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東京大学2017年前期化学第1問
todai_2017_chem_q1_1.png
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解説

第1問に有機とは珍しいですが,分量も圧倒的に少なく,内容もほとんど引っかかるところはない問題です。キが吸水性ポリマーの記述問題を丸暗記だと引っかかるぐらいです。

ア a:塩化カルシウム b:酸化カルシウム(水酸化カルシウム)
aは水だけを吸収しなければならないので,中性もしくは酸性の乾燥剤で,実際に使っている塩化カルシウムを書けばよいでしょう。
bは普段はソーダ石灰(酸化カルシウムを水酸化ナトリウム水溶液に浸して加熱乾燥)を使っていますが,化合物名で答えろとあるので,主成分である水酸化カルシウム(酸化カルシウムが水と反応しています)もしくは酸化カルシウムでしょう。

イ C4H6O2
1モルつまり86gのAを燃焼させると,2×27gの水つまり2×27/9=6モルのH,2×88gの二酸化炭素つまり2×88/44=4モルの炭素が存在します。酸素は86-6×1-12×4=32gであり,32/16=2モルです。


分子式から不飽和度を計算すると(2×4+2-6)÷2=2となります。エステルなので無条件で1使用し,炭素-炭素二重結合を持つので他に不飽和はありません。
炭素骨格を考えると,C3がカルボン酸であり,C1がアルコールだとわかります。よって,C3側にしか二重結合はありえないので,次の構造式に確定します。
todai_2017_chem_a1_1.png


不飽和度1のカルボン酸です。炭素の骨格を決めてから二重結合とか考えると楽かと思います。
todai_2017_chem_a1_2.png


エステルを加水分解で不安定と言えばアルコールのヒドロキシ基が二重結合のとなりだというアレです。Aとして考えられるものには次のものがありますが,ホルミル基を持たないので左のものになります。
todai_2017_chem_a1_3.png

加水分解して,エノールからアルデヒドへの変化も考えれば,
todai_2017_chem_a1_4.png

カ 1.0×103
共重合はまとまった比ごとに繰り返しとして考えるのが有効です。2×アクリロニトリル+A=2×53+86=192なので,Nの数はアクリロニトリルつまり繰り返し単位の2倍であることに注意して,9.6×104÷192×2=1.0×103


カルボン酸を多数持ち,カルボン酸が水素結合により水を捉えるから。

もしかして問題文ではけん化が正しいのでしょうか?吸水性ポリマーと言えばカルボン酸Naを持つものが代表的で,こちらは電離によるカルボン酸イオンの反発で網目構造が大きくなる,および,ナトリウムイオンがその網目構造に入ってきた水に溶けているので,浸透圧で水を吸収するという有名記述問題だったりしますが。
尚,浸透圧を利用したポリマーでは高張液ほど吸収しにくくなります。

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テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

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