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東京大学2014年前期生物第2問
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解説


窒素同化に関する問題で実験設計問題IDと片対数グラフを使ったIIAあたりは結構差が出たのではないでしょうか。IのBCも解答自体は簡単に出てきますが,なんだかんだで解いていて不安になりそうな問題です。

I
A RNA ATP コラーゲン DNA 尿酸
アミノ酸とタンパク質,その分解産物である尿素,尿酸,塩基を含むRNA及びDNAは窒素が入っています。他にはビタミンB群のほぼ全部(持たないのはイノシトールぐらいだろうか)に窒素が入っています。

B
電子供与反応 NO2+H2O→NO3+2H+2e
電子受容反応 2H+2e+1/2 O2→H2O

要するに酸化してそのエネルギーでATPaseをまわすわけであり,基本的にはグルコースの代謝と同じ感じです。そうすると,電子伝達系をまわすために水素イオンと電子を取り出し,最後に水とATPを作ると推測できるので,打ち消される水を入れて水素イオンと電子を作っていることがわかります。

アンモニアの反応としては,
(NH4→NH3+H
NH3+2H+O2→NH2OH+H2O+2e
NH2OH+H2O→NO2+5H
4H+O2→2H2O
となります。

C
なんとなく感覚的にも酸化部分でエネルギーを得ることができそうなので,2のみです。1と5についてはATPを利用する反応です。3および4はNADPHを利用する反応です。

D
窒素化合物有りかつグルホシネートで処理をしたものと,窒素化合物無しの培地で育てたものの生存期間を比較する。後者が早く枯死すれば窒素同化産物の欠乏が原因である。

窒素化合物有りかつグルホシネートで処理と,窒素化合物有りかつ高濃度のアンモニウムイオンの培地で育てたものの生存期間を比較する。前者が早く枯死すれば窒素同化産物の欠乏が原因である。

状況を整理すると考えられるパターンは表のようになります。

todai_2014_bio_2a_1.png

このうちで空欄になっている部分を検討してやれば新たな知見が得られます。これが丁度2通りあるので解答なわけです(解答1つ目が右上,2つ目が左下です)。窒素化合物→アンモニウムイオン→グルタミンなので,アン→グのところで切ると必然的にアンモニウム濃度が上がってしまうことが実験の設計を難しくしています。
ちなみに,解答1つ目でも,窒素化合物無しではなくアンモニア除去という手段も考えられると思います。常に新しい培地を供給し続ければ、アンモニアは細胞膜を透過出来るはずなのでアンモニウムイオンも減少する気がします。

II
A 野生型:8日 変異体x:12日
指数関数のグラフになるので,片対数の方を使います。プロットして直線で結んでやれば,
todai_2014_bio_2a_2.png

グラフ上で見やすいところとそれが2倍になるところを見ればいいので,野生型は21日で0.5,29日で1になっているので8日で2倍です。一方,変異体xは25日で0.5,37日で1.0になっているので,12日で2倍です。

ちなみにグラフ書くのがめんどくさい人向けの計算は,次のようになりますが,データにばらつきがあると使えません(でもデータがたかが3個でばらつきいれるとひどいことになるし,ばらつきありまくりで近似直線を目分量で引かせる入試問題とか冒険過ぎますよね)。

野生型:
20日と36日を比較すると4倍。よって,2回2倍になっているので,16÷2=8

変異体x:
16日と36日を比較すると3.2倍。よって,2倍を5回したあと10で割るので,20÷(5-log210)です。log210=(ln10)/(ln2)で,ln2は化学で頻繁に出てくるので0.3と覚えちゃっている人も多いはずです。要するに10/3になるので,20÷(5-10/3)=12です。

B
根粒が形成されるとその数に応じた量のシグナルが地上部に送られ,そのシグナル量に応じて地上部が抑制シグナルを送るため,根系1と根系2から出されるシグナル総量によって抑制の度合いが決まる。そのため個々の根系の根粒数ではなく合計の根粒数が約80になると抑制シグナルは新たな根粒形成が起こらない量に到達するから。

C (1)c (3)h

段階(1)または(3)に関わっているといえるのは,根が変異体のときのみ根粒数の増加が見られるからです。そして図2-6のような接ぎ木の意図は,形成を知らせるシグナル量が変わっているのか,抑制シグナルに反応しにくくなるのかを見るためです。

(1)の場合は接ぎ木された根系2は形成シグナルを送らないため,根系1の根粒数分だけしか地上部は受け取りません。したがって,根系1が限界根粒数に達するまで増え続けます。変異体yにおいて(3)の異常がなければ根粒数の増え方は同じなので,図2-7の一番左の根粒数の合計=根系1=根系2となります。よってcです。

(3)の場合は,根系1も根系2も抑制シグナルを誘導します。しかし根系2は抑制が余り効かないので,同濃度ならば根系2が根系1より増えていきます(図2-3で高濃度では増加が緩やかになっていくのは濃度増加によって増え方も緩やかになるからです。)。根系1は合計が図2-7A左の合計になった時点でとまるので,e,hに絞れ,eの抑制シグナル量ではまだまだ根系2は形成が進むので(A右),hが答えになります。

でもこれ,hの時点では合計数がまだA右より少ないので根系2は根粒形成が起きますよね。もし起きないならば抑制シグナルに対する反応が鈍化しているのではなく,一方の根系の数で決まる何か別の要因によって根粒形成が停止されていることになる気がするのですが,実際のところどうなんでしょうね。

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テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

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