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京都大学2014年化学第3問a
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解説


問3が酸化条件次第な気がして結構困り者ですが,それ以外はしっかりと基本的な反応や化合物を理解しているかに尽きる問題です。有機の構造決定問題なので,自分が解いていった思考を追ってみます。

アまではなんとなく読み飛ばしな感じです。Bが縮合重合してポリエチレンテレフタレートなので,テレフタル酸もしくはエチレングリコールのどちらかです。Eのオゾン酸化の記述から,アルコールではないことが分かるので(アルコールなら酸化されてカルボン酸になってしまい矛盾),テレフタル酸だと分かります。
また,同時にEは次の部分までは決定します(カルボン酸は炭化水素という表記から除外)。
kyodai_2014_chem_a3_1.png
次に白金触媒の記述からEには二重結合が2個もしくは三重結合が1個あります。

Gがニトロ基をもち,還元するとCになること,および,初めの酸素の個数が3つしかなく,B由来の部分で2つも使われていることからアニリン系と推測できます。そして,希塩酸溶液(アニリン系の塩酸塩ぽい),氷点下(ジアゾ化っぽい)から推測してもアニリン系です。そしてDはジアゾを熱分解したものなので,フェノール系だと考えられます(陰イオンがジアゾと交換されるので,塩化物イオンがつく可能性もありますが)。
この予測を確定してくれるのが,Fのスルホン化をアルカリ融解です。これもフェノールの代表的な製法です。

よって,CとDは炭素数が同じで,アミノ基とOH基がベンゼン環についた化合物だと推測できます。ここまでくれば炭素数から,32=k(Bの炭素数+2×Dの炭素数)なので,とりあえずk=1から考えてDの炭素数は12になります。k≧2ではDの炭素数が4以下になってしまいベンゼン環じゃなくなります。

さて,結構飛ばしていたFあたりに戻ると,Fをニトロ化してもGしかできないこと,およびEと同じ配置であることから,ベンゼン環から出ている炭素の配置はパラかつ同一基になります。つまり,12個の炭素のうち6個はベンゼン環に利用しているので,3個ずつパラ配置です。

問1
上記から考えると,それぞれ以下の構造式になります。
kyodai_2014_chem_a3_2.png

問2 ア:エチレングリコール イ:亜硝酸ナトリウム
ジアゾ化といえば亜硝酸ナトリウム。

問3 3?
Eとして考えられる物質は次の5つです。
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幾何異性体があるという段階でアルキンが除ける気がします(答が0でもいい気もしますし,アルキンへのオゾン分解はカルボン酸が生じるので,E4は答えになりえるんですよね)。

次にジアルケンだとして,オゾン酸化した産物を酸化するとテレフタル酸になるものですが,正直なところ良くわかりません。条件によって違う気がします。どういうことかというと,ベンゼン環に炭化水素基(ベンゼン環に直接ついている炭素に水素がついていないものは×)は酸化するとCOOHになります。しかし,炭化水素基ではなくアルコールやアルデヒドがついている場合には,そちらの酸化が優先されて,ベンゼン環に直接COOHが問答無用でつくわけではなくなります。
しかし,酸化剤をより強くすると,やはり問答無用でベンゼン環にCOOHがつくようになるらしいので(次のワードで検索すると出てくる本参照”study guide phenyl ethanol benzoic acid KMnO4”),E1だけではなくE2やE3もあり得るといえばあり得ると考えます。

まあ,長々と文句を垂れましたが,大学入試であることを考えれば,こんな細かいことが要求されるわけはないので,E1が普通に想定していた答えでしょう。
そうすると,二つの二重結合がシスシス,シストランス(トランスシスは同一),トランストランスの3通りがあります。

ちなみに酸化力が強い試薬で問答無用でCOOHまでしてしまう場合はE2もあり得るので,E2の上についている基のシスとトランスが追加されます。

【参考】化合物A
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