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東京大学2008年前期数学第6問
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解説


媒介変数の面積なので,やることの手順は決まっています。概形をかいて置換積分で面積を出すだけです。ただ,本問のように,概形は微分しなくとも簡単に求まるものもあります。

まず,面積を求める際にxで積分するかyで積分するかですが,積分の形と,切り口の特定のしやすさで決めます。本問ではxの方が2tでyの方がtであることから,周期はxがyの半分であり,同じxに対して取るyの値(4つあります)の大小関係はyには単調増加関数であるtがかかっているため明白です。したがって,x方向の積分を考えた方がわかり易いでしょう。

0≦2t≦4πなので,x=±1ではtは2つ,それ以外では4つ存在し,sintは0≦t≦πでは0以上,π≦t≦2πでは0以下です。x=cos2t=1-2sin2tであることから,xの値が決まればsintの値は正負の2通りに定まります(0の場合は重解として)。したがって,0≦t≦πでは同じxには同じsintに単調増加関数をかけたものになるので,グラフが(1,0)から出発して戻ってくる曲線が上になります。cos2tの動きは容易に0≦t≦π/2まで単調減少,π/2≦t≦πまで単調増加と分かるので,これだけで積分に必要な概形がかけます(π≦t≦2πも同様に処理でき,帰りが下側にきます)。下図ではyもまじめに描いていますが,yは交わらない範囲で上がってり下がったりしていてもなんら問題はありません。
todai_2008_math_a6_1.png

以上から,上のループは時計回り,下のループは反時計回りなので(参考参照),表記上求める範囲をDとして,
todai_2008_math_a6_2.png

尚,2行目から3行目の変換は元の積分の同じxになるtの差がどちらのループでも同じであることを用いています(sint,sin2tがt=πを軸に奇関数であり,積が偶関数になること,かつ,内部でπ/2および3π/2を軸に奇関数になっているものに線形な関数tをかけているためと考えてもいいでしょう)。

【参考】媒介変数の積分(面積)
yをxで積分する場合(逆なら以下の議論は全て符号が逆です),媒介変数の増加に対して時計回りならば,左(xが負方向)に進む場合は考えている曲線の上側に求めたい領域が来ることになり,曲線より下側は差し引くことになるので,dx/dtが負であることを考慮すればそのまま置換積分を計算すればいいことになります。また,右に進む場合はその逆に曲線より下側を足してやるので,dx/dtが正であることを考慮し,こちらもそのまま置換積分すればいいことになります。

反時計回りならば,足し引きとdx/dtの符号の関係が逆になるので,こちらにはマイナスをかけて置換積分してやれば求められることになります。

参考書に書かれているようにそれぞれの曲線をy1,y2・・・のようにわざわざおいてもいいですが,回り方で4つのループ部分を機械的に符号を決めてやる方がたぶん早いです(まあめんどくさいですけど)。
todai_2008_math_a6_3.png
しかし,もっと複雑になるときれいなループではなく,途中で他のループにぶつかってしまうことがあります。そのような場合(というここちらの考え方が大元ですが),ループ単位でなくとも進む方向に対して右手に求めたい領域がある場合はそのまま,左手にある場合はマイナスをかけて置換積分してやればいいです。赤と青で色をつけておきます。
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テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

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