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慶應大学理工学部2014年化学第2問
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解説


酸化還元の問題で,鉄がどのように錆びていくかについての問題と,ニッカド電池に関する問題です。ニッカド電池の方に関しては出題ミスで,何も書かなくても点が入るそうです。理論値を超える大容量バッテリーを慶應大学は開発してしまったようです。
難易度的には簡単ではないですが,ある程度おえておきたいというレベルです。ただ,考えるというよりは重箱的なのは慶應らしい感じですね。

(1)
ア:ターンブルー(ベルリン青)
ヘキサシアノ鉄(III)酸カリウムにと鉄(II)イオンが反応してできる沈殿は,歴史的にはターンブルーと呼ばれ,ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウムに鉄(III)イオンを加えてできるベルリン青とは分けて考えられてきましたが,同一の物質であることはもはや常識なので,答えはどっちでもいいと思います。

関連する他の反応としては,2価×2価は青白色沈殿,3価×3価は褐色水溶液です。
チオシアン酸カリウムは3価の鉄とは血赤色溶液[Fe(SCN)(H2O)5]2+(水を省略して[Fe(SCN)]2+でもよい)になります。


イ:Fe2+
アの解説の通り,ヘキサシアノ鉄うんぬんは2価×3価の時に濃青色になります。

ウ:OH
赤いのはpHが高くなってフェノールフタレインが赤く呈色したからです。半反応式は,
2H2O+O2+4e→4OH

エ:Fe(OH)2
Fe2+とOHがあるということです。

オ:
酸化鉄(III)ができる反応は(実際には水酸化鉄(III)も赤錆びの構成要素といわれています。),

2Fe(OH)2+1/2 O2→Fe2O3+2H2O

です。よって,酸素が3mol増えるのに4molの電子が流れることになるので,

2.4×10-3÷16・4/3・9.65×104=19.3となります。

カ:電気伝導性 キ:溶存酸素
電子の受け渡しのしやすさと,酸化剤の量の二つで決まるということです。食塩の濃度が上がると電子の受け渡しはしやすくなりますが,溶存酸素濃度が減ります。
後者は,酸素が水に溶ける場合に,水と相互作用してδ+な水素部分をひきつけて安定しますが,Clの濃度が上がるとこの安定化の邪魔になるからだと思います。

食塩が鉄を最も錆びさせるのは約3%であり,死海のような高濃度の塩水では鉄は錆びにくくなるみたいですね。

もし,上記のことを知らなくても,”エが酸化されにくく”という情報があるので,エを酸化している酸素が足りないと考えられます。まあ,重箱な問題ですけどね。

ク:Zn2+
亜鉛の方が鉄よりもイオン化傾向が大きいので,亜鉛が優先で溶け出します。亜鉛があれば鉄イオンは鉄に戻るということです。

逆に,ブリキは鉄よりイオン化傾向の小さいスズでめっきしているので,耐腐食性は強いですが,傷ができるとぐんぐんと鉄が溶け出します。

(2)
ケ:2NiO(OH)+Cd+2H2O→2Ni(OH)2+Cd(OH)2
酸化数変化の比で考えればいいので,ニッケルは+3→+2,カドミウムは0→+2なので,2対1で反応します。
2NiO(OH)+Cd→2Ni(OH)2+Cd(OH)2
までは確定ですが,元素がというかOが2つ,Hが4つ足りません。どうせ酸化還元反応なので水でも足しときゃええねんという奴で,
2NiO(OH)+Cd+2H2O→2Ni(OH)2+Cd(OH)2

コ:93.6 サ:9.38
ここが出題ミスで,オキシ水酸化ニッケル(III)もカドミウムも0.1molであり,0.6Aを8時間も流せません。
仮に0.6Aを8時間流したとすると,0.6×8×3600=17280 Cであり,96500で割ると,約0.1791molの電子になります。オキシ水酸化ニッケル(III)も同じmol必要なので,足りなくなってしまいます。

電子が0.1791mol流れたとすると,電子を受け取る正極,つまりオキシ水酸化ニッケル(III)側では,式量がHひとつ分増えているだけなので,0.1791g増えて,9.3791≒9.38 gになります。

電解質は,電子1molあたり水の1mol消費されるので,0.1791×18≒3.224 gだけ減少しています。
もともと,80×1.21=96.8 gのKOH溶液があったので,引いて93.576≒93.6 gになっていることがわかります。

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テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

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