ひたすら受験問題を解説していくブログ
東京大学2014年前期生物第1問
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解説


ゲノム刷り込み(ゲノムインプリンティング)に関する問題で,文1では採り上げている遺伝子が機能する場所である胎盤について軽く触れ,文2ではキメラマウスにおける細胞の分布についての情報が与えられ,文3においてゲノム刷り込みについてを考察させる問題構成です。父母の染色体が同じではないことと,発現箇所が限定されていることをしっかりと組み合わせて考察できるかで差が出そうです。

I
A 1:単孔 2:有袋
ただの知識問題で有名どころですがなぜ漢字じゃないといけないのか毎回解せません。国語じゃないだろと。

B 10mL
同じ分圧の場合には胎仔型ヘモグロビンの方が酸素結合能が高いです。その性質のために胎盤で成体型から胎仔型へ酸素を供給できることになります。よって,成体方が下の曲線で胎仔型が上の曲線です。
さて,成体型が40%結合していることから,酸素分圧が30mmHgだと分かり,そのときには胎仔型は70%が酸素と結合しています。この胎仔型ヘモグロビンが胎仔の末梢組織に移りますが,そこでの酸素分圧は10mmHgなので,20%までしか酸素と結合しないことになり,70-20=50%分だけ酸素が放出されます。
したがって,血液100mLの100%が20mLの酸素であることを考慮すれば,その50%なので,10mLが答えになります。

【参考】慶應医学部2013年生物が酸素解離曲線について詳しく扱っています。

II
A
ES細胞由来の細胞は胎仔にのみ分布し,四倍体8細胞期胚由来の細胞は胎盤のみに分布する。

表1-1の結果をまとめるだけです。8細胞期の細胞は胎仔と胎盤のどちらにもなれますが,ESは胎仔,四倍体は胎盤にしかなれないことがわかります。iPS細胞やES細胞は胎盤を形成できないので,哺乳類においてこれらの細胞から完全な胎仔を得るには胎盤をなんらかの形で提供しなければなりません。四倍体細胞の胎盤に分布する性質を使って胎盤だけを提供する方法を四倍体胚補完法といいます。

B
精原細胞由来のクローンは雄型の刷り込みがなされた遺伝子しか持っておらず,雌型しか発現しない遺伝子にコードされるタンパク質は作れないため,正常な発生に必要なタンパク質の一部が作れないから。

C 3:精子 4:80%
表1-1の結果の結果からキメラマウスの胎仔にはAaとAAの細胞が混在しており,その精原細胞にもAaとAAが混在しています。ここから作られる配偶子はAAの方の割合をxとすれば,(1-x)AaとxAAなので,
A:1+x a:1-x
雌からはAしかこないので,上記の割合でAAとAaになります(ともに雌由来のAを持つので正常に発生します)。Aaが(1-x)÷(1+x+1-x)=10%なので,x=80%となります。

D
F2胎仔の発生停止が胎仔の遺伝子型だけではなく,母体の遺伝子型に影響を受ける可能性。

違いはレシピエントの遺伝子型が入ってきただけで,遺伝的な親というくくりで見れば結果は何も表1-1と変わっていません。また,レシピエントの影響はないことにもなります。つまり,レシピエント(すなわち生みの親となる母体)の遺伝子型が影響しないことを調べる実験だったといえます。

E
表現型:正常発生と発生停止の個体が1:1となる。
理由:Aが雌由来の個体と雄由来の個体は1:1であり,雌由来のAを持たない個体は発生停止するため。

ゲノム刷り込みの問題は同じAでも雄雌を分けて機能を持つか考えて判断していきます。本問では雌由来のみ胎盤形成能があるので,雌由来のAがあるものは正常発生して,雌由来のAのない個体(aと雄由来Aのみ)は発生停止します。

F 2,7
9直後の文で遺伝子型がひとつのみのキメラと分かるので,野生型である8の中身は四倍体になります(ここが二倍体だと胎仔に混ざるので)。すると,7は二倍体でなければ発生しません。
5と6は発生が停止する組み合わせなので,(1),(2),(6)~(8)が考えられます。また,最終的に確認する9が本来は発生停止するものであると確実にいえる個体であるので,(1)では雌由来のAの可能性があり不適,(2)はOK,(6)(8)はそもそもaaは出てこない,(7)は雄由来のAのみなのでOKです。
以上から,(2)と(7)です。

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東京大学2014年前期生物解説
東京大学2014年前期生物の解説です。去年より記述内容が厳しい印象で,当然ですが満点のハードルは理科最難です。各大問に配置された実験設計ではかなり差が出るのではないでしょうか。それ以外も考察系が主で,暗記な人たちには厳しい受験になったでしょう。普段の学習から図表の見方や,実験設計については念入りにトレーニングしておきたいですね。

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対称性を利用した求積問題(東京大学2005年前期数学第6問の類題)

Q


次の問題を東大2005年6問目と同じように解いてみたところ答と一致しません。どこがおかしいのでしょうか。問題自体はハイレベル理系数学という問題集のものです(ブログ主注:余計な部分をなくして書き換えています)。

rを正の実数とする。xyz空間において
x2+y2≦r2
y2+z2≦r2
z2+x2≦r2
をみたす点全体からなる立体の体積を求めよ。

==以下解答概略==
対称性をチェックすると,x,y,zの符号を入れ替えても同じなので,それぞれyz,zx,xy平面に対して対称。
また,x,y,zはどの二つを入れ替えても同じなので,x=y,y=z,z=xに対称。

z=tで切った断面を図示すると,tの値によって次の2通りが考えられる。いずれにおいてもyz,zx,xy平面の対称性から薄い灰色(iiでは濃い灰色と同一)の断面を考えてやればよく,さらにy=z,z=xの対称性からy≦t,x≦tの濃い灰色の断面だけ考えて32倍すればよい。

(i)0≦t≦r/√2
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(ii)r/√2≦t≦r
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(i)(ii)を足して32倍すると,
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==以上解答概略==

他の方法で求めた答えは
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となり一致しません。

A


この問題も対称性を上手く使っていくと楽な問題です。質問者様の間違っている点はx=zの対称性を使った後に,y=zの対称性を使っているところです。x=zで切ったものはもはやy=zで対称ではなくなってしまっています。条件式に書けば,”x≦z”という式が追加されており,yとzを交換するとこの”x≦z”が”x≦y”になってしまうため対称性は使えません。

本問の図形は複雑なので簡単な例で見てみましょう。例えば,下図の正方形ですが,x軸,y軸,x=y,x=-yに対称です。これを,x軸→y軸の順に対称性を活用すれば面積は1/4になりますが,初めにx=yを使った後にy軸の対称性を使おうとすると意味がわからなくなります。このように対称性を活用して図形を分割するときに別の対称性が崩れることはよくあります。そのため,互いに直交するなどのわかり易い対称性(x軸とy軸の対称性)以外はその都度確認する必要が出てきます(逆にもとの図形になかった対称性が出てくることもあります。例えば先ほどの正方形においてx軸で折り返した後,x軸に平行かつできた長方形の真ん中を通る直線による対称性です。)。
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以上から,本問でもx=zの対称性のみでy=zの対称性を導入しなければさくっと解けます。(i)の方で使えない対称性の条件y≦tを取っ払えば,
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となりコツコツやった積分と一致します。

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京都大学2014年物理第3問
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解説


前半で断熱変化を統計力学的に微視的なところからとらえて,後半ではそれを活用しつつ普通の熱力学な問題です。やっていることは特に前半は面白いのですが,気体の分子運動論の問題は全て解き方が同じな上,ほぼ同じ内容が有名どころの名問の森に載っていたりします(私が持っている版,下のアフィでいう右では44問目)。そのため,京大受験生の多くにとっては見たことのある問題だったのではないかと思います。後半も断熱変化の傾きは違うという話ですが,有名どころですね。


(1)

運動エネルギーの差をとります。
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(補足)Δvx
弾性衝突なので反発係数が1より,左向きを正として’付きを衝突後とすると,
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ぶつかった後にもう一往復するともう1回ピストンにあたるので,ピストンの速さと分子の速度増加は無視できるので,
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”あ”×”い”なので,
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Δtだけvpで進むので,
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全ての方向の速さが等しいということなので,
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ボルツマン定数は1分子あたりの気体定数なので,
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”え”のエネルギー増加が運動エネルギーの増加になっているので,eとTの関係式を立てて差分を考えます。
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”き”で出てきたΔTの等式をTで割ってやります。
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与えられているTとVの関係式にPV=nRTを代入します。
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【参考】断熱圧縮の式
”く”から微分方程式を立てて求められます。
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他の求め方としては熱力学第1法則より,
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定積モル比熱cvは単原子分子では3/2なので,問題中の式と合致します。

(2)

問題文によるとA→BとC→Dは断熱なので熱の出入りはありません。よって,残りのB→CおよびD→Aを考えることになります。いずれも定積変化なので∆U=∆Q-P∆Vは∆U=∆Q=3R∆T/2となるため,温度が高くなるB→Cのみで熱の吸収が起こります。よって,
3R(TC-TB)/2


”こ”同様にD→Aで放出が起こり,
3R(TD-TA)/2


熱効率は吸熱と放熱の差を吸熱で割ったものになるので,
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εはVで表記されており,これを使うので,TをVで表します。”一定”をCとして,表すと,
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となり,このCはABとCDで異なることに注意して
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問1
要するに断熱だったところを等温とのことです。等温ではPV=一定で,断熱はPV5/3=一定なので,Vが増えると等温の方がゆるやかにPが減少します。よって図は,
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のようになり,A→B'で外部からされる仕事が小さくなり,C→D'で外部にする仕事が大きくなるため,合計の正味の仕事も大きくなります(単にABCDとAB'CD'の面積比較でOKです)。この差は膨張時には吸熱し,圧縮時には放熱してそれぞれPが大きく,小さくなるためです。

問2
これも断熱と等温に注意してやります。断熱の場合は圧縮されるとTは増加するので,
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京都大学2014年物理第2問
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解説


コンデンサーかつ抵抗というよくわからない状況ですが,図4に回路図もあり落ち着けばなんということのない問題です。交流だろうがキルヒホフればそれで終わりです。

(1)

V0でI0流れるので,抵抗はV0/I0となります(図4のような回路として扱えるということです。コンデンサーと抵抗を直列ならば一定に落ち着いたあとは電流が流れません)。


抵抗は長さが長くなると増え,面積が大きくなると小さくなります。抵抗率は単位面積かつ単位長さのときの抵抗なので,
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交流でもオームの法則は成り立つので,単に抵抗で割ればいいです。
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電圧降下の式を立てて微分します(通常はIの方をsinωtでおきますが)。
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よって,π/2です。


流れる電流はハとニの式の合計になるので,
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のように合成できますが,図3によると位相のずれはπ/4だけ電流の方が進んでいます。つまり,sinの係数とcosの係数は同じになります。
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比誘電率を使ってCを表してホの結果と照合します。
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ホの途中式に代入します。
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問1
Rに流れる電流の最大値をIRとすれば,比誘電率が同じで形状も同じならばCは同じになるので,位相がπ/4だけ進んでしまう条件は
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となり,電流が2倍になります。よって抵抗は1/2倍になるので,抵抗率も形状が同じならば1/2倍です。

(2)

Q=CV⇔V=Q/Cです。


チに代入すれば0です。


コンデンサーの電圧が0ということは内部抵抗のみで電圧降下が起こるので,V0/rとなります。
(電池を含まないコンデンサーのCとRからなる閉回路を考えれば,Cの電圧が0なのでRの方の電圧も0となり,Rの方には電流が流れません)


十分時間が経ったあとのコンデンサーに流れる電流は0なので,抵抗と内部抵抗が直列になっているだけの回路です。よって,電圧を抵抗の和で割ればいいので,
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問2
コンデンサー両端の電圧をVとして電圧降下の式を立てれば(コンデンサー内の抵抗の電圧も同じVです)

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となります。初めはコンデンサーに電荷はないため0であり(別にヌを代入してもいいです)、終わりはルを代入してやれば,
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となります。図6を元に書いてやれば,

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京都大学2014年物理第1問
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解説


前半はぬるい問題で取れないときつい印象です。後半は内容としてはそれなりに高度ですが,散々問題集で取り扱われている動く単振動です。

(1)

問題文に書いてあるように,正の方向にそれぞれのバネからklの力を受けるので
ma=2kl⇔a=2kl/m


同様に-2kl/M

ウ,エ
運動量とエネルギーの保存です。vを小球,Vを台とすると,
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(2)
オ,カ
(1)で-lだったものがdになっただけです。それに新しい力Nを入れてあげれば,
Ma1=N+2kd
ma2=-2kd


カの方程式はバネ定数2kの単振動で,始動は0からマイナスなので,
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エネルギー保存則からAを求めると,
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【別解答】微分による解法
単振動の式を微分するとAω=v0になるので,A=v0/ωです。


垂直抗力が0になるのは2kdが0以上になる瞬間です。つまり,d=0となる1/2周期後です。よって,
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(3)
問1
”単振動となることを示せ”はお決まりの文言で,単振動と同じx''=-bxという式を作ってやることになります。台車から見た小球とあるので,台車基準の座標で考えます。
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となり,相対座標で取ったものが単振動になります。


外力が働いていない系の重心は等速直線運動をします。というか外力のみを考えた運動になります。壁から出る離れるときに小球の速度が正方向なので静止ではなく等速になります。

【参考】重心の運動
物体iの重さをmi,加速度をai,働く外力をFi,物体kから受ける内力をfkiとすると,物体iの運動方程式は以下のようになり,全て足してやると,
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となり,重心の加速度が外力のみに依存することが分かり,これを積分していけば重心の速度や位置がでてきます。


等速直線運動で運動量は保存するので,台から離れる瞬間は球が右向きにv0で動いているだけなので,
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質量比の逆比が重心からの距離になるので,問1の単振動をm:M に分けたmの方が台車の重心からのズレです。よって,単振動部分の速度を積分したものが位置になるので,
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シ,ス
速度はサを微分して考えます。
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問2
壁を離れる前の台は一定なので,重心は小球の単振動のグラフをm/(M+m)したものになり,離れてからは重心はコ,台はサになります。速度が最大の点は単振動の中心を右向きに通過するときになるので,その時間は初めの単振動半周期+次の単振動半周期になります。グラフにすると,
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京都大学2014年物理解説
京都大学2014年物理の解説です。平易な問題が多くて物理が得意な層のHPは削れない感じですが,第1問のサ以降,第2問のホヘト及び問1,第3問の問1問2あたりは微妙に発展的で差が出ているかもしれません(第3問の(1)は面白い内容であり,内容自体は発展的なものですが,もはや全部誘導で簡単になってしまっています)。

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大阪大学2014年数学第5問
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解説


昨年の確率の難問と打って変わって簡単な内容です。5で割ってとあるので5の余りで考えていくことになります。

(1)
(3)でpnを求めさせているので,個別に求めるのは無しでしょう。合計は5が一回も出ない場合なので,
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(2)
n回目の余りによってn+1回目の余りが1になる確率がどうなるか考察します。どのあまりの場合も対応するひとつの余りがあります。つまり,n回目が1のときは1を出せばよく,2のときは3を出せばいいといった感じです。1は2通りあることに注意し,また,qを消すために(1)を使います。
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(3)
わざわざ置き方を指定する必要はない基本的な漸化式だと思うのですが・・・。pをrで表して代入するか,指数部分で割ってやるかです。
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大阪大学2014年数学第4問
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解説


図形がイメージできてしまえばなんてことはない問題です。もし3次元でイメージしにくいようならば,一旦は2次元で考えてみてその条件を3次元に移し変えてやるといいと思います。

(1)
2次元でイメージする場合には当然ながら2次元では再現できない条件があります。そういう場合はその条件を無視してもいいです。本問では条件アと条件イを同時に満たすものは再現できませんので,とりあえずアだけで図を作ってやると(イのみで作ると数珠状に並んだ円達になります。どちらから攻めてもいいですし,片方では3次元のものを思い浮かびにくければ両方から攻めてもいいでしょう),
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中心の条件は2次元で直線,正確には点で表せるので,3次元では平面,正確には,回転体になること(2次元上の円と球の関係であり,上図を3次元に対応させるのはS同士を結んだ直線で回転です)を考えるとT系統の中心は2次元の点が3次元では円周に対応します。順番にT同士が接するようにしていけば条件イを満たせることになります。
このとき,下図のように条件となる円周上に接する多角形の頂点に存在することになります。
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Tの中心が存在する円の半径は三平方の定理より,
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となり,これとT系統が接するという事実と半径の関係から,
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(2)
こういう単純な回転体はパップスギュルると早いです。回転で重心が動く距離×回転するものの面積なので,
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球の和も求めてlimを取ると,
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【別解答】積分で回転体の体積を求める場合
半径rでaだけ離れた円の体積は,円の方程式が,
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となるので,体積は円の外側の曲線をxo,内側の曲線をxiとしてやれば,
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注:積分が半円になっていることを使っています。また最後はaとrを本問のものを代入しています。

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大阪大学2014年数学第3問
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解説


形と聞き方から解き方が推定できてしまう問題です。数が多い場合は,繰り返しや数列(nによる一般化),極限などが考えられ,整数部分ということは整数部分までしか分からないという近似の問題ではないかという気もします。

繰り返しで考えたところで余りきれいになりそうにありません(√の整数部分はさて置き,Σをとっている以上小数部分の和も関連してきてしまいますが,√の小数部分は無理数なので繰り返しにならなそうです。)他の手段で級数の近似といえば,級数を積分で表してあげるアレです。

単調減少関数である1/√xの下側と上側にΣが来るように積分範囲を決めて比較してやれば,
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左辺は2がかかっているので,40001のルートを1/2の精度で求める必要があります。
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あれ?398<Σ<400となるので,答が398と399のどちらかまでは絞れなくなってしまいました。こういう時は近似の精度を上げてあげるのが定番です。積分による近似が粗いのは0を含む右辺の方なので,初めの1/√1=1の部分を積分ではなく別に計算してやります。
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よって,398<Σ<399となるので,398が答えです。

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大阪大学2014年数学第2問
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解説


アイの意味が分かりにくく書いているのでそれを理解できるか,微分後の式を上手く解けるかが鍵です。

アで言っていることはt>0の範囲でtをどんな値にしても,左辺≧右辺以上が常に成立するということなので,左辺-右辺の最小値は0以上ということになります。そして,イは左辺-右辺=0となるxがあるということなので,要するに,どんなt>0を満たすtをとっても左辺-右辺の最小値が0であるということになります。

最小値の問題なのでとりあえずxで微分します。
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「あれ解けない」となるので,解けない原因であるexをXとでもして考えていきます。
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dX/dx>0であり,導関数が実質的に最高次が正の2次関数なので,二つの解の大きい方(±の+側)が導関数が負から正になる点(2階微分で考えてもいいでしょう)なので,極小値になります。f(x)は全区間で連続なので,この極小値が最小値になります。
よって,極小値となるxにおいてイが成立するので,
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となります。

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大阪大学2014年数学第1問
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解説


ベクトルの問題はベクトルで行くか成分でいくかですが,本問では座標が与えられているので座標で行く方が簡単そうです。また,式を単純に恒等式として処理してやるだけで,連立方程式の解の話はそこらじゅうの問題集に載っているのではないでしょうか。

成分ごとに等式を立てれば,
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となり,この連立方程式の解s,tが存在する条件ということになります。

(i)2つの方程式の少なくとも一方が直線ではない場合
s,tの係数がともに0の場合は直線になりませんが,第1式ではe=0でなければならず(ii-i)と自明な解をもちます。第2式が0になる場合はb=d=0であり,この場合は第2式のs,tは任意なので,無数の解を持つことになります。

(ii)2つの方程式がともに直線の場合
(ii-i)自明な解
e=0の場合は自明な解(0,0)が存在します。

(ii-ii)一意的な解を持つ場合(2直線が平行ではない場合)
行列表記で考えれば(係数の比で考えても,連立方程式を解いても同じです),逆行列を持つ場合(ad-bc≠0)は一意的な解を持ちます。

(ii-iii)一致する場合
逆行列を持たない場合も(ad-bc=0)二直線が重なる場合は解が無数に存在しますが,その場合はe=0でなければ切片が異なってしまいます。e=0は(ii-i)で述べたように一致以前に自明な解を持ちます。

よって,b=d=0またはe=0またはad-bc≠0です。

【別解答】もう少しベクトル風味を残して
(I)自明な解
OCがゼロベクトル,つまりe=0のときはs=t=0を自明な解として持ちます。

(II)左辺の2ベクトルが1次独立(どんな係数をかけて足しても0にはならない)の場合
同一直線状ではないので平面上の全てのベクトルを表せてます(s,tを動かしたときに左辺の範囲がどうなるか考えればいいでしょう。例えばs+t=1なら直線AB上の全ての点へのベクトルです。s+tの値を適当にかえれ直線の集合,すなわち面を作れます)。
a,bの少なくとも一方が非ゼロ,かつ,c,dの少なくとも一方が非ゼロ,かつ,a:b≠c:d⇒bc≠ad

(III)左辺の2ベクトルが1次従属(1次独立ではない)の場合
直線OAもしくはOB上の点しか左辺は表せないので,Cもその直線上にある必要があります。つまり,b=d=0

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大阪大学2014年数学解説
大阪大学2014年前期数学の解説です。私の体感難易度は,2>>4>5=3≧1ですかね。1は完全に期末試験レベルですけど,何回か受けたら0=0になるのを忘れてしまう回もありそうです。そういった意味では私には最難かもしれません。2は条件の把握と上手い計算方法が思いつくかで差がつく問題です。3も期末試験とかにいいのではと言いたくなるレベルですが,ぎょっとしてしまう受験生もいそうです。4は状況把握を上手くできるかに尽きます。5は誘導しまくりなのでかなり簡単です。正直なところ誘導は必要ないだろと思います。

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東京大学2014年後期総合科目II第2問B
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解説


アキレスとカメの追いつけない的な問題です。追いつけない状況を把握できることは前提としても,B-3とB-4は少し難易度が高めです。整数問題,数列,積分と幅広い分野の考えが必要になっています。

(B-1)
θ=π/3なので,sinθよりcosθの方が小さいため,横方向に1の位置のABよりも縦方向に1の位置にあるBCにまず到達します。BCに到達する条件は,有限時間内にBCに到達するとも言い換えられるので,縦方向の速度を無限時間まで積分したら余裕を持って(≧ではなく>)到達できるという条件になります。
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(B-2)
ABがtanθ=√3よりも小さいので,BC→AB→ADという具合になります。コツコツやるのはさすがに面倒なので,一般化した距離と初速で考えて見ます。距離がkで初速がvだとすると,到達条件と到達時の速度v'は,
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となります。順に適用していくために,各壁にぶつかるまでの距離を求めると,反射は折り返して考えると楽なので,下図で考えます。
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となります。v'=v-kとなるようにRから順にたどっていけば,
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(B-3)
簡単に図にすると(m分の1は省略),
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となります。AB上とCD上の点を一般項で表してみると,
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よって,(4k-3)/mが整数(mが4で割ると1余る)になるならばBに到達し,(4k-1)/mが整数(mが4で割ると3余る)になるならばCに到達します(そしてそこで止まるため,A,Bには達しません)。それ以外の場合はmが偶数の時ですが,この場合にはBCの中点を通ります(ABとBCの中点を結んだ直線状にくる場合が2kもしくは2k+2になるので)。BCの中点を通れば対称性からその後にADの中点を通ることになり,無限ループとなりA,Bには達しません。よって,AまたはBに達するのはBに達する,mが4で割ると1余る場合のみです。
したがって,最小はm=5となります。

(B-4)
(B-3)の議論から,mが4で割ると1余るもののみです。(B-2)の考え方より,次の壁にぶつかる時の速度は,今の壁から出る速度から次の壁までの距離を引いたものになり,跳ね返る際に1/2になるので,n回目に壁に到達する速度をvnのようにしてやれば,
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これが0より大きければ,n回目の壁に有限時間で到達可能です。
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最後にcosθとnを求めると(mの方は1回目の衝突までだけが違うので,1回目の衝突から考えて1を足しています。高さ方向のm-1を2で割って+1です。),
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ただし,mは4で割って1余る2以上の整数。

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