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東京慈恵会医科大学2013年化学第1問
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解説


高校化学ではあまり触れられることのないキセノン化合物が出てきて一瞬焦りますが,聞いていることの大半は普通の熱化学分野の事項です。

問1 A:希ガス a:4 b:24 c:2.27
A:アルカリ金属(1族),アルカリ土類金属(2族),ハロゲン(17族),希ガス(18族)という呼び方は覚えておきましょう。

a:格子に入っている原子の数を図1から数えます。数える際に立方体に入っている正味の数を数えます。例えば図1で左手前の白い原子は,立方体に1/8の部分しか入っていないため,1/8個としてカウントします。
よって,1/8×8+1/2×6=4となり答えは4個です。

b:全部数えようとすると結構大変なので,原子1個当たり何個の結合があるかを数えてaの答えにかけます。例えば右面の真ん中にある原子の周りを数える場合には,その原子より右側にも別の格子(原子を共有しています)があることを忘れずにカウントします。一番近しい原子の数は12個あります。
1つの結合が2つの原子間でなされることから,原子1つ当たりに直すのは1/2にしてやることになります。よって,原子1つ当たり12×1/2=6です。これにaの4個をかけると24本の結合があることが分かります。

c:気体になると分子間力を完全に断ち切ったことになります。固体において働く分子間力は
気体がした仕事+分子間力をきるエネルギー=温度変化に要するエネルギー+状態変化に要するエネルギー
となります。計算しやすくするため,融点の固体から沸点の液体までの変化で考えます。

気体がした仕事は,問題文中にある,「気体の膨張には圧力(Pa)×体積増加量(m3)に相当するエネルギー(J)」のことです。圧力は101.3kPaです。体積の増加量は,固体から丁度沸騰し終わった瞬間の気体1モルの体積の差なので,リットルとm3に注意して,ΔV=10-3×8.31×165/101.3kPa-0となります。これに圧力をかけて,10-3×8.31×165≒1.371kJとなります。

温度変化に要するエネルギーは,温度変化は液体のみで起こっているので,モル比熱に温度変化をかけた20×4=80Jです。

状態変化に要するエネルギーは,融解と蒸発で,2.29+12.61=14.90kJです。

以上から,分子間力をきるエネルギー=-1.371+0.080+14.90=13.609kJであり,原子1モルあたりで6モルの結合があったので,13.61÷6≒2.268≒2.27となります。

問2
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かなり適当縮尺ですみません(関数入力する気力が)。固体のときは比熱が1/2なので傾きが急です。
各段階に要する熱を計算してみます。
(i)固体の温度上昇
100Kから161Kまでなので,20×1/2×(161-100)=610J

(ii)融解
問題文より2.29kJ
ここまで計2.90kJ

(iii)液体の温度上昇
問1cの解説同様,20×(165-161)=80J
計2.98kJ

(iv)蒸発
問題文より12.61kJ
計 約15.6kJ

(v)気体の温度上昇
20×(200-165)=700J
計 約16.3kJ

問3
原子半径の大きい希ガスは最外殻電子のもつポテンシャルエネルギーが比較的大きい(イオン化エネルギーが小さい)ため反応する場合もあります。
酸素分子*(キセノンとイオン化エネルギーがほぼ同じ)ですら酸化出来る六フッ化白金によって,ヘキサフルオロ白金酸キセノンが合成されたのが初の希ガス化合物で,問題文に書かれているようなフッ化キセノン達以外にも酸化キセノン(VI),酸化キセノン(VIII),四フッ化酸化キセノンなどが存在します。もともと無理やり作った化合物であり,反応性に富み,例えばフッ化キセノン(VI)は石英を侵したりします。この他,フッ化クリプトン(II)などのクリプトン化合物も有名です。

*原子じゃなく分子についてであり,酸素分子のイオン化エネルギーは酸素原子のイオン化エネルギーより小さくなります。この理由はp軌道が分裂した反結合性のπ*軌道は,元のp軌道より高エネルギーなので,電子を奪うのに必要なエネルギーは小さくなります。

(1)
反応せずとも,最外殻電子が閉殻構造で安定しているから。

(2) d
冒頭で述べたように原子半径が大きくイオン化エネルギーが比較的小さい原子です。そのため,フッ素によって電子を奪われて反応することが出来ます。
このことはを知っておらずとも,問題文中に”酸化剤であるフッ素”とフッ素が酸化剤として働いていることが明記されており,キセノンの電子が奪われる反応だとわかるので,dが答えになります。

問4
連立方程式を立てて解くだけです。
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テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

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