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京都大学2013年化学第1問a
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問2のカを除いて典型問題なので確実に点を取りたいところです。

問1 F
ΔE=E(X-H)-{E(X-X)+E(H-H)}/2ですが、単に大小を比べるならE(H-H)は一定なので無視してOKです。
まず、Fを計算するとE(F-H)-E(F-F)/2=4.95×102となり、他のE(X-H)より大きいのでFが最も電気陰性度が大きいことがわかります。

【参考】
ポーリングの電気陰性度の意味は、A,B間で電子の偏りがある=電子の引き寄せ具合の差が大きければ、Aδ-Bδ+のような結合電子の偏りによる静電的なエネルギーによって、静電的エネルギーのかからない同原子同士の結合の平均よりも、ABの結合エネルギーが大きくなるというものです。

なお、同原子の結合部分を算術平均で計算した場合にはΔEがマイナスになってしまう場合があるため、より厳密には幾何平均を用いた以下の式が使われます。
ΔE=E(A-B)-{E(A-A)・E(B-B)}1/2

問2 イ:2 ウ:1 エ:1 オ:2 カ:1 キ:1
イウ
イオン化エネルギーは陽イオンにする時(つまり、電子を放出する時)に必要なエネルギー、つまり、(陽イオンのエネルギー)-(原子のエネルギー)です。これらの違いは電子がどこにあるかという違いです。陽イオンでは原子の周りに回っていた電子を1つなくなっており、言い換えれば電子が1つ無限遠に放り出された状態です。
電子と原子核はそれぞれ-と+の電気を帯びているため引き合っています。これを無限遠まで引き離すということはその分仕事をしており、エネルギー保存則から
陽イオンのエネルギー=原子のエネルギー+無限遠に運ぶ仕事
となるので、エネルギーを吸収することになります。

エオ
一方、電子親和力は電子を受け取って陰イオンになるときに放出するエネルギーです。これも無限遠にあった電子が原子の近くまで来ることを考えれば、イオン化エネルギーの真逆になるので、エネルギーが放出されることがわかります。

カキ
陰性になりやすいということは電子を離しにくいということでもあるので、イオン化エネルギーが大きくなり、電子親和力が大きいことになります。

極性のない結合A-Bから、極性のある結合Aδ--Bδ+になることを考えると、そのエネルギー差はAが負に帯電するときは電子親和力分エネルギーを放出し、Bが正に帯電するときはイオン化エネルギー分だけ吸収することになるので、総和として
(Aの電子親和力)-(Bのイオン化エネルギー)
だけ放出する(つまり、極性のない結合の方がエネルギーが高く不安定という)ことになります。
ここで、電気陰性度をA>B>Cとし別の物質ACを考えてやれば、静電的なエネルギーによる結合の安定度はABよりもACのほうが大きいので、
(Aの電子親和力)-(Bのイオン化エネルギー)<(Aの電子親和力)-(Cのイオン化エネルギー)
⇔(Cのイオン化エネルギー)<(Bのイオン化エネルギー)
となり、電気陰性度が大きい原子はイオン化エネルギーが大きいことがわかります。

電子親和力については電気陰性度がD>A>Bとし別の物質DBを考えてやれば、
(Aの電子親和力)-(Bのイオン化エネルギー)<(Dの電子親和力)-(Bのイオン化エネルギー)
⇔(Aの電子親和力)<(Dの電子親和力)
となり、電気陰性度が大きい原子は電子親和力も大きいことがわかります。

【参考】
ポーリングによる電気陰性度以外にも電気陰性度の定義はいくつかあります。
そのなかで、マリケンによる電気陰性度は電子親和力とイオン化エネルギーの算術平均によるもので、本問のカキをほぼそのまま表した式になっています。
かなり単純な式ですが、典型元素においてはポーリングの式と比例関係にある値が得られます。

問3
Ⅰ 2.8×102
問1で半分計算していたのでそれを使います。
ΔE=E(X-H)-{E(X-X)+E(H-H)}/2=4.95×102-2.15×102=2.8×102

Ⅱ 4.0×10-1
面心立方格子なので下図より
0.56/1.4=0.40

Ⅲ 1.7
単位がg/cm3であることからわかるように、基準を定めてそのgをcm3で割ってやれば終わりです。単位格子を基準に取ります。
g:単位格子中に二酸化炭素は面心なので4分子(面の中央が6に、立方体の角が8)あります。これをmolに直すと4÷(6.0×1023)です。molをgに変換してやるので分子量をかけてやります。二酸化炭素の分子量は44なので、44×4÷(6.0×1023)が単位格子のgです。

cm3:体積は(0.56nm)3です。nm=10-9m=10-7cmなので、代入すると(0.56×10-7cm)3=0.563×10-21cm3

g/cm3:44×4÷(6.0×1023)÷(0.563×10-21)≒1.67

問4
分子全体として極性を有するかは、各結合間の極性のベクトル和で与えられる。H-O結合は100度強であり2つのH-O結合間で打ち消しあわないが、C=O結合は直線であり、二つのC=O結合で極性が相殺される。

【参考】
分子の形状は概ねですが、非共有電子対、共有電子対の反発で推測できます。それぞれができるだけ離れるような形になるように配置してやればOKです。
なお、非共有電子対のほうがより反発しますので、メタンよりも水の結合角が小さいことなども説明可能です。
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テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

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