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慶應大学医学部2014年化学第2問
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解説


デンプンに関する問題で,コロイドの性質についても問われています。難易度は4(1),5が高めであとは普通です。4はめんどくさいだけな気もしますが。

1. ブラウン運動
溶媒分子がランダムな方向に熱運動しており,微粒子にこの溶媒分子達がランダムに衝突することによって,微粒子に不規則な運動,すなわちブラウン運動が生じます。溶媒の熱運動がその源泉なので,ブラウン運動は温度が上がると激しくなります。

2. 界面活性剤が形成するミセルがブラウン運動を観察するのに適した大きさになった。
ブラウン運動はいわゆるコロイドといわれるものよりも小さくても大きくても起こっています。ただ,小さい場合には溶媒分子に衝突されると大きく移動してしまい,まともに観測できません(溶媒分子もぶつかり合ってブラウン運動しています)。逆に大きいと,溶媒分子が衝突しても大して移動しないため,目に見えるレベルでのブラウン運動は見られなくなります。ちなみにブラウン運動を定式化したのはあのアインシュタインさんです。

3.
ア:銀鏡反応 イ:.還元 ウ:アルデヒド
Ag++e-→Agです。アンモニア性にしているのは,アルデヒドは塩基性になるほど還元性が増しますが(OHが+になっているカルボニル炭素を攻撃することが基点です),AgがAg2Oと沈殿していては仕方ないのでアンモニアで錯イオンにしています(この辺はフェーリング液で銅を酒石酸イオンでキレート錯イオンにしているのも同じです)。

酸化されるアルデヒドはRCHO+2OH→RCOOH+H2O+2eなので(Oのついている炭素の酸化数が+1→+3です。構造式で結合ごとに電気陰性度を考えて±を割り振れば出せます),錯イオンであることと中和に注意すると,
RCHO+2[Ag(NH3)2]+2OH→2Ag+RCOO+NH4+H2O+3NH3
という反応式になります。

エ:環状 オ:鎖状 
糖の多くはアルデヒドやケトンの部分でヘミアセタール構造を形成して環状構造になることができます。環状じゃないものは鎖状構造といいますが,環状構造⇔鎖状構造の平衡が成り立っており(グルコースだとα4割弱,β6割強,鎖状ほぼ0です),鎖状構造のときのみアルデヒドがあるので銀鏡反応に関与します。ただ,銀鏡反応で鎖状構造が消費されると平衡が移動するので,結局すべての糖が銀鏡反応で消費されることになります(このため,環状構造になる糖はただの鎖状アルデヒドよりも穏やかに銀イオンと反応します)。
また,ニ糖などになった場合にはヘミアセタール部分(すなわちアルデヒドや還元性を示す一部のケトンに戻る部分)があるのかないのかで還元性が決まります。多糖になると端の部分にはヘミアセタール構造が残っていますが,濃度としては小さくなるため反応性を示さなくなります。

4.
(1)
凝固点降下なので質量モル濃度を計算するだけのお仕事ですが,加水分解であるために溶媒である水の減少も考慮しなければなりません。マルトースのモルをx,不純物のモルをyだとすると,マルトースの両端から1/2モルずつ水が抜けているので,
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(2)
分子量が数十万ならば,単糖繰り返し単位の式量162で割ると,重合度は5000程度であり,両端のHとOHは無視できます。したがって,グルコースのモル数から逆算すると,
162×4.38×10-2=7.0956≒7.10
のデンプンになるので,7.10÷8.00×100=88.75≒89%

5.
光のエネルギーによって液温が上がり,熱運動が激しくなるため,ブラウン運動は激しくなる。

別に光で運動しているわけではなく,溶媒の熱運動がどうなるかなだけです。少し盲点ですが,光はエネルギーを持っているので,溶媒分子が吸収して熱になります。

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テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

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