ひたすら受験問題を解説していくブログ
東京大学2014年前期化学第3問I
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解説


多糖に関する問題で,あまり出さない宣言していた気がしますが,問題自体はア以外は多糖の知識を問うようなものではないので,私はありだと思います。カが第2問ウと同様で原子レベルの酸化数を考える問題であり,このぐらいは押さえとけよ受験生ということなのでしょうか。


半分知識問題ですが,有機のヘミアセタール化を思い出してみれば,①の炭素には2つの配置が考えられるので,その一方だとわかります。よって,OHとHが逆のもの(βグルコース。OH基が全て隣と逆配置で最も安定な構造)を選びます。

これだけでは,ひとつのCについた基が上下逆の2パターン考えられるので,どれが上か決めてやる必要があります。Oの反時計周り隣のCにCH2OHが上側につくか,時計回り隣のCに下側に着くかのいずれかを探します。

以上から,(1),(2)がOK
(3)は交互じゃない,(4)は交互じゃないしCH2OHが逆,(5)はCH2OHが逆,(6)は交互じゃないので違います。


銀鏡反応を示すアルデヒドの割合が小さく,反応速度も小さくなるから。

アンモニアと反応するのは図3-1の記述で言う鎖状分子のアルデヒドです。水中において,βが60%強,αが40%弱,残りがアルデヒドであり,かなり少ない割合しか存在しません。反応物の濃度が小さくなるとその過程の反応が遅くなることは反応速度論などで学習済みでしょう。


銀が還元されて出てくるということは,アルデヒドは酸化されています。よって,カルボン酸ができるということになります(酸化数変化の比的にアルデヒド1molに銀が2molです)。まず元となるアルデヒド型ですが,ヘミアセタールをアルデヒドに戻すことを考えます。
京都大学2013年第3問bの参考でも述べていますが,もともとアルデヒドにROHがROとしてついて,HがアルデヒドのOについてOHになる感じです。つまり,環構造中のOがROHのOで,そのOについた炭素についているOHがアルデヒドだったということになります。これを考慮してアルデヒドに戻して酸化すると,
todai_2014_chem_a3_1.png
となり,最後のものが答えです。

エ (3) (5)
還元性を示す部分はアルデヒドになる部分,つまりヘミアセタールのOH(図3-1でいう①についたOH)です。これが結合に使われるとアルデヒド構造に戻れなくなるので,このOHが残っていないものを選びます。
(1)(2)は左右端に残っています。(3)は残っていません。(4)は右端だけ残っています。(5)は残っていません。(6)は左右端に残っています。

オ (C30H50O25)n+2n H2O→(C6H10O5)2n+n C6H12O6+n C12H22O11
DCとCB間が切れるので,繰り返し単位で,-AB-とCとEDがひとつずつできます。そしてその際に,加水分解なので水が2個追加されます(生成物のほうは水の追加で考えるよりもできる構造が水分子何個分少ないかで考えるほうが楽です)。よって,AとBは同じなので,
(C30H50O25)n+2n H2O→(C6H10O5)2n+n C6H12O6+n C12H22O11

カ 4.3g
こういう問題は繰り返し単位で考えます。繰り返し単位の分子量は810なので,8.1/810=1/100 molの繰り返し単位があります。加水分解後のアルデヒド基は-AB-にはなし,Cは1つ,EDも1つなので,2/100 mol。銀はその2倍なので,4/100molです。銀の分子量は107.9≒108なので(有効数字は2桁なので3桁までは丸めてOK),4.32gとなります。

キ 4個
条件2からCに2つをどうつけるかになります。Cにつく個数が排反な事象で分けやすいでしょう(排反な事象に分けるのは数え上げの基本です)。Cに2個つくパターンは条件3によって1パターンですが,これはCをBとしてみることができるため,条件2によって不適です。Cに1つつくパターンはCの④と⑥のどちらを使うか,さらにそのグルコースにグルコースをつける場合に,④と⑥のどちらを使うかになるので,2×2=4パターンです。

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