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慶應大学医学部2014年物理第3問
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解説


電磁誘導の問題で,荷電粒子にかかるローレンツ力から考えさせる問題になっています。その辺の内容は基本ですが,最後の問4の消費電力計算が少し難しく,しかも最大最小は求めにくい関数になります。ただ,たまに見る関数の形なのでしっかりと求められるようになっておきたい問題です。

問1
①veB ②AからO
電子は負電荷なので,フレミングで言う電流は図1の右向きです。

③vB
電子が受ける力の釣り合いを式にすると,OAを正として,
-evB+(-eE)=0⇔E=-vB
大きさなのでvB

④vBΔr
”距離×電場に逆らって移動させる力”になるので,
ΔV=-E・Δr=vBΔr

⑤OPQRの面積
距離(L)×電場(E)なので面積になります。一般にVはEをrで積分したものです。

問2
まじめに釣り合いの式を立てると電子の質量mが関わってきます。とりあえず距離rの点での釣り合いの式は,
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となります。電子のmが与えられていないので,電気素量より十分小さいとして近似すると(問題文になんの情報もないことが不快です。電子の重さmは10-30kgぐらい,電気素量eは10-19ぐらいです。),E=rωBとなるので,

keio_med_2014_phy_a3_1.png

電位差は面積になるので,L2ωB/2です。

【参考】
因果関係が逆になりますが,導体棒に導線をつけてやって,回路内の磁束の変化量からVを求めても解けます。

(参考)問1
vLだけ面積が変わるので,BをかけたvLBが電位差です。方向はレンツの法則より例えば図1の左側に導線を持ってきていれば,上向きの磁束が減るので増やす方向,つまり導線中をAO方向(導体棒中をOA方向)に流そうとするため,Aが高電位になります。これをLで割れば電場が出ます。

(参考)問2
同様に考えれば,単位時間当たりに通過する面積はπL2・ω/2π=L2ω/2なので,BをかけたL2ωB/2が電位差です。方向もレンツで出ます。また,Lの位置ではなくrの位置につないでやれば,そこのOに対する電位が出るため,rで微分すれば電場になります。

問3
Oに対するAとBの電位を計算すると,OA=L,OB=L/2なので,Aは2倍,Bは2×1/22=1/2倍になっています。差をとると3/2倍です。

問4
回路図を作ると次のようになります。

keio_med_2014_phy_a3_2.png

(a)
θ=πのときは4Rと4Rを並列でつないで,それに直列でRをつないでいるので,2R+R=3Rの抵抗とみなせます。
したがって,
keio_med_2014_phy_a3_4.png

(b)9倍
Rが固定なので流れる電流で決まります。つまりコイル部分の合成抵抗が最小のとき電力は最大,最大の場合は最小となります。合成すると,
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となるため,コイル部分の合成抵抗はθ=0のとき最小値0,πのとき最大値2Rとなります。抵抗Rと更に合成するとそれぞれ,Rと3Rになるので,比の2乗である9倍が答えです。

(c)
(b)より,コイル部分の合成抵抗はそれぞれ2RとRであり,最終的な合成抵抗はそれぞれ3RとRとなります。既に求めた抵抗Rの消費電力から計算すると,それぞれ,
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となります。

(d)
(b)よりコイルの消費電力を求めますが,めんどくさいのでコイルの合成抵抗をR'とおきます。そして(c)によるとR'=0は論外だったので,R'≠0で考えます(変形の都合上)。
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使っているのは相加相乗平均です(一応微分しても出ます。トリッキーに思われるかもしれませんが,分母分子の片方に変数をまとめる定石と,a+1/aな形の定石から自然と出てくる発想です)。等号成立条件より,
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