ひたすら受験問題を解説していくブログ
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東京大学2012年前期化学第2問II
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解説


一見,白金イオンが目新しいけども,だからといって難易度は全く高くない問題です。基本がわかっていればうろたえることはないと思います。コは近似の判断で少し迷うかもです。

カ α:Ag+ γ:Zn2+

小テストレベルの基本問題です。金属ごとに必ずこの配位数でこの形という風に決まっているわけではなく,配位子によっても構造は変わるのですが,高校で出てくるものはパターンが決まっています。他に抑えておくべきものはCu2+がβだということです(実際にはヤーン・テラー効果とかいうので,上下に伸びたδ型で,普通の濃度でよく見られる4配位型ではその上下の部分に水がついていますが,通常は省略してβと答えます)。

残りのNa+とMg2+ですが,Na+は基本的に錯体を形成しにくいのですが,クラウンエーテルなどが配位することはそれなりに有名だったりします(東大98年後期でもクラウンエーテルは出題されていたりします)。Mg2+に関しては,アンミン錯イオンは形成しなかった気がしますが,EDTAとはδ型の錯体を形成します。


todai_2012_chem_2a_10.png
2つとかわざわざ書いていただかなくてもな問題です。こういう問題を解くときは結合が同じか否かを対称性から決めつつ,1配位子ずつつけていけばOKです。

1:配位可能箇所を分類します。→すべてが対称(違いはない)であることがわかります。
2:数の少ない配位子であるCl-を一つ割り当てます(自分の好みは上です)。
3:2によって配位可能箇所の対称性が変わるので再チェックです。→Cl-の対面とそれ以外の2パターン
4:残ったCl-を3で見つけた2パターンに入れます。

もう少し配位子が増えてもこんな感じで繰り返していけばOKです。

ク Fe
ヘモグロビンといったらFeです。ヘムという色素部分はFe2+の錯体で,鉄の部分に酸素が結びついて全身に運びます。鉄の部分が酸化されてFe3+になったものは酸素との結合能力が低かったりします。
ヘム自体はヘモグロビン以外にもP450やカタラーゼなど多くのタンパク質で見出されています。

尚,赤い血はヘムですが,軟体動物(一部を除く)は青い血液を持っており,これには鉄ではなくCu+(酸素と結びつく際にはCu2+)を含むヘモシアニンによるものです。銅もさまざまなタンパク質に使われています。


todai_2012_chem_2a_11.png
これはキの劣化版の問題です。全く同じように,結合可能箇所が何種類になるのかで考えて行きます(大抵対面とそれ以外がよくでてきます)。
この左,つまりcis-ジアンミンジクロロ白金(II)はシスプラチンといわれる抗がん剤です。

コ 5.0×10-4 mol/L

キレート滴定という奴です。生成定数からはカルシウムイオンとEDTAが1対1に錯体形成をすること,および,とてつもなく大きいので,カルシウムイオンもEDTAも終点では0.1%すら残らないことがわかります(ためしに入れてみればいい)。つまり全部反応すると考えてOKなので,

100x=5・0.01⇔x=5.0×10-4

となります。

【参考】キレート滴定の仕組み
EDTAはNとカルボン酸イオンのO-の部分で配位する6座配位子で,2価から4価の金属イオンとキレート錯体を形成します。本問で行っているキレート滴定ではカルシウムイオンとは結びついて色が変わるけれど,EDTAよりはカルシウムイオンと結びつきにくい薬品を指示薬にしています。例えばエリオムブラックT(EBT)といわれる薬品です。
1.EDTAを入れる前はEBTとCa2+が錯体を形成し,赤色に呈色します。
2.EDTAを入れていくと水中の遊離Ca2+がなくなってきます。赤のまま。
3.水中の遊離Ca2+が十分なくなると,EDTAはEBTからCa2+を奪って錯体を形成します。ここで青色になります(もともと青になるようにpHを調整しておきます)。

サ 活性化エネルギー
触媒といっているので間違えないで欲しい問題です。結局のところ活性錯体が別のものにかわることになるので,そのエネルギーの高低が変わるというお話ではないでしょうか。
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テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

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