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京都大学2014年化学第1問a
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解説


硫化物に関する問題で,極めて普通の問題です。後半の溶解度積は難関校では頻出なので,少なくともこのレベルはすんなりいけるようにしておくべきです。

問1 ア:1 イ:2 ウ:1
ア:
粉末にすると表面積が大きくなるため,酸素との衝突回数も多くなります。その一定割合(温度依存)が反応するので,反応速度も大きくなります。

イ:
反応熱は生成物と反応物のエネルギー差なので変化しません。たとえこれが反応に必要な活性化エネルギーであっても,活性錯体(活性化状態)は同じなので変化はありません。

ウ:
定性分析の流れを覚えていればまず間違いません。銅は塩酸を入れた後に硫化水素を通じて,亜鉛はアンモニアで中和してから通じていたはずです。いずれも硫化物として沈殿し得るイオンですが,銅はの方が沈殿しやすく,酸性条件下の低い硫化物イオン濃度でも沈殿します(問4参照)。
たまに,勘違いしている受験生がいますが,銀なども酸性条件で沈殿します。系統分離は各イオンを識別できるように上手く設計されているだけで,あとに行う操作で操作前に沈殿として取り除いたイオンが沈殿しない保証などありません。

問2 2ZnS+3O2→2ZnO+2SO2
酸化できる元素はS-2のみです,なので,これが酸化されると次に酸化数の大きいSかその次のSO2になるのが一般的です。Sになったとしてもそのまま酸化されてしまいますし,気体と問題に明記されているので,SO2になります。

問3 2H2S+SO2→3S+2H2O
②では弱酸の塩と強酸を混ぜるので,弱酸遊離が起こります。強酸を混ぜると
H2S⇔H+HS⇔2H+S2-
の平衡が左に移行して硫化水素が発生します。
尚,酸化力のある酸の場合は酸化力の強さによってSやSO2,H2SO4が発生します。

H2SとSO2の反応なので,酸化還元が起こります。それぞれ硫黄になるので,酸化数変化は+2と-4であり,逆比の2:1で反応します。

問4 a:9.0×10-16  b:1.0×10-5 
溶解度積はただの平衡定数です。例えば,
CuS⇔Cu2++S2-
の平衡の場合,平衡定数は
K=[Cu2+][S2-]/[CuS]
ですが,固体部分は一定なので,省略して
Ksp=[Cu2+][S2-]
として扱います。

ただの平衡定数なので,ある状態のイオン濃度を代入して平衡定数より大きければ左に反応は進み(析出),小さければ右に進みます(溶解)。そして片方のイオン濃度が分かっていれば,代入することによってもう一方の濃度の最大値を計算することができます。

まず,CuSの場合,硫化物イオンの濃度を代入すると,平衡状態では[Cu2+]=9.0×10-16であり,もともとあった[Cu2+]より小さいので析出の結果9.0×10-16になったことが分かります。

次に,ZnSの場合,同様に代入すれば,[Zn2+]=9.0×10-1となり,もともとあった量より大きくなってしまいます。なので,全部解けたままであるため、元からあった1.0×10-5が答えです。

受験技術的にいえば,全く同じ内容を聞いてくる意味はないので,一方は沈殿が生じて一方は生じないとかの推測はして欲しいところですね。また,他のハメ手としてはAg2Sのように溶解度積が1次ではないものがあるので注意してください。

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テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

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