ひたすら受験問題を解説していくブログ
東京大学2015年後期総合科目II第2問B
todai_2015_sogo2_q4_1.png
todai_2015_sogo2_q4_2.png
todai_2015_sogo2_q4_3.png

解説


ちょっと待ってくれ東大さん。これって専門課程に入ってからの定期試験でもやりすぎ感あるんではないでしょうか。そんなところが素敵ですけど。

(B-1)
試行錯誤による推論も大事です。自分の場合は2,3次列だけ考えて,(n,n-1,・・・,1)かなとか思ったのですが,最終的には逆に最強のbを考えて答えに至りました。これはいかなるbでも満たせないことから着想しています。
b=(n,n-1,・・・,1)とするといかなるaでも,todai_2015_sogo2_a4_1.pngとなってしまいますが,a=(n,n-1,・・・,1)のときがバーに相当するので,この時のみtodai_2015_sogo2_a4_2.pngとなります。

一方,一番しょぼいaを考えれば(1,・・・,n-1,n)であり,これも同様に等号が成立しない限りどんなbでもtodai_2015_sogo2_a4_1.pngとなるため,等号成立のb=(1,・・・,n-1,n)のみです。

(B-2)
また新しい記号ですかいい加減にしてください。

(ア)
todai_2015_sogo2_a4_1.pngなので,○をそれぞれanやbnより大きい,×が小さい,△は不明だとします。もしaの方が
○○××・・・○×an
だとすると,の場合は,bが
○○△△・・・○△bn
のようになります。○の数をpとすると,anは大きい順からp+1位の数になります。一方,bnは△部分が不明なので,大きい順からp+1以降の順位(qとします)になっています。
さて,ここからanとbnを抜いた列たちですが,大きい方からp位までは変わらず,q+1位(q=nなら考える必要がなくなります)以降も変わりません。
この間の順位はbの方がaの順位より1つ小さくなります。
todai_2015_sogo2_a4_3.pngより,すべてのn≧mなる自然数mでam≦bmです。また,bの順位が1つ小さいということは

の場合にtodai_2015_sogo2_a4_4.png比較されるb側はより大きなものになっているため,成立します。

(イ)
この△とバーを組み合わせた記号は2項間の関係にしか着目していないので,同じ項番号だけ集めたaおよびbの部分列でも関係性が引き継がれます。つまり,rをk以下の自然数として,todai_2015_sogo2_a4_5.pngです。
また,標準n次列は同じ1からnまでの数から作られているので,todai_2015_sogo2_a4_3.pngが成立しています。アの結果をk回繰り返すと,todai_2015_sogo2_a4_11.pngが得られます。

(B-3)
同じ向きの不等号(的なのですが)は多分利用できると考えていきましょう。k=n-mとして得られるm次列を単調増加関数p(α)に入れています。和は並び替えても変わらず,大きい順に並び替えたものをa’,b’とすると,todai_2015_sogo2_a4_6.pngがすべてのiでいえるため,和もp(a)≦p(b)となります。

【参考】(B-4) T(a)≧T(b)を示せ
(B-3)の不等式を1から引けば,全確率の和は1なので,同値な不等式として,
todai_2015_sogo2_a4_7.png
todai_2015_sogo2_a4_8.png
が得られます(この右辺をBm+1とします。またm=0でもともに1で成立しています)。これを用いてm=0からTの形を作ってやります。まず手始めにT(b)のB1でないと表せないp(b1)の項を処理すると,
todai_2015_sogo2_a4_9.png
ここで,t1<tiであり,また,h>iならば0<ti-t1<th-t1であるので,ti’=ti-t1と定義し直しても本問と条件の変化はありません。
以後,順にp(b2),p(b3)と消していけば(上添え字は指数ではなく置き換えた回数です),
todai_2015_sogo2_a4_10.png
となります。T(a)に関してもまったく同じ係数の列が得られるので,Ai≧BiよりT(a)≧T(b)が示せました。


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東京大学2015年後期総合科目II第2問A
todai_2015_sogo2_q3_1.png
todai_2015_sogo2_q3_2.png

解説


この問題以降は,解けるならなんで前期落ちたんだよっていいたくなるレベルです。まずはどのような時に光が当たるのかについて考察できなければならず,この時点で詰みます。救いなのが答えのみでいいことで,なんとなく想像して答えて正解になった人はいたのではないでしょうか。私は3次元は無理なので式で考えました。あと解いていた時にa≧b≧cを見逃していて”作問者死ねよ”って思ってしまってすみませんでした(まあ一個求めてあとは文字についての対称性でいけますが)。
解答に関してはA-4は不等式表示で流石にいいんですよね?一応,交点的なのを出しておきましたが,計算ミスっている自信がある感じです。

(A-1)
平行な光が当たるか否かは面の地平線より上か下かです。ここで,正8面体の対面が平行であることに注意すると,対面の一方に光が当たるか,ともに光に平行で当たらないかです。平行な光の場合は面を移動しても光の当たり方が変わらないので(もし問題が点光源の場合,地平線より上ならば当たりますが,面の平行移動はNGです),平行じゃない3面(面PQRが常に当たることは自明なので除いています)の方程式を立てて原点に移せば,
todai_2015_sogo2_a3_1.png
これらを同時に満たす場合にはx=y=z=0となるので,光の向きの条件を満たせません。したがって,少なくとも2面は照らされます。よって,対面の一方は照らされることから2,3,4が答えになります。

【別解答】
A-4がなければ,Q+からP+R+に引いた垂線の足をHとすると,Q+H=QH<Q+Q+なので,△H<Q+Q+の角より,隣り合う2面は鈍角になるためk≧2で解く感じでしょうか。

(A-2)
回転してみると,辺から頂点が出てくるか,頂点から辺が出てくるかです。

k=2
これは自明に三角形2つが辺を共有しているだけなので四角形です。

k=3
この時は一組の平行面が映らないので,次のような図形になります(この時PQとRは必ず重なります。なぜならPQRに平行な光を当てているので)
todai_2015_sogo2_a3_8.png
したがって四角形です。

k=4のとき
4個目の面の出方としてk=3の図から△PQRが見えてくるパターンか,PQRが見えてくるパターンの2通りがあります。前者は頂点が増えないので四角形,後者はR±が新たな頂点となり,2個増えて六角形となります。

したがって,(k,n)=(2,4),(3,4),(4,4),(4,6)です。

(A-3)
(A-1)で立てた式を活用していきます。別に下図のような立方体の切り口で考えてもいいのですが(右奥を除くと4つの領域に分けられ,切っている面の上下で正8面体の平行面のいずれが照らされるのかが変わってきます。また,立方体ではなく切っている各面の交線上ではk=2,それを除く各面上ではk=4,それ以外はk=6です。),ややこしい作図は嫌なので,z=p平面での断面を考えます。
todai_2015_sogo2_a3_9.png


todai_2015_sogo2_a3_2.png
となるので,境界でどちらが照らされるのかに注意して作図すると(極端な例,例えばyすなわちb=1とかで考えるとわかりやすいです。この場合絶対にQの符号は+です),添え字は上がその直線より上の場合になるようにしています。またa≧b≧cつまりx≧y≧zより,y=xの下側かつx,y≧pです。

todai_2015_sogo2_a3_10.png

なお,p=0のときは傾きが1の2直線は一緒になってしまいます。

(2,4)のとき上図でいう交点になりますので,存在しませんが,z=0のときに2直線が一致することから,
△PQR,△PQR
が答えです。

(3,4)のとき上図でいう辺ですから,
△PQR,△PQR,△PQR

(4,4)は区切られた4つの領域のうちどれかをまず考えます。
たとえば,x軸よりのものは(図でいうx正側)はx軸から見るものと同じなので4角形です。リストアップすると(Pが+です),
△PQR,△PQR,△PQR,△PQR

(4,6)は中央なので,問題の図1の通り,
△PQR,△PQR,△PQR,△PQR
となります。

(A-4)
図を基にして解くだけです。
(2,4)のときはz=0のときの一致した2直線なので,x=y,z=0と球の交点です。したがって,a=b=1/√2,c=0となります。

(3,4)のとき上図でいう,y=x-zと球の交点なので,z=kの断面上で球は円で表されますが,これが考えているx≧y≧zで交点を持つためには,y=x-pとy=pの交点,すなわち(2p,p)を内側に含まないとだめです。したがって,
todai_2015_sogo2_a3_3.png

交点を一応求めると(求める必要あるか謎),
todai_2015_sogo2_a3_4.png

なお,根号の±で+のみを採用していることは,図より大きい方だとわかるからです。

(4,4)はy=x-pの下なので,b<a-cかつb≧cです。これも不等式表示でいい気もしますが,弧の上端はさっき求めたので,下端を出すと,b=cなので,
todai_2015_sogo2_a3_5.png

したがって,
todai_2015_sogo2_a3_6.png

(4,6)は中央,つまりy=x-pの上なので,b>a-cかつa≧b≧cです。(p,p)を中に含む場合,つまり,0<p≦1/√3すなわち0<c≦1/√3です。
不等式ではなく行くと,(2p,p)を含むか否かで場合分けが生じます。上端はいずれもx=yの交点になるので,
todai_2015_sogo2_a3_7.png



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東京大学2015年後期総合科目II第1問B
todai_2015_sogo2_q2_1.png
todai_2015_sogo2_q2_2.png

解説

手法が数学的にはなりましたが,難易度は第1問Aに毛が生えた程度です。理系なら取りたい問題です(正直文系の点数配分とか知りませんが)。そして出ると思ってましたがやはり期待値出してきましたね。流石に行列は出さなかったみたいですけど。

(B-1)
まず速攻,偶奇性からP1,2=0と気付いてほしいです。だってチケットの消失は2枚単位なので偶数枚にはなりえません。

あとはどちらか好きな方を求めます。P1,3は全員パスか全員キープなので,1/2×1/2=1/4です(一人目は何だそうが関係ないです)。
よって,P1,1=1-P1,3=3/4

【別解答】P1,1を直接
チケットを捨てない人の前の人は同じ行動,後の人は違う行動(つまりを捨てない人を左端に書き,○をキープとすると○×○か×○×)になります。よって,一人当たり1/4通りなので,3人いるから3/4です。

(B-2)
問題文で言っているケースは全事象に含まれます。Cがキープし続けた場合にはN-1回目の行動のあとは,Cの次にいた人のチケットが届くことになるので,定常状態になります。Cがキープで他がパスとなる1回当たりの確率≧1/2MがN-1回繰り返されるので(失ったチケットの分も1/2で行動を考えていますので,1回当たりの確率が=ではなく≧です),
todai_2015_sogo2_a2_1.png

(B-3)
チケットが復活することはないので,Pk,1はkに関する単調増加関数です。B-2でN-1のものは出ているので,k=r(N-1)を考えて漸化式を作ると(M≠1とします。M=1なら確率は常に1です),
todai_2015_sogo2_a2_2.png

確率が1以下なのは自明なのではさみうつと1となることがわかります。

(B-4)
計算していくだけです。
todai_2015_sogo2_a2_3.png

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東京大学2015年後期総合科目II第1問A
todai_2015_sogo2_q1_1.png
todai_2015_sogo2_q1_2.png


解説

数列を用いて利息の計算をする問題です。A-2まではただ漸化式を立てていくだけなので,理系はもちろん文系の方もここで点を取っておきたい問題です。A-3以降で少し差はつきそうです。

(A-1)
#に当てはめて,その漸化式を計算していきます。
todai_2015_sogo2_a1_2.png
返済額はbN=0から出して,返済合計はNxになるので,
todai_2015_sogo2_a1_3.png

(A-2)
これも#に当てはめて解いていきます。yが利息全額とAのN分割であることに注意すると,
todai_2015_sogo2_a1_4.png

(A-3)
差をとれって言われているのでとります(最後はN≧2なので展開した初めの2項より大きいことを利用しています)。
todai_2015_sogo2_a1_5.png
したがって,x<y1です。まあ当たり前っちゃ当たり前です。だって,元金均等は最初の利息高く,元利均等は後半の利息が安くなってくるところも含めて均していますから。

(A-4)
先に元金減らしたほうが利息が減るので,返済額=支払利息+元金であることから,X>Yであることがわかります。
真面目に行くなら,支払を図にすると,
todai_2015_sogo2_a1_1.png

となり,左図の点線はその左上の領域が右図の利息になるように引いております(”縦=初回の利息”が同じAr,かつ,”横=支払回数”がともにN)。つまり,元利均等の支払のうちで利息引き当て部分が上に凸な関数ならば支払利息の合計が多くなります(図上では下に凸に見えますが,利息単体で描けば上に凸です)。n+1回目の支払で払う利息のnによる部分(Rとします)だけ考えます(微分してもいいです)。
todai_2015_sogo2_a1_6.png

これは指数関数を裏返したものになるので,支払利息部分が上に凸な単調減少関数であることがわかり,上図左よりX>Yを示せました。

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東京大学2015年後期総合科目II解説
東京大学2015年後期総合科目IIの解説です。今回は経済系に偏っている印象でしょうか。物理が欲しい。そんな個人的希望はさておき,個人的難易度は順番通りで,第2問B>第2問A>>第1問B>>第1問Aな感じでした。第2問Bとか文系どころか理系の真ん中ぐらいまでは設定のみで頓死したと思います。現実的には第1問を確実にとって第2問Aを結構テキトーな考えでちょっと稼ぐ感じでしょうか。

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千葉大2015年第2問の問2

Q


よろしければ2015年の千葉大の化学の大問2の問2の解説をお願いします。
電気分解による槽内のph変化についての問題なのですが、予備校の解説では納得ができませんでした。
具体的には、なぜ陽イオン交換膜が使われているのか?(イオン交換膜がある場合のphの考え方)(交換膜があっても、オキソニウムイオンは移動できる?)(そもそも陽イオン交換膜とはどういうものなのか)を知りたいです。
よろしくお願いします。

chiba_2015_chem_q2_q2.png


A


駿台さんのしか見てないですが,pHは13であっています。

まずイオン交換膜が使われる理由ですが,この実験は使わないで行うことも多いようです。あまり解けませんが,ヨウ素は水に溶けて次亜ヨウ素酸とヨウ化水素になるので,それらが水酸化カリウムと反応してしまうのを避けるためではないでしょうか(塩化カリウムの場合と同じですね)。

次に,イオン交換膜の仕組みですが,イオン交換樹脂と同じような構造を持つ化合物から作られています。具体的には陽イオン交換膜の場合は―SO3を持つものが代表的です。これは負に帯電しているため,陰イオンは電気的にはじかれてしまって通過することができません。一方,陽イオンは吸着と解離を繰り返しつつ,電極からかけられる電圧によって陰極側に移動していきます。

以上を考慮して本問の概要を図にすると次のようになります(係数は無視しています)。

chiba_2015_chem_q2_a2.png

なお,オキソニウムイオンについては通過可能ですが,もともと存在している量が非常に微量なので無視できます。例えば,ヨウ化カリウムではなく,ヨウ化水素酸の電気分解ならば陰極に移動するため中和反応が起こるはずです(塩酸+塩化ナトリウムで電解すると,水酸化ナトリウムはあまりできなくなります)。

問題に戻ると,0.5×1930÷96500=0.01molの電子が流れ,OHも同量です。陰極側の溶液の量は100mlなので,OHの濃度は0.1mol/Lです。よって,pHは13です。
ちなみに陽極側はほぼ中性のままです。
東京大学2015年前期化学解説
東京大学2015年前期化学の解説です。目新しい題材もみられますが,第3問のカ,ク以外は重問でも解いておけば十分点数がとれたと思います。どちらかというと計算がめんどくさくて東京大学2015年前期クレペリンテストの問題かと思ってしまいました。時間は計らないで解いてしまいましたが,自分の場合は75分では厳しい気がします。

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東京大学2015年前期物理第3問
todai_2015_phy_q3_1.png
todai_2015_phy_q3_2.png

解説


指示されている変化が何変化なのかはっきりさせてから望むのが定石で,本問ではIIで少し気づきにくいです。逆に言えば,何が固定になるかさえ気づいてしまえば,ただのよくある浮力と気体の混合問題です。

I
(1)
容器と気体をセットに考えると,かかっているのは容器の重力と浮力のみです(PSは打ち消されます)。したがって,
todai_2015_phy_a3_1.png

(2)
PV=nRTにおいて一定なものはnRTなので,PV=一定です。初めの体積をV0とすると,水位が外と同じなら圧力は外気圧Pと同じになるので,
todai_2015_phy_a3_2.png

II
(1)
問題文的にTもVも一定ではないのは明確ですが,Pが一定かは不明です。しかし,上昇後に静止することを考えれば,結局のところI(1)と同じ釣り合いの式が得られるので,Pは一定です(ゆっくりと上昇なのでつり合いが成立しています)。したがって,
todai_2015_phy_a3_3.png

(2)
定圧変化なので,
todai_2015_phy_a3_4.png

III
(1)
Tが一定でPがhからわかっていて,Vが不明です。とりあえずつり合いの式を立ててみると,
todai_2015_phy_a3_5.png

(2)
まず,加圧するとPが増えるので,(1)よりhは小さくなります。これでウエですが,時間がないとついつい復元力としてウを選んでしまいそうですが,結構復元力にならないケースは多いです。本問の場合はつり合いより深くなると圧力が上がるため体積が減り,結果として浮力が減るため重力に負けます。したがって,エが正解です。

IV
(1)断熱変化なので,ΔU=-Wが思いつきますが,圧力一定ではないので,直接3RΔT/2で求めたほうが楽でしょう。
todai_2015_phy_a3_6.png

【別解答】
無理やり仕事で行くならば,
todai_2015_phy_a3_7.png

(2)
容器の位置エネルギーの減少分と浮力に逆らってする仕事

直接仕切りを押す場合との違いになるので,それ以外にかかっている力を考えます。かかっている力といえば重力と浮力です。
文字数的にはもうちょっと分けたほうがいいんですかね。浮力に逆らってした仕事は,水の位置エネルギーの変化と記載してもいいだろうし,浮力を容器上面と仕切り板に分けて書いてもよさそうです。



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東京大学2015年前期物理第2問
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todai_2015_phy_q2_3.png

解説


ヒントが結構露骨なものの,IVが少し難しめです。それ以外は回路図をしっかり描いて臨めば難しくない問題です。

I
回路的には棒1が誘導起電力を持つ電池で,それ以外の棒は固定されているため,ただの抵抗です。抵抗部分はRの抵抗がN-1個の並列です。
(1)
まず,棒1の起電力はuLB cos⁡θです。抵抗は棒1とそれ以外の直列なのでR+R/(N-1)となり
todai_2015_phy_a2_2.png

(2)
一定の速度ということは,受けるローレンツ力が重力と垂直抗力のなす力とつりあうので,水平方向で考えれば垂直抗力のみで考えられ,垂直抗力の鉛直成分がmgなので,
todai_2015_phy_a2_3.png

【別解答】
斜面方向で考えてmgsinθ=IBLcosθでも同じです。

II
各棒に流れる電流がIの(1)と同じです。したがって,棒1に流れている電流はそのN-1倍です。したがって,棒1と棒2からなる回路でキルヒフォッフを考えれば,
todai_2015_phy_a2_4.png

III
棒Nを1だと思い,棒Nに対する相対速度で考えればIIと何も変わりません。

IV
(1)
電流は途中でなくなったりしないため,全部の棒を流れている向き付きの電流(例えばPQを正とする)の和は0です。したがって,全体としてかかっている力は重力だけになります(作用反作用的にあたりまえのことです)。つまり,重心はgsinθの加速を受けることになり,加速度の和はNgsinθです。

(2)
P→Qの電流を正にとれば,隣り合う棒間の回路は次のようになります。
todai_2015_phy_a2_1.png

ローレンツ力をそれぞれ考えれば,
todai_2015_phy_a2_5.png
となり,キルヒホッフを立てれば(Iをvで表したいですね),
todai_2015_phy_a2_6.png


(3)
相対加速度が(2)の式で表せたので,隣の棒との相対速度が段々と同じになっていきます。この時点でアウエです。(1)の通り,全体が等加速度運動になるので,アが答えです。

(4)
同じ速さなのでイでしょう。


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