ひたすら受験問題を解説していくブログ
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
東京大学2017年前期化学第3問
todai_2017_chem_q3_1.png
todai_2017_chem_q3_2.png
todai_2017_chem_q3_3.png
todai_2017_chem_q3_4.png

解説

東大で鉛蓄電池かよ。それはさておきキでは”Q1とKpを用いて”とか言わなければ反射で答えて引っかかった人も多かったのではないかと思います。なんで余計なヒント与えんですかね。

I
ア 正極:PbO2+4H++2SO42++2e→PbSO4+2H2O   負極:Pb→Pb2++2e
反応式の立式の際にはPbもPbO2もPb2+になって硫酸と沈殿と覚えておけば普通の酸化還元の立式と同じです。

イ 正極:(3) 負極:(2)
e2molで正極は64g,負極は96g増加し,電解液はその分の160g減少します。よって,正極:陰極:電解液=2:3:-5です。図3-2で500秒とか1000秒あたりを見て選ぶとそれぞれ(3)と(2)になります。

ウ(i)酸素 (ii)1.0×10-3mol (iii)2.6×10-2 L
-0.32÷(-160)×2=4.0×10-3が電子のmolです。酸素分子は4価なので,4で割って1.0×10-3molです。
酸素の分圧は水蒸気圧を大気圧から引いたものなので,状態方程式は
(1.013-0.043)×105V=1.0×10-3・8.3×103・300 ∴V≒2.57×10-2 L

II
エ a-2 b-1
発熱反応なので温度を下げると右に行きます。圧力を増やすと分子数の少ない方に行きます。

オ (3)
触媒は活性化エネルギーを下げますが,その影響は正逆反応の反応速度定数を同じ割合だけ増加させます。したがって,反応速度は上がりますが,終点の平衡状態は変わりません。

カ 4.0×10-1
容積一定なので分圧がそのままmolに対応します。H2は初めの0.1倍つまり0.6mol使われているので,×2/3して4.0×10-1です。


分圧はモル比で決まるので,
todai_2017_chem_a2_2.png

Qの方が大きいので,Qが小さくなる方つまり逆反応が進みます。

【参考】
ある次数mの成分Xのみの微量の増分を考えてみると(全体の次数つまり両辺の次数の差をnとします)
todai_2017_chem_a2_3.png

によって増分が正か負か決まります(要するに偏微分しているだけですが)。もともとのモル分率が反応前後の次数差の比より大きければQが大きくなり逆反応に進むということです。本問に戻るとモル分率は4/7であり,これが左右の次数差の比1/2より大きいので,微小変化に対してQは増加です。したがって少量の変化に対しても平衡は逆反応に進みます。
一方,水素の場合は逆に正反応に進み,アンモニアの場合(m=-2)は逆反応に進むことが分かります。


東京大学2017年前期化学に戻る
スポンサーサイト

テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

東京大学2017年前期化学第2問
todai_2017_chem_q2_1.png
todai_2017_chem_q2_2.png
todai_2017_chem_q2_3.png

解説

ク,コあたりは一応まともな記述でしょうか。他は全体的にレベル低すぎて落としたくないです。

I

(1)光を当てる
塩化物イオンで沈殿するのはAg,Pbで熱湯に溶けないのはAgです(アンモニアの話とかでも分かりますね)。銀化合物は銀の電気陰性度がそこそこ高いこともあり,光によって分解して銀が析出します(電子を奪い返すということです)。

(2)ギ酸
アンモニア性硝酸銀で銀鏡反応というやつです。したがって,還元性のあるカルボン酸を書けばいいので,アルデヒド基を持つギ酸になります。尚,ギ酸はフェーリング液は銅イオンとキレート錯体を形成するために陰性です。


x:Ba2++Na2CO3→BaCO3+2Na+
z:BaCO3+H2SO4→BaSO4+H2O+CO2

操作xでは塩基性になるのでZn,Fe,Alあたりも沈殿する感じではないでしょうか(Alはすぐに加水分解して水酸化物)。また,炭酸イオンではアルカリ土類金属であるBaは沈みます。
操作yでは煮沸によって硫化水素が逃げるので,Ba以外の上記の沈殿も解けると思います。
操作zでは酸性なので炭酸バリウムは溶けますが,硫酸イオンでもBaは沈みます。


a:煮沸する
b:濃硝酸を加えて加熱
c:アンモニア水を過剰に加える
aは硫化水素の追い出す。bは硫化水素でFe3+が還元されてできたFe2+をFe3+に戻す。cは水酸化ナトリウムの可能性もあるが,実験3でろ液にZnが行っているのでアンモニア過剰になります(また,炎色反応に影響も出ちゃいます)。

エ 赤 Li
いい加減にK村はそろそろリアカーぐらい買うべき

オ 1.0×10-3
H+が減るとS2-は増えて硫化物は沈殿しやすくなるので,下限を求めるにはZnSが沈殿しない条件を求めればよいです。電離定数からS2-をH+で表して溶解度積に代入します(手順は逆でもいいです)。
todai_2017_chem_a2_1.png

II
カ 最大: HNO3(もしくはN2O5) +5 最小:NH3(もしくはアニリンなどアミンの化学式) -3
原子の酸化数は,最大は最外殻電子をすべて除去したもの,最小は希ガス配置になるまで電子を受け取ったものになります。窒素の最外殻電子は5なので答えのようになります。

キ 3NO2+H2O→2HNO3+NO
2分子のNO2が酸化され,1分子が還元される仲間割れの式です。


キの反応式は平衡であり,硝酸濃度が高くなるとルシャトリエの原理より逆反応が進み,硝酸が減ると正反応が進むから。

こんな理由だったんですね。てっきり希硝酸だと酸化剤としてブラックな環境なのでこき使われてNOまで還元されると捉えていました。

ケ KNO3+H2SO4→HNO3+KHSO4
塩酸は硫酸と違って不揮発性ではないため,蒸留により硝酸のみを分離できないから。

反応式でK2SO4にならない理由は,硝酸は強酸であるためHSO4よりも強い酸だからです。
塩酸だと中途半端な王水な感じになってしまいます。

コ 発熱
二酸化窒素は不対電子を持ち不安定でエネルギーが高い。共有結合を形成してNが希ガス配置になると安定する分だけエネルギーを放出するから。

じゃあなんで平衡なのというと2NO2⇔N2O4の逆反応は気体分子数が増えるのでエントロピーが増大する方になっているからです(というか平衡のものは発熱とエントロピー増大が逆ですね)。


東京大学2017年前期化学に戻る

テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

東京大学2017年前期化学第1問
todai_2017_chem_q1_1.png
todai_2017_chem_q1_2.png

解説

第1問に有機とは珍しいですが,分量も圧倒的に少なく,内容もほとんど引っかかるところはない問題です。キが吸水性ポリマーの記述問題を丸暗記だと引っかかるぐらいです。

ア a:塩化カルシウム b:酸化カルシウム(水酸化カルシウム)
aは水だけを吸収しなければならないので,中性もしくは酸性の乾燥剤で,実際に使っている塩化カルシウムを書けばよいでしょう。
bは普段はソーダ石灰(酸化カルシウムを水酸化ナトリウム水溶液に浸して加熱乾燥)を使っていますが,化合物名で答えろとあるので,主成分である水酸化カルシウム(酸化カルシウムが水と反応しています)もしくは酸化カルシウムでしょう。

イ C4H6O2
1モルつまり86gのAを燃焼させると,2×27gの水つまり2×27/9=6モルのH,2×88gの二酸化炭素つまり2×88/44=4モルの炭素が存在します。酸素は86-6×1-12×4=32gであり,32/16=2モルです。


分子式から不飽和度を計算すると(2×4+2-6)÷2=2となります。エステルなので無条件で1使用し,炭素-炭素二重結合を持つので他に不飽和はありません。
炭素骨格を考えると,C3がカルボン酸であり,C1がアルコールだとわかります。よって,C3側にしか二重結合はありえないので,次の構造式に確定します。
todai_2017_chem_a1_1.png


不飽和度1のカルボン酸です。炭素の骨格を決めてから二重結合とか考えると楽かと思います。
todai_2017_chem_a1_2.png


エステルを加水分解で不安定と言えばアルコールのヒドロキシ基が二重結合のとなりだというアレです。Aとして考えられるものには次のものがありますが,ホルミル基を持たないので左のものになります。
todai_2017_chem_a1_3.png

加水分解して,エノールからアルデヒドへの変化も考えれば,
todai_2017_chem_a1_4.png

カ 1.0×103
共重合はまとまった比ごとに繰り返しとして考えるのが有効です。2×アクリロニトリル+A=2×53+86=192なので,Nの数はアクリロニトリルつまり繰り返し単位の2倍であることに注意して,9.6×104÷192×2=1.0×103


カルボン酸を多数持ち,カルボン酸が水素結合により水を捉えるから。

もしかして問題文ではけん化が正しいのでしょうか?吸水性ポリマーと言えばカルボン酸Naを持つものが代表的で,こちらは電離によるカルボン酸イオンの反発で網目構造が大きくなる,および,ナトリウムイオンがその網目構造に入ってきた水に溶けているので,浸透圧で水を吸収するという有名記述問題だったりしますが。
尚,浸透圧を利用したポリマーでは高張液ほど吸収しにくくなります。

東京大学2017年前期化学に戻る

テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

東京大学2017年前期化学解説
東京大学2017年前期化学の解説です。何と言いますか量質ともにかなり軽量化されていて,流石に東大受験生なめすぎでしょと言いたい所です。個人的には量はこの程度で難問がほとんどな東大入試が見てみたいです。第1問は満点が欲しいところですし,第2問第3問も論述が少しといった簡単な内容でなんとも。

テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

東京大学2017年前期物理第3問
todai_2017_phy_q3_1.png
todai_2017_phy_q3_2.png
todai_2017_phy_q3_3.png
todai_2017_phy_q3_4.png

解説

第一法則になれていれば計算をあまりしなくてもいい感じです。

I
(1)
外圧にバネの伸びL/2分の圧力が加わります。温度の方はこの過程ではモルが一定なので状態方程式から処理します。
todai_2017_phy_a3_1.png

(2)
温度が出ているので温度で行きたいですが,使って良い文字にT系統が入っていないので,Δ(PV)でいきます。単原子理想気体なので,
todai_2017_phy_a3_2.png

(3)
第一法則で考えます。捉え方として,仕事分は大気圧に対する仕事とバネに対する仕事に分けてやり,バネは弾性エネルギーに変換されていると考えるといいでしょう。積分してもいいですけど。
todai_2017_phy_a3_3.png

II
真空中への膨張は仕事をしません。また,熱の放出もないので第一法則より内部エネルギーは一定です
todai_2017_phy_a3_4.png

III
体積一定で仕事をしておらず,圧力がP1になるまで加熱なので,
todai_2017_phy_a3_5.png

【別解答】はじめから
はじめから考えて立式すれば,
todai_2017_phy_a3_6.png

となれるのでIIの設問は無駄ですね。

IV
(1)
要するにAとB両方のエネルギー変化なので,分ける必要がありません。結局圧力は両方ともP1なので,さっきと同じです。
todai_2017_phy_a3_7.png

(2)
全体で考えれば内部エネルギーに消えただけで外に仕事はしていないので,Q2=Q1

【IV別解答】個別に(センスを感じないですが)
(1)
todai_2017_phy_a3_8.png

(2)
無理やり積分で行きます。Q=ΔU+PΔVなので,PをVというか長さ(xとします)の関数で表せれば求められます。Aは断熱膨張なので,
todai_2017_phy_a3_9.png


東京大学2017年前期物理に戻る

テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。