ひたすら受験問題を解説していくブログ
東京大学2015年前期化学第2問II
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解説

キのSの根拠が難しいのと,シの見慣れない反応を「なんだ、いつもの東大さんか」とスルーできたかどうかですね。計算は普通の感じです。

キ F2>O2>I2>S2
電気陰性度順です。IとSなんてどっちが大きいかは知りませんが,問題文からのかすかな根拠としてはIであったチオ硫酸イオンでIが酸化数-1のSを0に酸化していること,および,(1)の反応式で+4のSを酸化して+6にしているとこが挙げられます。+が増えるほど酸化されにくくなる(あくまでも傾向)にあることからI>Sだと推測できます。
普通にI2とH2Sの反応とか知っていればそれで終わりではありますが。


フッ化水素のみ分子間で水素結合を生じるから。

超有名問題です。言うことなくて暇なので,関連事項をあげておきます。
・HFの水素結合は電気陰性度的にもH2Oより一本あたりは強いですが,本数が違うので沸点は負けています。
・HFの気体は2量体を形成して空気より重くなるので,下方置換で収集します。
・ハロゲン化水素の序列としてよく出てくるものに酸性度があります。HF<<HCl<HBr<HIという酸性度です。
HFは水素結合をするし,Fの半径が小さいためクーロン力が強くて電離しにくいです。HIがHClより強いのはIの半径が大きく,Hが取れやすいからですね。
もうちょっとわかりにくく言えば,電離後のF-とかって半径が小さいので電子密度が高くなり,Hが戻ってきやすいのですが,I-は大きいため-1の電荷が分散して電子密度が小さくなるためHが戻ってきにくいです。

ケ 2F2+2H2O→4HF+O2
Fが誰から奪うかですが,登場人物はF,H+,O2-でOかFしか選択肢がありません。電気陰性度的にOの方が奪うのが楽なのでOからとります。つまり,酸素が出て酸化数変化の比的にも,

2F2+2H2O→4HF+O2

となります。一方,F以外のハロゲンでは酸素様には勝てないので,Clなら同じClで仲間割れして一方が+1,他方が-1になります。この辺は二酸化窒素が溶ける時も同じですね。

コ MnO2+4HCl→MnCl2+Cl2+2H2O
まず水に通じてHClを取り除き,次に濃硫酸に通じて水を除去する。捕集方法は下方置換で集める。

酸化マンガン(IV)は酸性条件でMn2+になり,塩化物イオンは塩素になるので,酸化数変化の比的に,

MnO2+2HCl→Mn2++Cl2+2H++2O2-

です。Oを水にしたいので,足りない水素イオンを2つ足してやります(供給源は塩酸),

MnO2+4HCl→MnCl2+Cl2+2H2O

となります。

精製方法ですが,通じる順番を逆にすると水が混じってしまいます。よくある疑問としては,塩素は水に溶けるのに,何で水に通じていいかですが,HClが共存しているため,塩素が水に溶ける次の平衡が左に偏るためあまり溶けません。

Cl2+H2O⇔HCl+HClO

捕集方法はそもそも水上置換だと水混ざるし,塩素は水に溶けてしまいます。そして塩素は空気より重いです。

サ 4
炭素数20の二重結合有な炭化水素なので,分子量Mは240<M<280(不飽和度1)です。したがって,二重結合数をnとし,整数だと結構おおざっぱなのでBr=80すると,
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6.9と7の比較はBr=80と近似したことで不安になるかもしれませんが,近似の方向を考えれば6.9より小さいのでOKです。

一応,算数っぽくやりましたが,上記式の1行目右にn=4とか3とか適当に入れてみるとn=4だとわかります。

【サ 別解答】
こっちが普通な気もしますが,結構めんどくさいですね。分子量もnの関数として入れてやります。
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シ 1.4×10-2
陽極で出たI2がすぐ(1)の反応でなくなるので,水のある条件では褐色にはならないということです。つまり,水のmolは反応式の比的に,褐色が出るまでに電解で生じたI2のmolになるということです。電子の半分だけI2が生じるので,水の質量は
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エタノールの質量で割って100をかければ,
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