ひたすら受験問題を解説していくブログ
東京大学2015年前期物理第1問
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解説


基本に忠実に求めていくだけの問題です。Gを中心とした等速円運動になることに気づけたか否かで点数が分かれそうですが,誘導が結構露骨なので気づいて欲しいです。というか誘導無しでも複数の物体の運動は重心を考えてみることが基本です。

I
(1)
良くわからない運動で速度を求めろと言われたら運動量保存かエネルギー保存です。本問の場合は衝突でもないので,エネルギー保存ですね。下がった高さはlsinθなので,
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(2)
円運動なので遠心力で出してやります。張力をTとすると,
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(3)
かかっている力は重力と張力だけなので,その合成です。鉛直上向きに2mgなので,加速度は鉛直上向き2gです。

II
(1)重心の加速度は2物体に働く外力による加速なので,鉛直下向きに2mgの重力がかかり,質量が2mなので,鉛直下向きにgです。

(2)
重心は加重平均になるので,2物体の質量が同じ,かつ,Aしか動いていないのでAの速度の半分です。よって,
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Aは水平右向き,Bは水平左向きです。

(3)
A,Bには重力と張力がかかりますが,重心も加速度gなので,重心に対する相対加速度は張力によるものだけになります。つまり,重心視点では等速円運動です。回転半径はl/2なので,
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となります。

(4)
張力と重力が働いています。よって
A:(mg-mg)/m=0
B:(mg+mg)/m=2g 鉛直下向
となります。

(5)
重心に対して等速円運動なので,4分の1周期後(つまりπ/2後)です。
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(6)
重心と,そこからAまでで考えます。重心は水平方向には等速運動です。Aが鉛直下向きから反時計回りになす角度で考えると,水平方向はsinに当たるので,
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【別解答】B基準
(6)以外はBを基準に考えても一応解けます。

(3)
相対加速度はA,Bともにかかっているgが消え,AにはAが受ける張力と,Bが張力で引かれる加速度による慣性力がかかります。半径がlのままでかかる向心力が2Tになるので,Tは(1)の向心力である2mgの半分,つまりmgになります。

(4)は解答と同じ。

(5)
本解答に比べ,半径が2倍で相対速度も2倍になるので同じ値になります。

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東京大学2015年前期物理解説
東京大学2015年前期物理の解説です。本年は難しい問題がないと思います。個人的には第3問の隠れた条件に気づくのに時間を要しました(モンハンのロード時間に解いてたからかもしれませんが)。簡単な問題も多く,うっかり取りこぼしに注意したいですね。差がつくとしたら第2問IV,第3問II,III(2)(うっかりてきな),IV(2)あたりでしょうか?

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東京大学2015年前期数学第1問
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解説


レベル的に期末試験ですね。試験会場でもノーストップで解いて欲しい問題です。解法も色々あります。

これ系はパラメータであるaの存在条件で解くのがよくある解法のひとつです。分数がキモイので変形します。
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忘れる受験生が多いですが,係数によって解き方が変わるので,そこで場合わけです。

(i)x=±1のとき
1次関数になります。a=の形にすると,a=1/4yでありこれが正ならば,y>0です。

(ii)|x|<1のとき
上に凸な2次関数になります。(0,1)を必ず通る関数なので(パラメータによらない固定点はかなり有用な情報なのでチェックを忘れないよう心がけましょう),上に凸な2次関数なので,a>0で解を1つ持ちます。よって全てのyで成立します。

(iii)|x|>1のとき
(0,1)を通る下に凸な2次関数なので,D≧0かつ軸>0が条件となります。したがって,
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(i)~(iii)より作図すると,
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となります(境界の実線部分は含むが点線は含まない)。

【別解答1】1変数固定法
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xを固定して最大値と最小値を求めてとり得るyの範囲を求めます。微分してもいいですが,|x|>1の時は相加相乗が早いです。
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となり,双曲線の上側がえられます。

x=±1のとき,y=1/4aなので,y>0です。
|x|<1のときはaの係数が負なので,a→0で+∞,a→∞で-∞になり,連続なので全てのyをとります。

【別解答2】包絡線(大学生向け)
問題の曲線をf(x,y,a)とすると,aに関わらず必ず接する曲線が包絡線です。求め方はf=0とfa=0を連立させてaを消去すればいいので,
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となり,|x|>1における包絡線が得られます。|x|≦1はなんか適当にやってください。

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東京大学2015年前期数学第3問
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解説


難しいところはいっさいなく,単純作業問題だと言えます。引っかかるとしたら(1)が一番可能性が高いですが,実際に作図してみればどのような状態かは一目瞭然でしょう。

(1)
二つの曲線の差をf(x)とでもすれば,x→+0,x→∞ともにf(x)は∞に発散します(後者は”必要であれば・・・”より)。すなわち,f(x)は連続なので一度でもx軸を突き抜けると解が2つ以上になります。したがって,f(x)の最小値が0となるものを求めます。微分して求めていくと,
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(2)
こんな図です。
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x方向で考えると,x=1まではlogxは負であり,考える領域の境界になっていません。場合わけが面倒なので,このような場合はバウムクーヘン(同じですが置換でも可)です。初めの{}内は逆関数の差です。
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(3)
()内が1なので,1-2p=0でp=1/2です。


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東京大学2015年前期数学第2問
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解説


このブログの読者の皆様なら,本問のようなあとに影響する系の確率の問題は,前側から1回切り出して考える漸化式でとけることはご承知かと思います。

(1)
求めるものをpnとします。1回目を振ったあとで考えると,
1/2でAA,1/2で一文字です。よって,n+2を求めようとすると,前者はそこからn個目がAになっていれば良く,後者はn+1個目がAになっていればいいです。したがって,
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これはn=1でも成立します。

(2)
問題はほぼ変わってないですね。求めるものをqnとします(n≧3)。(1)との違いは,初めがAAの分岐の際に,AABが含まれなくなってしまうため(∵n≧3でしかqは定義されていない),それを考慮して漸化式で考えます。全く同じ漸化式になるので,初項的なもののみ求めなおします。

n=3のときはAABしかあり得ませんので,q3=1/12です。
n=4のときは○AABしかあり得ませんので,q4=1/2×1/12=1/24です。
したがって,n≧4において,
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これはn=2,3で成立します。

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東京大学2015年前期数学第4問
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解説


(1)のような問題ではnとn+1を比較してやる手法を押さえておきたいです。(2)は(1)と与えられている漸化式を入れればすぐ出ます。(3)は(2)を明らかに使えということなので,着想的にはむしろ逆に代入してしまうのが良いでしょう。

(1)
先にnとn+1の場合の差をとってもいいのですが,計算が煩雑になりそうなので,漸化式を使って整理してやります。
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nとn+1の場合の割り算がnによらず1ならよいです。
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(2)
n=1を入れてやると,
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(3)
ためしにqを(2)に代入してみるとわかり易いです。そのためには背理法でいきましょうか。あるn=k+1で初めて成立していないとすると,k≧2において
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よって,矛盾するので,成立しないk+1は存在しません。k=1は計算で簡単に成立していることがわかります。


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東京大学2015年前期数学第6問
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解説


(1)の段階でいいたいことを上手く捉えられなかった受験生も多かったのではないかと思います。種が分かってしまえばやっていることはすごく簡単です。(2)に関しては形作りのヒントは見えるものの,気づきにくいだろうと思います。私は5回受けたら1回ぐらい事故りそうです。

(1)
まずは,g(nx)がこうなることに気づけたか否かです(私はそもそもf(x)があるのに-1から1で積分とか評価しようがないじゃん!ってところから気づきました)。
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0に何をかけてもそれは0なので,
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g(nx)が常に0以上であることから,p≦f(x)≦qを使うと,
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最後のcosの計算は1周期の積分なので直交関数系を使って0となることを使っています。

(2)
(1)の利用ですが,g(x)がいません。うちのg(x)を探してください。って変なのりに解いててなりましたが,係数がnではなくn2になっていることがヒントになっており,h(x)がg(x)の微分であることに気づけたら勝ち確です(x=1とかでも微分可能な関数になっています。h(x)が連続ですよね)。
g(x)に戻したいので,部分積分します(n≧2とすると[]部分がばっさり消せるのでそう設定します)。
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積分の()部分をf(x)とみなせば,f(x)は単調増加関数であり,|x|≦1/nにおいて,
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東京大学2015年前期数学第5問
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解説


みんな大好きな整数問題です。多分普通だと思われる解答は予備校さんに譲ってあげて,ここでは算数的な解き方とフラクタルを利用した解答載せておきます。

2015C1=2015であり,当然のことですが,これは偶数ではありません。これを基準にコンビネーションの分母の変化に着目して解いてやります。例えば2015C2になる場合,分母は2が新たに追加され,2014が削除されます。いずれも2の倍数,かつ,4の倍数ではないので,偶奇に影響しない変化です。
これから数字をどんどん増やしていって変化を見て行きますが,見るべきところは2の累乗だけでOKです。
これは,例えば8と2008がともに8で割れて16で割れないならば,コンビネーションが整数であることは保証されているので,16を考えるまでの数は全て大きい方と小さい方の2の累乗の割れ具合は同じになるからです(8+kと2008-kを8で割った余りはマイナスの余りを考慮すれば符号が逆なだけです)。

したがって,
4 2012 ともに4の倍数だが8の倍数でない
8 2008 ともに8の倍数だが16の倍数でない
16 2000 ともに16の倍数だが32の倍数でない
32 1984 1984のみ64で割れる。

つまり,31から32に変化する際に,分母の2の累乗は減ることになり,コンビネーションは偶数になります。答えは32です。

【別解答1】2進数表記
やってることは同じですが,数学的な表記でいくならば,2016-kとkの2の累乗での割れ方に違いが出てくるところを見ており,2進表記にするとわかり易いです。2016は11111100000であり(最後の1が32のところ),ここから減らしていくと11111011111という感じで減っていきますが,これは1と一致します。同様に2引くと11111011110となり,10と一致します。32からは11111011111の11111部分がきれいに消えて,その次が1なので,2016-32の方が一つ多く2で割れます。

【別解答2】パスカルの三角形
コンビネーションなのでパスカルの三角形を描いて,これを2で割ったあまりに変換してやると次のようなフラクタルになります(証明は全部が2k個の111・・・111の次にできるものが1000・・・00001であり,端の1から伝言ゲームのごとく1が伝わることを考えれば,kに関する数学的帰納法で示せます)。

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一番上の1は0乗であり,2015乗は2016段目になります。2016を2進数的に削っていくと,丁度32で割り切れたとき余りがなくなってしまいます(まず,サイズが2048の三角形で考えますが,パスカルの三角形が4つの小さい三角形から成立していると考えれば,2016段目は1024の三角形の992段目を考えればいいことが分かります。以下繰り返しです)。
割り切れてしまえば,その段は左から32個の1が続いて,そのあとは0の海になるので,一番左が2015C0だということを考慮すると,33番目つまり2015C32が初めて偶数になります。

こちらの手法も結局2で割り続けていくので,2進数表記と同じですね。

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東京大学2015年前期数学解説
東京大学2015年前期数学の解説です。私の体感難易度は横並びな感じで,5>6=4>3=2>1な感じで(5みたいな問題より,むしろ1とかの計算ミスが怖いですよね),全体的な難易度は程ほどでしたが,超がつく難問はない印象です。設問が細かいですが,簡単すぎる感じでもないため,いい感じに受験生の点数がばらついたのではないでしょうか。

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東京大学2010年前期数学第6問
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解説


そこそこ難しいとはいえ,問題の正当な難易度よりも,どの手法を使うべきか悩むだけな問題だと感じました。どれでいくかにせよ,パッと垂線の求める手法はいくつか思いついて欲しいところです。(2)は少し比の計算が面倒なのですが,(3)にわざわざ分けて最大値を問う意味が分かりません。

(1)
4つの面が合同なので,辺の長さが全て決まります。

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CHを作る際にCHを含みOA,OBに垂直な2平面を考えてやれば,△OACにおいてCからOAに引いた垂線の足でOAと交わり,△OBCにおいて同様の点でOBと交わります。

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したがって,上図より,
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となります。Hは△OAB上でMを通ってOAに垂直な直線と,Nを通ってOBに垂直な直線の交点です。よって,OA,OBに垂直なベクトルを求めます。まずはOAとOBの内積を出すと,
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適当な係数を置いて,内積=0より
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となります。OCを二直線上の点として恒等式を立てると,
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【(1)別解答1】ベクトルメインで
ベクトルOCを考えて求める方法もあります。長さは2であり,OA,OBとの内積は,
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となります。したがって,OHをOA,OBで表したものからCHを考えていけば,
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【(1)別解答2】直方体からの切り出し
全面が合同な四面体は直方体から切り出して作ることができます。有名すぎて発想というかというところですが,直方体には面が6つ,互いに同じ面が3対あるので,各辺が各面の対角線になるように配置することができます(下図参照)。

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直方体の辺の長さをa,b,cと置いてOA,OB,OCの長さの2乗を出すと,
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なお,今回に限らず,三角形になっていれば全面が合同な三角形はこのように置けます(連立方程式が正の解を持つ条件が”2辺の和>他の辺”になるため,三角形なら満たしています。)
ここまでくると完全に座標で置けてしまいます。O(0,0,0),A(0,√6,√3),B(1,√6,0),C(1,0,√3)とすれば,面Lの方程式は x+py+qz=0と置けるので(Oを通ることから定数部分0),
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となるので,法線ベクトル(nとします)は(√6,-1,√2)となります(表記しやすいよう√6倍しています)。CはOA,OB,nであらわせるので,
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(2)
上で求めたOHベクトルを参考にCH方向から見た図は,
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のようになり,図の点線はOAとOBベクトルの係数の和が5/9-1/3=2/9となるラインです。つまり,0<t<2/9ならばこのラインのO側になるため,三角形になります。一方,2/9≦t<1ならばAB側になり,台形になります(△ABC上の切り口はABに平行になるので)。

(i)0<t<2/9
t=2/9底辺がABの2/9倍で高さがCHになり,一般にその相似な三角形になります。相似比は2/9を1と捉えることになるので,9t/2となります。したがって,
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(ii)2/9≦t<1
まず,台形の平行な2辺と高さを求めます。△OABから切り出されるものはtABになります。一方,△CABの方は2/9スタートで全体は7/9になっているため,(t-2/9)×9/7=(9t-2)/7倍となります。高さについても同様に,1-(9t-2)/7=9(1-t)/7倍となります。したがって,
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(i)(ii)より,
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(3)
(2)の(i)側は単調増加なので,範囲が閉じていないため最大値は持ちませんし,t→2/9は(ii)に含まれます。
(ii)側はただの2次関数なので,2次関数部分を平方完成します。
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東京大学2010年前期数学第5問
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解説


Aに意味はなく,また,動く点が多数なので,求められている直角二等辺三角形の対称性も考慮して一点(Q)を固定してやると大分すっきりします。このようにおけると難易度は大したことないのですが,上手く置けないと本年で一番難しい問題かもしれません。

Q(1,0)にでも固定してやると,Pはm-1,Rは-3で移動する問題になります。Qが直角の直角二等辺三角形になることから,PとRはそれぞれ(0,1)か(0,-1)のどちらかになっていなければなりません。こういう場合は定数のRから考えてやるとわかり易いので,Rがこれらの点にくる時のtは,t=π/6,π/2,5π/6,7π/6,3π/2,11/6πです。また,y座標の符号が逆なので,
(m-1)t=3t+2kπ⇔t(m-4)=2kπ
となる整数kがあればOKです。

(i)m=4の時
k=0なら全てで成立します。

(ii)m≠4の時
m,kが整数であることを利用します。先ほどの候補が既約分数で分母が2の倍数であることから,2k/(m-4)を約分したものも分母が2の倍数になります。つまり,m-4が4の倍数であり,mが4の倍数です。残りはm=8のみなので,これを入れてみると,t=kπ/2となるため,k=1,3しかあり得ません。それぞれtはπ/2と3π/2です。

(i)(ii)より,(m,t)=(4,π/6),(4,π/2),(4,5π/6),(4,7π/6),(4,3π/2),(4,11π/6),(8,π/2),(8,3π/2)となります。

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東京大学2010年前期数学第4問
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解説


(1)は公式で瞬殺問題だとして,(2)は(1)を上手く使えたかで差が出たのではないでしょうか。

(1)
点Pを(x,y)としてxによらず一定であるという意味です。Hはy固定なので(y,y)です。したがって,
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となり,xに関係なく一定です(平面上でベクトル(a,b),(c,d)がなす平行四辺形の面積は|ad-bc|という公式を使っています)。

(2)
とても積分したくない形をしていますが,(1)から
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と”x=”の形は結構簡単であることが分かります。yで微分してやれば概形がかけます。
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となり単調増加であり,またlimを考えればy→∞でx=y,y→-∞でy=0に漸近します。グラフにすると,

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のようになり,求めるべき面積は,
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東京大学2010年前期数学第3問
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解説


やっている内容はかなり簡単ですが,題意をしっかりつかむことができたかに尽きます。あと,全部の玉が一方によっている時にどういう挙動になるかを間違えた人もいそうです。本問にて式で与えられているものは,「表裏で移動先を決める」「移動量は少ない方と同じ個数」と言葉にするとわかり易いです。
第2問がパターン化されていない人はこっちの方が簡単だったかもしれません。

(1)
付け加えるタイプの漸化式の立て方(nを元にn+1的な奴です)では前の操作の影響が出て訳がわからなくなります。このような場合には初めから考えるタイプの漸化式の立て方をしてやります。

まず,コインを一回投げた場合に初めのLに入っている個数によって状況が変わります。

(i)0≦x≦15
表が出たらx個がLに移り,2x個になります。裏が出たらx個がRに移り,0個になります。一度0個になると移動はもう起こらないことも考慮すると,
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(ii)16≦x≦30
表が出たら30-x個がLに移り,30個になります。裏が出たら30-xがRに移り,2x-30個になります。一度30個になるとそのままなことを考慮して,
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ちなみにこれはm≧1に拡張しても成立します。

(2)
添え字が2nになっていることから(1)を2回使えば漸化式が得られるのでしょう。(1)の場合分けに注意して適用していくと,
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(3)
添え字が4nなので(以下略)。というか(2)と全く同じ設問を出すなよと思います。
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東京大学2010年前期数学第2問
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解説


本年で一番簡単です。というかもろすぎて,まあ一応一工夫は必要ですが解き方は瞬殺な人も多かったでしょう。

(1)
積分の不等式は積分しているものよりも必ず大きい関数と必ず小さい関数で考えることが多いです。またその作り方は入試レベルだと決まっており,積分している関数を単調部分に分けて,それに両端の値をxに入れて作ります。本問の場合,分母と分子に分けて考えます。まずは大きいものを作ろうとすれば,ともに0を入れる,分母のみ0,分子のみ0の3通りしかないので,それぞれ計算してみます。
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なので,分母のみ0が当たりです。一方,小さい方は逆に1を代入すればいいので,
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となり,こちらも分母のみ1が当たりです。

(2)
Σ内の形が(1)の両端そのものなので,指定された範囲の和をとってみたくなりますが,積分部分も計算しておくとlogが出てきて,この一番めんどくさいlogの係数が定数ではなくなります。よって,k+1で割ってからΣをとってやります(2行目はΣを計算できる形かつ右辺の一個ずれの形にしています)。
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【参考】不等式の意味するもの
不等式の全辺をk+1で割ったものは
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1/xに関連する下図の図形の面積として捉えることができます。

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まず,一番わかり易い不等式の右辺ですが,大きい方の直角三角形の面積になっています。

次に,真ん中ですが,
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となり,図における曲線の下側部分になっています。

最後に左辺ですが,これはx=k+1における1/xの接線を斜辺に持つ小さい方の直角三角形の面積になっています。

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東京大学2010年前期数学第1問
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解説


(1)はかなり簡単な問題で,これをケアレスミス以外ではずしているようならば,受ける大学を間違っているか,国語にでもステータスを全振りしているのでしょう。(2)は3変数の最大最小で,パターン化された手法を使って行きますが,形がそれほど簡単ではないため,難易度は中程度以上あります。

(1)
回転体は回転前の断面を描いて,それを回転させるのが定石です。回転前の図形はただの長方形ですが,回転角が中途半端な90度であることに注意してください。下図のようになります。

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1/4の円と直角三角形二つに分けて考えて断面積を出し,高さのbをかければ,
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(2)
多変数関数は1文字固定で解くことが定石です。bを固定した場合,a+c=1-bとなり,その条件の下での範囲を求めますが,b→0で体積が0になるのは自明なので,最大値のみ求めればいいです。b固定下では条件付な2変数の問題なので,代入して整理してやります。cを消すと,
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となりただのaの2次方程式になります。2次の項の係数は正になるので,最大は変域0≦a≦1-bの両端のどちらかです。いずれを入れても同じ値になるので(aとcの対称性から実のところはc=1-a-bすら入れなくともa=0,c=1-bのみ考えればいいことは分かります),それをf(b)とおいて最大値を求めます。
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係数が正の三次関数なので,小さいb=1/3の方が極大値です。したがって,f(1/3)=π/27が最大となり(a=0なので),0<V<π/27です。

【(2)別解答】ラグランジュの乗数法(大学生向け)
本問の場合はこちらの方が面倒ですが,条件付最大最小なので典型的なラグランジュの問題であり,機械的に攻められます。求めたい関数をf,条件をgとすると,f-λgを各変数とλで微分した値が0になることが極値の条件ですので,f-λg=Fとおくと,
todai_2010_math_a1_4.png

このときf=(2+π)/54となります。あとは境界をチェックすると,a,cの対称性を考えれば,a=0とb=0をチェックすれば終わりです(考えるべき境界はa=0かつb+c=1,または,b=0かつa+c=1です。)。

a=0の時,本解答と同じbの関数が得られ,b=1/3でπ/27,b=0もしくは1で0です。
b=0の時,問答無用で0です。
したがって,最も大きいものはπ/27であり,0<V<π/27を得ます。

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東京大学2010年前期数学解説
東京大学2010年前期数学の解説です。私の体感難易度は横並びな感じで,4=5=3=6=1>2でまあ2009年に比べると大分簡単なセットですね。むしろこっちが普通なのかもしれません。極めて簡単と言うわけではないですが,設問数も多く,下位合格者でも点が集めやすかったのではないかと思います。そのため,数学にステ全振りな人たちには逆に困った状態な気がします。

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東京大学2009年前期数学第6問
todai_2009_math_q6.png

解説


全体的に見慣れない感じなので,数学が苦手な人にとったら難しいです。やっていること自体は結構大したことではないので,後期の総合科目とかを解きなれている人はさっくりいったかもしれません。一応理三向け問題でしょうか?

(1)
最も近づくときが1以下の距離になるということなので2点の動きを考えますが,片方を固定して相対的に考えればいいでしょう。P2に対するP1の相対速度が問題文中のベクトルe1-e2なので,P2を固定してP1を動かした図は以下の様になります。
todai_2009_math_a6_1.png
点線部分が相対距離の最小なので,ここが1以下になればいいです。つまり1000|sinθ|≦1なので|sinθ|≦1/1000が示されました。

(2)
同じ値が出ているので(1)を使うのでしょう。なので,(1)をθ1とθ2を使ってあらわすことを考えます。
todai_2009_math_a6_2.png
ここで求めたいのはθ(符号付であり,上図では負の値です)ですので各角度を整理していきます。
∠XAB=θ1
∠XAC=θ2+2π/3
∴∠BAC=θ2+2π/3-θ1
△BACは二等辺三角形なので,∠ACB=(π-∠BAC)/2=π/6+(θ1-θ2)/2
また,∠YAC=π-∠XAC=π/3-θ2=∠ACX'
θ+∠ACX'=∠BACなので,θ=∠ACB-∠ACX'=-π/6+(θ1+θ2)/2となります。

(1)のθの条件より,-α≦θ≦αなので,ここに代入して整理すれば,
-2α+π/3≦θ1+θ2≦2α+π/3となります。

(3)
T=1000/√3の時に,どれか一点でもOから半径3の円の外にいたら,ある2点の距離が1以下になることはないことを証明します。見やすくするため大分拡大していますが,P2が半径3から外れるとすると,下図のように境界の値を考えればΦの範囲を求めることができます(A2Oに対する対称性から,P2がA3側に外れる場合のみ考えています)。なお,1000/√3はOまでの距離で,HはNからA2Oに下した垂線の交点です。

todai_2009_math_a6_3.png

NHの2通りの表し方から(表記の都合上1000/√3=kとおいています),
todai_2009_math_a6_4.png
さてこのとき,θ2=π/6-φであるので,これを(2)の条件式に入れてやれば,
todai_2009_math_a6_5.png
これが(2)の条件式を満たしてなければいいので,(2)の最大が上記の最小より小さいことを示します(0<α<π/2であり,また,sinの傾きは最大1です)。
todai_2009_math_a6_6.png
となり,(2)の条件を満たせないことが分かりました。したがって,この対偶である証明すべき事項も証明されました。

【別解答】直接
なんとなく自分が解いたときに,ふと対偶をとってしまっただけなので,直接でも全然いけます。(2)の条件を連立させれば,
todai_2009_math_a6_7.png
となります。本解答のφと3αをくらべてやります。結局φ/2と3/2αを比べてやって終わりです。


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東京大学2009年前期数学第5問
todai_2009_math_q5.png

解説


(1)はセオリー通りの手順を忠実に守って差の最小値を求めればいい問題です(と偉そうに言っていますが嵌ってしまいましたが)。0が最小値になるので,本問のように微分を複雑にしているものを上手く除外して考えていくパターンです。(2)は形を作ればいいので2通り選択肢をしっかり試せるかです。

(1)
多項式のx乗なので,logをとったものの差を比較してやります(logは単調増加関数なので大小関係は入れ替わりません)。つまり,f(x)=log(右辺)-log(左辺)とすると次のように成ります。
todai_2009_math_a5_1.png
f(x)>0を示すということなので微分すればよさそうですが,そのままでもx2をかけても微分した結果がぐちゃぐちゃです。よって,邪魔な1/xを除去するために,xの正負を後から考慮してやります。とりあえず1/x以外のところをg(x)とでも置いて微分してやると,
todai_2009_math_a5_2.png
極値のチェックのためにg''を求めると,
todai_2009_math_a5_3.png
であり,-1<x<1かつx≠0なので,xの符号と一致します。したがってg'(x)はx=0で最小値を取ります。g'(0)=0であり,g'(x)≧0となります。ここで,g(x)=0なので,g(x)とxの符号は一致し,-1<x<1かつx≠0においてf(x)は常に正になります。

【参考】自分が嵌ったのはここ的なもの
なぜか平均値の定理が見えてしまって,というかモロまではいかないにしてもチラチラとまとわり付いてくる形ですよね。
todai_2009_math_a5_5.png
となるので(cはxとx2の間の数です),{}内をg(c)とでもして負であることを示せば終わりです(∵(x-1)<0)。微分すると
todai_2009_math_a5_6.png
g(c)=0なので,g(c)≦0となるためf(x)≧0が示せました。f(x)≧0が示せました。f(x)≧0が示せました・・・あれ?=が入ってしまっています。つまりはcが0にはなりえないことを示さないとダメです(x>0ならそうですが,x<0の場合はc=0の可能性もあります)。結局色々と試行錯誤していくうちに,やりたくなくて避けておいたxの正負での場合分けに行き着いてしまい,本解答のが楽じゃんとなりました。

(2)
(1)ができてしまえばあとは同じ形を作るだけの単純作業です。(1)も(2)も何かの指数乗なので,何かの部分を合わせるか指数の部分をあわせるかしか選択肢がありません。何かの部分をあわせると,x=±0.0001ですが,その後が上手く0.99を作れません。指数部分をあわせれば,x=±0.01を入れてやるとすんなり示せます(上段がx=0.01,下段が-0.01です)。
todai_2009_math_a5_4.png

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東京大学2009年前期数学第4問
todai_2009_math_q4.png

解説


(1)は回転体の基本に沿って,回転軸に垂直な断面で考え,回転する前の図形を考えてから回転させれば解けます。(2)は180°回転なので変にはみ出ている部分がどうlimで処理できるのかで差が出た問題だと思います。

(1)
y=t (0≦t≦1)としてy軸に垂直な面でD1,D1を描いてやり,そして回転します。ただy=tを代入してtを定数扱いすればいいので,それぞれ
todai_2009_math_a4_1.png
これを180°回転させるので,最短がz軸との交点になり,最長が直線の両端になることから下図のようになります(θは(2)用です)。
todai_2009_math_a4_6.png

このx≧0なので,半円から半円を引いた面積になり,tに関して積分すると,
todai_2009_math_a4_2.png

(2)
どうせW(a)に収束するんでしょ?と言いたくなる問題です。V(a)とW(a)の違いはx≦0の部分が入っているか否かです。ここの面積を出して積分します(上下を足した2θの扇形からθの直角三角形2つを引けばいいです)。
todai_2009_math_a4_3.png
(最後の方の極限の計算はロピタルの定理を使っています。)

【別解答】図形的なはさみうち
図形的な大小で考えてやります。下図のように挟みうてばV(a)とW(a)の差が求められます。
todai_2009_math_a4_7.png
薄い色の長方形は大きく,濃い色の直角三角形は小さくなるので,上下にこの図形が二つあることも考慮すると,
todai_2009_math_a4_4.png
limは次のように0に収束するのでV(a)→2π/3となります。
todai_2009_math_a4_5.png

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東京大学2009年前期数学第3問
todai_2009_math_q3.png

解説


これ系問題はまずルールをしっかり把握することが重要です。曲者はCだけですので,この処理を上手くできるかどうかで特に(3)で少し差が出たと思います。ただ,本年においては明確に一番簡単な問題なので,数学が苦手な理1,2以外は完答したい問題です。

(1)
LとRは独立なので,Lのみについて考えます。5回で4色すべてということは,重複して出るものが1色です。まず,この色の選び方は4通りです。選んだこの色が何番目に出るかは5C2=10通りです。あとは,他の色の出方ですが,残ったところを順列で並べるので,3!=6通りとなります。全体が45なので,4×10×6/45=15/64となります。
Rについても同様で独立なので,15/64×15/64=225/4096です。

(2)
重複するまではAと変わらずにLに入れるだけなので,(1)のLだけの場合との違いは,2回目に出たものをLにいれずにRに入れるだけです。したがって同じ確率で15/64です。

(3)
LRともに4色すべてということは,同じものが最低2回出ているということで合計8回の出方は決まります。あとは,残り2回がどうなるかです。同じ場合と異なる場合が考えられます。

(i)同じ場合
1色だけ4回出て,他が2回です。それらを並び替えるので,4×10!/(4!2!2!2!)=4・10・9・7・6・5通りです。

(ii)
2色だけ3回出て,他が2回です。それらを並び替えるので,4C2×10!/(3!3!2!2!)=10・9・8・7・6・5通りです。

(i)+(ii)=10・9・4・7・6・5・3なので,これを410でわります。10・9・4・7・6・5・3/410=5・9・7・3・5・3/48であり,(1)の答でわると,63/16となります。

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東京大学2009年前期数学第2問
todai_2009_math_q2.png

解説


(3)で上手く条件を整理していけるか以外についてはごく普通の問題です。第1問もそうでしたが最後の設問以外はとりたいです。

(1)
計算するだけな問題です。(ii)に注意して,
todai_2009_math_a2_1.png

(2)
X-1AXな形のものをn乗して,かつ,それにかけているベクトルが(iii)そのものです。したがって,BnをAnで表記するようにすれば(X部分は消えていきます),
todai_2009_math_a2_2.png

(3)
これもどう考えても(2)を使えということなので,別のアプローチで考えたものが(2)を満たすようにすることを考えます。本来ならAnを力業で計算して(iii)と混ぜていくのでしょうが,n乗を計算しやすいBに置き換えていると言ったところですね。とりあえずB2,B3あたりを計算してみると,右上の要素が0であることが分かるので,残りの要素をan,cn,dnとすると(dnはznとかに関与しないので漸化式は不要です),
todai_2009_math_a2_3.png
ここでzn→0,wn→0なので,an→0かつcn→0です。したがって,anの方より,
todai_2009_math_a2_4.png
cnの方はanを代入しても良いのですが,次のように変形してもいいでしょう。あるβを用いて,こうなればいいな的なところから恒等式で,
todai_2009_math_a2_5.png
さて,ここからcnを求めれば,
todai_2009_math_a2_6.png
これがn→∞で0になるためには,s>1より,c=0となります。そうすると,|a-rc|=|a|<1となり,示すことができました。

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東京大学2009年前期数学第1問
todai_2009_math_q1.png

解説


(1)(2)は簡単なので落としたくない問題です。(3)は少し難しく解けなかったひとも多いと思います。

(1)
mC1=mであることから,dmはmの約数です。したがって,mか1しかあり得ません。あとはこれで他が割れることを証明すればいいことが分かります。有名な公式,kmCk=mm-1Ck-1より,k(1≦k≦m-1)はmと互いに素なのでmCkがmで割れます。

【(1)別解答】
todai_2009_math_a1_1.png
mは素数なので割れません。したがって,mは消えないためmの倍数になります。

(2)
帰納法と言われているのでやることは一つです。

(i)k=1のとき
km-k=0であり,どんな整数でも割り切れます。

(ii)k=pで成立すると仮定
とりあえずp+1のものを展開してpの場合の形を見つけてやれば,
todai_2009_math_a1_2.png
ここで,Σではない部分はk=pの場合なのでdmで割り切れ,Σの部分はdmの定義上,コンビネーションが全て割り切れるので,Σ部分も割り切れます。つまり,全部割り切れました。

(i)(ii)より,全ての自然数kにおいて成立します。

(3)
どう考えても(2)を使うんでしょうね。これで使わなかったら人間不信になるレベルのミスリードです。自由に入れていいようなので,dmが3以上だと矛盾が出るように選んでやります。具体的な数字を除くと考えられるものはdmの倍数やdmと互いに素のものなどが候補として挙げられます。倍数だと何も得られないので,互いに素な数を代入してやれば(互いに素な数の最も簡単な作り方はプラマイ1してやることです),
todai_2009_math_a1_3.png
これがdmで割り切れるので(dmとdm±1は互いに素),
todai_2009_math_a1_4.png
が0にならなければなりません。プラスの場合はそのまま0ですが,マイナスのものはm-1は奇数なので-2となり,これが0と合同であることから,dmは2の約数になります(できる人だと,mが偶奇で変わるという情報からプラスではなくマイナスのみ最初から考えます)。したがって,1もしくは2です。

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東京大学2009年前期数学解説
東京大学2009年前期数学の解説です。私の体感難易度は5>>>>>>>6=1>2=4>3ぐらいな感じです。多分一般的には5は大した問題じゃないです(私は(1)みたいな解けるべき普通の問題ではまってしまうことがあり,正直なところここだけで150分以上軽く使いました)。全体的に難しい構成ではありますが誘導が多いので,こまごまと稼いだ合格者も多かったのではないでしょうか。本年レベルを試験時間が5時間くらいで誘導無しな東大入試も見てみたいですね。

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東京大学2008年前期数学第6問
todai_2008_math_q6.png

解説


媒介変数の面積なので,やることの手順は決まっています。概形をかいて置換積分で面積を出すだけです。ただ,本問のように,概形は微分しなくとも簡単に求まるものもあります。

まず,面積を求める際にxで積分するかyで積分するかですが,積分の形と,切り口の特定のしやすさで決めます。本問ではxの方が2tでyの方がtであることから,周期はxがyの半分であり,同じxに対して取るyの値(4つあります)の大小関係はyには単調増加関数であるtがかかっているため明白です。したがって,x方向の積分を考えた方がわかり易いでしょう。

0≦2t≦4πなので,x=±1ではtは2つ,それ以外では4つ存在し,sintは0≦t≦πでは0以上,π≦t≦2πでは0以下です。x=cos2t=1-2sin2tであることから,xの値が決まればsintの値は正負の2通りに定まります(0の場合は重解として)。したがって,0≦t≦πでは同じxには同じsintに単調増加関数をかけたものになるので,グラフが(1,0)から出発して戻ってくる曲線が上になります。cos2tの動きは容易に0≦t≦π/2まで単調減少,π/2≦t≦πまで単調増加と分かるので,これだけで積分に必要な概形がかけます(π≦t≦2πも同様に処理でき,帰りが下側にきます)。下図ではyもまじめに描いていますが,yは交わらない範囲で上がってり下がったりしていてもなんら問題はありません。
todai_2008_math_a6_1.png

以上から,上のループは時計回り,下のループは反時計回りなので(参考参照),表記上求める範囲をDとして,
todai_2008_math_a6_2.png

尚,2行目から3行目の変換は元の積分の同じxになるtの差がどちらのループでも同じであることを用いています(sint,sin2tがt=πを軸に奇関数であり,積が偶関数になること,かつ,内部でπ/2および3π/2を軸に奇関数になっているものに線形な関数tをかけているためと考えてもいいでしょう)。

【参考】媒介変数の積分(面積)
yをxで積分する場合(逆なら以下の議論は全て符号が逆です),媒介変数の増加に対して時計回りならば,左(xが負方向)に進む場合は考えている曲線の上側に求めたい領域が来ることになり,曲線より下側は差し引くことになるので,dx/dtが負であることを考慮すればそのまま置換積分を計算すればいいことになります。また,右に進む場合はその逆に曲線より下側を足してやるので,dx/dtが正であることを考慮し,こちらもそのまま置換積分すればいいことになります。

反時計回りならば,足し引きとdx/dtの符号の関係が逆になるので,こちらにはマイナスをかけて置換積分してやれば求められることになります。

参考書に書かれているようにそれぞれの曲線をy1,y2・・・のようにわざわざおいてもいいですが,回り方で4つのループ部分を機械的に符号を決めてやる方がたぶん早いです(まあめんどくさいですけど)。
todai_2008_math_a6_3.png
しかし,もっと複雑になるときれいなループではなく,途中で他のループにぶつかってしまうことがあります。そのような場合(というここちらの考え方が大元ですが),ループ単位でなくとも進む方向に対して右手に求めたい領域がある場合はそのまま,左手にある場合はマイナスをかけて置換積分してやればいいです。赤と青で色をつけておきます。
todai_2008_math_a6_4.png

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東京大学2008年前期数学第5問
todai_2008_math_q5.png

解説


(2)の必要条件が少し難しめです。

(1)
mが整数なのでとりあえずパッと見で帰納法といきたいところです。

(i)m=0のとき
111なので,111≡1+1+1≡0 (mod 3)であり,111≡1+1+1≡3 (mod 9)で成立します。

(ii)m=kで成立すると仮定した場合
3で割れない整数pqを用いて,
todai_2008_math_a5_1.png

となり,3k+1で割れるが,3k+2で割れない数になります。

(i)(ii)より,全ての0以上の整数mにおいて成立します。

(2)
(i)十分条件
n=27pとでもしてやれば,(1)の(ii)と同様に1が27個続いたものと整数の積で表せます(最も大きい位が1で,あとは0…01の繰り返しがp-1回です)。したがって,(1)より1が27個続いたものは27で割れるので,1がn回続いたものも27で割れます。

(ii)必要条件
1が何回続いていようが27個ずつ区切ってやれば,それぞれが”10のなんとか乗×(1が27個)”となるので27で割れることになります。したがって,割れるか否かの基準はn=27p+qとでも置いてやった場合に,1がq個続いたものが27で割れるか否かに帰着します。

条件を対偶で考えれば,”q≠0(1≦q≦26)⇒1がq個続いたものは27で割れない”となります。
まず,27で割れる前提として9で割れることなので,1がq個続いたものを9個ずつに切り分けて考えてやれば,qが27で割れない以上,qは9で割り切れないか,q=9,18です。
前者の場合,そもそも各桁を足したものが9の倍数ではないので9で割り切れません。
後者の場合は,1が9個のものが9で割り切れるが27では割り切れないので,それぞれ”1×(1が9個)”,”1000000001×(1が9個)”として捉えてやれば,1も1000000001も3では割り切れないので1がq個続いたものも割り切れません。

(i)(ii)より,nが27で割り切れることが必要十分条件となります。

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灘中学校2015年算数第2日目第5問
nada_2015_math2_5q.png

解説


平行な切り口を考える際に,できる図形の辺も平行になることに気づけたかどうかと,相似を上手く使って計算を楽に済ませられたかに尽きます。(3)は難しめだとおもいます。

(1)
切り口の方向は,切られる面がどの方向を向いているかで決まってきます。例えば,QRを含む面はBCを含む面と同じなので,BCを結ぶ直線と同じ方向の切り口が生じます。
以上を踏まえて,Pから順に書いていけばそれで終わりです。
nada_2015_math2_a5_1.png

右上はABCの相似比が1/6です。面積比にすると1/36です。左下は相似比が1/3なので,面積比は1/9です。よって,1/36+1/9=5/36倍です。

(2)
(1)と同じく面の方向に注意してQから順にたどっていきます。
nada_2015_math2_a5_2.png

相似比1/6の正三角形(左上),相似比1/2の正三角形(左下),1/3の正三角形(右上)を考えて,後者二つの重なっている1/6の三角形を引いてやります。つまり,1/36+1/4+1/9-1/36=13/36倍です。

(3)
Rの方が奥にあるので,Pの手前側からRの手前側を引いてやればいいです。このときも比で計算していきます。その前に,Rで切った図を描いてみると,
nada_2015_math2_a5_3.png

まず,Pで切った手前の体積は,(1)右上の三角すいの何倍かで考えれば,相似比1と2の三角錐ができているので,1+8=9倍です。
一方,Rで切ったものの手前は,相似比5の三角すいから,2×3×1の直方体から相似比1の三角すい(図の中央の小三角形の部分)引いた図形を引いたものになっております(下図のように考えているSに平行な平面が直方体と交わっており,色をつけた部分が相似比5の三角すいに入っていません)。
nada_2015_math2_a5_4.png

よって,(125-9)×1×1×1×1/6-(2×3×1-1×1×1×1/6)=117/6-6=27/2


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灘中学校2015年算数第2日目第4問
nada_2015_math2_4q.png

解説


上手く相似や三角形内の辺の比を使って解く問題でしょうけど,(3)が難しい気がします(自分はエを使っていないので使えれば楽になるのでしょうか・・・)。とりあえず,大人が制限無しで解くのは簡単だけど,子供な方法で解くのは難しいシリーズです(三角比だろうが座標だろうがベクトルだろうが大した難易度ではありません)。

(1)
BEとCDの交点をMとすると,BMはADに平行で,CM:MD=1:1かつAD:BM=2:1であることから,△ACDと△BMCは2:1で相似です。よって,AC:BC=2:1となり,AC:ABも2:1です。AC間はアなどに平行な方向にAHを3/2分です。したがって,AB間は3/4倍に相当します。BIはこれにAH分を足せばいいので1+3/4=7/4倍です。

(2)
BCはAH方向で言うところのAHの3/2倍でしたので,イとBの間は1/4倍に相当します。BEで考えればEから35cmで1/4なので,ADで30cmいった所はウから1/4×30/35=3/14倍になり,DKにすると1+3/14=17/14倍です。

(3)
今まではAH方向の話でしたが,今度はHJ方向の話です。(2)までで分かったことは,ADに沿って140cm進めばAHの一倍分ということです。横方向もこのAHの尺度で表してやれば,HJ=HK-JKとして求めることができます(HKは横方向で求められ,JKは縦方向で求められます)。
縦方向と横方向の比が分かるところはCDになります。CからCDに沿って20cm進むとDであり,CDのAH方向は3/2-3/14=9/7倍です。これが,20cm進んだときのものなので,1cmでは9/140倍です。つまり,ADのAH方向とHJ方向は1:9であることがわかります。
HK=30×9/140=27/14倍であり,JK=20×1/140=1/7倍であることとあわせると,HJ=27/14-1/7=25/14倍となります。
一方,JLはEMとMCを合わせて考えればよいので,20×9/140+10×1/140=19/14倍になります。

したがって,JLはHJの19/25倍です。


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東京大学2008年前期数学第4問
todai_2008_math_q4.png

解説


基本的な置き方にしたがって淡々と解いていくだけの問題です。落としてはいけない問題です。

(1)
P(p,p2),Q(q,q2)と置いて直線の方程式を求めると,
todai_2008_math_a4_1.png
長さはmを使って,
todai_2008_math_a4_2.png
hは
todai_2008_math_a4_3.png

(2)
まずmの範囲を求めます。どういうmかといえば,p,qが存在するmです。上の”L=”の式を”p-q=”の形にした場合,”p+q=m”と連立させてp,qが存在する条件にはmは一切出てきません(存在する条件は二つの式が異なり,かつ,平行ではないことです)。したがって,mは任意なので,範囲指定無しの最小値になります。微分して求めますが,t=m2+1と置いてやれば,t≧1の範囲での最小値として求めればいいので,
todai_2008_math_a4_4.png
ただし,t=Lとなるためにはt≧1よりL≧1でなくてはなりません。したがって,L≧1の場合はt=Lの時で,それ以外はt=1の時に最小となります。
todai_2008_math_a4_5.png

【参考】
形的に相加相乗でもいけそうですが,L≧1の場合しか相加相乗の等号成立条件が満たせないため,0<L<1における最小値を他の手段で求めなければなりません。

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