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慶應大学医学部2015年化学第3問
keio_med_2015_chem_q0.png

keio_med_2015_chem_q3.png

解説

全体的に別段難しくないですが,最後の問題が選択肢でなければ難しめです。
3.の構造式がそもそもOの数違ったりエステルになっていなかったり間違っていたようですので直しておきました。

1.
与えられている二酸化炭素と水からC及びHのmolと重さを出します。

C
30.8/44=0.7 mmol
0.7×12=8.4 mg

H
6.3/18×2=0.7 mmol
0.7 mg

したがって,酸素分を引いて求めてやれば,
11.9-8.4-0.7=2.8 mg
2.8/16=7/40

比を求めると,C:H:O=0.7:0.7:7/40=4:4:1となるので,組成式はC4H4Oです。

2.
C4H4O=68だが,エステルなのでOは少なくとも2つ必要。2倍で126となり,3倍以上だと密度が空気の5倍以上になってしまうので,C8H8O2となる。

3.
不飽和度を計算すると(8×2+2-8)÷2=5であり,ベンゼン環で4,エステル結合で1使っており,他は飽和です。したがって,炭素の割り振りだけ考えればOKです。元がカルボン酸,アルコール(フェノール)の順で考えられるのは,ベンゼン環に注意して,
7,1
1,7
2,6
の3通りです。オルトパラなども考えて構造式にすると,以下の6通りになります。
keio_med_2015_chem_a3_4.png

4.
(1)
還元性を示す酸がBなのでというか,酸という情報が無くてもアルコールかエステルで還元性を示すものを考えれば,酸側のギ酸かアルコール側のビニルアルコール系しかありません。飽和度よりBがギ酸確定です。また,Cが塩化鉄(III)の反応よりフェノールではなくアルコールなので,上図の円で囲ったものになります。

(2)示性式:C6H5COOH 化合物名:安息香酸
ベンゼン環についた炭素はCOOHになります(一番目のCにHがあればですが)。

(3)179
カルボキシ基同士の水素結合で二量体を形成しているから。

温度変化=モル凝固点降下×質量モル濃度です。
5.53-5.32=0.21=5.12×0.735/M÷0.1⇔M=512×7.35/21≒179.2≒179

次のような感じで二量体になっています。
keio_med_2015_chem_a3_2.png


(4)ア
2D⇔D2のような平衡になっているので,Dの濃度を高くした場合に会合度がどうなるかを考慮してやる必要があります。Dの初濃度をC,会合度を2αとすると,
D:C(1-2α)
D2:Cα
となります。平衡定数をKとすると,
keio_med_2015_chem_a3_3.png
最後の右辺は分子がαに関して単調増加,分母が単調減少なので,結局αに関して単調増加です。つまり,左辺のCを大きくすればαも大きくなることになります。したがって,会合度2αは大きくなるので,見かけの分子量も大きくなります。

【参考】ルシャトリエがだめな理由
ルシャトリエより右に行くと考えるのは軽率です(○本に書いてあるみたいですね)。ルシャトリエで保証しているのは割合の話ではなく,総量が増えるというだけです。例えば酸の電離の場合,濃度が濃くなると電離度は下がります(本問の解説でいうと,K/Cが左辺になる感じです)。これは結局のところ反応式の係数が左辺と右辺でどちらが大きいか,つまり分母分子のどちらにCが残るのかに依存するものなので,その点に触れないと理由を聞かれていたらアウトです。


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テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

コメント
コメント
2016年の理工学部化学の解説をして頂けたら嬉しいです。
お忙しいとは思いますがぜひよろしくおねがいしますm(_ _)m
2016/02/15(月) 16:10:42 | URL | #KU.fK8B6 [ 編集 ]
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