ひたすら受験問題を解説していくブログ
東京大学2012年前期数学第5問
todai_2012_math_5q.png

解説


一見長くてめんどくさそうですが,書かれていることを追っていくだけの問題です。

(1)
成分の整数性については,BもAも全成分が整数であり,行列の計算が積と和で表されることから,BAも整数です。また|B|=1より,B-1の成分も整数/1となるため整数です。よって,B-1Aも全成分が整数です。

次に面積ですが,面積は2つのベクトルから作られる面積は外積というので与えられます(参考参照)。まあ要するに行列式になるので,|A|=±1です。
また,一方|B|=1なので,|B-1|=1/|B|=1であり,積の行列式は行列式の積で表せるので,|BA|=|B||A|=|A|=±1,|B-1A|=|B-1||A|=|A|=±1となり,面積は1のままです。

【参考】2ベクトルのなす平行四辺形の面積
x=(a,b),y=(c,d)から作られる平行四辺形の面積を考えてみます。間の角度をθとすると,平行四辺形の面積は|x||y|sinθです。内積からsinθを求めて代入します。
todai_2012_math_5a_3.png
となります。3次元に拡張したとして,x=(a,b,c),y=(d,e,f)だとすると,
todai_2012_math_5a_4.png
となります。これは(bf-ce,cd-af,ae-bd)の長さとも言え,このベクトルは,x,yのいずれにも直交するベクトルになります(内積を考えてみれば=0)。つまり,x,yがなす平面に直交し,長さが平行四辺形なベクトルで,これをベクトルの外積といい,x×yと表記します(x,yの上に→つけてもいいです)。3次の行列式がわかる人には,単位ベクトル成分i,j,kを用いて
todai_2012_math_5a_5.png
ととらえた方がわかりよいでしょう。

ちなみに平行四辺形に直交なので,3つのベクトル(x,y,z=(r,s,t))が作る平行体の体積はzとの内積を考えればよいのでz・(x×y)表せます。一応,行列式表記も置いておけば,
todai_2012_math_5a_6.png
となります。

(2)
c=0とした場合に,BやB-1を左からかける操作がどうなるかを考えます。
c=0のとき,|A|=±1より,ad=±1です。また,a,dは整数なので,(a,d)=(1,1),(-1,1),(1,-1),(-1,-1)しか考えられません。
よって,このような形のAから生じるBAとB-1
todai_2012_math_5a_1.png
であり,bにdをそれぞれ加法,減法したものになります。こうして出来た行列もAと同じ形をしているため,bとdの符号を考えてやれば,bは整数で|d|=1なので,b,dが同符号ならB-1をb回,異符号ならばBをb回かけれやれば,1行2列目の成分がb-b=0となり,与えられた4個の行列のどれかになります。

(3)
BA,B-1Aを±を使ってまとめて表すと,
todai_2012_math_5a_2.png
式変換がわかりにくければ,aとcが同符号や異符号のパターンで場合わけしてみてください。
スポンサーサイト

テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

コメント
コメント
コメントの投稿
URL:
本文:
パスワード:
非公開コメント: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
トラックバック URL
http://jukenkaisetsu.blog.fc2.com/tb.php/299-1eb2ddde
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
トラックバック