ひたすら受験問題を解説していくブログ
大阪大学2013年化学第3問
handai_2013_chem_3q-1.png
handai_2013_chem_3q-2.png
問5が難しく、問7も結構盲点な気がします。

問1ア:2 イ:10 ウ:縮合 エ:アゾカップリング (カップリング)

ひっくり返して同じになるものを除いて考えると、以下の2種類があります(ベンゼン環が重なっている部分の炭素には水素がないため置換できません)。
handai_2013_chem_3a-1.png


アを利用すると簡便です。アの図の左から新しくつけられる箇所は7箇所あります。アの図の右からも7箇所に見えますが、アの左と同じ位置についているものは既に数えてしまっているので、3箇所になります(下図参照)。
よって、10種類あり得ます。
handai_2013_chem_3a-2.png


2つの官能基が結合する際に、2つの官能基の一部が脱離し、残りの部分が結合する反応を縮合反応といい、縮合重合は、この縮合反応によって重合体(ポリマー)が形成される反応のことを指します。
本問題の反応はエステル結合を形成する反応なので、脱水が起こるタイプの縮合重合になります。

尚、重合体はこのほかに付加反応(多重結合の一本を切って変わりに結合する反応)による付加重合によって作られるものもあります。


ジアゾニウム化合物と芳香族化合物を選択的に結合させてアゾ化合物を合成する反応のことをアゾカップリングといいます。

問2
同じ状態の炭素が存在すると言うことは,分子内に対称性を有すると言うことです。なので分子内に対称性をもつもののみ書き出して数えてやればOKです。
一応,各構造において区別できない炭素を同じ数字で表したものを以下に示します。
handai_2013_chem_3a-3.png
よって最大は6組で、その構造式は上の図の通りです。

問3
芳香族の酸化では、ベンゼン環についた炭素がCOOHになります。よって、CH3がCOOHになる反応×2ですから、
handai_2013_chem_3a-4.png

問4 2.5×1021
反応と共に構造式を描いておきます。エステル結合の-O- がエチレングリコール側に描いてあるのは、反応の機序的にエチレングリコール由来の酸素だからです。
handai_2013_chem_3a-5.png
重合度をnとして、端のOHとHを無視すると、分子量はn(C14H10O4)=242nとなり、1.0gでは1/242nモルです。また、環の数は1分子あたりn個なので、1モルあたりn×アボガドロ数個となります。よって、かけあわせることにより2.5×1021個となります。

問5
両ポリマーとも環による平面構造が重なって結晶領域を構成するが、その領域の大きさは環の大きいPENの方が大きくなるため、その分強度が増す。また、ベンゼン環よりもナフタレン環の方が紫外域のモル吸光係数が大きいため、紫外線遮断性が高くなる。

プラスチックと呼ばれるものには結晶性のものと非晶性のものがあります。本問のPETやPENのように平面構造を持つなどして重なりやすい構造を持つ場合には、そこの部分が重なり合って、部分的に結晶構造を形成します(ただ、ベンゼン環をもっていても非晶性プラスチックになるものはいくらでもあります)。
基本的な傾向として、結晶性は硬く剛性があり、非晶性は耐衝撃性にすぐれる素材であることが多いです。

吸光に関しては一般にベンゼン環の数が多くなるほど長波長側にピークをもち、吸光度も大きくなります(といわれてるけど、吸光度は対称性が関係するので、そんな単純にいくものか疑問だったり。波長はベンゼンに限らず共役系(交互の二重結合)を持つものは、その部分が長くなるほど長い波長にピークを持ちます。)

問6
まず、ジアゾ化は以下の通りです(酸の強さが悩ましいところで、スルホ基にHがつくかNaのままなのか自信なし)。
handai_2013_chem_3a-6.png
オレンジIIは次の反応で生じます。
handai_2013_chem_3a-7.png

【参考】
オレンジIIにおいてナフトールの他の位置がアゾらない理由は共鳴構造による安定化(ベンゼンだと二重結合の位置が2通りかけますが、このような構造を共鳴構造といい、描けるパターンが多いほど安定します。)によって説明できます。
ナフトールの共鳴構造をリストアップしてみます(挙げ忘れがありそうですが)。
handai_2013_chem_3a-8.png
となるので、マイナスの位置に注目してみれば、図でナフトールの左隣の位置にマイナスがくるものだけ2通りかけ、安定的にマイナスを帯びていることがわかります(つまりは、そこが一番マイナス寄りになりやすい炭素だということです)。ジアゾ基は見てわかるとおりプラスのイオンなので、このマイナスに安定した炭素に攻撃します。

問7 イオン結合
オレンジIIは陰イオンな箇所があるため、これが羊毛などのアミノ基などと結合します。塩基性染料は逆に陽イオンな箇所があるため、陰イオンを含む素材を染められます。
スポンサーサイト

テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

コメント
コメント
コメントの投稿
URL:
本文:
パスワード:
非公開コメント: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
トラックバック URL
http://jukenkaisetsu.blog.fc2.com/tb.php/181-c750798a
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
トラックバック