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東京大学2015年前期化学第2問I
todai_2015_chem_q2_0.png

todai_2015_chem_q2_1.png
todai_2015_chem_q2_2.png

解説

少し目新しい化合物としてヨウ化銅(I)が出てきますが,酸化還元の問題なので酸化数変化さえ分かれば解けてしまうため,東大合格者の中層以上には特に障害にもならないでしょう。でもウの理由記述とか,オカ当たりの計算時間で差はついたかもしれませんね。

ア 2CuSO4+5KI→2CuI↓+KI3+2K2SO4
初めにあるものから酸化数変化があるので(単体が出てくる時点で酸化還元反応です),酸化還元反応として処理してやります。変化したものはCuが+2→+1,Iが-1→0です。したがって,逆比をとって(1:1ですが一応)

CuSO4+KI→Cu+1/2 I2+K+SO42-

となり,ここで沈殿に足りないIを追加し,2倍してやれば,

2CuSO4+4KI→2CuI↓+I2+2K2SO4

注1にI+I2⇔I3を考えろとあるので,

2CuSO4+5KI→2CuI↓+KI3+2K2SO4

となります。

イ CuO
知識として銅を加熱するとCu→CuO→Cu2Oになることを知っているかと思います。知らない場合も,問題文中にある質量変化から決められます。問われている物質は銅より重い酸化物で,かつ,さらに加熱することで質量が減ります。したがって,Cu,CuO,Cu2Oのように変化していることがわかります(一応可能性としてCu→CuO→Cuも考えられますけどね)

ウ CuO Cu2O
理由:
質量が減少し,実験5で三ヨウ化物イオンの褐色が確認できたため。
or
質量が減少し,実験5でヨウ化銅(I)の白色沈殿が確認できたため。

イの解説の通り,Cu→CuO→Cu2Oであり,固体Aの質量減少はCu2Oの生成を意味します。図2-1には数値がなく,すべてがCu2Oになった場合の質量減少量は約1割であるとこから,質量減少によりCuOの有無は特定できません。しかしながら,アで記述した反応が実験5で起こり,Cu(II)の検出が可能なので,CuOの存在が示せます。


硝酸がヨウ化物イオンを酸化して,Cu(II)を測定できないため。

似たようなものに過マンガンカリによる酸化滴定の際に,硫酸ではなく,硝酸や塩酸を用いたらどうなるかというものがあります。大体これ系で問題が出る場合は,定量したいものや定量に用いる薬品と反応してしまうケースです(危険が生じるケースもありますけど)。ということは硝酸の性質と本問が酸化還元であることに鑑みれば,硝酸が酸化剤としてヨウ化物イオンやCu(I)と反応してしまうと推測できます。

オ 1.2×10-3
チオ硫酸ナトリウムの酸化数変化を知っていれば実験4を無視して解くこともできますが,実験4と比の関係で解きます。
todai_2015_chem_a2_1.png

【オ 別解答】
チオ硫酸イオンは酸化されて四チオン酸イオンになります。
todai_2015_chem_a2_2.png
という感じになります。酸化数変化はチオ硫酸イオンの真ん中は+5→+5の変化なし,配位しているSは-1→0となっています(配位結合の酸化数のカウントの仕方は,人によって違う気もしますが,配位で電子対を供与している側が+1,される側が-1,更に原子間の電気陰性度の差で割り振る感じだと実際の電子分布に合うことが多いのでお勧めです。アンモニウムイオンならば,N→Hの部分は配位と電気陰性度が打ち消しあうので,NもHも配位によって酸化数に変化は見られません。つまり,Nは-3のまま,HはHのまま+1です。この辺もほかのHと区別できないところですね)。

つまるところはI2と1:2で反応します。したがってI2は0.1×24÷2=1.2mmol

カ 83%
アの反応式より,CuOは2倍の2.42mmolです。これを全部Cu2Oにすると2.42×16/2≒19.4mg減ります。したがって,300-19.4≒281mgのCu2Oに含まれるCuを出せばいいので,281×127/143 mgのCuがあり,300mgで割って100をかければ,83.2≒83%が得られます。


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テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

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