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東京大学2007年前期物理第3問
図3-1のように,水面上で,波長λの波が左から右にまっすぐ進み壁に垂直に衝突している。壁に沿った方向をx方向とし,壁には自由にすき間を開けることができるようになっているとする。すき間を通った波を壁の右側の点Pで観測する。以下の問に答えよ。

点Pは十分遠方にあるとし,図3-1のようにx=0から見たP方向の角度をθとする。問Ⅰ(1),(2)で開けるすき間はすべて同じ幅とする。また,そのすき間の幅は波長λに比べて小さいので,各すき間からは,そこを中心とする円形波が図の右側に広がっていくと考えてよい。

(1) 壁のx=0の位置にすき間Aを開け,わずかにずれた位置x(x>0)にすき間Bを開ける。すき間Bを開ける位置を少しずつxの正の方向に動かしていくと,x=bになったとき,それまで振動していた点Pでの水面が初めて動かなくなった。bをλとθ を用いて表せ。ただし点Pは十分に遠いので,すき間Bから見たP方向の角度もθ としてよい。

(2) 問Ⅰ(1)のようにx=0とx=bにすき間がある状態で,すき間Cをx=c(0<c<b)に開けると,点Pでの水面は振動を始めた。さらにもう一つ,x=bにできるだけ近い位置にすき間Dを開けることによって,点Pでの水面の振動を止めたい。すき間Dのx座標を求めよ。


次にすき間の幅が広い場合を考えよう。点Pは問Ⅰと同じ位置にあるとする。すき間の一方の端をx=0,他方の端をx=wとする(図3-2)。以下の問については,すき間内の各点から円形波(素元波)が右に広がっていき,その重ね合わせが点Pでの水面の振動になると考えよ。

(1) すき間内のある位置x=x1 (0<x1<w)から点Pまでの距離と,すき間の端x=0から点Pまでの距離の差を,x1とθ を用いて表せ。
(2) x=0から出た円形波の変位が点Pでゼロである瞬間に,すき間内の各点x=x1 (0<x1<w)からくる円形波のすべての変位が点Pで同符号である(強め合う)ためには,すき間の幅wはどのような条件を満たしていなければならないか。 

(3) すき間の幅をw=0からw=2bまで増やしたとき点Pでの波の振幅はどのように変化するか,理由を付けて答えよ。ただしbは問Ⅰ(1)で求めた値である。


今度は点Pは壁の近くにあるとし,壁との距離をLとする。図3-3のように,点Pの真正面にすき間を開ける。そのすき間の幅をゼロから増やしていくと,幅が になったとき点Pでの振幅が最大になった。rをLとλを用いて表せ。
todai_2007_phy_3q-1.png

todai_2007_phy_3q-2.png

todai_2007_phy_3q-3.png

IIIが難問で上手いことII(2)の知見を活用できるかというところ。基本的に同じ問題の中でも、他の問題間でも似ているものや簡単にしたもの(次数を下げたり、文字を減らしたり、邪魔なものを消したり)を活用できるかが、初めてみる問題への対応力に繋がります。観点としては解法の流用が出来ないか、結果の流用ができないかとしてみてみてください。

I
(1)
干渉なので最終的に光路差を求めることになります。θが同一とみなせる場合には以下の図が成立するため、赤い直角三角形の一番短い辺が光路差、つまり光路差=bsinθ=λ/2となり、b=λ/(2sinθ)です。
todai_2007_phy_3a-1.png
なお、よく教科書とかでみるように三平方で距離を求めてやっても同じ答えになります(やり方によってsinθではなくtanθで出てきますが、θが十分小さいときに同じになります)。

(2)
Pにおける水面の移動はcによるものだけです(複数の波の合成は波の単純な和で表せるので)。よって、cを打ち消すものを探してやればOKです。(1)より、b離れると打ち消すので、Dのx=c+bです。

II
(1)
I(1)のbをx1に変えただけです。よって、x1sinθ

(2)
xが変化するにつれて波の位相は変化していきます。x=0から変化していって同じ符号のままということは、sin波だとすると、位相がπ若しくは0をまたがないということです。プラスマイナスが違うだけなので、x=0の位相を0として考えてやれば、wまでのすべてのxで位相がπまでに入ることになります。よって、
todai_2007_phy_3a-2.png

(3)
(2)の考察より、(2)で求めた範囲内において単調に増えていき、逆符号が入り始めて単調に減っていく(単調減は各点に対してbずれたものが入ってきて打ち消し合っていくため)。
w=0,2bのとき0で最小値
w<λ/(2sinθ)のとき、同符号が増えていくので単調増加
w=λ/(2sinθ)のとき最大値
λ/(2sinθ)<w<2b=λ/(sinθ)のとき打ち消しあう波源が増えていくため単調現象

【参考】積分による考察
各点xから出る波の和は、点の取り方を細かくすれば積分で表される。よって、x=0からx=wまでの全波の和は
todai_2007_phy_3a-3.png
となり、振幅はtに非依存の部分になるので、(3)で挙げたような変動の仕方がわかるというか、グラフでかけてしまいます。
todai_2007_phy_3a-4.png

III
II(3)の知見を活用します。というよりも知見を活用するために考えさせたのがII(3)です。上と同様にスリット内の全波が同符号になれるrが求めるものです。
スリットの区間において、Pまでの距離はLから√(L2+r2)の範囲にあり、しかも図の上下で対称です。これらがぴったりと同符号に入るということは、距離差が位相で言うπに相当するということになります。
つまり、
todai_2007_phy_3a-5.png

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テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

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