ひたすら受験問題を解説していくブログ
東京大学2001年前期数学第2問
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解説


もしf(x)が整式ならば誰もが解いたことのある感じの問題です。ただ,sinとcosが入ってきて邪魔しています。この場合に,同じ手法が使えないのか試みることは解法を考える基本ではないでしょうか。

整式の場合は適当においてやり(1次ならばax+bのように),積分して恒等式で解くことがよくあるパターンです。
本問では,sinxやcosxも次数の一種だと考えて恒等式でせめればOKです。

ただ,問題は他にもあります。被積分関数が一見xとyをきれいに分離できないことです。まあ形から明らかに,加法定理でいけることになるのですが。
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となります(最後のA,Bは未知の定数です。積分のsinxなどのyによらない部分を積分の前に出してやって,積分は定積分で定数になることからこう置けます)。そしてこれを改めて代入してやります。計算の際には三角関数の直交関係(参考参照)を利用してやると早いでしょう。
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これが恒等式なので,
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一意的な解A,Bを持てばいいので,これらの直線が平行(一致も含む)にならないことが条件です。係数の比でやっても連立方程式の行列式≠0でも同じです。
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改めてAとBを連立方程式から求めると,
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いきなり=Bとすんなり来ているのは連立方程式を単に引いてやればA=Bがすぐ得られるからです(対称性ってやつですね)。


【参考】三角関数の直交性
大学生の皆様はご存知の内容です。フーリエ級数展開とかその辺に書いてある基本事項です。区間[a,b]における関数の内積(f,g)を
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と定義して,これが0の時には直交するとか言います。ここで,次の一連の関数たちが,区間[0,2π](これは1周期ならいいので,[-π,π]でもOKです)において,互いに直交であることを証明してみます。
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まず,1との積ですが,計算は簡単なので省略して結果のみ書いておくと,
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次に三角関数同士の内積ですが,そのままでは積分しにくいので,
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と変形して考えると,n≠mならば,さっき考えた1との積を2種類加えただけになるので,いずれも0となります。また,最後のsincosのやつのみn=mでもsin(n-m)x=0となるため,同様に考えて0になります。

次に,sin同士,cos同士でm=nのケースですが,普通に計算して,
todai_2001_math_2a_10.png

となります。計算するまでもないですが,1同士の内積は2πになります。
以上から,初めにあげた関数たちは自身以外とは直交する関数ということになります。
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テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

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