ひたすら受験問題を解説していくブログ
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慶應大学医学部2013年化学第1問
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1.(2)が不明確で、予備校各社でも解答が割れています。また、4.もBが特定できないものと思われます。

1.
(1)
(ア) β型 (ウ)α型
自分は1(図でいう右側の環状ヘミアセタールになっている炭素),4(左端)で結合するときに逆になるものをβ、同じで結合できるものをαと覚えています。(イ)はアルデヒド型グルコースと呼ばれ、アルデヒドなので、こいつが還元性を示します。
尚、水中の割合は文献によって多少異なりますが、β(64%)>α(36%)>アルデヒド(1%未満)です。β>αなのはもう少し結合の角度を意識して下図のようにした場合に、OH基の立体的な反発が少ないからです。
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(2)9種類
異なる物質として数えると9種類、立体異性体を無視すると5種類、互いに平衡な立体異性体を考慮すると25種類になります。下手に「構造異性体を考慮する」とあるため立体異性体までは考慮しないのかなとも取れますが、本ブログでは異なる物質は異なる物質として9種類が正解だと主張します。

まず、グルコースがどのような結合をしうるかなのですが、ヘミアセタールであるグルコースは、ROHとヘミアセタールのOH部分(一番右の炭素についたOH)で脱水縮合を起こします(これがグリコシド結合です)。
また、このヘミアセタール部分はアルデヒド型と平衡状態にありますが、グリコシド結合後には平衡状態ではなくなります。逆に言えば、ヘミアセタール部分が脱水縮合に使われない限り、その糖はアイウの平衡状態を有します(二糖類が還元性を示すのはそのため)。
よって、アのヘミアセタール部分とウのヘミアセタールのOH以外が結合する場合が4、その逆が4、ヘミアセタール同士が1で合計9種類です。

尚、立体異性体を無視する場合にはアとウは立体異性体なので、どちらのヘミアセタール部分を使っても同じことになるので、うえで挙げた3つのパターンのうちで初めの2つは同じものになります。つまり5種類ということになります。

互いに平衡な立体異性体も全部考慮するならば、うえで挙げた3つのパターンのうちで、初めの2つは、グリコシド結合においてヘミアセタールを提供していない方の糖がアイウの平衡状態を取れるため、×3をして計24通り、ヘミアセタール同士を足して25通りになります。

(3) 1種類
ヘミアセタール同士のもの以外は一方の糖がアイウの平衡を持つため、還元性を示すイの形が存在します。よってヘミアセタール同士のもの1種類のみが還元性を示しません。

2. 1.07×10-2
与えられているのがモル沸点上昇であることから、ベンゼン1kgあたりに何モル解けているかを求めればよいことがわかります。つまり1kg/20g×2g=100gのジヨードブタンが何モルかということです(下で求める分子量的にジヨードブタンの方がベンゼンより沸点が大分高いので、不揮発性物質としてモル沸点上昇な扱いが出来ます)。
まず、ブテンの分子量は12×4+1×8=56です。これにヨウ素127が付加した場合、56+127×2=310、ヨウ素125の場合は310-2×2=306です。
よって沸点差は
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3.
良くある問題なので、知っていれば電離定数を使うまでもない問題です。あと炭酸水素イオンはこの表記でいいの?と突っ込みたい問題です。

(1)
フェノールフタレインの変色域より高いpHの塩基、つまり水酸化ナトリウムと炭酸ナトリウムの一段階目が反応します。
NaOH+HCl→NaCl+H2O
Na2CO3+HCl→NaHCO3+NaCl

(2)
残った炭酸水素ナトリウムが反応します。
NaHCO3+HCl→NaCl+H2O+CO2

(3)
実験では1000mLに溶かして、10mL用いているので、塩酸の量を100倍で考えます。一段階目で1.90×10-1×1=0.19molです。二段階目は150mLなので0.19×0.15=0.0285molです。
水酸化ナトリウムのmol数は、10×0.75÷(23+1+16)=0.1875molです。第一段階から引くと0.0025molが炭酸ナトリウム、これを第二段階から引くと0.026molが炭酸水素ナトリウムだとわかります。
よって
炭酸ナトリウム:0.0025×106=2.65×10-1g
炭酸水素ナトリウム:0.026×84=2.184≒2.18g

【参考】弱塩基の電離度を利用した解法
塩基としての電離定数はB+Hsol→BH++solの電離定数のことで、酸の場合と同様に、平衡定数に[H2O]をあらかじめかけた以下の式で与えらます。
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この平衡定数をもとに各弱塩基のpHを求めてフェノールフタレインの変色域に入るか調べます。

炭酸ナトリウムのpH
炭酸ナトリウムは二段階の反応でOHを生成出来ますが、与えられている塩基の電離定数からわかるように、一段階目に比べて二段階目、つまり炭酸水素イオンから炭酸が生じる平衡で生成するOHは非常に小さくなります。そのため、一段階目のみ考えてpHを計算しても値はほとんど変わりません。
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一塩基酸の弱酸の場合と同じように考えれば[OH-]の値を得ることが出来るので、水の電離定数から[H]を求めることが出来ます。初期濃度をc、電離度をx、水の電離定数をKw=1.0×10-14とすれば、
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となるため、cが1mol/Lより小さいことを考慮すれば、炭酸イオンのpHは14-3.7/2=12.15より低くなります。また、どんなに低濃度にしても、c→0でpH=14-3.7-log102>10.3-log1010=9.3となるので、cが水の電離による[OH-]の濃度=10-7より十分大きければ、9.3以上になることがわかります。

炭酸水素ナトリウムのpH
簡易的にやるならば、炭酸ナトリウムと同じ考えになりますが、フェノールフタレインの変色域的にかなりボーダーになります。両性物質として計算するためには工夫が必要です。上で挙げた平衡の第一式の逆と第二式が成立しますが、これに加えて、これらをひとつにまとめた不均化反応といわれる次の平衡を考えます。
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この平衡定数は10-4であり、前述の第一式逆の10-10.7や第二式の10-7.7と比べて大きいため、炭酸および炭酸水素イオンのほとんどは第一式の逆や第二式というよりも第三式によって生じているといえます。つまり炭酸≒炭酸水素イオンなので、この条件で[OH-]を求めてpHを計算すれば、
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変色時の反応
実験に使った液体は各塩基の混合物なので、上記のように単純ではありませんが、上で求めたpHとフェノールフタレインの変色域8.3~を比較すると、炭酸ナトリウムはフェノールフタレインの変色前に、炭酸水素ナトリウムは変色後に反応するものと考えられます。

【参考】酸解離定数と塩基解離定数の関係
一方が与えられれば他方(平衡の式で言う逆反応に進む反応の解離定数といえます)を求めることが出来ます。
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4.
(1)
A:Mg B:K(,Rb,Cs,Fr)
反応性はイオン化傾向順に激しくなります。つまり、第一イオン化エネルギーの低い左下の元素の方が水と反応しやすい傾向にあり、アルカリ金属とCa以上のアルカリ土類金属は常温の水と反応して水素を発生します。Mgは熱水と反応します。それよりイオン化傾向の小さいAlからFeぐらいまでは高温の水蒸気と反応して水素を発生します。
よって、Aは熱水と反応することからアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属、水酸化物が難溶性であることからアルカリ土類金属、硫酸塩が可溶性であることからMgとわかります。
BはNaより原子番号の大きいアルカリ金属なのでK,Rb,Cs,Frのどれかですが、これ以上絞る情報はありません。

C:Sn D:Cu
まずDが石器の次ということからCuです。また、伝導性に優れていて水と二酸化炭素(と酸素)の存在下で、
Cu+H2O+CO2+O2→CuCO3・Cu(OH)2
となることもヒントになるかと思います。
青銅なのでCはSnになります。

(2)K,Mg,Sn,Cu
問題文の記述だけからでも反応性の強い順に並べてあげるだけです。

(3)
Cuはイオン化傾向が水素よりも小さいので酸化されなければ酸に溶けません。
SO42-がSO2まで還元させることを覚えていれば立式は容易です。
Cu+2H2SO4→CuSO4+SO2+2H2O

ア、イ
有名どころなので覚えておいておきましょう。アが青、イが白です。水和物は水和具合が増すにしたがって水溶液の色に近くなっていく感じです(多分)。
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テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

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