうです。

(1)
めんどくさいので2回ではなくn回でいきます。リセットが出るということは,それまで積み上げた期待値が0になる,つまり,それまでの期待値分だけ引いてやることになります。よって,期待値をEで表すと,
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【別解答】漸化式によらない方法
,リセットじゃなく0点を得られると考えた場合から,最後のリセット位置によって場合分けしてリセットによるロスを引いてやります。
(i)2回目
1/6の確率で1回振った場合の期待値7/6が引かれます。

(ii)1回目
特にロスはないです。ただの0点と一緒。

(iii)リセットなし
ロスはありません。

期待値は1回の試行で7/6だったので,ロスなしルールでは7/3になるはずですが,実際にはロスがあるので,ここからロス分を引いて,7/3-7/36=77/36です。

(2)
余事象である1点以下を求める方が楽です(場合が少ないので)。逆側から考えれば(×が6の目によるリセットでその前は考える意味がありません)
×
×1
の2通りしかありません。
よって,
1-1/6-1/6・1/2=3/4

この結果はn≧2で一般的に成立します。

(3)
パターンを羅列すると組み合わせ的には(目の順番は無視)
1111
×211
×22
の3パターンです。
計算すると
1/16+3・1/6・1/3・1/4+1/6・1/9=53/432

なお,n≧5では初めのものが×1111になるだけです。

(4)
前が偶数か否かによって欲しい点が変わってきます。偶数のときは2点,奇数のときは1点ということで,Pが0を除いた偶数の確率であることに注意すると,0になるのはnでリセット(1/6)なので,
keio_riko_2014_math_a2_2.png
最後でn=0ではなくn=1を代入して一般項を出しているのは,漸化式がn回目におけるのリセットを考えているため,n=0では漸化式が成立していないからです。

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慶應大学理工学部2014年数学第1問
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解説


(1)
α3+1=(α+1)(α2-α+1)=0であり,α≠-1なので,α2-α+1=0です。
典型問題で,これで割ってやればいいです。
左辺=17α2+58α+17=17(α2-α+1)+(58+17)α+(17-17)=75αです。

(2)
見るからに正弦か余弦です。方法は2通りあって,正弦でACを求めるためにsin∠ABC=sin75°を求めてしまうか,BCを正弦で求めてから余弦でACを求めるかです(別解答)。

まずは半角の公式より,
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正弦定理より,
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【別解答】
正弦定理より,
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余弦定理より,
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(3)
n乗とか言っている時点で,何回かかけた場合に規則があると推測できます。まず簡単なYの方ですが,Y=-3Eなので,Yn=(-3)nEです。

さて,次にXの方ですが,とりあえず2回かけてみるか,ハミルトンケーリーでもしてみると,X2=Xを導け,Xn=Xとなります。よって,
与式=3X-5X(-3E)+X(9E)+X(-27E)+(-3)nE
=(-3)nE
ウ:(-3)n エ:0 オ:0 カ:(-3)n

(4)
b>1より,頂点は円の外側です。また,放物線も円もy軸に対称なので,共有点を2つ持つということは,2つとも接している場合になります。これはyの解がひとつと言い換えることができるので,まずはyの方程式にします。
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解がひとつなので,判別式D=0です。
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また,解は-1<y<1を満たしてなければならないので(=はb≠1より考えない),
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慶應大学理工学部2014年化学第3問
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解説


(1)のエ,つまりアセタール化がなじみのない受験生も多かったのではないでしょうか。(2)はメチル基=結合の邪魔者ととらえることができたかなだけでしょう。

(1)
ア:C6H8
燃焼産物から炭素と水素のモル比を出すいつものです。
C:13.2/44=1.2×11/44=0.3
H:3.6×2/18=0.4
よってC:H=3:4となります。

組成式がわかったので,大体の重さが必要です。これはある条件下の体積から行きます(以下ではまじめに計算していますが,さっきの比に自信があれば,概算でもOKです)。
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となるので,C3H4=40より,C6H8が分子式になります。

イ:
まずは不飽和具合をみると,本来はHが6×2+2=14あるべきところを8しかないので,(14-8)÷2=3だけ不飽和結合を持っています。

また,不斉炭素を持つので,その時点で決定する骨格が,
keio_riko_2014_chem_a3_1.png
となります(不斉炭素から同じにならないようにCをつけていきます。今回の場合はメチル基以外は同じ炭素数の基でも不飽和結合によって識別できることに注意します)。すでに6個の炭素を使っているので,不明としていた結合部分はHで,CC基部分の不飽和度を変えて別の基にしてやれば,二重結合と三重結合になるパターンしかないので,
keio_riko_2014_chem_a3_2.png
となります(不斉炭素の*は解答に不要です)。

ウ:
環になるということはその環の数だけ不飽和結合が減るということです。炭素数6で6員環ということは環は1つで二重結合を2つもしくは三重結合をひとつもつことになります。オゾン分解=二重結合部分できってカルボニル基(条件によりカルボン酸)を作る操作をすると2倍molのDができているので,2重結合が2つ,かつ,切れる位置が対称な位置であることがわかります。よって,
keio_riko_2014_chem_a3_3.png
となります。

エ:
オゾン分解の条件が不明なので,Dがただのカルボニル基かカルボン酸か不明ですが,あとから起こっているF生成の反応からカルボニル基だとわかります。これはカルボン酸の場合はエステル化(1:1の縮合重合),カルボニル基である場合にはアセタール化が起こるため,D:E=1:2に合うアセタール化が起こっていると考えられるからです(この辺は考えさせず,よく出てくるカルボニルの方で考える前提ですかね。慶應大学ってそういう大学ですし。)。以下のように反応が進みます(一応ヘミアセタール化が両方で起こって,その後アセタール化が起こるように書いていますが,実際には片側のアセタール化が完了してからもう一方が起こるのかは私にはわかりません)。
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まあ,アセタール化知らなければ,頑張って6員環を2つ作ってみて試行錯誤するか,電気的な偏りから(カルボニルのCはとても+です)考えるしかありませんね。
高校で出てくるアセタールといえばグルコースで,グルコースの鎖状⇔環状⇔多糖がそれぞれ,アルデヒド⇔環状ヘミアセタール⇔環状アセタールになっています。
ちなみに京都大学2013年化学第3問bでもでていますね。

オ:
5員環ということは,炭素がひとつ環に入れていません。そしてホルムアルデヒドは炭素数が1です。よって,このぼっち炭素が二重結合で環につながっていたと考えられます。Gには二重結合が1つ含まれることになり,そこで切断されて両端にアルデヒド基をもち,さっきのぼっち炭素がついていたところにもケトン基がついた化合物になります。よって,それを還元したHは1,5の両端のヒドロキシ基が確定したペンタトリオール(炭素数5で3価のアルコール)になるということがわかります。これが不斉炭素を持たないので,ぼっち炭素がついていた部分がまん中だとわかり,次のようになります。
keio_riko_2014_chem_a3_5.png

(2)
カ:1 キ:アルデヒド
まず銀鏡反応は還元性を調べるもので,糖ならばアルデヒドを調べているということです。
1位の炭素(ヘミアセタールな炭素)がアルデヒドと平衡状態であるため,ここが還元性を示します。要はこの炭素を結合によって封印してしまえば還元性を示さなくなります。つまり,1位と1位同士で結合させるということになります。

ク:8.57
アセチル化すると,CH3COOH=C2H4O2と反応して水が抜けるので,C2H2Oだけ増えます。
端を考えない場合のセルロースの繰り返し単位はグルコースからひとつ脱水したC6H10O5なので,トリアセチルセルロースの繰り返し単位は
C6H10O5+3×C2H2O=C12H16O8
となり,これとセルロースが2:1なので,規則正しく並んでるとした場合の繰り返し単位は,
2×C12H16O8+C6H10O5=C30H42O21
となります。よって,30×12÷42=60÷7≒8.57となります。

ケ:C10H20O6
要は,結合に使われているヒドロキシ基はメチル化されず,使われていなかったヒドロキシ基はメチル化されているということです。アミロースの場合,1位炭素を右に描いた場合の左端は1位以外すべてメチル化,右端は4位以外全てメチル化,間のグルコースは1位と4位以外は全てメチル化された3種類ができます(問題文で2種類といっているのは分子式の話です)。
一方アミロペクチンでは分岐部分のグルコースが,1,6グリコシド結合をしているため,1,4,6位にメチル基が結合していないグルコースが1種類増えます。

結合のためには手=ヒドロキシ基(正確にはただのヒドロキシ基同士ではなくヘミアセタールのヒドロキシ基=1位のヒドロキシ基と任意のヒドロキシ基)が2つなければなりません。
よって,端にあったグルコースは4箇所のOHがメチル基でふさがれていて,手が1本しかないので多糖にはなれません。メチル基がひとつつくとCH2ふえるので,C10H20O6がそれに該当します。

コ:C8H16O6
枝分かれ部分のグルコースは,5箇所のうち3箇所を結合に使っていたのでメチル基が2つつきます。

サ:リボース
知識問題です。

シ:アデノシン二リン酸(ADP)
ATPのTはトリです。ひとつリン酸が減るとジのDになり,2つ減るとモノのMになります。
ATPは本問の様にリン酸をひとつ出してADPになったり,二つ出してAMPになったりするときに多くのエネルギーを出すため,生体内でエネルギー通貨として使われています。
加水分解時に多くのエネルギーが出る理由としては,リン酸とリン酸が結合している構造(高エネルギーリン酸結合)をもっており,この結合は酸素の負電荷同士の反発が強く不安定であるため,非常に高いエネルギー準位にあるからです(他にも要因は色々ありますが)。

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慶應大学理工学部2014年化学解説
慶應大学理工学部2014年化学の解説です。あんまり難しくはないけど適度に重箱をつつく感じの問題で好感はもてないいつもの慶應大学です。第1問ははっきりととりたく,第3問は構造決定が少し難しめですが,ヘミアセタールとかをしっかり学んでいれば他と差がつくそれなりな問題です。
第2問は出題ミスなので,ちゃんと検討して置けよとしか言いようがありません。今回のミスはそれほど考えてしまう類のものではありませんが,全員正解にしたところで,そこの問題で時間を使ってしまって他に影響が出た受験生がいたら可哀想すぎます。

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慶應大学理工学部2014年数学解説
慶應大学理工学部2014年数学の解説です。問題自体は16日の夜には手に入れていたのですが,時間がとれず遅くなって申し訳ありません。全体的に簡単な印象で高得点の勝負になったのではないでしょうか。第4問のツテと第5問のナニ以降で少し差がつきそうです。確率の第2問も得意不得意で差は出そうですが,(4)以外は数え上げでも余裕です。

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東京大学2011年前期数学第6問
todai_2011_math_q6.png

解説


(1)と特に(2)の計算と作図が非常にめんどくさく,(2)(3)の表現のされ方が受験生は苦手そうです。このような体積の考え方をマスターしてスムーズに解けるようになるのは結構訓練が必要ではないでしょうか。(2)のめんどくささがなければ良問な気がします。
(3)に関しては高校範囲外な感じの力業でも解いてみました。

(1)
まず普通に最大値と最小値を求めます。範囲指定があるので,軸の位置で場合分けする基本問題です。これをはずしているようでは理1,2も厳しいでしょう。x≠0なのでx,yを定数のようにとらえて平方完成します。また,どうせ使うので境界部の値を求めておきます。
todai_2011_math_a6_3.png
軸の場合わけは境界とその中点です。
(i)軸<0
つまり,
todai_2011_math_a6_4.png
のときです。x>0なので軸からの距離を考えれば,この場合の最大値はf(1),最小値はf(0)である。よって,
f(1)-f(0)=x+y

(ii)0≦軸<1/2
つまり,
todai_2011_math_a6_5.png
のとき,軸を含みt=1の方が遠いので,
todai_2011_math_a6_6.png

(iii)1/2≦軸≦1
つまり,
todai_2011_math_a6_7.png
のとき,軸を含みt=0の方が遠いので,
todai_2011_math_a6_8.png

(iv)軸>1
つまり,
todai_2011_math_a6_9.png
のとき,軸を含まずt=0の方が遠いので,
f(0)-f(1)=-x-y

(i)~(iv)より,
todai_2011_math_a6_10.png

(2)
まず言っている事が何かといえば,zを上手く選べば範囲内の全てのtで成立するということです。zをかえるということはf(t)をf(t)方向に平行移動するだけなので,最大と最小の差が1以内ならずらして条件を満たせるようにできます。つまり,(1)で求めた最大と最小の差に≦1をつけて不等式にします。
todai_2011_math_a6_11.png
図にするためには,まずは交点を求めます。交点を求めるときのポイントは,if部分の境界上で交点をもつということです。
つまり,1番目の領域と2番目の領域はy=0で交点をもち,2番目と3番目はy=-x上で交点を持ちます,また3番目と4番目はy=-2x上で交点を持ちます。これを元に作図すると,次の図の網掛け部分のx=0以外の境界を含む領域です。
todai_2011_math_a6_1.png
いやーくだらない計算の連続であり,作図自体も手だと私には描く自信がありません,何かいい方法があるのでしょうか。作問者にはくだらないことしてんなよと言いたい所です。

(3)
zの範囲として図示していきます。つまり,f(t)が最大になるときにzが最小で(f(t)が最大でもf(t)+z≦1という条件),f(t)が最小のときにzが最大なので(f(t)が最小でもf(t)+z≧0という条件),各領域における不等式は次のようになります。
todai_2011_math_a6_12.png
xを固定して,yz平面を描いて面積を求めます。
todai_2011_math_a6_2.png
平行四辺形の面積1から左下の空白部分を引いたものは
todai_2011_math_a6_13.png
となり,これをx方向に積分すれば
todai_2011_math_a6_14.png

【別解答】多重積分的な考え方(大学生以上向け?)
やっていることは同じです。
(2)で求めた領域のそれぞれの点で,その高さがzの変域の長さになっているということです。zの可能な変域の長さ(wとします)は,[0,1]から(1)で求めた最大最小の差を引いたものになります(最大と最小の差を区間としてとらえて,[0,1]内をどれだけスライドできるかと考えています。)。
あとはこれをx方向とy方向に積み上げていきます。今回はxの範囲が明確なので,まずはy方向に積んで(xを固定して,yw平面の面積,すなわちyz平面の面積を出すということ),その後x方向に積んでいきます。
todai_2011_math_a6_15.png
wを求めて積分します。
todai_2011_math_a6_16.png

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東京大学2011年前期数学第5問
todai_2011_math_q5.png

解説


格子点数え上げの問題で,よくある手法がそのまま使えます。しかし注目すべきはそこではなくて,誘導で出てくるwが,wの値によって排反な事象に分けて考えられるため,数え上げ時にwの値でΣをとっていけば解けてしまうことになるという点です。誘導がない場合もこのようなものを自分で捏造できるようになると大分解ける問題の幅が広がると思います。
格子点の数え上げ方としては,動くもの同士の関係式を求めて条件(不等式)に代入してΣをとっていく方法,領域に落とし込んで視覚化する方法(参考)が有名です。

(1)
w=p-q-(a+b)=-q
⇔a+b=p
⇔b=p-a

です。これをbの条件に入れていくと,

-q≦p-a≦0≦a≦p
⇔p≦a≦p+qかつ0≦a≦p
⇔a=p ∴b=0

となります。0≦c≦pとなり,p+1個のパターンがあります。

同様に考えて行きます。

w=p-q-(a+b)=p
⇔a+b=-q
⇔b=-q-a

です。これをbの条件に入れていくと,

-q≦-q-a≦0≦a≦p
⇔-q≦a≦0かつ0≦a≦p
⇔a=0 ∴b=-q

となります。-q≦c≦0となり,q+1個のパターンがあります。

(2)
(1)同様に行きます。

w=p-p-(a+b)=-p+s
⇔a+b=s-p
⇔b=s-p-a

です。これをbの条件に入れていくと,

-p≦s-p-a≦0≦a≦p
⇔s-p≦a≦sかつ0≦a≦p

となります。ここで,s-pと0の大小関係,sとpの大小関係で場合わけできますが(sの値によって範囲がスライドしていくイメージを持ちましょう),いずれもsとpの大小関係ということです。また,s<0または,s-p>pつまりs>2pのときはaの範囲が存在しなくなります。

(i)p<s≦2pのとき
s-p≦a≦pがaの条件になり,これに対して一意的にb=s-p-aと決まります。よって,
s-p-a≦c≦aであり,可能なcはa-(s-p-a)+1=2a-s+p+1となります。aに対してΣをとります。
todai_2011_math_a5_2.png
Σの変換は中途半端な位置が開始の場合によく使う手法で,今回のようにずらしたり,a=pが初項になるように変換したりするときれいに計算できます。

(ii)0≦s≦pのとき
0≦a≦sがaの条件になり,これに対して一意的にb=s-p-aと決まるので,(i)とcの個数は同じで,Σの範囲が違うだけです。
todai_2011_math_a5_3.png

(i)(ii)より,
todai_2011_math_a5_4.png

(3)
固定したsを動かして和をとります。
todai_2011_math_a5_5.png

【参考】
私はめんどくさいので嫌いなのですが,参考書とかでは図に落として解いているものが多い気がします(赤本さんもこの類ですね)。
aとbの範囲,つまり,-p≦b≦0,0≦a≦pとb=s-p-aを作図して考えてやります。
todai_2011_math_a5_1.png
こうして図にしてs(つまり切片)を動かしていけばどのように格子点がカウントされるのかわかり易いかもしれません。

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東京大学2011年前期数学第4問
todai_2011_math_q4.png

解説


計算が少し面倒ですが,非常にスタンダードな問題です。αとかβとか言っているのがやさしさで,”そう置いて考えてね”というヒントであるとも言える気がします。軌跡の問題において,軌跡の方程式だけ求めて範囲を求めないケースを良く見るので注意しましょう。

とりあえず。重心Gは,
todai_2011_math_a4_1.png
となり,α+βとα2+β2の関係が分かればOKです。

QRが底辺の二等辺三角形なので,PQ=PRであり,
todai_2011_math_a4_2.png
α≠βなので{}内が0です。これからα+βとα2+β2の関係式に変形します({}内は対称式なので,α+βとαβで表して考えるという方法ももちろんあります)。
todai_2011_math_a4_3.png
α+βとα2+β2をX,Yで表して代入します。
todai_2011_math_a4_4.png
さて,この式のうちでどこまでが条件を満たすか検討します。ここまでの式変換において,αとβが実数で存在するという条件が入っていません。なので,入れていきますが,実数解の条件なので2次式で考えると楽です。つまり,α+βとαβから考えて2次式を立てて,α,βが異なる2つの実数解になる条件で考えるということです。
todai_2011_math_a4_5.png
省略しますが簡単に作図すれば(交点を求めるのが面倒ですけどね),先ほど求めた軌跡の1/6<X<1/2になります。
このときαとβは実数であり,同値変換を逆にたどっていけば,PQ=PRが成立します。

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東京大学2011年前期数学第3問
todai_2011_math_q3.png

解説


普通に置換積分していくだけの計算問題だと思います。置換積分に関しては置き方をいくつか試していくしかないのでしょうかね。なんかさくっとする方法があるのでしょうか・・・。

(1)
要は中心が原点で半径がtの円において,x軸から反時計回りにL行った点の座標です。半径×角度(ラジアン)が円弧になるので,
todai_2011_math_a3_1.png

(2)
式どおりに微分していくと
todai_2011_math_a3_2.png
したがって,
todai_2011_math_a3_3.png
√内がめんどくさいので,これの置き換えは次のパターンが考えられます(ぱっと見の可能性であり,簡単にならないものもあります)。
todai_2011_math_a3_4.png
これらのうち,今回は2番目が1番簡単で,
todai_2011_math_a3_5.png
となります(最後の方でやっているのは有理化です)。

(3)
logaで割って極限をとるだけのお仕事です。
todai_2011_math_a3_6.png
(logaは-∞で,分子の-Lloga以外は有限なので-Lです。)

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