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東京大学2016年前期化学第1問II
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解説

分圧=全圧×モル分率であること,気液混在なら飽和蒸気圧になることが理解できているかの問題です。クは(1)と(2)で迷った人が多いのかもしれません。


水は酸素と水素間の電気陰性度差によって分子間で水素結合を形成するので,無極性分子のヘキサンよりも分子間力が大きいから。

沸点は粒子間の結合の強さで決まります。一般的に共有結合>イオン,金属>>分子間力(水素結合>極性ありファンデルワールス力>極性なしファンデルワールス力)です。
結合が強くなるのは,共有結合は電子雲の重なりが大きいもの(結合次数が多いものも含む),イオンは価数(分極の度合いも考慮)が大きく距離が近いもの,金属は価数が大きく距離が近いもの,分子間力は極性が高く(水素結合を含む)分子量が大きく接触面積が大きいものです。

融点は結合の強さに加えて粒子の対称性が重要です。対称性が高いものほど色々な方向から固体に入りやすいので(結晶に入れる方向は決まっています),融解平衡の固体に行く方向が優位になり,融点は高くなります。この例としては,ただのペンタンと十字になっているペンタンの融点差や,アルカンの融点が偶奇でジグザグに増加していくことが有名です。

カ 78℃
水の分圧が飽和蒸気圧になる点です。全部気体ならモル分圧になっているので,全圧一定ならば一定の分圧です。水の分圧は

1.0×105×0.1/(0.1+0.1+0.31)=0.454×105

なので,グラフより78か79℃です。

キ 2.3×10-2
すべて気体のものはモルの尺度として扱えます。55℃の段階ではヘキサンと窒素です。分圧がすぐわかるヘキサンを尺度にするのが普通でしょう。
ヘキサンの分圧はグラフより0.65×105で,水の分圧は0.15×105です。ヘキサンは0.1モルのままなので,
0.1×0.15/0.65≒2.3×10-2
となります。

ク (1)
操作1ではすべて気体であり,モル分率は一定なので分圧も一定である。操作2では水が凝縮により気体の全モルが減り,ヘキサンと窒素の分圧は増加する。増加分はヘキサンと窒素のモル比で分配されるので,水の分圧が下に凸であることから,ヘキサンの分圧は上に凸になる。操作3ではヘキサンは気液混在なので蒸気圧曲線に乗るから。

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テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

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