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東京大学2016年前期生物第2問I
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解説

特に難しい考察もなく,解きやすい問題です。実験結果は結果の違いと条件の違いを対比させましょう。

A 1 共生 2 根端分裂 3 茎頂分裂 (2,3は順不同)
1 葉緑体やミトコンドリアはそれぞれシアノバクテリアと好気性細菌が真核細胞に取り込まれて共生したものです。ちなみに核などの膜構造は細胞膜の陥入でできたといわれており,核とミトコンドリアの成立順序は不明ですが,ミトコンドリア→葉緑体であることはすべての真核生物にミトコンドリアが存在することからわかります。

2,3 未分化の細胞と言えば答えの頂端分裂組織と形成層です。

B
酸素による有機物の酸化でエネルギーを得る好気性生物の進化を可能にした。

完全な酸化が可能になり,同量の有機物で多くのATPを合成できるようになりました。それと同時に活性酸素による問題も生じているので一長一短ではあります。

C 白色体 (アミロプラスト,エライオプラスト,プロテイノプラスト,有色体も可)
有色体はカロテノイドなどの色素を多く含みます。アミロプラストはでんぷんの合成と貯蔵です。
白色体は広義には白ければなんでもいいのでアミロプラストとかエライオプラスト(脂質の貯蔵)を含みますが,狭義には別のものでモノテルペンの合成です。
これらの元が同じなのがびっくりです。

D 6 プロモーター 7 リボヌクレオシド三リン酸(NTP)
転写の際にRNAポリメラーゼが結合する部分と言ったらプロモータです。RNAはNTPの高エネルギーリン酸結合を利用しつつ5'のリン酸と3’のヒドロキシ基間でリン酸エステル結合を形成して作られます。

E
葉緑体への移行と局在化を指示する機能を有する。

領域Iがあるときのみ葉緑体に存在するので,この部分にシグナルペプチドが含まれます。シグナルペプチドは行き先(格,ミトコンドリア,小胞体など様々)によって決まったアミノ酸配列であり,受容体によって認識され,役目を終えたら切断されて除去されます。

F 葉緑体の形成には色素体のリボソームで合成されるタンパクが不可欠である。
実験2では色素体のリボソームを阻害しているので,そこで翻訳されているタンパク質が作られなくなります。実験結果によると作られなかった場合には葉緑体は形成できていません。

G (a) 8 B 9 A (b)オイアエウ

rpoAを破壊するとPEPコアサブユニットがダメになるので,PEPの機能がダメになります。つまり,野生株で+で破壊株で-のものはPEPによって転写されているタンパクだと言えます。つまり,タイプAがPEPによって転写されます。したがって,タイプBはNEPによる転写です。
PEPのサブユニットであるrpoBがNEPによって転写されていること,および,破壊株でもタイプBは合成されていることから順序が決まります。

ちなみに,破壊株でタイプBの合成が野生株より大きいことはPEPができないためのフィードバックか,リソースがそこにしか割けないからでしょう。


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テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

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