ひたすら受験問題を解説していくブログ
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東京大学2016年前期物理第1問
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解説

理三や上位合格狙いじゃない人も満点を狙っていい問題です(一応III(2)(3)が立ちはだかる気はしますけど)。IIIが重心周りの単振動を導出させる問題ですが,正直なところ東大受験生なら類題を何問も難問も解いたことあるでしょう。また,計算はあまり煩雑にならないように問題の方が適当に文字において使わしてくれています。

I
(1)
完全弾性衝突なので反発係数と運動量保存則です。求めるものが反発係数にそのまま出てくるので,そちらだけで求まります。
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(2)
こっちはこれに運動量保存則を追加して連立方程式を解きます。
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最後のv'2を求めるところはMとmを置き換えて±反転してもOKです。

次に高さHですが,結局のところM/m→∞でv'1は3vになるので,運動エネルギーは9倍です。したがって,位置エネルギーも9倍にならねばならないので9倍です。

【別解答】
M/m→∞ならば壁がvで小球1に迫ってくることと変わりません。壁基準の座標系で小球1は-2vなので,衝突後は2vになります。壁基準を解除すると,3vになります。したがって9倍です。

II
(1)
M=3mにはその理由があるのでしょう。入れてみると小球2の直前の速度v2=0となります。したがって,
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(2)
力学的エネルギーが保存っていうのは弾性衝突と考えてOKということなので,Iと同じ感じで解きます。
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【別解答】座標変換による問題の同一化
同じ感じでということは座標変換をうまく使えば同じ問題にできるということですね。v1/2で運動する系から観測すれば,小球1と小球2がv1/2,-v1/2でぶつかる問題になります。したがって,符号に注意してI(2)に代入し,v1/2を足して元の座標系に戻すと,
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(3)イ
各線からここまでは絞れます。
実線(重心)なら,小球2が浮く前は-mgの力,浮いた後は-4mgの力なので,傾きが負で急になっているイウエに絞れますが,運動量保存則が成立するので速度が急に変わるエはだめです。

点線(小球1)なら,(2)でマイナスで半分になっているのでイエに絞れます。

破線(小球2)なら,初めは0で正になり,小球1と絶対値は同じなので,イエに絞れます(私には絶対値が同じに見えないですけど)。

個人的には破線と点線って同じものだと思っていたので,そこの方が本問より難しかったです。

III
(1)
小球2の運動方程式を考えれば,
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(2)
v1を使えとあるので,そこ基準のエネルギー保存則で行きます(要するにバネなのでこれぐらいしか手がないですね)。
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wは実数なので,
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【別解答】振動中心周りの保存則
振動中心は-mg/kなので,ここからの保存則ならば重力の位置エネルギーは内包されています。
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(3)
重心は外力である重力のみを受けるので加速度はgとなり,重心周りでは各小球にかかる重力は慣性力で打ち消されます。したがって,運動方程式は以下のようになります。ゴムの復元力は両者の位置の差から自然長を引いたものになることに注意し,単振動の証明は”加速度=負の定数×位置”の形なので,相対位置の方程式にしてやります。
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(Δlが十分小さいので半周期分とみなせます。)

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東京大学2016年前期物理解説
東京大学2016年前期物理の解説です。ほどほどに歯ごたえがあるのではないでしょうか?第1問は簡単だとして,第2問II(4),第3問I(4)II(3)あたりは難しめな気がします。

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東京大学2016年前期数学第6問
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解説

置き方が少し難しいかもしれませんが,z軸に回転対称であることがわかれば必然です。

(a)(b)およびz≧1という条件はz軸に関するもののみで,x,yに無関係なのでz軸に回転対称です。z軸からの距離をrとして一本引いてやれば下図のようになり,
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これをz軸周りに回転させたものを考えればいいので,z=tにおける断面を考えます。Bのz座標(Bz)とz=tにおける線分ABまでのz軸からの距離(h)はそれぞれ
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z=tでBz>tなるrを求めると(rの範囲によってはhの取りうる範囲が0からではなく,中抜けの円になってしまいますのでz=t断面で共有点を持ちうるrを検証しています。その結果からhの範囲がわかります),
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となるので,あとは普通に回転して積分,
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東京大学2016年前期数学第5問
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解説

一見難しそうですが,よくよく読んでみればそんなことはない普通の問題です。ここのところ第5問は理三向けだったんですが,今年は残念な感じです。(3)は(2)を利用する何かがあるのでしょうか?

(1)
ルートがうざいので,外してやります。謎の小数をαと置くと,
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(2)
pで同じことをします。
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pの値から2・10-k p>1,またα2<(α+10-k)2なので,右辺-左辺>1となり,少なくとも一つのnが存在します。

(3)
sが平方数でない時に無理数-有理数=有理数になっているので,その矛盾を突きます。成立していると仮定します。

(i)sが平方数の時
左辺=0であり,右辺=0となりak≠0の定義に矛盾します。

(ii)sが平方数ではない時
√sが無理数ならば右辺は有理数になりません。なので,√sの無理数性を示します。sは平方数ではないので素因数分解したときに,偶数乗になっていない素数dが存在します。s=Rd2m-1とおけます(Rとdは互いに素)。また,√sは有理数だとすると,√s=p/qなる互いに素の整数p,qが存在し,

√s=p/q⇒sq2=Rd2m-1q2=p2

したがって,p2はd2m-1で割れます。すると,p=rdw  (2w≧2m-1)のようになるので,

Rd2m-1q2=r2d2w
⇒Rq2=r2d2w-2m+1
2w-2m+1≧1よりq2はdで割れなければならなくなり,互いに素という仮定に反します。

よって,√sは無理数となり,元の示すべき事項も成立しません。

(i)(ii)よりそんなsは存在しません。

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東京大学2016年前期数学第4問
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解説

角度の条件を表してやるだけですが,相似形に着目できれば別解答のように速攻解ける問題です。

各頂点の条件を出します。z=x+yiとします。
(i)角Aが鋭角
Aを原点に持ってくれば,A’(0),B’(z-1),C’(z2-1)となります。z-1=wとでもしてやると, A’(0),B’(w),C’(w(w+2))となります。対称性より,0≦arg(w)≦πとしてよいです(逆回転すると考えると同じ図形になるので)。0≦arg(w)≦πのとき, A’ B’と A’ C’のなす角はw+2に等しくなるので(0≦arg(w+2)≦πです),arg(w+2)が虚軸より右にあればOKです。つまり,Re(w+2)>0⇔Re(z)=x>-1となります。

(ii)角Bが鋭角
Bを原点に持ってきて同じことします。A’(1-z),B’(0),C’(z(z-1))となり,1-z=wとすると,A’(w),B’(0),C’(w(w-1))となり,(i)と同様にRe(w-1)>0⇔Re(z)=x<0となります。

(iii)角Cが鋭角
Cを原点に持ってくると,A’(1-z2),B’(z(1-z)),C’(0)となり,C’AとC’Bのなす角が±π/2の範囲に収まればOKです。したがって,z≠1の下で(z=1はそもそも三角形ではない)
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(i)~(iii)より,下図の境界線を含まないものになります。
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【別解答】
Aを原点に持ってきてA’(0),B’(z-1),C’(z2-1)ですが,z-1で割っても回転と倍率を変えるだけなので図形は相似です。したがってA’’(0),B’’(1),C’’(z+1)を考えます。∠A’’C’’B’’はA’’B’’を直径とする円を考えれば,鋭角なので円の外側にC’’があればよく,∠A’’B’’C’’はC’’がB’’における接線よりもA’’側,∠B’’A’’C’’はA’’における接線よりもB’’側にあればよいので,z+1は下図の領域になり,平行移動してzをもとめると,解答の図になります。
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東京大学2016年前期数学第3問
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解説

空間の直線なのでベクトルでやるのが手っ取り早いでしょう。サクッとR系列を求めてしまいます。媒介変数をr,s,tとします。xy平面はzが0であることを利用します。
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R1基準の成分を求めて,三角形の面積の公式を使います(外積のアレ)。
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微分して求めます。分母が気持ち悪いのでt=a-1とおいて計算します(0<t<2)。微分した結果,分母は正,分子の共通因数t(t+1)も正なので,分子/t(t+1)のみで考えます。
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考えている範囲ではt=1で最小値になるので,代入すると,S(1)=-4/(1-2)=4でこの時a=1+1=2です。

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東京大学2016年前期数学第2問
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解説

前の結果で次が変わるものは,初めの数回を考えて立てるタイプの漸化式で行くのが定石ですが,本問では単純すぎてそれすら必要ない感じです。

(1)
Aが優勝するということは
(勝つ人が毎回違う)AA
という勝者の並びになります。初めにAが勝つかBが勝つかでAが登場する回が変わります。勝者を書くと
ACBACB・・・ACBAA
または
BCABCA・・・BCAA
の2パターンがありえます。前者の対戦数は3k-1であり,後者は3k+1と表記できます(k≧1)。すべての対戦の確率は1/2なので,対戦数をnとすると,いずれも1/2nです。以上より,

1/2n (nが3の倍数でない)
0 (nが3の倍数)

(2)
先ほどあった二つのパターンの内,下がBと最後に戦っています(AAの初めはC,後がBです)。したがって,下/両方を計算するだけです(kの範囲に注意)。

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東京大学2016年前期数学第1問
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解説

一見すると堅そうな問題なのでギョッとしますが,とりあえず定石から当てはめていくとそれで解けてしまう簡単な問題です。

とりあえず言いたいことは,左辺の最大値<e<右辺の最小値なので,最大最小を求めてやります。

(i)左辺<e
まあ微分ですが,そのままだとつらいので,掛け算割り算(指数)でめんどくさいものはlogをとってやります。logは単調増加なので示すべきは
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この左辺をf(x)とでもすると,f(0)=0,f(+∞)=1なので,単調増加だといいなと思いつつ微分します。
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f'(x)>0を言いたいので,もう一回微分です。
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この結果からf'(x)>0が示せたので,単調増加です。eはx→+∞なので,任意のxに対して左辺<eです。

(ii)e<右辺
一見うまくいくかは不明ですが,同じことをしてみます。右辺のlogをg(x)とすると,
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x→0ではlogx+1/x→+∞を無条件で使ってますけどこれぐらいいいでしょう。単調減少だといいなと思いながらもう一度微分,
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したがって,g’(x)<0となり,単調減少なので,無限に飛ばしたものが最小です。
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(i)(ii)より示されました。

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東京大学2016年前期数学解説
東京大学2016年前期数学の解説です。家庭の都合で遅くなってすみません。私の体感難易度は横並びな感じで,難易度に差はほとんどないと感じました(少し5,4,6が難しめ?)。はっきりと易化で,本年に難しい問題はないので,数学のみが得点源の人たちはご愁傷さまです。

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慶應大学医学部2015年生物第1問
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解説

考察問題であり本年においては知識分は少なめです。

問1
(A)トノサマガエル
観察2ですべてトノサマガエルになっているので,トノサマガエルが優性だと考えられます。

(B)エ
メンデルを前提としているので,普通のF2です。したがって,[A]:[a]=トノサマ:コガタ=3:1となります。

問2
A:イ
複対立遺伝子を前提にするということです。コガタはLL,トノサマはLRなので,LL:LR=1:1となります。

B:エ
観察2によるとコガタ×トノサマはすべてトノサマです。しかしながら,AによるとLLの個体が存在します。これはすべてのトノサマがLRである実験1の結果と矛盾します。

問3
(A)d
Lがコガタ,Rがワライに対応しています。つまり,体細胞は両方のカエル(両親)のゲノムを持ち,配偶子はワライのみです。

(B)
コガタガエルの精子はLのみ,トノサマガエルの卵は実験2よりRのみとなり,子はLRのトノサマガエルとなる。

実験2でトノサマガエルの卵のゲノムはRのみになっていることがわかるので,それを文にするだけです。

問4
1:ち
2:え
3:お
4:け
5:う 6:い (逆でも可)
7:う
8:あ
9:う
10:い
11:そ
12:こ

最終的にトノサマガエル同士だとオタマジャクシが発生途中で死ぬ観察3の説明です。RRは発生しないということになります(この観察3から精子もRのみだと推測できます)。

問5
ワカイガエル
トノサマガエルの配偶子はRなので,子はRRのワライガエルとなると考えられるから。

正常に発生するのは,遠く離れた集団であり,同一の致死遺伝子を持たないためだと考えられます。

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慶應大学医学部2015年生物解説
慶應大学医学部2015年生物の解説です。問題文にヒントがあることもあるのですが,第1問はおいておいて,それ以外はパズルのピースの足りない感じが否めません。つまり,第2問のゴルジ体の輸送モデルといい,生物の最新の雑学的な知識もかなり求められている感じです。

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慶應大学理工学部2016年化学第3問
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解説

スだけが考察問題で(2)の前半は普通の構造決定,(1)に至ってはただの知識問題です。

(1)
ア:アセチレン
3C+CaO→CaC2+CO
ですけど別に知らなくていいです。”カルシウムと炭素のみ”で決定してOKです。

Ca2+(C≡C)2-なので,水のH+とOHがそれぞれに反対符号についてアセチレンとCa(OH)2を生じます。

イ:
電子の塊である不飽和結合に+がついて,それと反対に-が付きます。酢酸はCH3COOとH+なので,それらが別々の炭素につきます。
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ウ:酢酸エチル
付加後は飽和になっており,エタノールと酢酸のエステルになります。

エ:エタノール

オ:吸水
けん化すると酢酸エチルだった部分はOH基に,アクリル酸メチルだったものはCOONaになります。OHは水素結合で親水に,COONaは電離してNa+aqになるため,浸透圧で水を吸引します。また,COOは天気的な反発で立体構造を広げ,水が入るスペースを確保します。
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カ:共
共重合はポリエチレンテレフタラートのように反応比や順序が決まっていません。

(2)
キ:Al
過剰な水酸化ナトリウムで溶解するのは両性元素で,最低限Al,Zn,Pb,Snは覚えてください。

ク:
分子式を見たらまず不飽和度チェックです。(20-8)/2=6であり,ベンゼン環に4使われるので,実質2です。次に塩化鉄(III)との反応より,フェノール性ヒドロキシ基を持つので,残りはO2つ,C3つです。2置換である以上,これらの並びだけ考えればOKです。
二酸化炭素で遊離しないので,COOHを持っていることがわかり,残りの不飽和度は1でC2つです。この段階で構造は以下の2種類です(シストランスを除く)。
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さて,更にオゾン分解(二重結合で切れてそこにOが二重結合で付きます)後に芳香族化合物Dが二酸化炭素で弱酸遊離したので,こちらにはCOOHがないことがわかり,先ほどの右がAです。したがって,クの答えDは,
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ケ:
さっきの右側に水素を付加させるので,
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コ:α-ガラクトース
グルコースのβが各炭素の最も大きい基が6の炭素から上下交互にと覚えましょう。αは1が逆,4が逆だとガラクトースも覚えましょう。

サ:グリコシド
1の炭素はヘミアセタールな炭素で,そこのOHが別のOHと脱水する結合をグリコシド結合といいます。

シ:
αなIといいつつβなのかよって突っ込み待ちなんでしょうか。一見エーテルっぽくつけるだけですが,βなので1位の炭素のOHは上です。
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ス:7
付き得る部分が以下のa~eです(フェノール樹脂の時と同じ感じでベンゼン環がホルムアルデヒドのC=Oに付加します)。
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7についた場合,aのみ付かなくなるので4か所,8の時b,cがダメで3か所,9または10の時は影響なしで5か所です。したがって7が答えです。


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慶應大学理工学部2016年化学第2問
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解説


反応速度の(1)エが若干発展でそれ以外は普通です。(2)の電気分解は溶質がなくなるケースなので,解いたことなければハマるかもしれません(私の印象だと慶應自身がニッカド電池でこういうのにハマってなかったでしたっけ?)。

(1)
ア:NH3
オストワルト法は硝酸合成で白金触媒,ハーバー法はアンモニア合成で鉄触媒,接触法は硫酸合成で酸化バナジウム(V)とはっきり整理しておきたいです。

イ:NO
NH3→NO→NO2→HNO3の流れは押さえておきましょう。

ウ:P4O10
リンの酸化物で脱水剤といえばこれです。
P4O10 + 12HNO3⇔4H3PO4 + 6N2O5

エ:k[N2O5
化学反応速度の次数は必ずしも係数に一致しませんが,反応が素反応の場合には係数が次数になります(第1段階は自発的分解なので次数は1)。複数の素反応からなる反応は一番遅い素反応(律速段階という)で決まります(流れ作業を考えるとわかりやすいです)。なお,各素反応は次の通りです。
N2O5⇔NO2+NO3
NO2+NO3→NO2+O2+NO
NO+NO3→2NO2

オ:2.40×10-4
濃度変化を時間で割ります。
(0.144-0.0960)/200=2.40×10-4
でもこれ,引き算の時点で有効数字2桁じゃないですか。0.144の後は不明なんで。

カ:2.00×10-3
平均濃度とさっき求めた速度を反応速度式に入れます。
2.40×10-4=k×0.120⇔k=2.00×10-3

キ:
これも速度式にぶち込みます。
1.60×10-4=2.00×10-3・(0.0960+x)/2⇔x=6.40-2

(2)
並列は全体の電気量が分かれてそれぞれの電解槽に行きます。

ク:1.27×10-1
陽極ではO2が発生し(Ptでハロゲン化物イオン無し),陰極ではCuが析出するので,必要な電子は4:2,発生molは逆比になるので,2:1です。22.4mL発生しているので1mmolです。したがって,Cuは2mmolで63.5×2m=127mgです。

ケ:89.6
電解槽2側の流れた電子を全体から電解槽1分引いて求めます。全体は
1158×1.00/96500=12.00mmol
したがって,電解槽2には電解槽1に4.00mmol流れているので,
12.00-4.00=8.00mmol
流れており,陰極ではH2が発生するので,電子の半分です。よって,4.00mmol発生し,
4.00×22.4=89.6mL

コ:11.2
電解槽1に流れた量を全体引く電解槽2で求めます。全体は,
1737×1.00/96500=18.00mmol
電解槽2はNaOHの記述より,電子と当モルであることに着目し,
0.480/40=12.00mmol
となり,
18.00-12.00=6.00mmol
の電子が電解槽1に流れたことになります。陰極ではCuが2.5mmolの析出し,その後の残った1.00mmolの電子でH2が発生するので,
22.4×1/2=11.2mL

サ:1.3
Cuがなくなって以降はただの水の電解なのでpHは変化しません。したがって5mmol分だけ考えると,電子1molにつき,H+が1mol増えるので,
[H+]=5.0×10-3/0.1
⇔pH=-log[H+]=2-0.699=1.301≒1.3


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慶應大学理工学部2016年化学第1問
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解説

基礎的な用語確認と計算問題の集合体です。平衡を見たらとりあえずぶち込んでみるという精神は重要ですね。

(1)
ア:赤外
熱を伝えるのは赤外線です。

イ:ヘンリー
水の量と分圧に比例し,別表現では溶かしている分圧で測定すれば圧力に関係なく体積は一定です。

ウ:39.2
水量は1Lなので分圧に比例します。したがって分圧をxとすると,
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エ:1.69×10-2
電離度をαとして電離定数にぶち込みます。その際には問題文の注意書きをよく読んで,炭酸水素イオンの電離は無視しましょう。また,下が1-αになるので近似したくなりますが,αがそこそこ大きくなるので近似せずに解いてください(試しに近似して解いた答えが0.01より大きいので)。
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(2)
オ:NH4NO3(s)+aq=NH4NO3aq-25.7kJ
この元素構成で塩といわれている段階で硝酸アンモニウムでしょう。ちゃんと求めると,
H:N:O=5:35/14:60/16=4:2:3
したがって,NO3分を引いて考えれば,NH4NO3だとわかります。式量は80なので,1mol当たりの吸収熱量は
5.14×80/16=25.7
となります。したがって,
NH4NO3(s)+aq=NH4NO3aq-25.7kJ

カ:7.04×102
水の量をxとすると,水溶液がx+16になることに注意して吸収熱量と温度変化の等式を作ります。
5140=1.70×4.20×(x+16)⇔x≒703.8≒7.04×102

キ:-1.05
質量モル濃度に比例するのですが,質量モル濃度の分母が溶媒であることと,粒のモルできまるため,電解質は電離後のモルで考えることに注意して立式します。
1.85×2×0.2/0.7038≒1.051≒1.05
水の凝固点は0℃なので,-1.05℃

(3)
ク:MgO
熱水と反応でMgが確定です。Beはもう少し反応性がないです。融点はMgが2族の底になっていますが,そんなの知らないはずです(単純な予測だとCaより高くなりそうですが,結晶構造が違うからでしょう(自信なし))。

ケ:3.61
いつもの密度の式です。結晶中にMgOが4個あるので(単位で消してもこれ系の問題は解けますね),
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コ:8.75×10-2
格子の一辺で陰イオン2つと陽イオンが接しており,陽イオンより陰イオンの方が大きいので(一般的そうですし,今回の場合は同一の電子配置になるので,原子核に強く引かれるMgの方が小さい),
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サ:15.1
4つの陽イオンが入っているので,
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慶應大学理工学部2016年化学解説
慶應大学理工学部2016年化学の解説です。第3問の(2)ス以外は知識に偏っている問題です。計算問題とかもありますが標準的なので普通の問題集をやっていればいいでしょう。本年の数学をまだ見てないですけど,数学は偏差値の割に例年難易度が高めなので,化学はしっかりと点を取りたいです。

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慶應大学医学部2015年化学第3問
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解説

全体的に別段難しくないですが,最後の問題が選択肢でなければ難しめです。
3.の構造式がそもそもOの数違ったりエステルになっていなかったり間違っていたようですので直しておきました。

1.
与えられている二酸化炭素と水からC及びHのmolと重さを出します。

C
30.8/44=0.7 mmol
0.7×12=8.4 mg

H
6.3/18×2=0.7 mmol
0.7 mg

したがって,酸素分を引いて求めてやれば,
11.9-8.4-0.7=2.8 mg
2.8/16=7/40

比を求めると,C:H:O=0.7:0.7:7/40=4:4:1となるので,組成式はC4H4Oです。

2.
C4H4O=68だが,エステルなのでOは少なくとも2つ必要。2倍で126となり,3倍以上だと密度が空気の5倍以上になってしまうので,C8H8O2となる。

3.
不飽和度を計算すると(8×2+2-8)÷2=5であり,ベンゼン環で4,エステル結合で1使っており,他は飽和です。したがって,炭素の割り振りだけ考えればOKです。元がカルボン酸,アルコール(フェノール)の順で考えられるのは,ベンゼン環に注意して,
7,1
1,7
2,6
の3通りです。オルトパラなども考えて構造式にすると,以下の6通りになります。
keio_med_2015_chem_a3_4.png

4.
(1)
還元性を示す酸がBなのでというか,酸という情報が無くてもアルコールかエステルで還元性を示すものを考えれば,酸側のギ酸かアルコール側のビニルアルコール系しかありません。飽和度よりBがギ酸確定です。また,Cが塩化鉄(III)の反応よりフェノールではなくアルコールなので,上図の円で囲ったものになります。

(2)示性式:C6H5COOH 化合物名:安息香酸
ベンゼン環についた炭素はCOOHになります(一番目のCにHがあればですが)。

(3)179
カルボキシ基同士の水素結合で二量体を形成しているから。

温度変化=モル凝固点降下×質量モル濃度です。
5.53-5.32=0.21=5.12×0.735/M÷0.1⇔M=512×7.35/21≒179.2≒179

次のような感じで二量体になっています。
keio_med_2015_chem_a3_2.png


(4)ア
2D⇔D2のような平衡になっているので,Dの濃度を高くした場合に会合度がどうなるかを考慮してやる必要があります。Dの初濃度をC,会合度を2αとすると,
D:C(1-2α)
D2:Cα
となります。平衡定数をKとすると,
keio_med_2015_chem_a3_3.png
最後の右辺は分子がαに関して単調増加,分母が単調減少なので,結局αに関して単調増加です。つまり,左辺のCを大きくすればαも大きくなることになります。したがって,会合度2αは大きくなるので,見かけの分子量も大きくなります。

【参考】ルシャトリエがだめな理由
ルシャトリエより右に行くと考えるのは軽率です(○本に書いてあるみたいですね)。ルシャトリエで保証しているのは割合の話ではなく,総量が増えるというだけです。例えば酸の電離の場合,濃度が濃くなると電離度は下がります(本問の解説でいうと,K/Cが左辺になる感じです)。これは結局のところ反応式の係数が左辺と右辺でどちらが大きいか,つまり分母分子のどちらにCが残るのかに依存するものなので,その点に触れないと理由を聞かれていたらアウトです。


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慶應大学医学部2015年化学第2問
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解説

ごく普通の酸化還元の問題です。満点狙いでいいでしょう。

1.
(1)
アンモニア:エ 硫化水素:イ
NH3+H2O⇔NH4++OH
H2S⇔H++HS
HS⇔H++S2-

(2)
(i) 2NH4Cl+Ca(OH)2→CaCl2+NH3+2H2O
弱塩基の遊離です。熱するのは固体同士では接触しているのはごく一部になるため,反応を進めるためには熱で衝突回数を増やしてやる必要があります。

(ii) イ,ウ
アンモニウムイオンを含むものです。窒化ホウ素は黒鉛やダイヤモンド構造をとる物質で,合成にアンモニアを用いますが,多分水酸化カルシウムで逆反応は起こらないと思います。

(iii)
試薬に含まれていたり,反応で発生する水が試験管の口付近で凝縮されて加熱部に戻ると試験管が割れてしうまうので,口を少し下向きにする必要がある。

(iv)上方置換 水に溶けやすく,空気よりも密度の低い気体である性質。

2. MnO4+8H+5e→Mn2++4H2O
Mn2+は覚えて,あとは余ったOを水にして(逆に足りなければ水から持ってきて)電荷を電子で合わせるか,酸化数変化から電子の数を決めてやるかです。

3.(COOH)2→2CO2+2H+2e

4.O2+4H+4e→2H2O (酸性下),O2+2H2O+4e→4OH (中性,塩基性下)
どちらでもいいでしょう。相互変換は両辺にHやOHを足し,その液性で存在しないイオンを水にしてやればいいです。

5.
設問1 × ただの酸塩基反応
設問2 Mn +7→+2 酸化剤は還元されるもの。
設問3 × 還元剤は酸化されるもの。
設問4 O 0→-2

6.
(1)b:ホールピッペト c:ビュレット
前者は有機物の量をオーバーさせればいいので,十分なある一定量を加えるためホールピペットです。後者はピッタリにするために少しずつ滴下していくのでビュレットです。

(2)
以下のような構造になり,それぞれの価数を考慮して電子の受け渡しで等式を作ると(有機物に必要な電子をwとしています),
keio_med_2015_chem_a2_2.png
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この分の電子の10倍(Lなので)を受け取れる酸素なので,原子で考えれば2価で16g/molです。したがって酸素のmgをpだとすると,
keio_med_2015_chem_a2_3.png


(3)
シュウ酸ナトリウムで滴下すると,過マンガン酸イオンの薄い赤紫色が無色になる点を終点とすることになるが,この色の変化よりも,赤紫が消えない点の方が終点を判断しやすいから。

前者は赤紫色→薄ピンク→うすうすピンク→薄々ピンク→・・・→無色みたいな感じでどこから無色なのかわかりにくいです。
後者は無色→無色→無色→無色→薄ピンクで比較的明白です。


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