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京都大学2013年化学第4問
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見慣れない題材ですが、難易度はそれほど高くありません。

(a)
問1 エ
(a)の文で書かれている構造を理解しているか問う設問です。
このような一見複雑な選択肢の問題は、選択肢間でどのような箇所が違うかを整理してやれば見通しが良くなります。
違いは二つで、糖の結合の向きが同じα-1,4-グリコシド結合(アウ)か逆向きのβ-1,4-グリコシド結合(イエ)であるかと、図中のRで表されている部分がエステル結合(アイ)かエーテル結合(ウエ)かです。
問題文の記述からエが答えになります。

【参考】
α-1,4-グリコシド結合は螺旋構造、β-1,4-グリコシド結合はジグザグ直線構造をとります。その理由は構造式からはわかりにくいですが、これらの結合は一定の角度を持っていることです。つまり、一つ目の糖と二つ目の糖は互いに環が平行になるように結合していません。αではすべての結合が同じ方向なので、このずれが蓄積していき、ぐるぐる回る螺旋構造(約6糖で一周)をとり、βの方でもずれは生じますが、ある結合と隣の結合が逆向きなのでずれが打ち消しあい、直線構造になります。

あと、どうでもよいことですが、本問で出てくるペプチドグリカンはある種の細菌において細胞壁をなす物質であり、生存に必須なものです。ペニシリン系抗生物質はこの合成を阻害することによって細菌を殺します。

(b)
問2 A1:アラニン A2:グルタミン酸 A3:リシン A4:アラニン A5:グリシン
アミノ酸はCOOHなどの酸性基がつくと等電点のpHは小さくなり、NH2などの塩基性基がつくと等電点のpHは大きくなります。その効果は、COOHとNH2ではCOOHの方が強く、グリシンの等電点は7.0ではなく5.97となります。
よって、A2:グルタミン酸、A3:リシンであり、残りは細かい等電点は覚えてないと思いますので、工学異性体の有無からせめます。
グリシンでは不斉炭素がないため光学異性体がないので、A5:グリシンとなり、残りがアラニンとなります。

【参考】
実のところ、酸塩基の強さを考察できれば具体的な値をしらなくても、等電点からアラニンとグリシンは識別可能です。
違いはHとCH3ですが、メチル基のC-H結合は電気陰性度がCの方が高いため、Cは若干負の電荷を帯びています。その結果、分子にメチル基がつくことによって、この負の電荷がメチル基から供給されるため、分子は負の電荷を帯びることになります。分子が負の電荷を帯びると、酸が電離して陰イオンになることをより不安定にし(電荷の偏りが小さいほど安定します。単にHがついていたOが負であるほどH+をひきつけ易いという理解でも良いです。)、塩基に水素イオンが付加して陽イオンになることを安定させます(陽イオンの電荷的な不安定さを緩和します)。
そのため、Hではなくメチル基がつくと塩基性寄りに等電点が移ります。

このことは、メチル基に限ったことではなく、オキソ酸においてOがいっぱいつく方が酸性度が高くなる理由のひとつで(もう1つの理由は共鳴です)、また、中心原子の電気陰性度が大きいほど酸性度が高くなるのも、水素が解離してできる陰イオンが安定化されるからです。

問3 5種類
アミド結合なのでカルボキシル基とアミノ基の組み合わせを考えます。A2はグルタミン酸なのでカルボキシル基が2つ、アミノ基が1つ。A3はリシンなのでカルボキシル基が1つ、アミノ基が2つです。よって2×2+1×1=5種類です。第一項がA2がカルボキシル基のパターン、第二項がA2がアミノ基のパターンです。

問4
わかるものから順番に決めていきます。つまりS2についたA1からということです。A1がつくものとしては乳酸のカルボキシル基か、アミノ基部分しかありません。それぞれ、A1はアミノ基、カルボキシル基がS2側になります。
順に繋げていく場合の焦点はA2、A3間とA3,A5間が官能基が関与するアミド結合ということですが、A2とA3はいずれもアミド結合に関与できる官能基を持つため、A3-A5から決めていくと官能基のアミノ基がS5と繋がることがわかるので試行錯誤が少なくて済みます。以上を踏まえて描いていくと以下のようになります(Cはカルボキシル基、Nはアミノ基、添え字の1は官能基であることを表しています)。
kyodai_2013_chem_4a_1.png
右の図はA2-A3が官能基が関係ないアミド結合になっているため不適です。よって構造式は
kyodai_2013_chem_4a_2.png
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テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

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