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センター試験2013年化学第3問

解説


問1 4
1:銑鉄は酸化鉄を炭素で還元していく結果できるもので,炭素を多く含む鉄です。これに酸素を吹き込み余分な炭素を酸化させて除去し,炭素がそれほど多くない鋼にします。

2:アンモニアがNH3で表されることからも明らかでしょう。鉄系触媒を使います(ハーバー法)が,今ではモリブデンやルテニウムを使ったもっと温和な条件での合成もあります(工業的かは知りません)。

3:アンモニアを酸化してNOにし,空気によってNOがNO2に変化し,これを水に溶かすと硝酸になります(酸化反応が起こるのでただ溶けるという感じではないです)。白金を触媒にします(オストワルト法)。

4:やったことないので推測ですが,弱酸の遊離でHFができたとして,塩化水素も揮発性なので,出てくる気体は混合物になるでしょう。正しいものは濃硫酸(不揮発酸)による揮発酸の生成反応です。

5:液体空気を冷やしていくと各成分の沸点が異なるため,沸点の高いものから液体になり,精製することができます。

問2 5
そういやスズとか鉛って14族だったんだね,という感じです。
1:フラーレンは炭素からなる球状の分子で,60個のものが有名です。でも,それ以外も一応あるので,なんか微妙な選択肢です。
2:ダイヤモンドは炭素が4本の手で四面体構造を作っており,炭素部分をSiにし,その結合部分にOをはさんでやると二酸化ケイ素になります。
3:酸化されているものを元に戻すのは還元です。
4:スズは溶けて塩化スズ(II)=SnCl2になります。
5:鉛は塩酸と反応して塩化鉛(II)=PbCl2になるのですが,これは水への溶解度は低いため,鉛表面に付着したままになり,新たな反応を邪魔します。常温指定があるのは,塩化鉛(II)は熱湯には溶解するからです(これは無機分析でそこそこ出てきたりします)。

問3 3 5
酸化物には酸と反応する塩基性酸化物,塩基と反応する酸性酸化物,酸とも塩基とも反応する両性酸化物があります。
本問では酸性酸化物と両性酸化物を選ぶ事になります。基本的に,希ガスを除いて周期表の左側下の酸化物が塩基性酸化物で,右上の酸化物が酸性酸化物です。そしてその境界が両性酸化物になります。なので両性酸化物となる元素は覚えておくといいと思います。AlとかZnとかSnとかPbとか。
よって3と5です。
完全に不要ですが,NaOHとの反応式自体は
P4O10+12NaOH→4Na3PO4+6H2O
ZnO+2NaOH+H2O→Na2[Zn(OH)4]
です。

問4 2
1:弱酸の遊離です。亜硫酸は二酸化硫黄が水にとけたやつです。
2:酸化するか否かを考えるときには電気陰性度と,現在の酸化数がその元素においてどの程度の状態かです。
本選択肢では硫化水素のSは-2であり,硫黄がとれる-2~+6のうちで最低です。つまり電子を奪う事はできません。次にHは+1なので電子をもらえますが,電気陰性度がIより小さいのでIから奪ってIの酸化数を+にすることはできません。
3:H2S⇔H++HS-⇔2H++S2-
4:脱水される結果,炭化します。糖はC(H2O)nが組成式です。
5:水に溶けると水和熱がでます。一部の塩で吸熱になるのは水和熱よりもイオン間の結合を切るエネルギー(格子エネルギー)方が大きいからです。

問5 1
1:硫化水素は酸なので,酸性下では電離しにくく硫化物イオンの濃度が低くなるため沈殿が生じにくくなります(溶解度積で考えましょう)。しかし,銅や銀などの硫化物は酸性下の硫化水素濃度でも沈殿してしまいます(溶解度積が小さいという事)。

2:Cu(OH)2が沈殿しますが,過剰のアンモニアで[Cu(NH3)4]2+(テトラアンミン銅(II)イオン,正方形構造)となって溶けます。この他に過剰のアンモニアで溶けるもので押さえておきたいものは,
Ag2O→[Ag(NH3)2]+ (直線)
ZnO→[Zn(NH3)4]2+ (正四面体)
Ni(OH)2→[Ni(NH3)6]2+ (正八面体)
あたりでしょうか。過剰なOHで溶ける両性元素(Al,Zn,Pb,Sn,Cr。全部四配位です。)の錯体も整理しておくといいと思います。

3:イオン化傾向が大きい金属と,イオン化傾向の小さいイオンが混在すると,イオン化傾向の大きい金属がイオンとなり溶け出し,イオン化傾向の小さいイオンが金属として析出してきます。

4:銅の電解精錬では純度の高い銅を電解によって得るため,Cu2+に電子を与えて還元することになります。つまり,陰極側に精錬された銅ができます。
精錬が起こる仕組みは,陽極に粗銅(不純物を含んだ銅)を使い,電解液に硫酸銅を使うため,粗銅中のイオン化傾向が銅より大きい不純物は溶液中にイオンとして溶け出したままになり,イオン化傾向が銅より小さい不純物は金属のまま陽極の底に沈殿します(陽極泥)。そのため,イオン化傾向が大きい不純物が溶け出した分だけ陽極では銅が溶け出さないため,溶液中の銅濃度は低下します。
あと,2次でたまに問われるものとしては,電気分解は低電圧でやらなければならない事です。高電圧だと勢い余って銀などの低イオン化傾向の金属が溶け出してしまいます。

5:4で書いたとおりです。

問6 2
要するに塩化鉄(III)=FeCl3をすべて酸化鉄(III)=Fe2O3にしただけです。初めの水溶液中には8mmolの鉄があり、4mmolのFe2O3ができます。式量は56×2+16×3≒150なので(センターの計算なんてこんなものです),150×4m=0.6に近い2が答えです。

問7 a:1 b:2
a
1:塩酸のCl-が酸化されて塩素になります。
2:弱塩基遊離でアンモニアが出ます。
3:揮発酸の追い出しで塩化水素が出ます。
4:亜鉛は水素よりもイオン化傾向が大きいので水素が出ます。

b
水に溶けない=水上置換(ただし乾かしたい場合はダメ,本問でも濃硫酸で水蒸気除去していますよね)
空気より重い=下方置換
空気より軽い=上方置換

塩素は水に溶け,空気より重いので下方置換です。関係ないけどフッ化水素って軽そうに見えて2量体だから困りますよね。
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テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

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