ひたすら受験問題を解説していくブログ
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東京大学2012年前期化学第3問I
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解説


アの反応2は鬼畜で,反応6はいい感じです。ウは正直めんどくさい。オはコツがいる感じです。あとは普通な感じです。

ア 反応1:(3) 反応2:(4) 反応3:(9) 反応5:(8) 反応6:(7)
反応で必要な試薬がなんなのか問う問題で,各反応での違いをまずは調べ,その反応に適する試薬を選んでやります。当然,分子全体で見たら受験生が見たことない物質なので,官能基に注目して類似の反応では何を使っているのか考えてやることになります。本問において,嫌がらせとして,不明な官能基X系統があり,作問者の正確の悪さは気があいそうです。

反応1:
いきなりX系統です。目的のX1については問題文に記述がありませんが,(おそらく)それが変化していったX3については問題文に記述があり,窒素ガスを発生し,陰イオンと置換することから,X3はジアゾ基だと推測できます。
(ジアゾ基の分解ではOHと置換すると認識している人が多いかも知れませんが,実際には求核試薬である陰イオンと置換です。ジアゾ基が窒素として分解すると,ジアゾ基の+がベンゼン環に移ることになります。これを陰イオンが攻撃して置換するのですが,水中で他に目ぼしい陰イオンがなければ,求核試薬であるOHがアタックすることになり,フェノールだのアルコールだのが出来ます。)

ジアゾからX2をはさんでいくので,X2がアミノ基,X1がニトロ基だと推測でき,試薬一覧から反応1と反応5でニトロ化,ニトロ基の還元を起こす選択肢があるので,確定となります。

更に,反応1におけるベンゼン環への付加のしかたから,X1はフェノールによって電子密度が高まるオルト位についており,求電子性であり(ベンゼン環につく時点で求電子ですけど),もう一方のX1の位置からもメタ配向性を有すると推測できます(ピクリン酸を思い出して欲しいです)。これはニトロ基が合致しています。

以上から,ニトロ化なので(3)になります。

反応2:
激ムズというか赤本さんと青本さんで意見が割れていたり,複数回答を認める予備校があったりな問題です。なので,予防線を張って,私はあくまでこう考えてますよというスタンスで行きます。私を信じるか他を信じるかは好きにしてください。まあ正解がなんであれ,こんな問題出した奴は表出ろって思っています。

起こっている反応はアミノ基のアセチル化,要するにアミド結合の形成です。一見してこの選択候補になるであろう試薬の選択肢が,4,12,13,14,15と多くあります。
このとき問題として思い浮かぶのが,フェノール基がアセチル化されずにアミノ基をアセチル化できるか否かです。しかし,X1はニトロ基であり,立体的にかなり邪魔で,かつ,ニトロ基が二つもオルトについている場合には,フェノールの電子密度は高くない(そのために簡単に水素イオンがはずれますけど)と考えられます。つまりは,酸触媒によるフィッシャーエステル化はほとんど起こらないと推測できます(フィッシャーエステル化は立体障害にとてつもなく弱いです)。

以上から,アミノ基をアセチル化することだけを考えればOKとなります。アミノ基をアセチル化する場合,Nの非共有電子対が,カルボキシ基の電気的に正の炭素を攻撃することになるので,酸性下ではアミノ基がNH3になってしまい,非共有電子対がなく,反応性が悪くなります。
次に酢酸か無水酢酸かですが,塩基性条件下では酢酸はカルボキシラートイオンになってしまい,Cがもはや正に帯電していないため,求電子試薬であるアミノ基の攻撃対象となりません(エステル化でも酸性条件では酢酸と無水酢酸の両方がOKですが,塩基性条件では酢酸ではなく無水酢酸でなければならないのと同じですね)。

よって,(4)が答えになります

なお,○本の主張で4がダメな理由として,フェノール部分が塩になってしまう・・・的なのが意味を成さないことは,反応1において酸性条件下にもかかわらず,生成物のアミノ基にHがついていないことから明らかです。


反応3:
カルボキシ基にエチル基がついてエステル化しています。よって,ただのエステル化なので,エタノールと塩化水素の(9)です。

反応5:
反応1のところでも触れましたが,反応7と反応6を妄想してみれば,ニトロ基をアミノ基にしているとわかります。余計なものは色々ついていますが,つまるところニトロベンゼン→アニリン→ジアゾベンゼンのいつもの流れです。よって,水素化する(8)です。

反応6:
反応5で触れたようにジアゾ化なので,いつもの亜硝酸ナトリウムと濃硫酸による(7)です。

イ (2)
これもいつもの酸性度による電離度の違いを利用した分離です。一方を電離させ水層に,一方を電離ささずに有機層へと考えます。
フェノール基がエーテル基になっていることなので,フェノール基より酸性度の弱いというか塩基性の水酸化ナトリウムをいれてCを電離させます。電離していないDを得たいので,有機層を回収します。よって,(2)です。

ウ 0.94kg
1反応あたり0.7倍になるので,面倒ですが(0.7)9を計算します。計算してやると,
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ふざけ半分に無理やりそれっぽい感じで計算してみましたが,普通に計算する方が早い気もします。

エ 53mg
チロキシンに炭素は15個あります。また,二酸化炭素の分子量は44です。よって,
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オ (4)
方法としては色々ありますが,選択肢同士も比較に使うと楽な気がします。そして,個人的には不斉炭素の回転より,鏡の方が認識しやすい気がします(鏡像になっているかなっていないかを確認します)。
L型=(1) 不斉炭素を回転
(1)=(3) 問題文と平行に鏡
(3)≠(4) 不斉炭素を回転させて不一致。
(3)=(6) 垂直に鏡
(6)=(8) 水平に鏡
(6)=(5) 不斉炭素を回転
(7)=(5) 垂直に鏡
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テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

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